14 / 255
4章 初夏
2
しおりを挟む・
中島の言い方に少し違和感を覚えた苗は何かを言いかけたが、ちょうど授業の一限目のチャイムが鳴り中島はそのまま自分の席についた。
「ねぇ、由美‥中ちゃん何怒ってんの!?」
授業が始まってから苗は前の席の由美にコソッと聞いた‥
「そりゃ、怒るょってか‥羨ましい!!」
「羨ましい!?なんで?」
苗は羨ましがられる理由がわからない…
「なえちん、晴樹サンにエライ可愛いがられてるじゃん!しかも、手なんて繋いじゃってさっ!!
あ?ん!あたしだって晴樹サンと手を繋ぎたい!!」
「手!?‥‥あたし手なんて繋いでたっけ!?」
「‥‥あんたって‥」
そう、苗はごく普通に晴樹に手を引かれていたため、ほとんど無意識のうちに晴樹の手を握っていた‥‥
「でも、それなら由美達だって可愛いがってもらえるじゃん!!
前に、食堂で妹みたいだからよろしくっつってたしさっ!」
「そりゃそうだけど妹じゃ意味ないじゃっ‥」
「コラっそこっ!
今、テストに出るとこ言ってるんだぞっ!!
お前達満点とる自信あるんだろうな!?」
「…すいません」「‥へい」
苗達はこの教科を見事赤点で飾りつけてしまうのであった‥‥
・
‥ん?‥‥やっぱないな…
晴樹は家に帰るなり部屋にこもると、苗のサイズと同じ夏服を持っている卒業生を学園のデータを集めネットで探していた‥
ただ、学園自体が創設5年と歴史が浅いため卒業生は二期生までしかいない‥‥
探し出すのは困難を究めた。
「しょうがないっ、
作ってやるか!」
晴樹の甘やかしが始まった…
「すごい屋上だね‥‥
なんだかセレブって感じがする‥‥」
明くる日のランチタイム‥ペンキもきれいに乾き、彩り華やかな花で飾られた屋上で苗と由美は弁当を広げた‥‥
「うん、でも今屋上に植物植えるの流行ってるじゃん!!なんだっけ‥ヒートアイランド現象を防ぐのに効果的らしいよ!建物も守ってくれるんだってさ」
苗はガイヤの夜明けで仕入れた情報を得意気に話た。
二ノ宮高校での屋上ランチはジベタに座り込んでの食事だったが、ここにはお洒落なテーブルと椅子のセットが何台か用意されてある…
まるで、ちょっとしたガーデンテラスのようだ‥
苗達以外に他のクラスの生徒もきていた‥
・
そこで咲き誇るのはやっぱり恋ばな‥‥
1年何組の誰がいい、かれがいい‥2年の‥3年の‥
そんな話しで色めいている
晴樹の名前もちらほらと聞こえてくるが、競争率の高そうな相手は端から諦めて手短で手を打つ者もいるようだ。
「ねぇ、1年の夏目君もいいよね‥‥」
「あぁC組の!?
水泳やってるだけあってイイ体してるよね///」
「そぅそぅ‥夏目物産の息子だって‥」
「うそっ!
かなりおいしぃじゃん」
「‥‥ここは女豹の巣窟だね‥‥‥」
「‥‥だね‥‥///」
苗のボヤキに由美は黙るしかなかった‥
「あ、結城サンだ‥‥」
「今日は中島さんの従兄弟とつるんでないんだ‥」
廊下のざわつきに教室でランチをしていた中島達のグループが箸をとめた‥
教室のドアが開き晴樹が顔を覗かせる
誰かを探しているように教室を見渡す晴樹に中島は当てずっぽうで言ってみた。
「苗なら、ここの屋上ですよ‥‥‥」
「あっ!そぅ?サンキュッ」
晴樹は中島に礼を言うと屋上にむかった
‥やっぱり苗か…
何の用なんだろ?…
中島は考え込みながら弁当をつついた…
・
「でもさぁ、由美はどうなの?
本気で兄さん狙い撃ちするんでしょ?」
「う?ん‥‥‥
だってさ、あたし結城先輩の前だと緊、張し‥ちゃっちゃ‥///」
「何?そのちゃっちゃって?!」
苗が弁当から顔を上げると真っ赤になった由美が口をパクパクしている
すると、椅子に腰掛けている苗の背後から肩にポンと両手を乗せた晴樹が上から顔を覗き込むんでいた…
顔を見上げた苗は“ンガ?”と変な鼻音をならし晴樹を確認する
「弁当旨い?」
「兄さん?‥
あれ、もう一人の兄さんは!?」
「ああ、ちょっと別行動‥
話しがあってね‥‥苗に‥」
二人のやり取りを由美はくいいるように見ている
‥はぁ?やっぱりカッコイイ!!
「話しって?」
目を丸くする苗に晴樹は人差し指をクイクイッと動かすと苗の肩を突然、引き寄せ耳打ちした
…ちょっ/// キャァ‐やだ、耳にキスしてるみたい!!
傾けた顎のラインも素敵っ…///
由美は目の前の光景に真っ赤になりながら脂汗をかいた。
そして晴樹の出現に驚いた周りの生徒も顔を赤らめ奇声をあげると、二人の接近を凝視している。
・
ただ一人、晴樹に肩を抱かれ耳元で囁かれている張本人の苗だけが平常心だった。
だが、そんな苗も徐々に興奮状態になってくる…
「マジッすか!?
兄さん!!ほんとにいいの!?」
苗は興奮しながら晴樹の両肩を両手でガシッと掴む!
「ああ、でも、内緒だぞ!誰にも言うなっ‥と‥
ちょっ、お前っ!?」
苗はそう釘を刺す晴樹を突然グワシッと情熱的にハグした。
「ありがとう兄さん!!
なんとお礼を言ってよいやら!!!」
「ちょっ…苗!…///」
突然、苗に抱きしめられて晴樹は耳まで一気に真っ赤になる。
…ちょっと!なえちん!!
なんてことするの!?///
由美はそんな苗の行動に赤面しながら驚愕していた。
そして周りからも怒涛のような叫びが上がる
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが
akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。
毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。
そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。
数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。
平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、
幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。
笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。
気づけば心を奪われる――
幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる