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くまさんといっしょ
宇宙人との会話
しおりを挟む素っ裸でだだっ広いベッドの上に一人取り残されて落ち着かない。
それに、暖房が効いているとはいえ、12月の室内は少し冷える。
何か羽織りたい…と思ったけど俺がシャワーの後に着て出てきたのはスウェットで、また脱ぐのも面倒だしと、手近にあった神崎のパジャマを勝手に拝借して羽織った。
あいつはシルクのパジャマじゃないと寝られないらしく、素肌に羽織った彼のパジャマはスルスルと肌触りがいい。
(……ちっ…金持ちめ…。)
と内心悪態をついていると、ガチャッと寝室のドアが開く音がした。
戻ってきた神崎の手には、何故かゲーセンで取ってもらったくまさんが抱えられている。
「あれ?寒かったですか?」
「あ…うん…ちょっと…。ごめん、勝手に着て」
「いや、それは全然構わないですけど。…ていうか、袖余ってんのめっちゃ可愛い。むしろちょうどいいかも」
(……ん?)
(袖余ってるのにちょうどいい?)
(…一体こいつは何を言ってる?)
訳が分からなくて首を傾げていると、またくまさんをもふっと押し付けられた。
「こいつを使って、部長が1人でシてるとこ、見せて?」
「………は?」
……だめだ。
さっきからこいつが何を言っているのかさっぱり分からない。
(…一回寝室を出て、宇宙人と入れ替わって戻ってきたのか?)
1人混乱する俺をよそに、神崎は心底楽しそうに言葉を続ける。
「本当はこのぬいぐるみ使って一人でシてるとこが見られればそれで満足でしたけど、まさか彼シャツのオプション付きとは。さすが部長、分かってますね」
「……待って待って。怖い怖い。俺、さっきからお前が何言ってるのか1mmも分かんない」
「え?じゃあもっと分かりやすく言いましょうか?今から、俺の目の前で、このくまのぬいぐるみに、あんたの大事なとこ擦り付けて、オナニーしてるとこ、見せて?」
わざわざ一語一語区切って大変分かりやすく言い直してくれたお陰で、ようやく理解した。
理解したと同時に、物凄い勢いで顔面に熱が集まった。
なんだこれ、羞恥プレイか?…羞恥プレイか。
「…ぬいぐるみ、汚れちゃうから」
「大丈夫、俺が洗うんで」
「…おっさんがぬいぐるみ抱えて一人でシてるとこ見て楽しい?」
「おっさんじゃないし、超楽しい」
「なんか、他のお仕置き…」
「だめ。……俺の言うこと、聞けないの?」
なんて、冷たい目で、低い声で、言われたら…。
…俺はもう、素直に従うしかないんだ。
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