一難去ってまた一難!?元悪役令嬢の受難の日々はまた難易度を上げる

マンドラゴラ

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第三章 運命にカウンターを

十八話

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白壁の煉瓦造りの校舎が迫る。
繊細な飾りが施された門を潜り馬車を降りる。

きっと大丈夫よ。
今まで苦手な社交界にも積極的に出て噂を払拭できるように頑張ったわ。
メーガン様とセレナ様とは何度もお茶会をしたり、御屋敷にお邪魔したりと今ではすっかり仲良しになったと思いたい…!

「スティア様!ご機嫌よう。」

「スティア様、ご機嫌よう。」

「ご機嫌よう。メーガン様、セレナ様。」

会場に向かう途中でメーガン様とセレナ様に会う。

「クラス・寮分けはもう見まして?」

「いえ、まだですわ。」

「私は、気になってしまって直ぐ見に行きまたわ!ネタバラシしてもよろしくて!?」

「「ええ、もちろん。」」

「私たち3人とも同じクラス・寮でしたわ!」

「まあ!それは、素晴らしいですわ!」

「これからもよろしくお願いしますわ。」

メーガン様とセレナ様が一緒なら安心ですわ!
それに、今までとは違って毎日、お会いできるのも嬉しいわ!
なんだかちょっと学院生活が楽しみになってきましたわ。

「おーい!ティア!」

「あら?アルベルト様ですわね。
こちらに走ってきますわ!」

「本当に仲がよろしいのね。」

「昔から兄弟のように育ってきましたの。
アルは、ああ見えて優しいので私のことも心配してくれるですの。」

私の名前を呼びながら走ってくるアルと私を見比べて微笑ましそうにしているおふたりに弁明をする。

「アル、ご機嫌よう。もう、会場に向かっていると思っていましたわ。」

「お前は昔から方向音痴だからな!俺が迎えに来てやったんだよ。」

「まあ、優しいのね。ありがとう。」

「おう…!」

「メーガン様とセレナ様も…ってあれ?」

背後を振り向くと今までいたはずのおふたりが消えていた。

「まあ、会場で会えるだろ!行こうぜ!」

「ええ、」

しっかり者のおふたりに限って迷子になることはないでしょうし…
ほらっと差し出された手に自分の手を重ねる。

「俺も…」

「ん?」

「俺もティアと同じクラスだっからよろしくな!」

「まあ!今日はとっても良い日だわ!よろしくね!アル!」

アルに連れられて無事、会場にたどり着き与えられた席に着いた。
会場にはすでにメーガン様とセレナ様もいらして私を待ってくれていた。

おふたり曰く、急にお花を摘みに行きたくなったのだという。
無事で本当に良かったわ。



「んー、ここはどこかしら?」

レオお兄さまとカイお兄さまから話しかけられたので、メーガン様とセレナ様には先に教室へと行って貰ったのだけど…
どうやら、迷子になってしまったようですわ!

んー、学院は全て白壁の煉瓦造りで構造も似ているし…ここは一体どこなのでしょうか…


「どうかしたのか?」

「……!アリーヤ王子殿下!
ご機嫌よう、お会いできて光栄でございます。」

このタイミングで…一番会いたくない人に会ってしまいましたわ!
取り敢えず、形式に則ったカーテシーをする。
名前はあえて言わない。

「ああ、こんにちは。
学院では、そんな畏まらなくても大丈夫だ。
私のことはアリーヤと呼んでくれ。」

「はい。アリーヤ様。」

何故か、嬉しそうな笑顔で話しかけてくるアリーヤ様に警戒心が募る。

「それより、こんなところで何をしているんだ?
新入生は教室に集合だと聞いたが。」

「お恥ずかしながら迷ってしまったようですわ。」

ああ、誰か早く来てくれないかしら…
早くこの場を収めたくて正直に答える。

「ははっ、君はまた迷子になっているんだね。」

「え?」

『また』ってどういう事?
私は、まだアリーヤ様に会ったことはないはず。
アリーヤ様の出るパーティーやお茶会は全て体調不良やなんやら理由をつけて避けていたはず…

「いや、昔、視察で行った街で迷子になってね。
君に似た少女に助けて貰ったんだ。それでつい……
いきなり悪かったね。」

「いえ!大丈夫ですわ。」

街で…迷子に…?
もしかして!あの時のフードの少年!?
取り敢えず知らないフリをした方が良いわよね…

「良ければ案内しよう。」

「いえ!大丈夫です!アリーヤ様のお手を煩わせる訳には参りませんわ。」

取り敢えず、少しずつ距離を離そう。
ぶんぶんと首を横に振って拒否する。

「大丈夫だ。」

いやいや、私が無理です!
取り敢えず、誰でも良いから助けて!

「おーい!ティア!」

「あ、レオお兄さまがいらしたのでもう大丈夫です!ありがとうございました!」

心配して探してくれたのかレオお兄さまが走ってくるのが見える。
私は、これ幸いと御礼を述べて一目散に逃げた。
はあ…本当に良かったですわ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

教室に向かってから姿が見えなくなったティアを探せば、教室とは反対方向の廊下にティアとアリーヤ様がいた。
急いでティアに声をかければ、こっちをみて安心した顔したティアが走ってくる。

「ティア、探したよ。また、迷子になってしまったんだね。」

「はい。どうやらそうみたいですわ。
ですが、レオお兄さまが来て下さって助かりましたわ。」

心底、安心したと言う顔をするティアを慰めるように頭を撫でる。

この安心しようもしかしてティアも日記帳を持っているのか…?

ふと沸いた疑念を振り払うように廊下に残されたアリーヤ様を見る。

アリーヤ様は、ティアを見ていて残念そうにため息をついた。

ティアが日記帳を持っていようがいまいが関係ない。持っているなら尚更。
アリーヤ様には絶対ティアを渡さないよ。君はミラとでも仲良くやっていれば良い。

僕は、アリーヤ様の視線からティアを隠すように引き寄せた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レオお兄さまのおかげで時間通りに教室についた私は、そのまま順調に説明を受けていった。
寮は前と変わらずサクラ寮。

担当のメイドはララさんだと良いな。
日記帳の中でも何回も名前が出てきたし、私に凄く良くしてくれた数少ない味方だ。

どうやら、実家の領が問題を抱えているようだから、日記帳みたいに解決できると良いですわ。

「初めまして、スティア様。
私は、サクラ寮付きのメイドで本日よりスティア様の担当となりますララでございます。どうぞ、よろしくお願い致します。」

そう言って頭を下げるララさんに何故だかとても懐かしい気持ちになる。
湧き上がってくる感情のまま抱きしめてしまいそうになる衝動を抑えてなんとか自己紹介をする。

夜になってベッドに横になって今までのことを思い出す。何もかも日記帳と同じに進んでいくことに一種の不安を覚える。

でも、違うこともあるわ。
日記帳の私は、いつもひとりでレオお兄さまやメイドのララとしか関わりがなかった。
でも、今は違う。

レオお兄さまがいて、ララがいて、アルがいて、カイお兄さまがいて、そしてメーガン様とセレナもいる。

皆んなと楽しい学院生活を送るためにも破滅する訳には行きませんわ!
アリーヤ様とは、知らぬ存ぜぬ関わらず!
それが、一番ですわ!

そう自分を奮い立たせてこれから始まる学院生活に備えて目を瞑った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後までお読みいただきありがとうございます!
更新に時間が空いてしまい申し訳ございません。

今回は、エレノア学院入学編です!
日記帳とは少しずつ違う所がありながら、同じように進んでいく現状にスティアはどのように対処していくのでしょうか。
是非、お楽しみに!
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