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第二章 日記帳のスティア
閑話 父の懺悔
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最愛の妻が死んだ。
思えば、その時からあの子たちとすれ違っていたのかもしれない。
妻ソフィアと出会ったのはエレノア学院だった。
ソフィアは隣国フェラーロ王国の侯爵家の娘だった。
ソフィアとは同じクラスで、授業でたまたまペアになったことで距離が縮まった。
ソフィアは自由な女性だった。
例えるなら大海原をかける風のような…流れて行く雲のような女性だった。
私は、そんなソフィアの自由さがたまらなく愛おしくて…翡翠の瞳が悪戯っぽく輝くのも、太陽のような笑顔で笑うのも…全てが愛おしくて…これが愛なのだと知った。
ソフィアを捕まえるのは中々骨が折れた。
一生結婚しなくて良い!卒業したら世界を旅してみたい!と翡翠の瞳をキラキラと輝かせる彼女を結婚と言う鎖で縛るのは可哀想な気がしたが、それでも私はソフィアが欲しかった。
逃げるソフィアを捕まえたのは結局卒業間近で、ソフィアに、貴女の隣でなら羽を休めても良いわ。と言われた時には天に昇りそうだった。
程なくして、レオンが生まれた。
レオンは私のシルバーの髪とソフィアの翡翠の瞳を受け継いだ。
その1年後にスティアが生まれた。
スティアは、ソフィアの薄い金髪と翡翠の瞳を受け継いで生まれた。
私は幸せだった。
愛する妻と可愛い子ども。
愛する家族のために身を粉にして働いた。
そんな中、貿易交渉へと行くのに乗った船が嵐に巻き込まれて遭難した。
嵐の中沈没しなかったのが奇跡だろう。
気づけば見たこのない島に漂着していた。
その島で謎の病にかかった私を助けてくれたのがナタリーだった。
その時は私の回復を待って島からたくさんの物資と貿易の協定を締結して帰った。
島を出る前夜にナタリーが私の部屋に来て私のことが好きだと言った。
もちろん、私は断った。愛する家族がいるからと。
それでもナタリーは引かなかった。
一度だけ抱いて欲しいと。そうすれば、諦めるからと涙ながらにお願いされ、命の恩人の頼みであるし断れなかった。
私は、誤ちを起こした。
それから約10年の年月がたった。
ソフィアが死んだ。
出先でソフィアの訃報を聞いた私は急いで屋敷へ帰る準備をした。
でも、たまたま遠方にいたのと台風で船が出ず、結局、屋敷へ帰るのに2週間もかかってしまった。
私が帰った時、当然ながらソフィアの葬式はすでに終わっていて…帰ってきた私を子どもたちは冷たい目で見つめていた。
私は悟った。何もかもが手遅れだった。
私は、一番辛い時に一緒にいてあげられなかったのだ。
子どもが寝静まった後に、ひとりソフィアの墓に行って泣いた。
このまま、ソフィアの所に行ってしまおうか…
本気でそう思ったけど、屋敷にいる2人の子どもを思うとできなかった。
どんなに悲しくても仕事はまってはくれない。
私は、母を亡くした2人の子どもに後ろ髪をひかれながらも仕事に励んだ。
そんな時だ。
遭難した時の島へ行く機会があった。
港で私を待っていたのはナタリーとナタリーに手を引かれる子どもだった。
ナタリーは私との再会を喜び、そして言った。
「貴方の子よ。ミラと言うの。
父親を知らない可哀想な子よ。
会わせるべきではないことはわかっていたわ。でも、一生にないチャンスよ。
この子に同情した私を許して…」
と涙を流した。
後、少しすればレオンは後継者教育として私について回ることになる。
そうすれば、スティアはあの広い屋敷でひとりになってしまう。
母を亡くしたばかりのあの子からレオンまで取ってしまったら…?あの子まで消えてしまうのではないかと咄嗟に怖くなった。
だから、私はナタリーに事情を説明した。
ナタリーはスティアに同情してくれて、涙を流してくれた。
彼女ならスティアを任せられる。
ミラも姉ができるのを喜んでいた。
だから、私は言った。
一緒に来ないか?と。
まだ、ソフィアの喪が明けていない。
籍を入れるのも、式をあげるのも先になってしまうと説明した。
それでも、ナタリーはスティアの側に行きたいと言ってくれた。
スティアもきっと喜んでくれる。
少しずつでもナタリーとミラと家族になってくれれば良いとそう思ってナタリーとミラを屋敷に連れて帰った。
まさか、それがあんな事態を巻き起こすなんて…スティアがあんなことになるなんて…
私は考えてもいなかったんだ。
スティアを追放してからレオンまでもが屋敷を出て行った。
その後、王宮から使者が来てスティアが冤罪であることを知った。
直ぐに騎士が連れ戻しに行ったがスティアは既に息を引き取った後だった。
スティアの亡骸を見て初めて自分のしでかした事の大きさに気づいた。
こんな事態を起こしたのは私のせいだ。
私がソフィアに似たスティアを避けなければ…ちゃんと向き合って話を聞いてあげればスティアが死ぬこともレオンが出て行くことともなかったんだ。
これが悪い夢ならどんなに良かったか!
妻を亡くした私は遂に最愛の子供たちまで失ってしまった。ああ、何て馬鹿なんだ私は!
どんなに後悔してもスティアが…最愛の娘の笑顔を見ることはもう叶わない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただきありがとうございます!
スティアのお父さんである辺境伯は、口下手なだけで本当はちゃんとスティアたちのことを愛していました。
毎回、スティアの分のお土産も用意していましたが、ナタリーに渡していた為にスティアに渡ることはありませんでした。
スティアを避けていたのは最愛の妻であるソフィアにスティアがあまりにも似ていたから。
スティアのSOSを一喝したのはナタリーやミラから涙ながらにスティアから虐められていることを告げられ、スティアに対する失望と悲しみを抑えられなかったからです。
不器用で口下手であった為にこの様な悲劇が生まれたのかもしれませんね。
思えば、その時からあの子たちとすれ違っていたのかもしれない。
妻ソフィアと出会ったのはエレノア学院だった。
ソフィアは隣国フェラーロ王国の侯爵家の娘だった。
ソフィアとは同じクラスで、授業でたまたまペアになったことで距離が縮まった。
ソフィアは自由な女性だった。
例えるなら大海原をかける風のような…流れて行く雲のような女性だった。
私は、そんなソフィアの自由さがたまらなく愛おしくて…翡翠の瞳が悪戯っぽく輝くのも、太陽のような笑顔で笑うのも…全てが愛おしくて…これが愛なのだと知った。
ソフィアを捕まえるのは中々骨が折れた。
一生結婚しなくて良い!卒業したら世界を旅してみたい!と翡翠の瞳をキラキラと輝かせる彼女を結婚と言う鎖で縛るのは可哀想な気がしたが、それでも私はソフィアが欲しかった。
逃げるソフィアを捕まえたのは結局卒業間近で、ソフィアに、貴女の隣でなら羽を休めても良いわ。と言われた時には天に昇りそうだった。
程なくして、レオンが生まれた。
レオンは私のシルバーの髪とソフィアの翡翠の瞳を受け継いだ。
その1年後にスティアが生まれた。
スティアは、ソフィアの薄い金髪と翡翠の瞳を受け継いで生まれた。
私は幸せだった。
愛する妻と可愛い子ども。
愛する家族のために身を粉にして働いた。
そんな中、貿易交渉へと行くのに乗った船が嵐に巻き込まれて遭難した。
嵐の中沈没しなかったのが奇跡だろう。
気づけば見たこのない島に漂着していた。
その島で謎の病にかかった私を助けてくれたのがナタリーだった。
その時は私の回復を待って島からたくさんの物資と貿易の協定を締結して帰った。
島を出る前夜にナタリーが私の部屋に来て私のことが好きだと言った。
もちろん、私は断った。愛する家族がいるからと。
それでもナタリーは引かなかった。
一度だけ抱いて欲しいと。そうすれば、諦めるからと涙ながらにお願いされ、命の恩人の頼みであるし断れなかった。
私は、誤ちを起こした。
それから約10年の年月がたった。
ソフィアが死んだ。
出先でソフィアの訃報を聞いた私は急いで屋敷へ帰る準備をした。
でも、たまたま遠方にいたのと台風で船が出ず、結局、屋敷へ帰るのに2週間もかかってしまった。
私が帰った時、当然ながらソフィアの葬式はすでに終わっていて…帰ってきた私を子どもたちは冷たい目で見つめていた。
私は悟った。何もかもが手遅れだった。
私は、一番辛い時に一緒にいてあげられなかったのだ。
子どもが寝静まった後に、ひとりソフィアの墓に行って泣いた。
このまま、ソフィアの所に行ってしまおうか…
本気でそう思ったけど、屋敷にいる2人の子どもを思うとできなかった。
どんなに悲しくても仕事はまってはくれない。
私は、母を亡くした2人の子どもに後ろ髪をひかれながらも仕事に励んだ。
そんな時だ。
遭難した時の島へ行く機会があった。
港で私を待っていたのはナタリーとナタリーに手を引かれる子どもだった。
ナタリーは私との再会を喜び、そして言った。
「貴方の子よ。ミラと言うの。
父親を知らない可哀想な子よ。
会わせるべきではないことはわかっていたわ。でも、一生にないチャンスよ。
この子に同情した私を許して…」
と涙を流した。
後、少しすればレオンは後継者教育として私について回ることになる。
そうすれば、スティアはあの広い屋敷でひとりになってしまう。
母を亡くしたばかりのあの子からレオンまで取ってしまったら…?あの子まで消えてしまうのではないかと咄嗟に怖くなった。
だから、私はナタリーに事情を説明した。
ナタリーはスティアに同情してくれて、涙を流してくれた。
彼女ならスティアを任せられる。
ミラも姉ができるのを喜んでいた。
だから、私は言った。
一緒に来ないか?と。
まだ、ソフィアの喪が明けていない。
籍を入れるのも、式をあげるのも先になってしまうと説明した。
それでも、ナタリーはスティアの側に行きたいと言ってくれた。
スティアもきっと喜んでくれる。
少しずつでもナタリーとミラと家族になってくれれば良いとそう思ってナタリーとミラを屋敷に連れて帰った。
まさか、それがあんな事態を巻き起こすなんて…スティアがあんなことになるなんて…
私は考えてもいなかったんだ。
スティアを追放してからレオンまでもが屋敷を出て行った。
その後、王宮から使者が来てスティアが冤罪であることを知った。
直ぐに騎士が連れ戻しに行ったがスティアは既に息を引き取った後だった。
スティアの亡骸を見て初めて自分のしでかした事の大きさに気づいた。
こんな事態を起こしたのは私のせいだ。
私がソフィアに似たスティアを避けなければ…ちゃんと向き合って話を聞いてあげればスティアが死ぬこともレオンが出て行くことともなかったんだ。
これが悪い夢ならどんなに良かったか!
妻を亡くした私は遂に最愛の子供たちまで失ってしまった。ああ、何て馬鹿なんだ私は!
どんなに後悔してもスティアが…最愛の娘の笑顔を見ることはもう叶わない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後までお読みいただきありがとうございます!
スティアのお父さんである辺境伯は、口下手なだけで本当はちゃんとスティアたちのことを愛していました。
毎回、スティアの分のお土産も用意していましたが、ナタリーに渡していた為にスティアに渡ることはありませんでした。
スティアを避けていたのは最愛の妻であるソフィアにスティアがあまりにも似ていたから。
スティアのSOSを一喝したのはナタリーやミラから涙ながらにスティアから虐められていることを告げられ、スティアに対する失望と悲しみを抑えられなかったからです。
不器用で口下手であった為にこの様な悲劇が生まれたのかもしれませんね。
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