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第三章
第18話
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テレス神官は、瞳を緩めたまま、言った。
「ダメージが大きな場合、相手が死亡するリスクもあります。また、逆もありえます。つまり、相手も負傷したら、自身の身体に危害が及びます」
「つまり、お互いのダメージを補完し合うという意味ですよね」
クララは頷くと、従者のセリスの顔をまじまじと見た。
「すみませんが、お断りします。なぜなら、セリスさんはただの酔っ払いの、剣術にも疎い、戦闘には全くの平民なんです。軍人でもない、そんな民間人の犠牲は出せません」
「クララ様、結構、はっきりと言いましたよ」
従者は、ちょっと恥ずかしそうに肩をすぼめた。
テレス神官は、薄らと笑みをたたえながら、頷いた。
「分かりました。では、一応、参考までに呪文の仕方だけは教えておきましょう」
テレス神官は、近くにそびえる大木に向かうと、懐から短刀を取り出して、樹皮に十字を切った。
そして、自分の手のひらにも刃をあてがうと十字に切った。
ポタポタと、手から血が滴り落ちる。
テレス神官は、樹皮と自身の手のひらを合わせると跪いた。
瞼を閉じて、呪文を唱える。
次第に黒い霧が立ちこめる。
「ゲリスヘーデス神よ。身も心も一体となり、わが身をお守りください」
「ダメージが大きな場合、相手が死亡するリスクもあります。また、逆もありえます。つまり、相手も負傷したら、自身の身体に危害が及びます」
「つまり、お互いのダメージを補完し合うという意味ですよね」
クララは頷くと、従者のセリスの顔をまじまじと見た。
「すみませんが、お断りします。なぜなら、セリスさんはただの酔っ払いの、剣術にも疎い、戦闘には全くの平民なんです。軍人でもない、そんな民間人の犠牲は出せません」
「クララ様、結構、はっきりと言いましたよ」
従者は、ちょっと恥ずかしそうに肩をすぼめた。
テレス神官は、薄らと笑みをたたえながら、頷いた。
「分かりました。では、一応、参考までに呪文の仕方だけは教えておきましょう」
テレス神官は、近くにそびえる大木に向かうと、懐から短刀を取り出して、樹皮に十字を切った。
そして、自分の手のひらにも刃をあてがうと十字に切った。
ポタポタと、手から血が滴り落ちる。
テレス神官は、樹皮と自身の手のひらを合わせると跪いた。
瞼を閉じて、呪文を唱える。
次第に黒い霧が立ちこめる。
「ゲリスヘーデス神よ。身も心も一体となり、わが身をお守りください」
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