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覚醒してすることは?
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まず倒れた今日は5歳の誕生日だったりする。
普通ならば5歳のお祝いはいつもより盛大にするのだが、リーフ君の両親は馬車の事故で彼が3歳の時に亡くなっている。
ちなみにリーフ君も一緒に乗っていたが両親が護ってくれたおかげで生き残り本家の侯爵家に養子として引き取られているのだが、心を閉ざしているため何をするにも無気力だったが、誕生日をきっかけに前世を思い出し今に至るという訳で、無気力な状態でお祝いは特にしない事になっていたようだ。
特に冷遇されているというわけでも無いがとにかく感情は無で食事すら目の前に出されたら本能で食べているという感じでしかないので人前に出すのは難しいという事でしかないのだから仕方がない。
そんな状態の転生というか憑依と言うのかまだ分からないが、乙女ゲームのシナリオ的には学園に入学後出会うヒロインに中途半端に絆されて、重度のストーカーになり悪役令嬢ならぬ、当て馬的な要素しかないのだからストーリー的には必要悪ってヤツだね。
だからといって素直にそのストーリーに沿った人間になるつもりは無いから、この先の人生設計を1度考えて置く必要かあるね、
まずはこの世界のことをちゃんと知ることから始めないと行けないけれど、無気力少年が急に覚醒したらおかしいだろうし、ここは頭でも打ったふりしなきゃダメかな。
こう言うのは高熱を出したあととか頭を売ったあとが鉄板だよね?
って倒れてるじゃんわたし!だから前世の記憶を思い出したと言うのか憑依したのかって事でしょ?
って事は少しくらい変わった行動出来るんじゃん?
なんて考えていると、
「坊っちゃま?」
扉が開いて入って来たのは実家から唯一着いてきてくれた乳母のマリナでこの家でリーフ君の面倒をこの人が見ててくれなかったらとっくに死んでいたと思うほどだ。
「マ、リナ、」
ってどーしよう、まだどういう方向で覚醒した事にするのか決めてないよ!
「リーフ坊っちゃま!!!!」
手にしていた水差しを落とした事にも気にとめず一目散に私に抱きつくマリナは泣いていた。
それはそうだよね、事故後初めてじゃないかな?喋ったのは。
おかげでちょっと声かすれ気味だったしね。
「パパとママは死んじゃったんだね…」
どうしようと考えているとふとこえ呟いていた。
それを聞いたマリナはより泣き出しながら必死で
「坊っちゃまがこうして生きてくださっていてようございました。旦那様も奥様もきっとそう思っております。」
子供の記憶だからちゃんとは把握して無いけど事故に遭うまでは別にお金に困った生活はしていなかったしいつも笑顔の幸せ家族だったと思うんだよね。
「そうだといいな。」
私はあんまり考えがまとまっていないけどきっとリーフ君の心の声がふと漏れたんだって何となく思ったんだよね。
気づくと自分も泣いていたしさ、前世の記憶も有るけどリーフ君としての記憶も不思議と自分のもとして受け入れてきている気がするんだ。
「きっとそうです。おふたりは坊っちゃまの事を必死で守ったから坊っちゃまがこうして生きていらっしゃると聞きました。」
なんとなくあの瞬間の事は記憶にあるんだ。両親がきつく抱きしめてくれて怖かったけど2人が守ってくれている安心感はどこかにあったことはね。
「ちょっとマリナさん?すごい音が…」
水差しを落とした音を聞きつけて他の使用人の人が覗きに来たが、私とマリナが泣いてるのを見て固まったよ。
そのまま何も言わずに、
「だ、だんなさまー!」と走り去って行っちゃった。
しばらくマリナと泣いて落ち着いてきた頃に数人が慌ててこっちに来る足音がしたと思ったら、
「リーフ!」
記憶にある父親と同じ艶のある青髪の男性が入って来た。
父の従兄弟にあたる侯爵家の当主だ。
「あ、あの。」
ここはマリナにすがりついておこう、無気力の時の記憶はそんなにハッキリしてないしどんな事を話していいかもまだ考えもまとまってないしね。
「あぁ、驚かせて悪かった。気分はどうかな?」
ビビっているリーフ君の様子に少し冷静になった侯爵は優しく聞いてきてくれるところを見ると悪い人ではなさそうだね。
「えっと、その、ごめんなさい。」
よくわかんないけど謝っちゃったし。
「とりあえず今日はゆっくりしなさい、落ち着いたら私とゆっくりお茶でも飲まないかい?」
髪色が同じだからか、親戚だからなのか父親に何となく似たこの人の事は嫌な感じはしないんだよね。
久しぶりに喋ったから既に喉がカラカラで返事をするのがつらかったから小さく頷いて返事をする。
「そうか、それは良かった。マリナ、あとは頼んだぞ。」
「はい、侯爵様お任せ下さい。」
私達が話している間にマリナが落とした水差しの後片付けは終わっており新しい水差しも持ってきてくれていたので部屋に2人きりになるとマリナが水を飲ませてくれる。
倒れたあとずっと寝てたから眠くないかと思いきや水を飲んだら急に眠くなってきたよ。
「坊っちゃまがお休みになられるまでおそばにおりますから無理せずお休みなさいませ。」
そう言ってマリナは優しく頭を撫でてくれる。
この優しくて暖かい手を私知ってる、無気力の間もよくこうして撫でてくれていたから。
そのせいか安心してスグに寝てしまったんどよね、考え事をしたかったのにさ。
-----------------------------
本日2話目です。
前作の憧れのスローライフは異世界で?
も一応完結しています。良かったらそちらも読んで貰えたら嬉しい限りです!
普通ならば5歳のお祝いはいつもより盛大にするのだが、リーフ君の両親は馬車の事故で彼が3歳の時に亡くなっている。
ちなみにリーフ君も一緒に乗っていたが両親が護ってくれたおかげで生き残り本家の侯爵家に養子として引き取られているのだが、心を閉ざしているため何をするにも無気力だったが、誕生日をきっかけに前世を思い出し今に至るという訳で、無気力な状態でお祝いは特にしない事になっていたようだ。
特に冷遇されているというわけでも無いがとにかく感情は無で食事すら目の前に出されたら本能で食べているという感じでしかないので人前に出すのは難しいという事でしかないのだから仕方がない。
そんな状態の転生というか憑依と言うのかまだ分からないが、乙女ゲームのシナリオ的には学園に入学後出会うヒロインに中途半端に絆されて、重度のストーカーになり悪役令嬢ならぬ、当て馬的な要素しかないのだからストーリー的には必要悪ってヤツだね。
だからといって素直にそのストーリーに沿った人間になるつもりは無いから、この先の人生設計を1度考えて置く必要かあるね、
まずはこの世界のことをちゃんと知ることから始めないと行けないけれど、無気力少年が急に覚醒したらおかしいだろうし、ここは頭でも打ったふりしなきゃダメかな。
こう言うのは高熱を出したあととか頭を売ったあとが鉄板だよね?
って倒れてるじゃんわたし!だから前世の記憶を思い出したと言うのか憑依したのかって事でしょ?
って事は少しくらい変わった行動出来るんじゃん?
なんて考えていると、
「坊っちゃま?」
扉が開いて入って来たのは実家から唯一着いてきてくれた乳母のマリナでこの家でリーフ君の面倒をこの人が見ててくれなかったらとっくに死んでいたと思うほどだ。
「マ、リナ、」
ってどーしよう、まだどういう方向で覚醒した事にするのか決めてないよ!
「リーフ坊っちゃま!!!!」
手にしていた水差しを落とした事にも気にとめず一目散に私に抱きつくマリナは泣いていた。
それはそうだよね、事故後初めてじゃないかな?喋ったのは。
おかげでちょっと声かすれ気味だったしね。
「パパとママは死んじゃったんだね…」
どうしようと考えているとふとこえ呟いていた。
それを聞いたマリナはより泣き出しながら必死で
「坊っちゃまがこうして生きてくださっていてようございました。旦那様も奥様もきっとそう思っております。」
子供の記憶だからちゃんとは把握して無いけど事故に遭うまでは別にお金に困った生活はしていなかったしいつも笑顔の幸せ家族だったと思うんだよね。
「そうだといいな。」
私はあんまり考えがまとまっていないけどきっとリーフ君の心の声がふと漏れたんだって何となく思ったんだよね。
気づくと自分も泣いていたしさ、前世の記憶も有るけどリーフ君としての記憶も不思議と自分のもとして受け入れてきている気がするんだ。
「きっとそうです。おふたりは坊っちゃまの事を必死で守ったから坊っちゃまがこうして生きていらっしゃると聞きました。」
なんとなくあの瞬間の事は記憶にあるんだ。両親がきつく抱きしめてくれて怖かったけど2人が守ってくれている安心感はどこかにあったことはね。
「ちょっとマリナさん?すごい音が…」
水差しを落とした音を聞きつけて他の使用人の人が覗きに来たが、私とマリナが泣いてるのを見て固まったよ。
そのまま何も言わずに、
「だ、だんなさまー!」と走り去って行っちゃった。
しばらくマリナと泣いて落ち着いてきた頃に数人が慌ててこっちに来る足音がしたと思ったら、
「リーフ!」
記憶にある父親と同じ艶のある青髪の男性が入って来た。
父の従兄弟にあたる侯爵家の当主だ。
「あ、あの。」
ここはマリナにすがりついておこう、無気力の時の記憶はそんなにハッキリしてないしどんな事を話していいかもまだ考えもまとまってないしね。
「あぁ、驚かせて悪かった。気分はどうかな?」
ビビっているリーフ君の様子に少し冷静になった侯爵は優しく聞いてきてくれるところを見ると悪い人ではなさそうだね。
「えっと、その、ごめんなさい。」
よくわかんないけど謝っちゃったし。
「とりあえず今日はゆっくりしなさい、落ち着いたら私とゆっくりお茶でも飲まないかい?」
髪色が同じだからか、親戚だからなのか父親に何となく似たこの人の事は嫌な感じはしないんだよね。
久しぶりに喋ったから既に喉がカラカラで返事をするのがつらかったから小さく頷いて返事をする。
「そうか、それは良かった。マリナ、あとは頼んだぞ。」
「はい、侯爵様お任せ下さい。」
私達が話している間にマリナが落とした水差しの後片付けは終わっており新しい水差しも持ってきてくれていたので部屋に2人きりになるとマリナが水を飲ませてくれる。
倒れたあとずっと寝てたから眠くないかと思いきや水を飲んだら急に眠くなってきたよ。
「坊っちゃまがお休みになられるまでおそばにおりますから無理せずお休みなさいませ。」
そう言ってマリナは優しく頭を撫でてくれる。
この優しくて暖かい手を私知ってる、無気力の間もよくこうして撫でてくれていたから。
そのせいか安心してスグに寝てしまったんどよね、考え事をしたかったのにさ。
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本日2話目です。
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も一応完結しています。良かったらそちらも読んで貰えたら嬉しい限りです!
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