46 / 57
カップルによる納刀の儀
初体験 ※
しおりを挟むあまりに突然のこと過ぎて理解が追いつかず、目の前はチカチカするし耳鳴りもしてる。
少し経って、また彼の口内で射精してしまったことに気付いたけど、熱を吐き出している間も容赦無く指と口で刺激を与え続けてくるからたまったもんじゃない。
枕の端を握り締めて身を捩り、強過ぎる快感をなんとか受け流そうとするけど、そんな俺の試みを無に帰すように胎内に埋められた神崎の指がくいっと曲げられて前立腺を探るような動きを見せるから、思わず腰を引こうとすれば左腕を腰の下に差し込まれ、逆に引き寄せられてしまっていよいよ逃げ場がなくなった。
「っあーーー、ぁ、ぁ、っひ……ゃああ……!」
「……みつけた」
……みつかっちゃった♡
いやそんなん言ってる場合か!
(……あ、なんか、これ、やばい、かも。)
「…っやめて!……ぁ、あ、おね、が、い…やめてぇ……!」
「…なんで?痛い?」
「っちがう!でちゃうの!」
「出しなよ」
いや、そうじゃなくて!
前立腺を小刻みに擦られて、先端を舌の表面でくるくると舐め回されたら、込み上げてきたのは射精感ではなく尿意に似た何か。
経験したことの無いそれは、知識としては知っていて恐らく尿意では無いんだろうということは分かってもやっぱり怖くて、足をジタバタさせたり神崎の頭をグイグイと押してみても解放してもらえなくて。
「っあ……、やらぁ!……ぇ、ちゃ…っ、れちゃううう…!ーーーーっ!」
呂律の回らなくなった舌で、出ちゃう、と訴えた次の瞬間、得体の知れない何かが尿道を伝ってせり上がってきて、声にならない声を上げた俺のそこから、ぷしゅっと音を立てて勢いよく透明の液体が噴き出した。
「っひ……ぅ……はぁ………は、ぁ………」
「………かわいい……」
至近距離から俺が吐き出したものをモロに浴びてしまったせいで、身体を起こした神崎の顔や髪はぐっしょりと濡れ、毛先からぽたぽたと滴り落ちるほどだというのに、嫌そうな素振りを見せるどころか上機嫌で俺を見下ろしてくる。
一方で俺も、はくはくと酸素を求めて開閉する口からは唾液がダダ漏れだし、それどころか顔全体が汗だか涙だか鼻水だか分からない液体でべたべたに濡れていて、とてもじゃないけど人様にはお見せできないような状態だというのに、そんな俺の顔を見て可愛いと言い放ったこいつは本当にどうかしてると思う。
「……っは、…ぁ……ぅ………やら、って、ゆった、のに……」
「うん、ごめんね」
「……こわ、かった…っ」
「……え?…もしかして、潮吹き、はじめて…?」
「…っ、そうだよ、ばか!」
…こいつは一体俺をどんな手練れだと思っているのか。
所謂潮吹き…というやつをするのがはじめてだと知るやいなや、驚きに見開かれた目がすぐに細められて。
「……やべぇ。マジで嬉しい」
本気で心底嬉しそうに呟くもんだから、そんな反応をしてもらえるならこういうのもたまには悪くないのかな…などと思ってしまう俺も、こいつのこととやかく言えないぐらいどうかしてる。
俺の潮吹きバージンを奪ったことがよっぽど嬉しかったのか、ずっとニヤニヤしたままの神崎が枕元にあったタオルで顔や身体を拭いてくれて、自分の顔や髪も拭き終わる頃には俺の呼吸もだいぶ落ち着いてきた。
ちょっと待ってね、と言ってこちらに背中を向けた神崎の向こう側から、びりっとビニールを破る音や、ぴちぴちとゴムを伸ばす音が聞こえてくる。
(……いよいよだ。)
もう散々イかされたというのに、この期に及んでなおひくひくと彼を待ち侘びる後ろに我ながら浅ましいとは思うけど、ずっと欲しかったんだから仕方ない。
ゴムを被せ、ローションを纏わせたそこをぬちゅぬちゅと扱きながら覆いかぶさってきた神崎の程よく筋肉のついた背中に腕を回してしっかりとしがみつくと、両膝の裏に腕を差し込んで持ち上げられ、彼の顔の前に尻をさらけ出すような格好にされてしまったけどそんなこともうどうだっていい。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
388
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる