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ニア意識する
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昨晩言ったことを、ラルフは少し後悔していた。
ニアを手放すつもりは毛頭ない。
朝から、さてどうやって意識させようかと思案していた。
ラルフの指にしゃぶりつくニアに、始めこそ驚いたが、ぞくぞくと笑いが込み上げる。
ラルフが思っていた以上に、ニアは案外意識してくれていたようだ。
ラルフの手に心身共ニアが落ちるのは、きっともう目前だ。
焦る必要はない。
自分のしたことに頬を赤くし、ニアは俯いたままでいる。
「どうした?もっとたくさん食べないと。もう腹いっぱいか?」
首を横に振るニアに、ラルフはほらほらと、もう無理と言われるまで食べさせ、その姿を堪能した。
「もう、無理……」
ニアはぱんぱんに張ったお腹を抱えてコテージに戻ると、ソファーに座り込んだ。
その横にラルフが座る。
「苦しいか?」
「ちょっと食べすぎたかもしれません。」
ニアは恐らく4人分ぐらい食べた。
「少し横になるといい。」
「ふあっ!」
ぽふっと、ラルフの太腿の上にニアの頭が転がる。
「腹がぱんぱんだなあ。」
ラルフはニアの膨れた腹を優しく撫であげた。
「…恥ずかしいです。」
「何も恥ずかしがることはないだろう。」
「ぽっこりして、かっこ悪い。団長のお腹は、こんな風にならないんですか?」
ラルフのお腹はニアのぽよぽよとは全く違う固い筋肉で覆われた腹筋だ。
「ぽっこりはしないなあ。」
「固い…」
ニアがさわさわと触れてくる。
「その触り方だと、少しくすぐったいぞ。」
「あ、ごめんなさい。つい。」
笑いながらニアを見下ろすその目を直視できず、ニアは顔を逸らした。
コテージの中は静かだ。
開け放たれたままのベランダからは、時折ふわりと風が入り込む。
「…団長は」
「ん?」
「…もし、ぼくが恋人にならないって言ったら、もうこんな風に話したりしなくなるんですか?」
「…そうだな。」
そう言いつつも、ラルフにそんな気は全くない。
「…ぼくじゃなくても、沢山食べる人を見つけたら、その人に食べさせたりするんですか?」
「…そうかもな。」
「なんか、それは…嫌です。」
「ニア次第だろう。」
「団長とご飯食べるの…好きです。」
「うん。」
「ぼくに食べさせてくれるのも、好きです。」
「うん。」
「少し、いや結構?変態だけど。」
「ん?」
「恋人……なります。」
「急にどうした?」
「理由が、必要ですか?」
「どこかで聞いたような台詞だな。」
「…意識したら、好きになりました!」
ニアの素直な告白に、ラルフは声を出して笑った。
「ずいぶん直球だな。」
「だって、どきどきするんだもん。」
ニアは真っ赤になった顔を隠すように両手で顔を覆っている。
「素直なのは好きだぞ。」
「ぼくも、変態だけど、ぼくだけに変態になるのが好きです。」
ふっ、
くっ、
二人は見つめ合うと、声を出して笑った。
笑い声が重なる。
ラルフの太腿の上にいるニアに、優しく口付けが落とされるのを、ニアは受け入れた。
「ローストビーフの味がする。」
「さっき食べたばかりだから。」
「ニアを食べたい。」
「美味しくないかもしれませんよ…。こういうの、ぼく初めてだから…。」
「ニアの初めてを食べられるなんて最高だな。どこから食べようか?」
「そんなこと聞かれても…。」
「まだ時間はたっぷりある。昨晩我慢した分、全部きれいに頂こうか。」
「………優しくしてくれますか?食べることは得意だけど、食べられることには慣れてないから…」
ラルフがうーんと、考え込む。
「できるだけ善処しよう。」
ラルフが今度は深く口付けすると、ニアは拙いながらも小さな舌を絡めてきた。
「…あ」
ニアの小さな喘ぎ声に、押さえ込んできたラルフの欲が込み上げる。
あの赤い実の効果が出て来たようだ。
ニアは知らない。
あれだけ食べたからな。
小さなニアの舌を、ラルフの大きな舌が絡み上げた。
ニアを手放すつもりは毛頭ない。
朝から、さてどうやって意識させようかと思案していた。
ラルフの指にしゃぶりつくニアに、始めこそ驚いたが、ぞくぞくと笑いが込み上げる。
ラルフが思っていた以上に、ニアは案外意識してくれていたようだ。
ラルフの手に心身共ニアが落ちるのは、きっともう目前だ。
焦る必要はない。
自分のしたことに頬を赤くし、ニアは俯いたままでいる。
「どうした?もっとたくさん食べないと。もう腹いっぱいか?」
首を横に振るニアに、ラルフはほらほらと、もう無理と言われるまで食べさせ、その姿を堪能した。
「もう、無理……」
ニアはぱんぱんに張ったお腹を抱えてコテージに戻ると、ソファーに座り込んだ。
その横にラルフが座る。
「苦しいか?」
「ちょっと食べすぎたかもしれません。」
ニアは恐らく4人分ぐらい食べた。
「少し横になるといい。」
「ふあっ!」
ぽふっと、ラルフの太腿の上にニアの頭が転がる。
「腹がぱんぱんだなあ。」
ラルフはニアの膨れた腹を優しく撫であげた。
「…恥ずかしいです。」
「何も恥ずかしがることはないだろう。」
「ぽっこりして、かっこ悪い。団長のお腹は、こんな風にならないんですか?」
ラルフのお腹はニアのぽよぽよとは全く違う固い筋肉で覆われた腹筋だ。
「ぽっこりはしないなあ。」
「固い…」
ニアがさわさわと触れてくる。
「その触り方だと、少しくすぐったいぞ。」
「あ、ごめんなさい。つい。」
笑いながらニアを見下ろすその目を直視できず、ニアは顔を逸らした。
コテージの中は静かだ。
開け放たれたままのベランダからは、時折ふわりと風が入り込む。
「…団長は」
「ん?」
「…もし、ぼくが恋人にならないって言ったら、もうこんな風に話したりしなくなるんですか?」
「…そうだな。」
そう言いつつも、ラルフにそんな気は全くない。
「…ぼくじゃなくても、沢山食べる人を見つけたら、その人に食べさせたりするんですか?」
「…そうかもな。」
「なんか、それは…嫌です。」
「ニア次第だろう。」
「団長とご飯食べるの…好きです。」
「うん。」
「ぼくに食べさせてくれるのも、好きです。」
「うん。」
「少し、いや結構?変態だけど。」
「ん?」
「恋人……なります。」
「急にどうした?」
「理由が、必要ですか?」
「どこかで聞いたような台詞だな。」
「…意識したら、好きになりました!」
ニアの素直な告白に、ラルフは声を出して笑った。
「ずいぶん直球だな。」
「だって、どきどきするんだもん。」
ニアは真っ赤になった顔を隠すように両手で顔を覆っている。
「素直なのは好きだぞ。」
「ぼくも、変態だけど、ぼくだけに変態になるのが好きです。」
ふっ、
くっ、
二人は見つめ合うと、声を出して笑った。
笑い声が重なる。
ラルフの太腿の上にいるニアに、優しく口付けが落とされるのを、ニアは受け入れた。
「ローストビーフの味がする。」
「さっき食べたばかりだから。」
「ニアを食べたい。」
「美味しくないかもしれませんよ…。こういうの、ぼく初めてだから…。」
「ニアの初めてを食べられるなんて最高だな。どこから食べようか?」
「そんなこと聞かれても…。」
「まだ時間はたっぷりある。昨晩我慢した分、全部きれいに頂こうか。」
「………優しくしてくれますか?食べることは得意だけど、食べられることには慣れてないから…」
ラルフがうーんと、考え込む。
「できるだけ善処しよう。」
ラルフが今度は深く口付けすると、ニアは拙いながらも小さな舌を絡めてきた。
「…あ」
ニアの小さな喘ぎ声に、押さえ込んできたラルフの欲が込み上げる。
あの赤い実の効果が出て来たようだ。
ニアは知らない。
あれだけ食べたからな。
小さなニアの舌を、ラルフの大きな舌が絡み上げた。
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