ありのままのキミに夢中 ~イケメンはずんどうぽっちゃりに恋をする!~

中村 心響

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1章 危険な幼馴染み

6

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そんな晴樹に見つめられて、苗は照れてうつ向いた。

とても短い夜道の散歩。二人は仲睦まじく、マンションの中に消えていく──

そして……











「まだか苗…」

「……っ…」


呼び掛ける晴樹の声に、苗は肩をびくつかせていた……。

後ろでベッドシーツの擦れる音がする。

寝返りを打って、見つめる視線が背中に刺さる。

床に入る準備が中々進まない。一向にベッドに入ってこない苗を待ちくたびれて、晴樹は溜め息を吐いていた。

「もう、そのくらいでいいんじゃないか?」

「ま、まだだよ! 寝る前の手入れが一番大事だからさ…っ…」

鏡台の前に座り込んだ苗の背中に焦りが浮かぶ。

顔には輪切りにした胡瓜が張り付けてある。

苗の唯一自慢なしっとりお肌。あの、熟女女優にも負けない湯上がり美人肌を維持し続ける為に──

苗は鏡と向き合ったままそこから動かなかった。

「それ以上、プルプルになってどうするんだ…」

晴樹は言いながら鏡越しに微かに見える苗を眺めた。

輪切り胡瓜に覆われた顔面はけっこう笑える。

張り付きが弱いのか、一枚オデコの真ん中がポロリと落ちた瞬間に思わず吹き出し掛ける。

だがこれ以上待っては居られない──

そう、何せ久し振りに逢って交わした愛の営みは、三つ子の邪魔が入って中途半端なままだったのだから……。



晴樹はもう一度大きな溜め息を吐いた。

「はあっ…やっぱいい、疲れた!考えたら俺、今日こっちに着いたばっかりだわ…もう先に寝るからな!」

何かと夫婦の営みを避けようと模索する苗をベッドに引き込むにはこうするしかない。

わざとらしく疲れを漂わせ、諦めたように仰向けに寝返ると晴樹はそのまま静かに様子を伺った……。


カタッ──と、物音がする。

暫く目を閉じて眠ったフリをする晴樹の真上が暗くなる。

明かりの眩しさが和らぐすぐ側で、苗の気配を感じた。

覗き込んでホッとしている苗の様子を感じる。
寝室を立ち去り洗面所で水を出す音が聞こえてくる。

晴樹はニヤリと口を緩めた。

顔を洗って戻ってきた苗が寝室の明かりを消してゆっくりとシーツを捲っている……。

フカフカの枕にぽすっと頭を預けると、苗は安心しきった笑みを浮かべて目を閉じた。


はあ…やっと寝れるだよ。


「──…!っ」

そう思った途端に身体に重みを感じた。

苗は恐る恐る、目を開ける──

豆電球の微かな明かりの中に、ぼんやりとした人影が見えてくる。

それはとても妖しい笑みを浮かべていた…。



「…ひっ……」

「やっとつかまえた…」

「……っ…」

「暴れるなって!…たく…奥さんに暴れられる旦那の身にもなれって…」

「だ、だって兄さん寝たフリして騙すからっ…」

一瞬もがいた苗を叱ると晴樹は苗の両頬を挟んで近くで見つめる。

見開いたクリクリ目の苗は確かに今怯えている。
両側から押された苗の顔はタコのように口が思いきり突き出していた。

「恐くなんかないだろ?」

「……っ…」

「俺はお前のなんだ?」

「…だ…」

「だ?」

「だんなちゃま…」

「ぷっ…」

両側から圧迫されたせいではっきりと“さ”の撥音ができないらしい。

晴樹は思わず笑ってしまった顔を直ぐに引き締めた。

「じゃあいいな…」

コホンと小さく咳払いすると、晴樹は苗の返事も待たずに頬を解放して顔を傾ける。

ゆっくりと開いた晴樹の唇が苗の口を軽く塞ぐ。

濡れた音が小さく響き、晴樹の舌先が苗の口腔で優しく游ぐ。

「はあ…っ…」

晴樹は息を継ぎながら熱い溜め息を吐いていた。



こんな時間だ──
もう邪魔は入らない。

高まってきた想いは晴樹から冷静さをどんどん奪っていく。

「なえ…っ…」

「あっ…」

「…っ…すきだ…」

「…いっ…」

「……っ…なえっ」

「うぅっ…」

「はあ…っ…」

「ええっ…ちょ…っ…兄さっ…」

「お前ちょっとうるさい……」

まるで、あ行すべてを言いそうな苗の喘ぎに晴樹は腹部に埋めた顔を上げて苗を白い目で見つめた。

急いてくる欲求を必死に抑えて愛撫するのは苗の為だ。じっくりと隈無く唇を這わせ、下へと降りていく晴樹に苗は慣れない身体を硬直させる。

黙った苗を確認すると、晴樹はまた、苗の肌にキスを落とした……。

「なえ……」

「…っ…う…兄さ…んっ…」

「ゆっくりしてやるから……」

時間を掛けて、たっぷりと愛を囁いて……

離れていた分も埋め尽くすように──

そう想いを込める晴樹の愛撫が苗の肌を撫でていく……。

今夜はじっくりと…

そして思いっきり……


苗を味わいたい……


晴樹は苗の柔らかい身体を抱き締める。

「なえ……」

「……う…っ」

「今夜は眠れるなんて思うなよ」

「……っ!?…」

晴樹は微笑を浮かべ、苗を妖しく見つめると白い肌に甘く吸い付いた。



今宵は長い──

それは晴樹が一人で苗を想った時間と匹敵するくらい、狂おしい程に長い……


荒い鼓動に息を乱しながら晴樹は苗を繰り返し責めていく。

「…っ…あっ…ああっちょ…兄さっ…っっ…ぬぁー…っっ──」














:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ピ── ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ※只今、映像で御見せすることが出来ません。 :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: ※只今、映像で御見せすることが出来ません。 :::::::::::::::::::::::::::::::::※只今、映像で御見せすることが出来ま--------











その日は朝まで雑音と同じテロップが繰り返し流されていた──……






〔*R18指定になる為、詳しい内容は“もしもシリーズ”にて執筆致します。(著)〕

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