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21章 ☆*:.。. IN ニューヨーク ☆*:.。.
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しおりを挟む先を越され、すごく悔しいはずなのに…
すごく嬉しい…
嬉し過ぎて感情のコントロールができない
こんなに泣くつもりじゃなかったのに…
思いもよらない不意打ちのXmasプレゼント
送り主は大体想像できる
…お爺のヤツっ
また、してやられたっ…
憎らしい程に嬉しいサプライズ
どうせ、俺のこの姿も何処かで監視してんだろ…//
ほんと、いやらしい爺ぃだよ!…//
憎みきれないお爺の粋な計らい。
でも、ほんと…
サンキューお爺…
今度ばっかりは頭上がんねえ…//
晴樹は素直に心で礼を唱える。
もう、監視されてても構わない…
だって、溢れる想いはもうとっくに制御不能なのだから…
Xmasがあってよかった
アメリカに来てよかった
今までのことが全てプラスに思える。
今まで起こったこと全てが一つでも欠けていたなら…
俺はこの喜びを味わうことさえなかったかも知れない…
何故だかそんな風に思えてしまう。
大好きな苗と、互いに逢いたいという想いを分かち合えた。
こんな最高のプレゼントを貰えるとは思ってもいなかったのに…
・
寒さで凍っていた心が溶けていく…
笑顔で道行く人々を羨ましいなんてもう思わない。
今の自分の幸せに敵うヤツなんて居ない
不思議とそう思える
苗一人の存在でどうにでもなってしまう晴樹の心。
…でもどうしようもないくらい好きだから…
たまんないくらい好きだから…
苗に抱きしめられてるだけで、何でもできる気がする。
「苗……」
微笑む晴樹の濡れた頬に驚きながら、苗はマフラーで拭いてあげる
そんな苗の手を包み、晴樹は耳元に唇を寄せ囁いた
「俺も、
すごい逢いたかった。」
「………//…
ほんとに?…//」
「ああ…だから…
すごい嬉しい…っ」
頬を染めて聞き返す苗がすごく愛しい
晴樹はたまらずに苗を強く抱き締める
迷わず重なる唇が体温の上昇を伝え、晴樹はそこに熱い想いを流し込む
荒くて優しい…甘い吐息。
一方通行の切ない恋だった…
でも今は、想い合えることの喜びを苗だけが俺に味わせる…
こんなにも甘いキスがあったんだと…
晴樹はホントのキスの味に心の奥から酔いしれていた…
・
マシュマロみたいに可愛い笑顔の少女。
超鈍ちんな彼女はやがては日本の大企業を背負って行こうという彼の効果覿面栄養剤。
日本の未来は、そんな苗が握っていると言っても過言ではなかったのだ──💧
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二人の恋を乗せた列車はやっと終点かと思いきや…
「何言ってんだょ!!
まだ、国体まで俺にもチャンスあるからな!!
絶対に諦めねえ!!」
「そうそう、苗に振り回されっぱなしの結城さんじゃ…苗を任せるのはちょっとね…
やっぱり苗には俺が付いててやんなきゃな…フフ」
恋の終着駅は愛の始発駅。
再び走り出した二人の列車。
手にした切符は各駅停車?それとも特急?
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もうしばらくは、
まだまだ賑やかな予感を秘めていそうだった………
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