63 / 255
16章 温泉旅行
2
しおりを挟む上から睨みつけキレる晴樹に苗は小芝居を打った。
「兄さんとの思い出が欲しかったの‥‥‥」
「‥//‥」
石畳みの地べたに女座りしシクシク泣き真似を始める‥
嘘泣きなのは丸わかりだがそぅ言われて悪いきはしない‥‥
晴樹はため息を付きながらカメラを返した‥
「写真なら後で撮ればいいだろ?ももう、上がるから。
大人しく部屋で待ってろよ‥な?」
優しくいい聞かせるように言うとほらっ!と苗を部屋の方へ押しやった‥
‥っとに…
何で風呂を撮るんだよっ?だったら二人で入って撮る方が思い出になるはずだろ!?
――ピカッ!
…!?──〰〰〰っ
納得いかないまま浴衣に着替える晴樹に再び光が放たれた──!
「苗ぇーっ!!」
振り返ると、慌てて走り去る苗の後ろ姿とドタァ!と派手に転ぶ音が聞こえる。
「クスン‥‥‥痛ひ(泣)‥」
「自業自得だっ!
たく、早く風呂入ってこいよ
その間に食事の準備してもらうから‥」
苗は赤く擦り剥いた肘と膝を交互にさすりながら露天に向かった‥
―チャポン
‥うーん夜はフラッシュたいちゃうからバレちゃうんだょね~
・
苗は露天につかりながら計画を練り直す‥
‥やっぱセクシーショットなら朝風呂とかだったらバレずに撮れるかも♪
それか、お酒で酔わせて脱がすとか‥‥
んーナイスです!!
明日も泊まりだから飲んでもだいじょびだょね!
よしよし!そうしょぅ!
苗は一人でゥンウン頷いていた
風呂から上がった苗は目の前に並ぶ豪華な夕食に瞳を輝かせる‥
そして俺は浴衣を着た苗の湯上がり姿に胸が疼いた‥
肩下の髪を無造作に結び、少し濡れたえりあしのおくれ毛に目を奪われ、普段感じない色気の部分が際立ち俺は堪らずそこから目を反らした‥
「旨いか?」
俺の問いかけに笑顔のみで答え無心にサザエをつつく姿が可愛い‥‥
俺はやっぱりこの笑顔が好きだ‥‥‥
そして無邪気過ぎる笑顔を見て思う‥‥‥
コイツは俺が今、どんな気持ちでいるか解ってんだろうか?‥
このあと俺が‥
二人きりで何がしたいかを‥
「さぁさ!
兄さん飲んで飲んで!!
運転お疲れ様!」
そう言っていつの間に注文したのか、冷酒を手にして晴樹の隣に座り込み苗はお酌を始めた。
・
お猪口に注がれた酒を飲み干すと、かんぱつ入れずにどんどん注いでくる。
そして時折、御作りの刺身をあ~ん、と言って口に運んでくれた‥
‥///‥どこぞの飲み屋かよ、ここは?
少し酔いが回ってきたのか晴樹は苗に酒を注がれるまま飲み干し、箸で食べ物を与えられるまま口にしていた‥
‥ちぃ、やっぱ強いな兄さん‥
この作戦は失敗かな…
苗はそう思いながらビールに冷酒を混ぜた。
「兄さん!
冷酒ばっかりだと飽きるでしょ?
ビールはいかがかね!?」
ビールを勧める苗に晴樹は素直にグラスを差し出した‥
「ん‥?」
一口飲んで手がとまる‥
そしてまた、口を付けた‥
「コクがあるな?
このビール!」
気に入ったらしい。
最初に飲んでたビールと同じラベルの瓶を眺め首を傾げている晴樹に苗は冷や汗をかいていた‥
‥やっぱ失敗だ──
苗は大人しく自分の場所に座りご馳走を貪り始めた‥
苗、お手製の冷酒割りビールが気に入った晴樹はいつの間にか瓶を空にして、密かにでき上がっている。
酔ってはいるが顔に出ないせいで苗には解らない。
・
「はぁ~食べたねぇ‥‥
さすがに生モノだから持って帰れないかぁ‥‥‥」
いつもどうりの苗の発言に苦笑いしながら晴樹は言った
「帰りになんか土産でも買ってきゃいいだろ?
明日もあるんだから。」
「それもそだね!」
嬉しそうに笑う苗に晴樹も笑みを返した‥
そして、旅館の人が食事の後を片付け布団を引いて出ていく‥‥
「はぁー
なんかしんどい!!
飲みすぎた!!──」
布団が用意された瞬間、晴樹は布団の上に横になった‥
‥あ、もしかして今頃効いてきた?
そぅ、あの手の飲み物は後から効いてくる‥‥
ぐったりと伸びる晴樹にワクワクしながら苗はデジカメを手にした‥‥
「なえ‥‥」
甘ったるい声で呼ぶ晴樹に苗はびくつく‥
振り返ると長い足をはだけた虚な眼差しの兄さんが苗を見つめている
──!?セクシーショットだ!
苗は構わず写真を撮った
「なに、こんなとこ撮ってんだょ‥‥」
甘ったるい声で言われても恐くも何ともない。
「なえ‥‥風呂入りたい」
「ダメだょ飲んでから入っちゃ‥‥」
「苗と一緒に入りたい‥」
「ダメだょ!」
・
苗に風呂を断られ晴樹は静かになった‥‥
「?‥」
‥あれ‥寝ちゃ‥った?
苗はゆっくりと顔を覗き込む‥‥
‥‥‥
どうしよう‥
撮り放題だょっ!
苗は晴樹の浴衣をソッと脱がせた‥
「ふぃー…緊張の一瞬だょっ…」
一人でブツブツ言いながら苗は晴樹にセクシーポーズをとらせ写真を撮っている
『ヌードなら3万円で買うわ!』
‥ヌードか‥
兄さんごみん!!
苗の生活の為なんだょ!!
苗は晴樹のパンツにグッと手をかけた──!
「お前っ
いい加減にしろっ!…//
人が寝た振りすりゃぁちょーしこきやがって!?」
ガバッと起き上がりパンツを下ろされないように鷲掴みしながら叫ぶ晴樹に苗は唖然としていた。
「酷いょ兄さん‥
寝たふりなんて‥‥‥」
「‥どっちがだよっ!
なんで俺の裸を撮る!!?
えぇ!?」
「‥だから、兄さんとの思い出を‥‥‥」
さっきの甘ったるい声は何処へやら‥いつもの兄さんに戻っていた。
そして聞きわけの悪い苗に晴樹はお仕置きを与えはじめた‥
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
クラスで1番の美少女のことが好きなのに、なぜかクラスで3番目に可愛い子に絡まれる
グミ食べたい
恋愛
高校一年生の高居宙は、クラスで一番の美少女・一ノ瀬雫に一目惚れし、片想い中。
彼女と仲良くなりたい一心で高校生活を送っていた……はずだった。
だが、なぜか隣の席の女子、三間坂雪が頻繁に絡んでくる。
容姿は良いが、距離感が近く、からかってくる厄介な存在――のはずだった。
「一ノ瀬さんのこと、好きなんでしょ? 手伝ってあげる」
そう言って始まったのは、恋の応援か、それとも別の何かか。
これは、一ノ瀬雫への恋をきっかけに始まる、
高居宙と三間坂雪の、少し騒がしくて少し甘い学園ラブコメディ。
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる