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13章 海外からの来訪者
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しおりを挟む‥苗より綺麗な日本語使うじゃねえか💧
ほっといても絶対に大丈夫だっつーのに‥
日本語でお世辞まで言う14歳の少女を見て晴樹は思う。
‥苗の方が絶対日本でも迷子になる!!!💧
「荷物はこれだけか?」
晴樹はそう言いながらリディの荷物を取ると駐車場へ向かう。そして歩きながら時計を確認した‥
‥なんだかんだ言って結局もう五時前。
早めに帰れたらお詫びに苗に食事でもご馳走しようと思ったのに‥
とことん予定が狂っちまう!
晴樹は暗い表情でため息をこぼしていた‥
そんな晴樹の心情も知らずリディは嬉しそうに腕を組んでくる。
「晴樹、家に荷物置いたら美味しい天ぷらを食べに行きたいわ!」
リディは綺麗な笑みを浮かべ"連れてってね!"そう晴樹に催促した‥
『エスコートも頼んだぞ』
リディに甘えられ、智晴に言われた言葉を思い出す‥
晴樹は小さなため息をつくと、力なく笑い返しリディの頭を撫でて「わかったよ」そう返事をしていた。
・
「うわぁ、大ちゃん見て!すごい顔してるよ」
「え、マジ!?」
USJで散々遊び回った二人は自動で撮られた写真を見て大騒ぎしている‥
スライダーの高い位置から直角に水面に落ちる瞬間を撮られていたらしく、二人のこの世の者とは思えない絶叫顔が写っていた。
「記念に買うか!
苗の分も買ってやるよ!」
夏目はサービスで撮られたその絶叫写真を、苗と自分の分の二枚、購入していた。
「USJって初めて来たけど面白いだね!
兄さんが行きたがるのがわかる気がするだょ」
いや、それで行きたがってた訳じゃないと思うけど…
夏目は少し苦笑う
「そうだな💧
大人も遊べるもんな!」
ホクホク顔で誤解したことを言う苗に夏目は合わせるように相槌を打ち返した
苗は今回、行くことのできなかった晴樹にお土産でバットマンのキーホルダーを購入し、そしてバスに乗り暗くなった夜道を夏目と一緒に帰った。
疲れ果て眠り込む苗に肩を貸し、夏目はバスの中で苗の寝顔を写メに収める。
そして眠りこける苗の手を握りながら、今日写した沢山の苗とのツーショットの写メを眺めた。
‥苗‥こうしてると、どっからどう見ても俺達普通の恋人同士だよな‥//
夏目は携帯をしまうと苗の寝顔を眺めて自分も眠りについた。
・
「晴樹!バッテラ頼んでいい?」
‥バッテラ💧
「お前、欧米人なのにバッテラ食うのか?」
癖のあるものを好む青い瞳の少女に晴樹は問いかける
「あら、食に欧米人も何も関係ないわ💧
バッテラはダディの大好物だもの、小さい時から良く食べてたわよ」
「‥‥💧」
どうやら、日本かぶれしていたリチャードの影響でクライム家の食卓は和食中心のようだった‥
運ばれてきた、バッテラ寿司と天ぷらを食べながらお吸い物をすする姿は何とも不思議な感じがする
‥俺より箸を上手に使いやがって💧‥//
日本の作法をきっちり教え込まれたリディは立ちい振る舞いも洗練されていた。
食事を済ませ、家に戻ると晴樹はリディの荷物を一緒にほどいてやる。
そしてリディはアメリカのお土産を晴樹に渡した。
「これ、近所の人に配ってってママが‥」
「近所?」
日本は何かと配り物をする国だと思われている為、ママはアメリカのお菓子をいくつか娘に持たせたようだ
‥最近の日本人より日本人らしいな💧
「サンキュー。後で配るから‥」
晴樹はその好意を素直に受け取っていた
・
‥そうだ!これ苗に持って行ってやろう‥
何となく会える口実ができて笑みを浮かべながら晴樹はリディから受け取った菓子を手に、苗に電話をかけた。
プルルル‥――――
‥‥‥
‥出ない💧‥まぁいい、いつものことだ…
呼び出し音が鳴っても一向に携帯にでる様子のない苗に晴樹は諦めて、自宅電話の方に掛け直す。
―ガチャ!
「はい田中です、どちら様ですか?」
「もしもし、空か?
結城の兄ちゃんだけど苗は今、電話出れる?」
「ああ、兄ちゃん!
苗姉ちゃん出掛けたぞ!
バスに乗るって連絡きてからだいぶ経つからもうすぐ帰ってくると思う。」
すんなりと三つ子の内の誰かを当てた晴樹に空は苗の留守を告げた。
そして晴樹は空の説明に声をあげ聞き返す
「バス!?
バスに乗ってどこ行ったんだ?」
「USJだよ。」
「は?‥‥USJ?」
「うん。夏目の兄ちゃんが迎えに来て行ったよ!兄ちゃん!今度俺達も連れてってくれよな!」
――――‥!
なに!?
夏目と行った‥?
空のご丁寧な説明に、晴樹は携帯を耳にしたまま固まる
‥なんで‥夏目と‥
「わかった…
苗が帰ったら電話するように言って…。」
・
「‥‥‥」
「晴樹?どうしたの?」
切った携帯を手にしたまま立ちすくむ晴樹にリディは声をかけた
‥夏目と‥
――――なんで‥
なんで‥あいつなんだ?
なんでいつもッッ―――
俺がどんな思いして今日を諦めたと思ってんだよ!
「くそ…っ…」
「‥‥
‥晴‥樹?💧」
悲痛な表情を浮かべソファにドサッと腰を下ろし頭を抱える晴樹にリディは恐る恐る話かけた
「大丈夫?」心配そうにそう声をかけリディは晴樹の頭を撫でようとしたが晴樹はその手を無意識に払い退けてしまった
「っ‥あ‥ごめんリディ‥
ごめんなっ」
一瞬ショックを受け、払われた手を庇いながら見つめてくるリディに晴樹は慌てて詫びた。
「ごめん‥ほんと大丈夫だから‥気にすんなよ。
ちょっと疲れたから部屋に戻る、わからないことは村井に聞いて‥」
その場を誤魔化しながら、晴樹は笑顔を向けてリディの頭を撫でる。そしてソファから腰を上げ自分の部屋に戻って行った
‥晴樹‥
全然大丈夫そうじゃないわよ‥
リディは晴樹の後ろ姿を眺めながらさっきの晴樹の表情を思い出していた。
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