ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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21章 君に熱視線°!

3

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‥大ちゃん‥//‥









夏目からのメールだった‥


苗が不安にならない様にと


もし、携帯を見ることができれば勇気づけられるんじゃないかと‥



何もしてやることが出来ない夏目なりの想いだった‥





そして、届いたばかりであろうメールに目を通す‥













「ぅ‥‥‥?


‥‥‥ぅ‥っ‥?


‥‥‥‥‥‥‥ゥゥッ‥




‥‥‥‥ぅえッ‥‥ぇッ‥




‥ぅわぁぁぁん‥‥グェッ







『──っ…!?』





晴樹と貴志は突然泣き始めた苗を見つめた。





「な、んだよ急に!?

どうした?…まだ、腹が痛いのか?」


晴樹は訳もわからないまま心配そうに苗に問いかける



そして苗はぐちゃぐちゃな顔で晴樹に訴えた──


「ぅぅ‥グッ‥‥フゥッ‥



大ちゃんに‥‥‥ぅぅ



大ちゃんにぃ‥‥ぇっく‥












振られちゃったぁァ!!!‥ぅ

だんでぇ?ねぇだんでぇ?」


「──…っ…」

‥‥振られた!??


苗の答えに晴樹は驚きを隠せない──

自分に泣きじゃくりながら、なんでぇ?そう聞いてくる苗に晴樹も疑問顔だった‥



‥なんでって俺に言われても‥‥‥


なんでだ!??──






晴樹はそう思いながら苗の携帯に目を通した‥‥














〔苗‥ごめん





別れよう‥‥‥




たぶん、今の俺じゃ苗に似合わないから‥



だから、もういっかい白紙に戻して考えたいから‥







ごめんな‥



勝手なこと言って‥‥



先輩にもよろしく言ってて


腕の傷お大事にって‥〕













‥‥っ‥アイツ──! 








晴樹は夏目からのメールを呼んで苗を見つめる。



苗は相変わらずぐちゃぐちゃ泣いていた……


晴樹はそんな苗の頭をそっと撫で、自分の胸に寄りかからせる。



「苗‥


そんなに泣くなッ‥」




夏目に振られたと言って泣く苗に晴樹は胸が痛む‥


‥もしかして夏目のこと好きだったのか?‥‥っ‥!



そう思えてならなかった‥







「苗‥‥‥



夏目じゃなくても他に男はいるだろッ‥


アイツじゃなくたってッ!!」


晴樹のその言葉に苗はガバッと起き上がり訴える!!


「いないも゛‥

大ちゃんしかッいだいも゛」

「──…っ…」

──っ…!?…なにッ



苗の口から出た言葉に晴樹は身震いが起きそうな程にショックを受けた──






苗はグシグシ泣きながらショックで目を見開く晴樹に追い討ちをかける!!




「兄さんは案外モデモデだからそんなことゆうげどッ


苗はッ‥‥ぅぅ‥苗はっ‥


初めでズキって言われたんだがらっ‥
‥あぅぅッ‥



大ちゃんのばがぁ〰!!」









‥コイツ‥‥っ‥
人の気も知らねぇくせにッ

なんだよッ
夏目ッ夏目てっ!




苗の言葉に腹が立つ──



こんなに想ってるのにちっとも俺の気持ちをわかってくれないッ‥



こんなにも大切にしたいって想ってるのにッ‥





「居るだろッ





夏目以外にちゃんとッ‥





ちゃんと居るだろッ!!








俺が傍にッ‥






お前の傍には俺が居るだろッ!!!」








晴樹は真剣な眼差しで苗を見つめる──



‥お前言ってただろ‥



〔苗の側にいてょ〕


〔苗は兄さんがいないとダメだょ〕



‥そう、言ってたじゃないか‥‥





「だってそれぢゃ‥
だめだも゛ぉ‥‥ぅぅ‥」



「は──…?


…っ…だめって…


…なんだよっ…!?
何がダメなんだよッ!!」









苦しいッ‥




もうこれ以上言いたくないのに言葉が止まらない!!



俺のどこがダメなんだッ‥



どこが嫌なんだっ!??








苗の拒絶の言葉に晴樹は唇を結び歯を食いしばった──

あまりにも辛くて涙が出そうになるッ‥



想いをぶつけても拒否されるッ

じゃあどうすればいいッ?



誰にも渡したくないのにッ


激しく強い想いだけが空回りするっ──!






涙を堪えれば堪えるほど晴樹の表情は険しく鋭いものになっていた──













「何が、ダメなんだよ‥」




弱々しく震える声を絞り出して晴樹は問う






「だってぇ‥‥‥





兄さんだも゛ぉ‥‥ぅぅ




苗の兄さんだもぉ‥ぅぇ‥」









「・・・──?」



‥兄さん?






‥‥‥



また…

兄さん?






‥コイツはっ…




「ふざけんなっ!!──


このックソ女!!

なんかある度に兄さん兄さん!言いやがってっ!!」



「ぅ!?‥‥





うぁぁあん!!!
ひどいょ兄さん!!



苗は失恋したばっかりなんだょぉ〰‥‥グェッ‥ぅぅ


ちょっとは‥うぇ‥‥優しくしてくれたっていぃじゃないさぁぁ‥‥ぅぅッ‥



兄さんのばがぁ〰!!!」



「うるせぇ〰!!


テメェがバカだッ!

なにたった二日付きあって振られてんだよ!!?

バッカじゃねぇの?!

ハハンだッ♪


日頃の行いが悪い証拠だろッ!!?」



「──…な…!!?


うっ‥‥ぅぅッ‥‥


ひどいよぉー‥ぅぁ〰ん‥






‥ほんとに酷いな。。。



車の中で静かに傍観していた貴志と組員達は思っていた。


‥しかし、うるせぇ‥



狭い車内で苗の泣き声と晴樹の怒鳴り声がこだまする──



騒音の何物以外でもなかった…




ただ、


貴志は思う‥


‥まぁ、こいつがこれだけ興奮するってことは‥‥


やっぱ惚れてる証拠なんだろうな……。




貴志は隣の二人をちらっと見るとそっと両耳を塞いでいた…

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