ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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4章 初夏

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結城 晴樹
〇年〇月〇日生‥‥



「‥‥‥満19歳‥‥」

「そういうことっ!
納得できた!?」


「・・・あ~なんだ!
そっかぁ…
お坊っちゃんのわりになかなかやるじゃん!!
2年も留年するなんて!!」

「留年じゃない!
留学だ!!‥‥アメリカの大学に留学してたんだよ。
経営学の勉強に‥‥」


ムキになる晴樹に苗は聞き返す

「‥‥‥大学!?」

「あぁ‥向こうはスキップてのがあるだろ?
2年に上がる前に向こうに行って、で今年帰って来たばっかりだから‥‥」


「‥‥せっかくスキップしたならワザワザまた、高校生しなくても‥‥」

苗は疑問をぶつける


「それは‥色々と事情が──」


「ふ ~ ん‥‥
お金持ちも大変だ‥‥」


「‥つ‥着いたぞ‥
このビルの7Fがウチの制服デザインしてくれた人の事務所だから。
ちょっと降りて待ってて‥車、止めてくる。」


苗はビルの前で待ち晴樹と合流すると、7Fの事務所に向かった‥‥


― コンコン!
晴樹はドアをノックした。

「晴樹です」


「どうぞ入って!!」




「拓海(たくみ)サン久しぶりです。
すいません、今日はムリ言っちゃって‥‥」


「いやぁ、晴樹が頼み事なんて珍しいからね!
ここで恩でも売っておけば後々ウチも安泰だろ!ハハッ」


「俺に恩なんか売ったって何の得もないですよ‥
結城は兄貴達がもう継いでるんだから‥‥」


「何言ってんだよ!
一番の稼ぎ頭のくせしてっ。儲けてるって話しだぜ‥ん、コレで‥」


拓海はそういうと両手の指先を動かし“コレ”のポーズをとった。


「んじゃ、早めに済ませるか‥この子の制服でいいんだろ?」


「あぁ、苗、この人がウチの制服のデザインしてる拓海サン‥‥イタリアの有名なデザイナーなんだ。
主にスーツとかのデザインを手掛けてるから、着心地は最高だよ」



「そうなんですか!
この度は、お世話になりますっ!!」


苗は深々と頭を下げた。


「いゃいゃ、コチラこそ」

苗の丁寧なお辞儀に拓海も慌てて頭を下げる‥そして言った


「ハハッ!中々感じのイイ嫁さん候補じゃないか?
どうやって見つけたんだ?ん?」


拓海はからかうように晴樹をちらっと見た

「‥妹みたいなもんだよ──……///」



‥エライ、間をあけて赤くなりやがったな…本命か?


拓海はほんのり色づく晴樹の表情を見て思った


「じゃ、測るからまっすぐ立ってて!」


拓海はメジャーを手にとり採寸を始める‥


晴樹は苗に拓海を紹介すると側のソファに腰掛け様子を眺めた‥


「脱がなくてもいいの?」


「──!///…ばかっ、脱がなくても測れる!!ドレス作る訳じゃないんだから!!」


晴樹は真っ赤になって叫ぶ


「大丈夫だよ、脱ぎたいなら脱いでもいいけど‥‥」

苗の問いかけに拓海はそう応えた。


寸法を測る拓海を苗はじっと見つめながら思う‥



‥この人…ルパンみたい…//


そう、短い頭髪に長めの
モミアゲ‥細面の顔立ちで、ちょっとサルっぽい‥
そして細身の体にフィットしたこれまた、細身のスーツ‥‥

素足なのか履いてるのか分からない程の石〇純一 ばりの靴元に、少し丈の短いズボンからは細~い足首が覗いている…


完全にルパンだった。


…なんだか、すごい見られている気がするな‥‥



拓海は少し冷や汗をかいていた。


拓海は胸囲を測る為に苗の背中に手をまわす‥


「ばかっ!何っ抱きついてんだよ///」


苗の動作に晴樹は怒った



別に抱きついた訳ではないが苗は自分の後ろに手を回しやすいように拓海の肩に手を乗せていた。



「晴樹、落ち着け‥‥」


晴樹をなだめながら拓海は苗に言った


「ヤキモチ妬きの旦那を持つと大変だね」


「///…別に旦那じゃない!!」


「はいはい、わかったから──‥

よしオッケー!!一週間ぐらいで仕上げるから出来たらこっちから連絡入れるよ!」

「ありがとうございます!」

苗はお礼を言ってペコっと頭を下げた。そして晴樹と共に事務所を後にする。


帰りは家まで晴樹が送ってくれた‥‥

「そうだ、兄さん!
ウチで晩御飯食べてって!!
何もお礼できないからご飯くらいしかお返しできないけど‥‥
でも、みんな帰って来てるからうるさいかもしれないっ…」


晴樹は苗の誘いを受けた



“みんな帰って来てる”

この言葉に晴樹は誘惑されてしまったのだ‥


…満作父さんに会える!

晴樹は心なしかワクワクしていた。

途中、苗の寄り道で何度か車を止めさせられ苗の家につく頃にはとっぷりと日も暮れ夜になっていた‥



ガタッガタガタッ!ガラッ―

異常に建て付けの悪い玄関を開けると、苗はただいま!と声を掛け中に入った。

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