ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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7章 スポーツ大会

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「大ちゃん!!いけぇ〰〰!!そこまできたんなら、君ならやれる!!」


苗の言葉に晴樹が目を見開く!


‥苗の奴なに、コイツを応援してんだよ!!



晴樹の表情が一層険しくなっていく



「今日は大ちゃんの為にスペシャル弁当作ってきたんだよ〰だから頑張れ〰〰!!」


「え!?マジで!?」


夏目の表情が輝き始める!

「うん!大ちゃんの好きなエビチリいりだぁ!〰〰
食いたいかぁ〰〰〰!?」


「すげっ食いてぇ〰!///」

なぜか顔を赤らめ叫ぶ夏目を前に晴樹はムシャクシャしてくる──

「──…っ」

‥コイツなに赤くなってんだ!?苗も苗だ!‥あいつ、俺が誰の為に試合出まくってるかわかってんのかよっ!!!

夏目を懸命に応援する苗の声に苛立ちが募る‥
わけもわからず疼く胸の痛みを堪えながら晴樹は先制攻撃を仕掛けた。

折角のチャンスにアタックを仕掛けるが気分が乗らずいまいち決まらない。

『苗が俺の為に大好物のエビチリをわざわざ作ってくれた』

一方、そんな調子の上がった夏目は晴樹の攻撃を軽く受けて打ち返してくる。

──ピ〰!

試合終了!!──


審判の声に試合が打ち止めされた。


「22対17‥1年の勝ち!」



「やった〰」

「すごーい!!結城先輩に勝ったぁ!!」


そぅ‥2年に勝ったのではなく伝説のプレイヤーに勝てた! 1年生達の喜びはそっちの方が大きかった



試合を観戦していた1年の女子達が夏目を取り囲む‥夏目はヒーロー扱いされていた。


「兄さん!!‥ねえ兄さん!?」


そして、思いつめた表情で汗を拭く晴樹の肩を苗は呼びかけながら叩いた。


「なんだ?
負けたからノートはないぞ…」

心なしか冷たい表情の晴樹に苗はキョトンとする

「でも、バスケは勝ったんでしょ?
次の午後の試合も何か出るの?」

「さわるなっ」

「…っ!──痛っ…」


ワクワクしながら聞いてくる苗に苛立ちが募る

晴樹は肩に乗っていた苗の手を払い、険しい表情を向けた。


「俺に頼るなっ──

‥‥次の試合は出ないからっ!」



晴樹はそれだけ言うと踵を返し校舎に戻って行く‥

苗はそんな晴樹の後ろ姿を見送った。


‥なんだ‥負けたのがそんなにショックだったのか?じゃあ、アレを見せたら元気になるかなっ?
兄さんにはもう少し頑張ってもらわなきゃだし!


機嫌の悪い晴樹をさほど気にもとめず、苗は次の昼食のお弁当を取りに教室へ戻っていった



…は──ッ……
ムカつくっ!!!


なんだ、苗の奴っ!
俺はノートだけか!?

応援のひとつもしなかったくせに!

──くそっ!




「晴樹サン、午後の試合はサッカーの方に先に出て欲しいってっ‥」


「あっ!?俺が出ても勝てるとは限らねぇぞ?!」


晴樹の険しい表情に後を追って話掛けた直哉は驚いている。

…えらい、ご機嫌ナナメだな‥バスケで負けたのが悔しいのかな?

「‥今日は調子悪いんですか?」

表情のこわばる晴樹を気にかけ直哉は尋ねた


「あぁ、吐きそうなくらい気分悪い!」


イライラするっ! マジで吐きそうだ…
なんなんだよ、一体!?


「直哉‥マジでやばい…
ちょっと保健室で横になる

‥‥他の奴らにも言ってくれ‥俺に頼るなって。
この分じゃ復活できないかも…」



晴樹はホントに青ざめた顔色をしていた‥


「大丈夫ですか?本気でヤバそうですよ!?」


晴樹は心配する直哉に気にするな‥と手を振り保健室に向かう


血の気が引いて行くような感覚に襲われる‥

‥なんだ?マジで調子悪いのか、俺!?



晴樹は昼時で誰も居ない保健室のベッドに横になった‥‥




「すごいね、夏目君!結城先輩に勝ったんだって!?」

由美の口から試合のことが話題に出された。


「うん、でもすごかったよその前からバンバン!アタック決めてさっ
‥‥はぃコレお弁当!」


「おっサンキュー」


苗は夏目を褒めながら作ってきた弁当を渡した


「じゃ、あたしはちょっと‥‥」


苗はそう言ってどこかへ行こうとする

「なに?なえちん何処いくの?」


大きめの包みを持って席を離れる苗に由美が尋ねる

「うん、兄さんに弁当渡すから今日は二人で食べて!」

「――!…なに、苗‥
先輩にも弁当作ってきたのか!?」


夏目が複雑そうな顔で聞いてきた


「もちろん!兄さんには足向けて寝れないくらいお世話になってるからさっ!
このくらいの義理は果たさなきゃ!んじゃ、そういうことでっ」


じじばばっ子の苗は言うことが古くさかった…


自分の弁当箱より豪華そうな包みを持って立ち去る苗を夏目は何か言いたげに見つめていた‥


‥なんでぇ、苗の奴‥‥


夏目は目の前の弁当を見つめた‥

‥考えてみたらあいつの手作り弁当も今日で最後なんだよな‥‥

そう思うと、夏目は何だか急に胸が疼き寂しくなった‥



「…ごみんくさ~ぃ!‥‥
あれ?」

「田中サン?‥どうしたの?」

鼻歌を奏でながら苗は晴樹を訪ね、2年の校舎に来ていた‥

「あ、ワトソン君!‥兄さんはいずこへ?」


声をかけてきた直哉に姿の見えない晴樹のことを尋ねてみる

「ワトソン君?‥あー‥‥晴樹サン、なんだか調子悪くて保健室に行ったよ。」

「保健室!??

わかりました!ありがとございます!!」

苗は礼を言うと足の向きを直ぐに変えた。


‥はーーー‥‥‥
なんか、疲れた‥

俺も歳か?‥


優勝してノートを手に入れることがどうでもよくなった晴樹はとことんやる気をなくし、ベッドでゴロゴロしていた。


『大ちゃんの為にスペシャル弁当作ってきたんだよ〰!!』


‥大ちゃんの為に‥‥か…
俺の為には作んないわけだ‥



ハッ!‥‥いいけどね!別に…


──!っ‥‥なんかキツ‥

やっとおさまった胸の痛みが再び疼きだす

痛みの理由もわからず晴樹は布団を顔にパサっと掛けて瞳を閉じた‥‥





ガラッ!──

「兄さ~ん…ぁれ?」




──…っ
‥苗?!…




ドアが開き誰か来たと思えば聞き憶えのある声がする…

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