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18章 大切なひと(前編)
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しおりを挟む―ガンッ!ガララー
「ただいま!
お母ちゃん!水出たぁ?!」
頑固な戸を蹴って開ける。苗はタクシーで家につくなり水道の事を確認していた
「おかえりー
あら‥晴樹クンは?」
「うん、兄さん用が出来たからってタクシーで帰ってきた」
「なんだ、そぅ‥」
残念そうに言うオカンは密かに晴樹ファンになっていたらしい。
「これは、せっかくだからお風呂に使うかな」
タクシーの運ちゃんが下ろしてくれたタンクを風呂場に運び込む苗に、オカンは思い出したように言った
「そう言えば、夏目クンから電話があったわよ」
「大ちゃんから?
わかった。」
苗は風呂にタンクの水を移し換えると夏目の携帯にワン切り電話をかける‥
[ジリリ〰ン]
そして直ぐに夏目からかかってきた
「もすも!!
なに?!」
『あ、苗か?!』
よく解らない呼びかけで電話に出た苗に夏目は一瞬躊躇したが、直ぐに感動の波に包まれていた。
‥よかった──
やっと声が聞けた‥//
『苗‥俺、何回も電話したんだけど‥連絡がなかなか……』
「はは、ごみんね。
で、なんの用?」
『なんの用ってか‥//‥』
あっさり聞き返す苗に夏目は少し戸惑った
・
『…あ、あのさ、……
俺と付き合って──…
‥くれるっ?‥かな‥//‥』
「──…っ…」
『苗?…ダメ?…』
夏目はドキドキしながら苗の返事を待った‥
‥苗──…っ…俺っ
すげー不安だよ‥‥‥
なんか言って欲し‥//‥
黙ったままの受話器の向こう側に夏目は訴えるように祈った‥‥
やっぱりムリなんかな?‥
俺、もしかして振られる?
──っ!…くそっ…
やっぱ告るの辞めときゃよかった……
沈黙の時間がえらく長く思え、夏目は息苦しくなってきていた
『苗……ムリならムリで言って欲しい──…っ…じゃないと気持ちが中途半端になるからっ…──
でも、俺は苗のこと本気だから付き合って欲しい!』
夏目はありったけの気持ちを再び苗にぶつけた。
『苗は俺のこと嫌い?』
‥苗──!
頼むからなんか言ってくれよ──!!
‥耐えらんねぇょ…
この状況っ‥//‥
夏目はケータイを手にしたまま自分の胸を鷲掴んだ。
「…ぃぃょ」
『……え…』
・
夏目はケータイに耳を押し付ける。
『───……マジ?
うそッ!?‥‥マジOK?!』
「ぅん‥‥‥ぃぃょ」
───っ‥//‥スゲェ‥
俺‥
付き合っちゃうんだ‥
苗と‥‥‥///〰っ
夏目は携帯を耳に宛てたまま、ニヤケる口元を手で覆いながら真っ赤になっていた。
「大ちゃん?
もすもす?」
『‥///‥
も、モスモス……苗‥あのさ‥
明日、一緒に帰るか?』
夏目はドキドキしながら苗をお帰りデートに誘う‥
夏休みに入ったらすぐ部活の合宿が始まるしな‥
なるだけ一緒にいる時間作んねぇと!
「大ちゃん明日は部活ナッシング?」
『ぅん‥ナッシング‥///』
「そ、わかった!
じゃあ教室で待ってるからお迎えに来てょ!」
『ぅん‥‥//
お迎えに行く‥‥‥///』
「あぃ!じゃね!」
──カチャン
『……//…』
‥‥カチャン…か…
苗‥‥
いつも思うけど──
電話切るの早いな…//‥
夏目は通信音のする携帯をいつまでも握りしめていた──
「‥‥//‥っ」
──バフッ
そして、いきなりベッドにダイビングする!!
・
////‥やべーー!!
マジ嬉しい!!
どぅすんだよ俺!??
夏目はうつ伏せのまま枕に顔を埋め激しく足をバタつかせた──!
‥‥‥苗っ──//‥
なんかすげぇ会いたい!
たまんねぇ‥//
‥‥///‥やべぇ‥っ
なんか知んねぇけど‥
勃ってきた…///‥
(毎度のコトじゃないか?)
夏目は疼き出した股間から気を紛らそうとベッドからおりて体操を始めた
そして体操をしながら妄想タイムに突入する‥
‥合宿終わったら苗と海に行きてぇな‥//‥
海に行って‥
アイツ泳げんのかな?‥//
まぁ、泳げなかったら俺が手取り足取り教えてやるし‥‥
手取り‥///‥
違う違う!!──何考えてんだ俺!?
あっちはまだ早いだろ!?//
‥まだ、今日から付き合い始めるんだしっッ
‥‥‥でも、
苗がもし、いいって言ってくれたら‥‥
──ッぅ///〰〰くぅっ…
夏目は真っ赤になりながら上を向くと首の後ろを連続チョップしていた💧
そして第2弾!
夏目のSummer・Story
海物語編が始まる──
・
脚本家―夏目 大介が送る!
Summer・Story
―海物語―
~苗とラブラブ・
メモリアル~編*゚+。*゚+
『あはは‥
苗はこんな泳ぎも出来ないのかょぉ*゚+。*゚+
そんなんじゃ波に拐われちまうぜっ』
『ぃぃもん!!
苗は波に拐われる前に大ちゃんが拐ってくれるからっ!!』
──ドキッ‥苗‥//
ぷぅっと膨れながら言う苗に大介はゆっくりと近づき苗の顔を上向かせる‥
夕陽に染まる苗の顔が微かに熱く、そして潤む黒い瞳には黄昏色の輝きでキラキラと光るオレンジの海が映し出され、大介は息を飲んだ‥
スローモーションのように重なる二人のシルエット‥
そして熱い吐息‥
唇を重ね合わせた二人の間には夕陽の輝きさえも入りこめなかった──
‥///‥‥完璧‥じゃんっ
夏目はいつの間にかグルグル巻きの布団を抱きしめ顔を埋めていた……
そして、完璧なシナリオのデキに舞い上がる!!!
‥くそっ!…//…俺ってチョ〰凄くねぇ!??
抱きしめた布団とクルクル激しくダンスする夏目!
興奮しすぎでいつもより多めに回っている夏目!!
──ガツッ!
「はぅッ・・
……痛ッ〰〰」
そして、クローゼットの角に足の小指を激しく打ちつけ撃沈していた…
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