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第二章 日記帳のスティア
閑話 運命の女神さま
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私がサクラ寮付きのメイドになったのは、食べ盛りの弟や妹たちにお腹いっぱいご飯を食べて欲しかったからだった。
それに、エレノア学院は貴族位を持った子息であれば通うことが許されているが、貧乏子爵家の私は通うことが出来ず憧れの場所でもあったから死ぬまでに一度は行ってみたかった。
そんな、エレノア学院に通うだけあって、入寮してくる御令嬢たちはもれなく良いところの御令嬢たちだ。
そんな御令嬢たちを羨ましく思いながらも必死に働いて仕送りをし続けた。
実家からは、感謝の手紙や兄弟たちの成長を伝える手紙が届く。
それを支えに働くこと6年目。
私の運命を変える御令嬢と出会う事になった。
名前は、スティア・アストンフォーゲル辺境伯令嬢。
薄い太陽を透かしたような金髪と翡翠の瞳が印象的な美しい御令嬢だ。
スティア様は、社交界では随分な言われようだが、実際にお会いすると礼儀正しく、真面目で心根の優しい方だった。
社交界での噂などあてにならない。
そう信じるのは、私も貧乏子爵の山猿令嬢と社交界で言われているからかもしれない。
やはり、自分の目で確かめて、自分が感じることを大切にするべきだ。
スティア様と過ごして改めて実感した。
「ねえ、ララ。ララはどうしてサクラ寮付きのメイドになったの?」
何時もの談笑時間。
スティア様はふとそんなことを聞いた。
スティア様は御自分のお話もされるが、私のことも知ろうとして下さる方だった。
「私がサクラ寮付きのメイドになったのは食べ盛りの弟や妹たちにお腹いっぱいご飯を食べて欲しかったからです。
私の生まれはフェラーロ王国の最北端にある小さな子爵領なのですが、死の湖という生物が住むことの出来ない湖を抱えている上に土壌も悪く作物が育ち難い土地なのです。
そんな状況ですから勿論、領地は貧乏で領主であろうが畑仕事をする様なギリギリの領地です。
私には、歳の離れた弟が2人と妹が2人いて、皆んな可愛い私の兄弟です。
そんな兄弟たちにお腹いっぱいご飯を食べて欲しいと思っていた矢先に見つけたエレノア学院の寮付きメイドの仕事だったのです。
そこで運良く拾って頂いたのです。」
「ごめんなさい。言いづらいことを言わせてしまったわね…」
「いえ、私もスティア様に聞いて頂きたかったのです。お気になさらず。」
「それにしても、生物が住むことのない死の湖…んー…っ!ララ、その湖についてもう少し詳しく教えて頂けないかしら?」
顎に手を当てて考え込んでいたスティア様が身を乗り出す。
普段は大人しいスティアとの違いに驚きはしたが、知り得る限りの情報を話した。
「…実物を見ていないから確かなことは言えないけれど、その湖はもしかしたら塩湖かもしれないわ!領の港に来ている異国の船員からそんな話を聞いたとレオお兄さまが言っていたわ。とても興味深いお話だったから良く覚えているわ。」
「エンコ…ですか…?」
聞いたことのない言葉ね…
スティア様は凄く嬉しそうだけれど…
「塩湖と言うのはね、塩分…つまり塩を含んだ湖のことよ。生物が住むことのないと言うことは海よりも遥かに高い塩分濃度の湖なのかもしれないわ。塩を含みすぎる水には生物は住めないもの。
良い湖をもったわね!」
「塩湖…ですが、それがどう良いのですか?」
「塩湖からは、良質な塩が取れるのよ!
フェラーロ王国は海のない内陸国。塩はマセラート王国からの輸入に頼っている状況よ。
運送費もかかるし、複数の商会を通す事によって手数料もかかっているわ。
でも、そんな塩がフェラーロ王国内で取れたらどうなるかしら?」
「!それは、とても重宝されます!」
「そうなの!ララの領地は莫大な可能性を秘めているのよ!確か、レオお兄さまが塩湖に関する本を持っていはずだわ。
お譲り頂けるよう交渉してみるわね。」
スティア様はその翌日には塩湖に関する本を頂いてきて下さり更に詳しく説明をして下さった。
私はその内容を基に実家へ手紙を書き、塩湖に関する本とともに送った。
実家から帰ってきた手紙には、死の湖は塩湖だったと言うことが書かれていた。
更に塩湖に可能性を見出した王宮から資金援助と人的援助を受けられる事になり、領地では急ピッチで採塩事業を進めていると言う。
出来た塩は王宮御用達として取引され、子爵領の特産品になるとも書かれていた。
「スティア様のおかげです!本当になんと御礼を申し上げれば良いか…」
「良いのよ、御礼なんて…
ララにはいつもお世話になっているし、大した事はしていないですもの。
こんな良い結果になったのはララや御家族、領民の努力の結果ですわ。」
私が御礼を伝えるとスティア様は照れたように笑って、領の成果を喜んでくれた。
それから、数ヶ月経って初めての塩が取れたと実家から連絡があった。
評価は上々なようで、売り上げ金で農具を新調できたと書かれていた。
また、顔が見たいと帰省できるだけのお金も同封されていた。
凄く嬉しくて久しぶりに泣いてしまった。
翌日に、スティア様に伝えると凄く喜んで下さって是非、行ってきなさい。と手土産まで持たせてくれた。
私は、6年ぶりに実家へ帰れる事になった。
少し早いサマーバケーションをとった帰省から戻ると学院は閑散としていた。
ほとんどの学院生はサマーバケーションになると帰省するからだ。
スティア様はと言うとどうやら帰省されなかったようだ。
お兄さまであるレオン様も同様で、おふたりは毎日アフタヌーンティーを御一緒している。
いつもなら楽しそうにしておられるスティア様がどこか心ここに在らずという様子であったためお話を聞いてみるとどうやらアリーヤ王子殿下に恋をしたようだった。
顔を赤らめて話すスティア様は恋する乙女の表情でとても可愛らしかった。
恋心を自覚したスティア様はどんどんお綺麗になっていった。
笑顔が増えて明るくなられて、より一層勉学に励むようになった。
私は、その御姿がとても嬉しかった。
スティア様の幸せが私の幸せになっていくのを感じた。
スティア様は私にとって運命の女神様だ。
どうか大切な大切なスティア様がこれからもずっと楽しく幸せに暮らせますように。
私は、この幸せがずっと続いていくのだとそう信じてやまなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読み頂きありがとうございます!
本日は余裕を持って投稿できました!
今回は、エレノア学院でスティアの担当メイドをしているララ目線のお話でした。
ララは、貧乏な子爵令嬢ですが、家族のことをとても大切に思っていて、家族のためなら何でもできる、社交界で悪く言われようが気にしない芯の通った強い女性をイメージして書きました。
ララにとってスティアは大切な恩人であるとともに大切な妹のような存在でもあります。
スティアもララのことを頼れるお姉さんのように思っていてララには何でも相談しているようです。
学院ではひとりぼっちのスティアですが、寮に帰ればララがいたのでめげずに頑張れたのかも知れません。
マンドラゴラもララの様な素敵な女性になりたいものです。
さて、次回は遂にミラが学園に入学します。
スティアの断罪まで後1年を切りましたね。
ここからの話は暗い暗い暗い話となりますがどうかお付き合いくださいませ!
それに、エレノア学院は貴族位を持った子息であれば通うことが許されているが、貧乏子爵家の私は通うことが出来ず憧れの場所でもあったから死ぬまでに一度は行ってみたかった。
そんな、エレノア学院に通うだけあって、入寮してくる御令嬢たちはもれなく良いところの御令嬢たちだ。
そんな御令嬢たちを羨ましく思いながらも必死に働いて仕送りをし続けた。
実家からは、感謝の手紙や兄弟たちの成長を伝える手紙が届く。
それを支えに働くこと6年目。
私の運命を変える御令嬢と出会う事になった。
名前は、スティア・アストンフォーゲル辺境伯令嬢。
薄い太陽を透かしたような金髪と翡翠の瞳が印象的な美しい御令嬢だ。
スティア様は、社交界では随分な言われようだが、実際にお会いすると礼儀正しく、真面目で心根の優しい方だった。
社交界での噂などあてにならない。
そう信じるのは、私も貧乏子爵の山猿令嬢と社交界で言われているからかもしれない。
やはり、自分の目で確かめて、自分が感じることを大切にするべきだ。
スティア様と過ごして改めて実感した。
「ねえ、ララ。ララはどうしてサクラ寮付きのメイドになったの?」
何時もの談笑時間。
スティア様はふとそんなことを聞いた。
スティア様は御自分のお話もされるが、私のことも知ろうとして下さる方だった。
「私がサクラ寮付きのメイドになったのは食べ盛りの弟や妹たちにお腹いっぱいご飯を食べて欲しかったからです。
私の生まれはフェラーロ王国の最北端にある小さな子爵領なのですが、死の湖という生物が住むことの出来ない湖を抱えている上に土壌も悪く作物が育ち難い土地なのです。
そんな状況ですから勿論、領地は貧乏で領主であろうが畑仕事をする様なギリギリの領地です。
私には、歳の離れた弟が2人と妹が2人いて、皆んな可愛い私の兄弟です。
そんな兄弟たちにお腹いっぱいご飯を食べて欲しいと思っていた矢先に見つけたエレノア学院の寮付きメイドの仕事だったのです。
そこで運良く拾って頂いたのです。」
「ごめんなさい。言いづらいことを言わせてしまったわね…」
「いえ、私もスティア様に聞いて頂きたかったのです。お気になさらず。」
「それにしても、生物が住むことのない死の湖…んー…っ!ララ、その湖についてもう少し詳しく教えて頂けないかしら?」
顎に手を当てて考え込んでいたスティア様が身を乗り出す。
普段は大人しいスティアとの違いに驚きはしたが、知り得る限りの情報を話した。
「…実物を見ていないから確かなことは言えないけれど、その湖はもしかしたら塩湖かもしれないわ!領の港に来ている異国の船員からそんな話を聞いたとレオお兄さまが言っていたわ。とても興味深いお話だったから良く覚えているわ。」
「エンコ…ですか…?」
聞いたことのない言葉ね…
スティア様は凄く嬉しそうだけれど…
「塩湖と言うのはね、塩分…つまり塩を含んだ湖のことよ。生物が住むことのないと言うことは海よりも遥かに高い塩分濃度の湖なのかもしれないわ。塩を含みすぎる水には生物は住めないもの。
良い湖をもったわね!」
「塩湖…ですが、それがどう良いのですか?」
「塩湖からは、良質な塩が取れるのよ!
フェラーロ王国は海のない内陸国。塩はマセラート王国からの輸入に頼っている状況よ。
運送費もかかるし、複数の商会を通す事によって手数料もかかっているわ。
でも、そんな塩がフェラーロ王国内で取れたらどうなるかしら?」
「!それは、とても重宝されます!」
「そうなの!ララの領地は莫大な可能性を秘めているのよ!確か、レオお兄さまが塩湖に関する本を持っていはずだわ。
お譲り頂けるよう交渉してみるわね。」
スティア様はその翌日には塩湖に関する本を頂いてきて下さり更に詳しく説明をして下さった。
私はその内容を基に実家へ手紙を書き、塩湖に関する本とともに送った。
実家から帰ってきた手紙には、死の湖は塩湖だったと言うことが書かれていた。
更に塩湖に可能性を見出した王宮から資金援助と人的援助を受けられる事になり、領地では急ピッチで採塩事業を進めていると言う。
出来た塩は王宮御用達として取引され、子爵領の特産品になるとも書かれていた。
「スティア様のおかげです!本当になんと御礼を申し上げれば良いか…」
「良いのよ、御礼なんて…
ララにはいつもお世話になっているし、大した事はしていないですもの。
こんな良い結果になったのはララや御家族、領民の努力の結果ですわ。」
私が御礼を伝えるとスティア様は照れたように笑って、領の成果を喜んでくれた。
それから、数ヶ月経って初めての塩が取れたと実家から連絡があった。
評価は上々なようで、売り上げ金で農具を新調できたと書かれていた。
また、顔が見たいと帰省できるだけのお金も同封されていた。
凄く嬉しくて久しぶりに泣いてしまった。
翌日に、スティア様に伝えると凄く喜んで下さって是非、行ってきなさい。と手土産まで持たせてくれた。
私は、6年ぶりに実家へ帰れる事になった。
少し早いサマーバケーションをとった帰省から戻ると学院は閑散としていた。
ほとんどの学院生はサマーバケーションになると帰省するからだ。
スティア様はと言うとどうやら帰省されなかったようだ。
お兄さまであるレオン様も同様で、おふたりは毎日アフタヌーンティーを御一緒している。
いつもなら楽しそうにしておられるスティア様がどこか心ここに在らずという様子であったためお話を聞いてみるとどうやらアリーヤ王子殿下に恋をしたようだった。
顔を赤らめて話すスティア様は恋する乙女の表情でとても可愛らしかった。
恋心を自覚したスティア様はどんどんお綺麗になっていった。
笑顔が増えて明るくなられて、より一層勉学に励むようになった。
私は、その御姿がとても嬉しかった。
スティア様の幸せが私の幸せになっていくのを感じた。
スティア様は私にとって運命の女神様だ。
どうか大切な大切なスティア様がこれからもずっと楽しく幸せに暮らせますように。
私は、この幸せがずっと続いていくのだとそう信じてやまなかった。
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最後までお読み頂きありがとうございます!
本日は余裕を持って投稿できました!
今回は、エレノア学院でスティアの担当メイドをしているララ目線のお話でした。
ララは、貧乏な子爵令嬢ですが、家族のことをとても大切に思っていて、家族のためなら何でもできる、社交界で悪く言われようが気にしない芯の通った強い女性をイメージして書きました。
ララにとってスティアは大切な恩人であるとともに大切な妹のような存在でもあります。
スティアもララのことを頼れるお姉さんのように思っていてララには何でも相談しているようです。
学院ではひとりぼっちのスティアですが、寮に帰ればララがいたのでめげずに頑張れたのかも知れません。
マンドラゴラもララの様な素敵な女性になりたいものです。
さて、次回は遂にミラが学園に入学します。
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