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反骨の意志

51話

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私たちはリリーフィルとデューク以外がそれぞれの各場所で普通の日常生活を装いながら行動し、リリーフィルとデュークは隠蔽魔法のかかった場所で隠れてもらい、リリーフィルの波魔法で会議をする。

『では、これより邪神教団殲滅作戦会議を始めます。中継は私リリーフィルが行わせていただきます。全ての作戦は私とデュークさんの二人体勢でバックアップを取りますので、ご安心ください。』

リリーフィルの声がどこからともなく聞こえる。

ちなみに波魔法での会話は念を送るような感じで伝えるので、実際には声に出してはない。

『さっそくですけど、私は南側にある実験施設の破壊を担当しようかと思うのですが、他に情報や別の作戦案があったりする方はおっしゃってくださいね。』

私がそう言うとフィリアが言う。

『なら、私はウェリアとセガールとモーラとプレディルとヴァリアスをもらっていくわよ?町外れの西の森にあるデカいのを叩きたいし…』

ウェリア、セガール、モーラ、プレディル、ヴァリアスも同意をする。

これにより、フィリア、ウェリア、セガール、モーラ、プレディル、ヴァリアスの6人が西の森のデカい施設を担当する事になった。

リリアが言う。

『リリアはアリスのところで一緒に行く。リリアは1度入ってるから、目的の部屋まで案内出来る…』

『パ、パリスもアリスさんのところに行きたいです…パリスのナイフが役に立つかも知れませんから…』

アリス、リリア、パリスが南の実験施設を担当する事になった。

『はいはーい!レティーはクーちゃんとまっちーと第一、第二、第三、第四国防騎士隊で町の警備を担当したいでーす!先日の事もあるし、他の皆が安心して戦えるように町の中を見張るって事だね!どうかな?』

茉莉が大欠伸をしながら言う。

『いいと思いますよ。それに人手もこれで十分でしょう。』

レティナ、クレア、茉莉と出撃可能な第一から第四までの国防騎士隊のメンバーが町の中の警備をする事になった。

『すみません!遅れました!』

聞き覚えのある声が聞こえる。

『その声はアイフェット様ですね?遅くまでご苦労様です。』

リリーフィルが労いの言葉をかけて、決まった事の説明をする。

『…と言うわけなんですけど、アイフェット様は何か案があったりしますか?』

『そうですね…強いて言うなら、国王様やアリスちゃんのお屋敷の警備も必要では無いかと思います。国王様は単純に国の権力者である事や二度目の襲撃を防ぐ為、アリスちゃんのお屋敷は彼らがまた悪さを出来ないように見張ると言ったところですね。もし取り逃しがあった場合、アリスちゃんのお屋敷に何かされてしまっては主戦力となる炎の女神がいる場所で不利な状況に陥る事になり、最悪の場合アリスちゃんが封印されてしまうリスクがあると思います。この間の盗聴の件やお屋敷の襲撃事件、先日の奴隷収納を用いたアリスちゃん封印の試みの件も加味するとまた狙われる可能性は十分にあるのではないでしょうか?』

『なるほど…さすがアイフェット様です!私も屋敷の警護は必要では無いかと考えておりましたが、どこも人手不足であると言わざるを得ないですからね。国防騎士隊も万全な状態とは言えないですからね。』

リリーフィルが困った様に言う。

アイフェットはその不安を拭い去るように言う。

『ならば、私がお屋敷の見張りを担当しましょう。私であれば、余程の相手でも無い限りは大丈夫だと思います。それに念には念をと言う言葉もあります通り、策はまだまだありますわ。それと王族の警護に関しては現アルフェノーツ当主が責任をもって警護致しますので、ご安心ください。』

『おおー!あのアルフェノーツ家が手を貸してくれるとなれば、百人力だな!アタシも安心して戦いに出られるぜ!』

サリアがそう言うと元冒険者の3人も同意する。

『なら、久しぶりに俺たちで北のやつを潰しに行かねぇか?伝説の元SS級パーティーの五天御剣ゴルヴィルスとしてな!』

ゼルシアが他の3に言う。

『おう!一人足りねぇが、粋なことをしてくれるねぇ!アタシは賛成だよ!』

『フフッ…腕がなるわ…』

『ふわぁ…しょうがないなぁ…』

元冒険者たちの3人が同意する。

「伝説の…パーティー…」

私の隣でリリアがポツリと口に出す。

「何か思うところでもあった?」

「小さい時…助けた…ボロボロの姿…村…来た…」

リリアが懐かしむ様に言う。

「そうなんだ?」

「うん…マリア…いつも…遊んで…もらってた…」

「ふふっ…リリアは小さい頃も人見知りさんだったのかな?」

私が微笑みかけるとリリアは少し照れた様子で言う。

「うん…アリス…会うまで…ずっと独りだった…それでいいと思ってた…だけど…今は違う…アリス…一緒…それだけでいい…」

「私もだよ。リリアが居るから、私もここまで来れたわけだからね。」

私がそう言うとリリアは嬉しそうに頬を赤くして言う。

「うん…綺麗な槍…持った…変な髪型の黒い髪の男の人…言ってた…いつか…大事な人…出来る…リリアにとって…アリスは大事な人…だから…アリス…大好き…」

「ふふっ…私もよ…」

私たちがそんな会話をしていると…

『槍を持った変な髪型の黒い髪の男と言えば…アタシたちのリーダーだったトーマだな…』

サリアがポツリと言う。

リリアが驚いた表情をする。

『リリアとアリスちゃんは本当に仲良しですね。』

アイフェットが嬉しそうに言う。

もアリスさん達がいてくれたから、ここまでこれましたからね!』

茉莉も嬉しそうに言う。

『あれ?私、そこまで強くを送ってないはずなのに…』

『すみません…急にお二方のが静かになったので、私が口に出した言葉も送れるようにしてました…』

リリーフィルが申し訳なさそうにネタバレをする。

『Oh…そんな技術があるなんて聞いてないよぅ…』

私は思わず恥ずかしさで顔を押える。

『アハハハハハ!アリスが遊ばれてるのじゃ!面白いのじゃ!』

クレアが愉快に笑いながら言う。

『クレア…あんまりそういう事言わない方が…』

マリアが控えめにクレアに言う。

『フフッ…可愛い…』

デュークが楽しそうに言う。

『青春ってやつですね?羨ましいです。』

カレンが羨ましそうに言う。

『あれ?カレンちゃん、確か彼氏居なかったっけ?』

『んな?!レティナさん、何故それを!?』

『あら?カレンさんにもそのようなお方がいらっしゃるんですか?私にもぜひお聞かせください!』

『アイフェット大隊長まで?!』

こうして女子組による公開恋バナが始まろうとしていた。

『あの…今は作戦会議に集中しませんか?その後で皆さんで恋バナしましょう!』

リリーフィルがそう言うと『はーい』と恋バナを始めようとしていた女子組が言う。

リリアは私の隣で赤い顔をしていた。

ベッドの上で寛いでいたパリスもいつの間にか申し訳なさそうに正座していた。

こうして私とリリアとカレンの3人は仲良く恥ずかしい目に合わされながらも作戦会議を進めた。



『…では、作戦会議は以上となりますが、よろしいでしょうか?』

私たちはそれぞれの担当を確認する。

『大丈夫です!早くカレンさんの恋バナが聞きたいです!』

興奮気味にアイフェットが言う。

『い、いや、私の事は良いですから!さっきから黙ってるグラディオスさんとか可愛らしい奥さんがいらっしゃいますよね?』

カレンが逃れる為にグラディオスに振る。

『そうだな。俺にはもったいねぇくらい可愛くていい嫁だ…って、俺の事は良いんだよ!大事なのはわけぇもんの方だろうが!なぁ!セガール王子!』

グラディオスが照れ隠しするかのようにセガールに言う。

『あの…まだアリスさんに告白も出来てないのに振られても困るのですが…ハッ!い、今のはなんでもないです!』

『おー!アリスちゃん、皆にモテモテで将来有望ですね!アルフェノーツ家の為にもこの好機は逃しちゃダメですよ!』

『アイフェットお姉様?その言い方はセガールに失礼だと思いますよ。』

『冗談よ。でも、アリスちゃんが幸せになってくれるなら、お姉様は全力で応援しますからね!』

アイフェットの矛先が私に向いた事でホッとしている人物がいた。

『ところでマリアとグレンは何か無いのか?お主ら、最近よく一緒に居るじゃろ?』

クレアがマリアとグレンの名を出す事で私から2人に標的が変わる。

『なんもないよ…』

『そうだぞ?稽古で使う用に同じ剣を買いに行ったり、稽古後に一緒に飯を食いに行ったり、汚れを落としに銭湯に行ったりするくらいなもんだぞ?』

『いや、めちゃくちゃ満喫してるやないかい!』

クレアが思わず関西弁なツッコミを入れる。

パリスは夜も遅い時間だったので、途中で寝落ちしてる。

こうして私たちは男性陣が途中退室をしながらも夜が開ける直前まで皆で恋バナをしていた。
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