ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

文字の大きさ
203 / 255
17章 距離…

4

しおりを挟む

どうやら空はグリーンとニャンだー元老の一人二役のようだった‥


*ニャンだー元老豆知識*

敵名:勘定ババァ苗!

特技 金勘定。
数学の計算はからっきしだが金の計算になるとすこぶる速く正確。

必殺技 お持ち帰り。

趣味 路上ティッシュ集め


「よいか若者達よ。闘いに勝ちたいのならまず、敵を知ることが先決じゃ!

‥‥‥ってこの役、喋りが面倒くさいんだよな💧」

「べつに普通でいいぜ💧?」


空のこの一言でゴッコは終わった💧

「姉ちゃんはさ、考えてる内容によって微妙に口の形が違うんだ」


空は得意気に語り始める‥

「勘定する時は真一文字。そして左脳を使う考え事の時‥
つまり今までの経験を参考に現実的な思考を巡らす時は唇が左寄りに尖るんだ」

「おおー、なるほど!!」

「何か難しい言葉が多いけどなるほどだな」

空の解説に海が深く頷き陸はわかった振りをする‥

空はそのまま続けた

「んで、今の姉ちゃんの表情を見ると・・・」


「口が右寄りに尖ってる‥」

二人は口を揃えて言う。




「そう!
右寄りと言うことは右脳。‥つまり、想像力を駆使してあれやこれやと思考を巡らしてる最中なんだ!

右脳を使って考えるってことは今までの姉ちゃんにはなかった!!

今までに姉ちゃんになかったこと‥‥と言えば?」


「恋──!」


「そう。
姉ちゃんは今まで恋について考えたことがない!!

それをたった今、必死で考えてんだよっ
オレらの声も聞こえないくらい集中してさ💧」


「なーるへそ。
そうだよな、言われてみれば‥これだけ勘定ババァって言ってんのに反撃してこないもんな💧」


そう、いつもなら何処にいても地獄耳で聞き取り背後から電マ攻撃を股間に仕掛けてくるのに今日は口を右寄りに尖らせブツブツと呟きを繰り返す‥

病院から戻り、居間に座り込んだまま微動だにしない態勢で‥
苗は考え込んでいた。


「相手は誰なんだろうな💧‥」

三つ子は声を揃え恋の病に悩む姉を見つめた


‥だって―――
だって兄さん忙しいからって‥
苗より‥お客さんが大事だからって・・・ぅぅ‥
苗よりあの娘のが大事だって!っ‥ぅぅッ
兄さんのバガ!!



晴樹はそんなこと、一言も言ってはいない💧




ただちょっと‥
苗は悲しかった。
いや。かなり、結構、だいぶ・・・悲しい💧

Aカップの胸の奥がシクシク痛みを増してくる‥
何故にこんな気持ちになるのだろうか?
何故にこんなに胸が痛むのだろうか‥



「うぅ‥兄さんいなきゃお持ち帰りもできないだよぅ‥ヒッグ‥ぐぇ‥
お持ち帰りできなぎゃっ‥ズビっ‥苗、ちんじゃう(死んじゃう)‥ッ‥」

くちゃくちゃに口を歪め畳に伏せておいおい泣きじゃくる姉を弟達は見つめている💧

「なんだ💧?恋に悩んでんじゃないみたいだぞ?」

「おかしいなっ、恋だと思ったんだけど💧‥」

「お持ち帰りできないとか叫んでたぞ💧」


・・・・


―――‥なに!!💧

お持ち帰りできない!?


陸達は苗の言葉を整理し、途端に青ざめた!


「姉ちゃんど〰ゆうことだよそれ!?
お持ち帰りがなきゃ‥オレ達死んじゃうじゃんかよぉっ…ぅあーん!‥ぅぅッ‥グェっ‥」


泣き伏せる姉にまとわりつき泣き出す弟達‥


やっぱり血の繋がった姉弟だった💧‥


痛む胸は持ち帰りを断たれた故の痛みなのか?
恋心に気づかぬはある意味、鈍感苗の得意技と言った方がよいのだろうか💧




今まで使わずにいた想像の脳‥右脳をふんだんに駆使し、考え始めた苗が自分の気持ちに気づくのはいつになるのやら‥


‥ぅぅっ‥苗より大事って‥
させないだも‥


二人の好きには!‥
二人の自由には―――ッ


絶対させないだもっ!!



涙に濡れた顔をキッと上げ、しまい忘れた季節外れの風鈴に何かを誓う‥


苗は‥コワレてしまった💧












「あ、晴樹!お帰り。

──って?」


苗を送り届け、戻ってきた晴樹にリディは声を掛ける

「晴樹?」

呼びかける自分の前を無言で素通りし、部屋へと向かう晴樹の背中をリディは見つめた‥

「ねぇ晴樹、今日はスクール休むんでしょっ?」


‥ウルサイ…

部屋のドアを叩きながらリディが話掛けてくる

「晴樹っ!!
さっき晴樹のパパから電話あったんだってば!!」


‥ウルサイッ


晴樹はベッドに体を投げ出したまま耳を塞ぐ

‥うるさい―――ッ

もう、俺に構うな!!

もう‥いいから…

頼むからほっといてくれよ!!


悲痛な叫びが胸の中で渦を巻く

苗が‥

苗が夏目を選んだ‥


その思いだけに心が支配される



晴樹にとってそれは世界の終わりとなんら変わりはない。


そのくらい晴樹にとって、苗の存在は大きかった…


夏目が告って付き合い始めた時とは訳が違う‥
今度は明らかに苗が…

夏目を選んだ──


〃大ちゃんの方が‥〃

苗の口からはっきりそう‥聞かされた


「――ッ‥苗っ」


携帯で夏目と楽しそうに話す苗を思い出し、晴樹は痛む胸を鷲掴むっ


自分と居て沈んでた筈が夏目からの電話を受けた途端笑顔を浮かべ明るい声で話す

あの変わりようは明らかに夏目に気がある

俺より‥夏目に──



自分の好きな娘が恋をした‥

自分ではない相手にッ

「どうすれば‥ッ‥」


消えそうな声で晴樹は呟く

‥こんな時どうしたら…

楽になるんだ…


どうすればこの痛みから逃げられる!?


願えばいいのか!?

好きな娘の想いが叶うように?

晴樹は心で葛藤を繰り返す‥

偽善者になりきれってか?


「‥ッ‥偽善か

そりゃ無理だ‥っ」

到底無理な自分に薄い笑いが溢れ、細めた瞳からは感覚の麻痺した涙腺が水滴を吐き出す‥


偽ることのできない想い‥



ベッド際の白い壁は、キラキラと滲む涙で水晶を覗いたように輝き晴樹は静かに息を吐いた‥



正直過ぎる想いはコントロールが効かない‥



誤魔化しの効かない想いだから…


想ってるだけでは満足できない自分を知ってるから…


妙な無茶をする前に…

大好きな苗を傷つけてしまう前に──


晴樹は苗から遠ざかるしかなかった…。

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい

みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。 それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。 願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。 スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。 ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。 ※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。

たかなしポン太
青春
   僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。  助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。  でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。 「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」 「ちょっと、確認しなくていいですから!」 「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」 「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」    天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。  異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー! ※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。 ※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

【完結】好きって言ってないのに、なぜか学園中にバレてる件。

東野あさひ
恋愛
「好きって言ってないのに、なんでバレてるんだよ!?」 ──平凡な男子高校生・真嶋蒼汰の一言から、すべての誤解が始まった。 購買で「好きなパンは?」と聞かれ、「好きです!」と答えただけ。 それなのにStarChat(学園SNS)では“告白事件”として炎上、 いつの間にか“七瀬ひよりと両想い”扱いに!? 否定しても、弁解しても、誤解はどんどん拡散。 気づけば――“誤解”が、少しずつ“恋”に変わっていく。 ツンデレ男子×天然ヒロインが織りなす、SNS時代の爆笑すれ違いラブコメ! 最後は笑って、ちょっと泣ける。 #誤解が本当の恋になる瞬間、あなたもきっとトレンド入り。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

処理中です...