運命と運命の人

なこ

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第1章

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目が覚める。

いつもの自分の寝室であることに
ユアンは胸を撫で下ろした。

「 …  夢? 」

嫌な夢だったと思う。

ひどく喉が渇いている。

水を飲もうと伸ばした指先が
震えていることに驚く。

「ユアン、目が覚めたか?」

ノックの音とともに父母が入ってくる。

2人の顔色は悪い。

「夢ではなかったのですね。」

父が頷く。

「ラグアル殿は運命に出会ったそうだ。
お前も、目の当たりにしたであろうが、
運命の相手とは番ってしまった。

婚姻は解消だ。
お前には、何の非もない。」

ユアンは頷くしかなかった。

3日後に婚姻の儀を控え、
あらかたの準備を終え、
あとは、穏やかにその時がくるまでの時間を家族と過ごしていただけだった。

急に婚約者であるラグアルの公爵家から呼び出され、
急いで向かった先で、目にしたのが、
あの光景だった。

共に公爵家へ向かった両親も、
あの光景をみていた。

倒れた息子を連れ帰ったのも両親だった。

「ユアン、今は何も考えなくていいのよ。あなたは、なにも悪くない。
さあ、まだ顔色が悪いわ。ゆっくりおやすみなさい。」

頷くだけの息子を母親は優しく抱きしめた。

2人が部屋を出てから、
メイドに尋ねると、

あの日から3日が経っていた。

今、

ラグアルの隣には運命がいる。

ユアンの隣にはもう誰もいない。





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