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カップルによる納刀の儀

解す ※

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……はぁ…すごかった……。


口でされるのは初めてではないけど、なんだか今日は特にすごかった。

…具体的に何が違うとかは分からないけど。


全力疾走したあとみたいに息が上がって、心臓が耳元にあるのかってぐらい激しく脈打つ音が聞こえる。

正直もうかなり疲弊しきっていて、指1本動かすのすら億劫だ。


だけど、まだまだ本番はこれから。

どれだけ疲れていても、今日こそは絶対に最後までしたい。



「………かん、ざき……」


「んー?」


一度目に達した後よりも更に重く怠くなった腕をゆっくりと持ち上げて、掠れた声で恋人の名前を呼べば、指先を絡めて恭しく手の甲にキスを落とされてからふんわりと抱き締められる。


あったかくて、優しくて、愛しくて、居心地のいい場所。


過去に別の相手と身体を重ねた時は、やっぱり俺も一応男だから賢者タイムというものが人並みにあって、一度射精してしまうとそのあと急激に行為への熱が冷めてしまったり、それなりに愛情を持って接していた相手だとしても賢者タイムの間は嫌悪感すら抱いていたというのに、こいつ相手だと何故だかその現象が起こらない。

むしろ逆にもっと欲しくて堪らなくなる。


「……ね……もお、いれて………」


神崎の首の後ろに両腕を回して耳元に唇を寄せ、小さな声で囁くと、抱き締められた時からずっと俺の太ももにあたってたガチガチのそれが更にむくっと膨張して、ぐっ…という低い呻き声が聞こえてきた。


「……っぶねぇ……。出るとこだった………」

「……え……なんで……?」

「………わかんない?」


うん、分かんない。

俺がいれてって言ったから?

だとしたらあまりに童貞すぎん?

それはさすがに冗談でしょ…?

そう思ったけど、神崎の切羽詰まったような声からは冗談の色はうかがえないし、確かにあの膨張のしかたは発射寸前だったような気もする。


「…あんたがエロい声でいれてなんて言うからでしょうが」


(……うーわ、マジか。正解だった。)


「………つかぬことをうかがいますが、実はどうて」

「童貞じゃないから。…童貞じゃないけど、さっきも言ったでしょ?こんなに人を好きになったの初めてなの。だからね、自分でも訳わかんないぐらい興奮しててやばい」


俺のほっぺたを両手で包み込み、親指でふにふにしながら困ったような顔で笑う神崎が可愛くて思わず胸がキュンとする。

それと同時に尻の奥もキュンとして、俺で興奮してくれてる神崎のを早く受け入れたくて彼の腰に両足を巻き付けグイッと引き寄せると、こら、と軽く尻を叩かれて、敏感になった身体ではその刺激すらちょっと気持ちよくて喉の奥がひゅっと鳴った。


「まだ解してないんだからだめ」

「……痛くてもいい」

「だめ。絶対だめ。多分お尻切れちゃうよ。本気で怪我するようなことはしたくない」


俺だって我慢してるんだから、分かって?と優しく諌められたらもうそれ以上我儘は言えない。

もう既に二回イかせてもらってる俺に対して、まだ一度もイっていない神崎のほうが、俺以上に早く繋がりたくて仕方ないはずなのに。

はじめに、めちゃくちゃ大事にすると言ったその言葉通り、本当にめちゃくちゃ大事にしてくれているのが分かるから、その気持ちを踏みにじるようなことはできなくて、彼の腰に巻き付けた足をそっと下ろすと、良い子、と頭を撫でられて、俺の上に覆いかぶさっていた綺麗な身体が離れていった。


「痛かったら、ちゃんと言ってね」


枕元にセットしてあったローションのボトルを手に取り、ピンク色のキャップを回しながら念を押してくる神崎に、こくりと頷いて答える。


ボトルの中身を手のひらに押し出すぶちゅっという下品な音と、それを手のひら同士で擦り合わせて温めるにちゃにちゃという粘着質な音が聞こえたかと思えば、ぬるついた指先が刺激を求めて収縮を繰り返すそこにちょんと触れて、ローションを塗り広げるようにくるくるとなぞるから、気持ち良さと期待でゾワゾワと鳥肌が立った。


「……いれるよ」


ふー、という深い溜め息のあと、掠れた声で告げられて、暴走して俺を傷付けないように、なんとか興奮を抑え込もうとしているのが伝わってくる。


(……こいつにもはやく、俺のナカで気持ち良くなって欲しい。)


その一心で、なるべく早くナカが解れるように全身の力を抜いた瞬間、ゴツゴツした指が狭い粘膜の隙間を割って入り込んできた。


「……っ、んんーっ……!」

「…せま……痛くない?」


そこに誰かのを受け入れるのは久しぶりだけど、自分でする時にはいつも使っているからか痛みや圧迫感は全くなくて、感じるのはやっと触ってもらえたという悦びと気持ち良いってことだけ。

下手に喋ると変な声が出てしまいそうで唇を噛み締めながら頷くと、ほっと息を吐き、良かった、と呟いた神崎の指がナカで円を描くように動き始めた。


「んっ、ん………っんぅぅ……」

「唇噛んじゃだめ。ちゃんと声聞かせて?」


空いた左手の指で唇をなぞられながら、また有無を言わさぬ響きで命じられて、本当は聞かれたくないのに唇が勝手に隙間を作る。

俺が唇を噛むのをやめたのを確認すると、一度胎内からずるりと引き抜かれた指が、今度は質量を増して再び差し込まれた。


「……っひ、ぅ……あー…っ」

「…なんか、結構余裕そうだね。もしかして最近誰かにさせた?」


衝動的に口元にあてがおうとした手を掴まれて、布団に押し付けられる。

その動きが彼にしては乱暴で驚いて、ギュッと閉じていた目を恐る恐る開き見上げると、俺を見下ろす神崎は怒っているような拗ねているようななんとも言えない表情をしていて、慌てて首を横に振った。


「……ぁんっ…、ち、が……して、ない……っ」


上擦る声で必死に言葉を紡ぎ否定する俺を見て、俺の手を押さえ付けている神崎の手の力が少しだけゆるむ。


「……じゃあ、自分でする時ここ使ってんの?」

「ぅ………ん………っ」


俺のひとり遊び事情が神崎にバレるのは物凄く恥ずかしいけど、ここで否定して変に拗れても困るしと小さく頷けば、ニヤリと笑った神崎は続けてとんでもない質問を投げかけてきた。


「ふーん……。じゃあ、俺のこと考えながらここ使ってしたこと、ある?」


折角快感に身を委ねていたというのに、想像もしなかった言葉に思わず一瞬凍りつく。

もうその反応から察して欲しいのに、ニヤニヤしたままの神崎は絶対に俺の口から答えを言わせたいらしい。


「…言わないとやめるよ?」


そう言って本当に指をギリギリの浅い所まで引き抜いてしまうから、中途半端なところで放り出されたそこが疼いて仕方ない。

うぅっ…。
してるよ!してますともっ!
なんならshinさんが神崎だって知る前からお前の筋肉画像だけで後ろ使ってヌいてましたけどなにか?!

…とは、流石に言えない。

だけど、そこまでは言わずとも、してるという事実だけは伝えないとこのまま本当にやめられてしまいそうで。


「し……てる………して、る……っ!かん、ざ、き、のこと、かんがえて……して……ぅ、あぁぁーっ……!」


半ばヤケになって叫ぶように白状した瞬間、更に質量を増した指を一気に奥まで突き立てられ、それと同時にダラダラと涎を零して震えるそれを根元まで咥え込まれて、甲高い悲鳴を上げながら、背骨が折れそうなほど大きく仰け反った。
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