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12章 死神降臨!
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‥あ~ぁやべぇ
俺、知ぃらねぇ‥‥
アイツ顔に蹴り入れやがった…
貴志は地蔵の身を案じた。
「ケッ!余裕だなぁ地ベタに寝るなんてよぉ‥」
後ろに倒れ込んだ晴樹の顔に地蔵は口に含んだガムをペッと吐き出しながらさっきのセリフをお返しした
「起きろや‥‥あぁ!?
俺ぁこの程度じゃ満足しねぇぜ!?
っ起きろっつってんだろぅがぁ――!!」
地蔵はそう言いながら一向に起きあがらない晴樹の胸ぐらを掴んで無理やり起こすと拳を振りかぶるっ!!
──パシッ―!
「!──‥っ!?」
乾いた音に目を見張ると地蔵の拳を平手で掴み込む晴樹のイッた表情がそこにはあった‥
その表情に飲まれ地蔵は石像のように固まり息を詰める‥
地蔵の拳を掴み込んだまま晴樹は静かに自分の鼻血を指先で拭い確認すると地蔵の顔にそれを擦りつけた‥‥
「俺と血の契約結んだんだ‥覚悟できてんだろうな?」
晴樹は胸ぐらを掴んだままの地蔵を微笑しながら妖しく見つめる‥‥
‥ゴクッ──
な、んだ‥コイツの眼は‥‥
・
見た目の体勢こそは地蔵が主導権を握っているものの精神的には完全に晴樹に圧倒されていた‥
地蔵は完全に晴樹に脅えていたのだ──
晴樹は自分を掴んでいた地蔵の手をゆっくりと胸ぐらから外しとる‥
「‥‥どうした?え?
いいのか?こんな近距離でボーッとつっ立てても‥」
そう言い不敵に微笑む晴樹の背後には、二本の大釜を構え闇夜をさ迷い魂を狩り歩く死神の姿が浮かび上がった!!!
‥かの様に見えた!!
か、狩られちまう‥
魂を‥狩られちまう‥‥
その場にいた誰もがそう思わずにはいられなかった‥
――ガツッ!
「ぐぁ!」
――ゴキュッ!!
「ぐへぇ!」
――バキッ!!
「ぐぇ!!」
パシッ──!
「もぉいい!‥
その辺でやめとけ…」
何度となく繰り出される晴樹の拳を貴志がとめた。
「これ以上、かましたら地蔵に祟られちまうぞ…」
「‥‥だな‥」
無抵抗に延びきる地蔵を前に晴樹も冷静さを取り戻していた‥‥
・
―キィ―!ブルン──ッ!
‥あら!帰ってきたのかしら‥‥
オカンが風呂上がりに居間でくつろいでいると玄関先でバイクの止まる音がした。
――ガンッ!ガラガラッ―
立て付けの悪い玄関に一度蹴りをして開けると苗は敬礼した。
目の前には豊作じいちゃんが杖を持って立っている。
「二等兵、苗!!恥ずかしながら、ただいま帰還いたしました!! 」
「うむ!」
玄関先で豊作爺ちゃんが迎えてくれた時は必ずする挨拶だった‥
そして、夏目も額に手をかざし、苗と同じポーズをとる…
豊作爺ちゃんは無言のまま夏目に視線を流した‥
「‥ぅ‥ぁ、えっと‥
夏目大介!ただいま、田中家の一人娘サンをお送り致しました!!‥‥‥でいぃのかな」
困惑する夏目に豊作は、
うむっ‥とだけ頷くと自分達の部屋に帰っていった‥
そして、身重のオカンが顔を出す。
「おかえりぃ!
映画はどうだった?」
「ちょ〰最高だったょ〰」
「そぅ!よかったわねぇ、夏目クンもありがと!!
疲れたでしょ?ちょっとよっていく!?」
気さくに誘ってくれるオカンの言葉を夏目はやんわり断った。
「有り難うございます!
もぅ遅いから俺は帰ります。すいません、こんな遅くまで苗サンを連れまわって」
・
夏目は挨拶だけすると苗に視線を流す‥
「じゃぁ‥また、学校で」
それだけを伝えるとバイクに乗り帰って行った‥
「やっぱりスポーツマンよねぇ。ちゃんと挨拶も出来るし!‥‥‥ところで晴樹クンには連絡した?」
オカンは夏目に感心しながら苗に尋ねた
「‥なんで兄さんに連絡せにゃぁならんの?」
「!?‥夏目クンに聞いてない?」
オカンの問いかけに苗は首を振った
「今日晴樹クンから二回も電話があったのよ。大した用じゃないからって言ってたけど二回も掛けるなら何かあるんじゃないの?」
「うそっ!?
兄さんからなら、何かお得情報かもしれない!!」
オカンの言葉に苗は慌てて電話の受話器を握っていた
「どうだ?‥ちったぁ気が晴れたか!?あん?」
「‥‥あぁ、
‥‥ちょっとはな‥‥‥」
再び伝説を蘇(よみがえ)らせた晴樹達は良二から“清掃完了”の連絡を受け、その場を後にしていた‥
帰りの車の中で貴志が晴樹のご機嫌を伺っていると微かに耳に響いてくるのは‥‥
‥‥~♪~プッ―
ワン切りの着信音だった。
・
「んだぁ?ワン切りかよ!?」
呆れる貴志の横で携帯を取り出し確認している晴樹の表情が微妙に変わり慌ててかけ直している‥
ジリリ〰ン
『はぃ。もすもす』
「あ、苗?」
電話口の側に居たらしく苗は直ぐに電話に出た
『うん、こんばんびぃ。
兄さん何か用だった?
オカンが二回も電話あったってゆーからさ。』
「いゃ、別に用ってゆぅ事は‥
って何か用がなきゃ電話しちゃ悪いのかよ!?」
‥人の気も知らねぇでコイツはっ…///
ちょっとムッとする晴樹の心情も解らずオポンチ苗は平然と言って退けた
『だって電話は用があるからかけるんじゃん!』
「そりゃ、そうだけど‥」
‥なんだよコイツ‥
声を聞けただけで嬉しい自分とは対象的な態度の苗に晴樹は少し胸が痛んだ‥
「‥用なら‥あるよ…」
『え、なに?』
晴樹の用なら絶対お得情報だと思い込む苗はウキウキしながら尋ねた。
「映画‥面白かったか?」
『‥‥うん‥』
「食事は?‥
どこ行った?」
『‥ケ‥ンチキ‥』
‥あれ‥お得情報は?
お得情報を待ち侘びつつ、苗はとりあえず晴樹の質問に答えた
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