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第一章 スティアと日記帳
六話
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今日は、レオお兄さまとお父さまがお帰りになる日だわ。
日記帳に書いてある通り私だけ何も聞かされていないわ。でも、偶然を装って玄関へ向かいレオお兄さまとお父さまを出迎えるのよ!
「スティア!?なぜここに!部屋へ戻りなさい!」
レオお兄さまとお父さまが帰ってくる直前に玄関へ向かうと案の定2人だけで出迎えようとスタンバイしているミラとお義母さまがいた。
「いえ、戻りませんわ。本日はレオお兄さまとお父さまが帰っていらっしゃる日。私もお出迎えさせて頂きますわ。」
「そんなことないわよ!良いから部屋へ戻りなさい!」
私の言葉に顔を青くしたお義母さま。それは、合っていると言っているようなものですわ。
「早く戻りなさいよ!」
ミラが私の肩を思いっきり押す。
『お取り込み中失礼致します。辺境伯とレオン様のご帰還でございます。』
「チッ…」
お義母さまとミラは悔しそうな顔をして玄関の方へ向き直る。
ふん、こうなることを見越してギリギリに来たのよ。思い通りにいって良かったわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
何ヶ月ぶりかの屋敷に、もう直ぐティアに会えると思うと楽しみでつい早足になる。
「「「お帰りなさいませ。」」」
屋敷のドアが開かれると義母のナタリーとその娘のミラから少し離れた場所にティアが居た。
「お帰りなさい!レオお兄さま!」
「ああ、ただいま。」
走り寄ってくるティアの頭を撫でる。
僕が屋敷を出てから少し痩せただろうか?
少し顔色が悪くなっている気がする。
「うむ。ただいま帰った。変わりないか?」
「ええ!何も変わりはありませんわ!」
「お父さま!お土産はどこですの!?」
帰宅早々、土産の催促か。
あの2人は本当に変わらないな。醜い。
「ああ、お前らが喜びそうなものを沢山買ってきた。…ん?ミラ、そのドレスは…」
「とても似合っているでしょう!今日のために用意したのよ!」
「ああ、とてもよく似合っている。」
嘘つけ!そのドレスはティアのものだろう。
ティアが一番大切にしていたドレスだ。
「ティア…帰ってきて早々だが、僕の部屋でお茶でもどうかな?ティアに話したいことたくさんあるんだ。」
「ええ!喜んで!」
ミラが着るドレスを悲しそうに見つめているティアをお茶に誘った。
ティアは直ぐ笑顔になったけど、僕は胸が痛む。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「さあ、ティア。話してくれるかい?何故ミラがあのドレスを着ているのか。」
紅茶が入るとレオお兄さまは使用人を下がらせてから聞いてきた。
レオお兄さまは気づいていたのね…
「あのドレスは…ミラにあげました。とても欲しがっていたので。」
レオお兄さまに心配をかけたくない一心で嘘をつく。
「本当にそうなのかい?あのドレスはお母さまからのプレゼントで、ティアが一番大切にしていたドレスだろう?…本当のことを話してくれないか?…ティア、本当のことを話せないほど僕は信用がないのかな?」
レオお兄さまの傷ついた顔。
私はそんな顔をさせたかったわけじゃないのに…
「ティア…僕には我慢しなくて良いだよ。
僕とティアの間に隠し事はなしだよ…」
レオお兄さまの手、暖かいわ…
何故、こんなに安心するの…
「ごめんなさい…私…レオお兄さまにご心配をおかけしたくなくて…ウソつきました…」
私は泣きながら今までのことを話した。
レオお兄さまはずっと頭を撫でてくださった。
「話してくれてありがとう。辛かったね…よく頑張ったね。…ティアごめんね。僕が早く立派になってティアのこと必ず救い出すから!僕のこと信じて待っていて。」
レオお兄さま…肩が震えているわ…
ああ、大好きなレオお兄さま…私は…ただレオお兄さまに幸せになって頂きたいだけなのに…
私はいつも足を引っ張って、ご心配をおかけしてばかりだわ…
「ありがとうございます。レオお兄さま。でも、大丈夫です。私は大好きなレオお兄さまが幸せでしたら何でも良いのです。だから、私のことは気にせずに。無理は絶対なさらないで下さい。」
「馬鹿だな…僕の幸せはティアがいなきゃ成り立たないんだよ。だから、自分の事は気にしないでとか言わないでくれ…」
「はい。レオお兄さま。」
暖かいわレオお兄さまに抱きつく。
いつものレオお兄さまの爽やかなシトラスの香りに包まれる。凄く凄く安心するわ…
「落ち着いたかな?ティアにお土産があるんだ。」
しばらく抱きしめ合っていたが、レオお兄さまが切り替えるように包紙を取り出した。
「これは…ノートですか?とっても素敵です!ありがとうございます、レオお兄さま!」
日記帳と同じノートだわ…
やはり、あの日記帳は私の日記帳なのね…
「落ち着いた素敵な赤だろう?あちらは良質な革が取れる事で有名なんだよ。ティア…裏を見てごらん。職人に頼んで名前を彫って貰ったんだ。僕とお揃いだよ。」
そこには、レオお兄さまは名前が彫られた同じ新品の赤いノートを見せて下さった。
私のノートと全く同じだわ!
あのノートはレオお兄さまとお揃いだったのね!
「素敵…レオお兄さまとお揃いなんてとても嬉しいですわ!私、このノート、日記帳に致しますわ!楽しいことをたくさん残して次レオお兄さまと会えた時に沢山お話しします!」
私の手元にある日記帳は、暗い話ばかりになってしまったけど、今回は楽しいことを沢山書くわ!
せっかくレオお兄さまとお揃いなんですもの!
暗いことばかり書いていたら勿体ないわ!
「ああ、それはとても良いね。僕もそうするよ。」
レオお兄さまが嬉しそうに頭を撫でて下さる。
それから、夕ご飯の時間を挟んで沢山レオお兄さまとお話しした。
レオお兄さまは自分が話した分だけ私の話も聞きたがった。
私は、お庭に咲いたお花やお屋敷に来る猫の話をした。
何でもない話だったけどレオお兄さまはとても楽しそうに聞いてくださった。
私たちは離れていた時間を埋めるように寄り添って離れなかった。
「もっとティアと話していたいけど、そろそろ寝る時間だね。続きはまた明日にしよう。」
「はい。お休みなさいレオお兄さま。」
レオお兄さまとのお話しに夢中で気づかなかったけどもうこんな時間なのね…
残念だけど…仕方ないわ。
私は渋々うなずく。
「あ、待って、ティア。これ、カイルから渡せって言われてたんだけど。忘れるところだったよ。」
それは!頼んでいたものだわ!
私は、掴んでいたドアノブを離してレオお兄さまの所へ走る。
「ありがとう!レオお兄さま!良かったわ!カイお兄さまに頼んでいたの!」
「カイ…お兄さま…?」
フタを開けると可愛い銀細工の猫のブローチが入っていた。
「ティ「あら、カードが入っているわ…」
『ティアへ
約束の品、受け取っておいたぞ。
もう一つの星と滴のブローチは俺からのプレゼントだ。説明書と換えの鉱石も中に入ってるからな。
また、一緒に出かけような!
カイお兄さまより』
まあ、自分でカイお兄さまなんて…余程嬉しかったのね。
素敵なブローチだわ…!私の名前をモチーフにしているのね!
「ちょっと!良いかな!?」
は!ブローチに夢中になり過ぎてレオお兄さまのこと忘れていましたわ。
レオお兄さまに肩を掴まれてハッとした。
「これが、何なのかとか、どうしてカイルのことカイお兄さまって呼んでいるのかとか、このカードのこととか…沢山聞きたいことあるんだけど…勿論教えてくれるよね?」
ひぃ…レオお兄さまの目が笑っていませんわ…!
これは、かなりお怒りですわね…
「えーと、もう寝る時間ですわね…そのお話は後日…」
取り敢えず時間を稼いで作戦を立てないといけませんわ!
あわよくば、このままなーなーにして…
「まさか、ここで誤魔化して、あわよくば、このままなーなーにしようとか考えてないよね?…寝る時間なら大丈夫。明日は何もないし少しくらい夜更かししても誰も怒らないよ。」
レオお兄さまに完全に思考を読まれていますわ!
「明日!ちゃんと話しますわ!」
取り敢えず時間稼ぎだけは…!
「ん?明日話すのも今日話すのも大差ないよね?それとも何?何か言えない事情があって言い訳を考えるのに時間が必要なの?…良いティア?ティアには、今、2つの選択肢がある。1つ目は、このまま大人しく僕の聞きたいことに答える。2つ目は、答えずにこの部屋で僕と見つめ合いながら夜を明けるか…」
徹夜は辛いけど…夜が明ければ解放してもらえるなら…
「ああ、勘違いしないでね。いくら夜が明けても話すまではこの部屋から出れないよ。僕もティアも。」
さあ、どうする?僕は別にどっちでも良いけど。ととても良い笑顔で迫ってくるレオお兄さまに答えは1つしかありませんわ!
私は潔く、そして大人しく、街へひとりで出掛けたこと、そこでカイお兄さまに出会ったこと、後日、カイお兄さまとアルとお出かけしたこと、このブローチの鉱石がゼネラルストーンで何使うのかと言うこと、カフェや馬車で話した内容まで話すことになった。
やっと解放された頃にはすっかり夜もふけていて、今日はここで寝なよ。とやけにスッキリした笑顔のレオお兄さまと手を繋いで寝たのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
愛しのティアが布団の中で寝息をたてている。
僕はそっと手を離して肩まで布団をかけてあげる。
「次こそは僕が絶対に幸せにするからね。」
ティアの額にキスをひとつ落とすと、
僕は鞄から取り出した年季の入った赤い革に手を滑らせた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただきありがとうございます!
第六話どうでしたか?
ついに、レオンが帰ってきましたね。このお兄ちゃん何やら訳ありのようです。
ちなみに、優しくて腹黒のお兄ちゃんはマンドラゴラの趣味です。
マンドラゴラの優しくて腹黒のお兄ちゃんが欲しいと言う欲望から生まれました。
マンドラゴラお気に入りのひとりです。
作中の補足ですが、スティアの名前の由来は、
『ステラ(星)+ティア(涙)=スティア』です。
スティアが生まれた時、窓の外に流星群が流れていたのを見た母ソフィアが「流星は神さまの涙なのよ。きっと貴女が生まれてきて嬉し泣きをして下さっているのね。」と言った所からきています。
どこで知ったのか、カイルはそんなスティアの名前の由来から星と滴のブローチを作ったんですね。
この後、閑話を挟むと遂に2章日記帳のスティアという過去編に入ります。
これからも、是非、《一難去ってまた一難!?元悪役令嬢の受難の日々はまた難易度を上げる》をお願い致します!
日記帳に書いてある通り私だけ何も聞かされていないわ。でも、偶然を装って玄関へ向かいレオお兄さまとお父さまを出迎えるのよ!
「スティア!?なぜここに!部屋へ戻りなさい!」
レオお兄さまとお父さまが帰ってくる直前に玄関へ向かうと案の定2人だけで出迎えようとスタンバイしているミラとお義母さまがいた。
「いえ、戻りませんわ。本日はレオお兄さまとお父さまが帰っていらっしゃる日。私もお出迎えさせて頂きますわ。」
「そんなことないわよ!良いから部屋へ戻りなさい!」
私の言葉に顔を青くしたお義母さま。それは、合っていると言っているようなものですわ。
「早く戻りなさいよ!」
ミラが私の肩を思いっきり押す。
『お取り込み中失礼致します。辺境伯とレオン様のご帰還でございます。』
「チッ…」
お義母さまとミラは悔しそうな顔をして玄関の方へ向き直る。
ふん、こうなることを見越してギリギリに来たのよ。思い通りにいって良かったわ。
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何ヶ月ぶりかの屋敷に、もう直ぐティアに会えると思うと楽しみでつい早足になる。
「「「お帰りなさいませ。」」」
屋敷のドアが開かれると義母のナタリーとその娘のミラから少し離れた場所にティアが居た。
「お帰りなさい!レオお兄さま!」
「ああ、ただいま。」
走り寄ってくるティアの頭を撫でる。
僕が屋敷を出てから少し痩せただろうか?
少し顔色が悪くなっている気がする。
「うむ。ただいま帰った。変わりないか?」
「ええ!何も変わりはありませんわ!」
「お父さま!お土産はどこですの!?」
帰宅早々、土産の催促か。
あの2人は本当に変わらないな。醜い。
「ああ、お前らが喜びそうなものを沢山買ってきた。…ん?ミラ、そのドレスは…」
「とても似合っているでしょう!今日のために用意したのよ!」
「ああ、とてもよく似合っている。」
嘘つけ!そのドレスはティアのものだろう。
ティアが一番大切にしていたドレスだ。
「ティア…帰ってきて早々だが、僕の部屋でお茶でもどうかな?ティアに話したいことたくさんあるんだ。」
「ええ!喜んで!」
ミラが着るドレスを悲しそうに見つめているティアをお茶に誘った。
ティアは直ぐ笑顔になったけど、僕は胸が痛む。
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「さあ、ティア。話してくれるかい?何故ミラがあのドレスを着ているのか。」
紅茶が入るとレオお兄さまは使用人を下がらせてから聞いてきた。
レオお兄さまは気づいていたのね…
「あのドレスは…ミラにあげました。とても欲しがっていたので。」
レオお兄さまに心配をかけたくない一心で嘘をつく。
「本当にそうなのかい?あのドレスはお母さまからのプレゼントで、ティアが一番大切にしていたドレスだろう?…本当のことを話してくれないか?…ティア、本当のことを話せないほど僕は信用がないのかな?」
レオお兄さまの傷ついた顔。
私はそんな顔をさせたかったわけじゃないのに…
「ティア…僕には我慢しなくて良いだよ。
僕とティアの間に隠し事はなしだよ…」
レオお兄さまの手、暖かいわ…
何故、こんなに安心するの…
「ごめんなさい…私…レオお兄さまにご心配をおかけしたくなくて…ウソつきました…」
私は泣きながら今までのことを話した。
レオお兄さまはずっと頭を撫でてくださった。
「話してくれてありがとう。辛かったね…よく頑張ったね。…ティアごめんね。僕が早く立派になってティアのこと必ず救い出すから!僕のこと信じて待っていて。」
レオお兄さま…肩が震えているわ…
ああ、大好きなレオお兄さま…私は…ただレオお兄さまに幸せになって頂きたいだけなのに…
私はいつも足を引っ張って、ご心配をおかけしてばかりだわ…
「ありがとうございます。レオお兄さま。でも、大丈夫です。私は大好きなレオお兄さまが幸せでしたら何でも良いのです。だから、私のことは気にせずに。無理は絶対なさらないで下さい。」
「馬鹿だな…僕の幸せはティアがいなきゃ成り立たないんだよ。だから、自分の事は気にしないでとか言わないでくれ…」
「はい。レオお兄さま。」
暖かいわレオお兄さまに抱きつく。
いつものレオお兄さまの爽やかなシトラスの香りに包まれる。凄く凄く安心するわ…
「落ち着いたかな?ティアにお土産があるんだ。」
しばらく抱きしめ合っていたが、レオお兄さまが切り替えるように包紙を取り出した。
「これは…ノートですか?とっても素敵です!ありがとうございます、レオお兄さま!」
日記帳と同じノートだわ…
やはり、あの日記帳は私の日記帳なのね…
「落ち着いた素敵な赤だろう?あちらは良質な革が取れる事で有名なんだよ。ティア…裏を見てごらん。職人に頼んで名前を彫って貰ったんだ。僕とお揃いだよ。」
そこには、レオお兄さまは名前が彫られた同じ新品の赤いノートを見せて下さった。
私のノートと全く同じだわ!
あのノートはレオお兄さまとお揃いだったのね!
「素敵…レオお兄さまとお揃いなんてとても嬉しいですわ!私、このノート、日記帳に致しますわ!楽しいことをたくさん残して次レオお兄さまと会えた時に沢山お話しします!」
私の手元にある日記帳は、暗い話ばかりになってしまったけど、今回は楽しいことを沢山書くわ!
せっかくレオお兄さまとお揃いなんですもの!
暗いことばかり書いていたら勿体ないわ!
「ああ、それはとても良いね。僕もそうするよ。」
レオお兄さまが嬉しそうに頭を撫でて下さる。
それから、夕ご飯の時間を挟んで沢山レオお兄さまとお話しした。
レオお兄さまは自分が話した分だけ私の話も聞きたがった。
私は、お庭に咲いたお花やお屋敷に来る猫の話をした。
何でもない話だったけどレオお兄さまはとても楽しそうに聞いてくださった。
私たちは離れていた時間を埋めるように寄り添って離れなかった。
「もっとティアと話していたいけど、そろそろ寝る時間だね。続きはまた明日にしよう。」
「はい。お休みなさいレオお兄さま。」
レオお兄さまとのお話しに夢中で気づかなかったけどもうこんな時間なのね…
残念だけど…仕方ないわ。
私は渋々うなずく。
「あ、待って、ティア。これ、カイルから渡せって言われてたんだけど。忘れるところだったよ。」
それは!頼んでいたものだわ!
私は、掴んでいたドアノブを離してレオお兄さまの所へ走る。
「ありがとう!レオお兄さま!良かったわ!カイお兄さまに頼んでいたの!」
「カイ…お兄さま…?」
フタを開けると可愛い銀細工の猫のブローチが入っていた。
「ティ「あら、カードが入っているわ…」
『ティアへ
約束の品、受け取っておいたぞ。
もう一つの星と滴のブローチは俺からのプレゼントだ。説明書と換えの鉱石も中に入ってるからな。
また、一緒に出かけような!
カイお兄さまより』
まあ、自分でカイお兄さまなんて…余程嬉しかったのね。
素敵なブローチだわ…!私の名前をモチーフにしているのね!
「ちょっと!良いかな!?」
は!ブローチに夢中になり過ぎてレオお兄さまのこと忘れていましたわ。
レオお兄さまに肩を掴まれてハッとした。
「これが、何なのかとか、どうしてカイルのことカイお兄さまって呼んでいるのかとか、このカードのこととか…沢山聞きたいことあるんだけど…勿論教えてくれるよね?」
ひぃ…レオお兄さまの目が笑っていませんわ…!
これは、かなりお怒りですわね…
「えーと、もう寝る時間ですわね…そのお話は後日…」
取り敢えず時間を稼いで作戦を立てないといけませんわ!
あわよくば、このままなーなーにして…
「まさか、ここで誤魔化して、あわよくば、このままなーなーにしようとか考えてないよね?…寝る時間なら大丈夫。明日は何もないし少しくらい夜更かししても誰も怒らないよ。」
レオお兄さまに完全に思考を読まれていますわ!
「明日!ちゃんと話しますわ!」
取り敢えず時間稼ぎだけは…!
「ん?明日話すのも今日話すのも大差ないよね?それとも何?何か言えない事情があって言い訳を考えるのに時間が必要なの?…良いティア?ティアには、今、2つの選択肢がある。1つ目は、このまま大人しく僕の聞きたいことに答える。2つ目は、答えずにこの部屋で僕と見つめ合いながら夜を明けるか…」
徹夜は辛いけど…夜が明ければ解放してもらえるなら…
「ああ、勘違いしないでね。いくら夜が明けても話すまではこの部屋から出れないよ。僕もティアも。」
さあ、どうする?僕は別にどっちでも良いけど。ととても良い笑顔で迫ってくるレオお兄さまに答えは1つしかありませんわ!
私は潔く、そして大人しく、街へひとりで出掛けたこと、そこでカイお兄さまに出会ったこと、後日、カイお兄さまとアルとお出かけしたこと、このブローチの鉱石がゼネラルストーンで何使うのかと言うこと、カフェや馬車で話した内容まで話すことになった。
やっと解放された頃にはすっかり夜もふけていて、今日はここで寝なよ。とやけにスッキリした笑顔のレオお兄さまと手を繋いで寝たのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
愛しのティアが布団の中で寝息をたてている。
僕はそっと手を離して肩まで布団をかけてあげる。
「次こそは僕が絶対に幸せにするからね。」
ティアの額にキスをひとつ落とすと、
僕は鞄から取り出した年季の入った赤い革に手を滑らせた。
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最後までお読みいただきありがとうございます!
第六話どうでしたか?
ついに、レオンが帰ってきましたね。このお兄ちゃん何やら訳ありのようです。
ちなみに、優しくて腹黒のお兄ちゃんはマンドラゴラの趣味です。
マンドラゴラの優しくて腹黒のお兄ちゃんが欲しいと言う欲望から生まれました。
マンドラゴラお気に入りのひとりです。
作中の補足ですが、スティアの名前の由来は、
『ステラ(星)+ティア(涙)=スティア』です。
スティアが生まれた時、窓の外に流星群が流れていたのを見た母ソフィアが「流星は神さまの涙なのよ。きっと貴女が生まれてきて嬉し泣きをして下さっているのね。」と言った所からきています。
どこで知ったのか、カイルはそんなスティアの名前の由来から星と滴のブローチを作ったんですね。
この後、閑話を挟むと遂に2章日記帳のスティアという過去編に入ります。
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