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カップルによる納刀の儀

二度目の絶頂 ※

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神崎が肌を吸う音とお互いの荒い息遣いしか聞こえなくなって、どれぐらい経っただろう。

途絶えること無く続いていた、ピリッとした小さな痛みを突然感じなくなり、終わったか……?と思いきや今度はぬるっとした生暖かい感触に、舌を這わされているのだと気付く。

痕をつけた場所をくすぐった舌先がゆっくりと上の方に昇っていき、足の付け根を舐められた瞬間、腰の辺りがゾワゾワして、堪らず大きく跳ね上がった。


「………っふ、ぁ……っ!」

「ん……ここ、弱いの?」


……知らない。
そんなとこ弱いなんて知らない…!
衝撃の事実発覚!!

性器に限りなく近い場所ではあるけど、ほとんど意識したことのなかったそこ。

自分でする時にも触ったことなんてないし、過去に関係を持った相手にも触られたことのなかったそこは、神崎の舌が這うたびに他のどことも違う絶妙な快感を生んで、甘い声が漏れるのを止められない。


「……ぁ……ぁふ………や……っ」

「……はぁ………ふっ、腰、揺れてるよ?」


そりゃそうだろう。
だってね、だって。

いくら足の付け根を舐められるのが気持ちいいって言っても、さすがにそこだけでイけるほど俺はまだレベル高くない。

しかも今日これまでにどんだけ焦らされてると思う?

下触ってもらえると思ったら胸だけでイかされて、今度こそ触ってもらえると思ったら太ももキスマーク責めにされるって。

いくら俺がMだからって!

き…嫌いじゃないけど!!

そろそろちゃんとイかせろよ、ばか!!!


「ん、ごめんね?」

「……っ、だから心の声を読むなぁ!」

「だから声に出てたってば」

「出てな………っあぁん!」


まだ喋っている途中だというのに、突然猛烈な快感が下半身を包み込んで、信じられないぐらいやらしい声が喉をついて飛び出してくる。

何事かと驚いて上半身を起こすと、ずっと刺激を求めてぷるぷるしていたそこが神崎の口の中に根元まですっぽりと咥え込まれていて、咥え込んだままこちらを見上げた神崎と目が合うと一度口を離してにっこりと微笑みかけられた。


「お望み通り、ちゃんとイかせてあげるね」


それだけ言って再びそこを口内におさめられ、強すぎる刺激に背中を仰け反らせながら布団に倒れ込む。

先端を吸われ、裏筋を舌の表面で撫で回されて、その間にも唇の内側の柔らかいところだけを使って竿の部分を上下に擦られたら、一度達しているとはいえ焦らしに焦らしに焦らされたそこがそう長く堪えられるはずも無く。


「……いやぁ、っ……ぁ、あ、…う……、きもち、ぃ…っ、あぁん…ぁ、すぐ、でちゃ……っ」

「ん、いーよ」


限界を訴える俺の声を聞いて、激しさを増す口淫。

竿に隙間なくべったりとあてられた舌の表面がズルズルと上下し、括れた部分を唇で引っ掛けるようにして刺激されたらもう我慢なんてできなかった。


「あ、あぁっ、ぁーー!!…ぁ、ぃ…く、いくっ、いくっ、い………んんん……っ!!」


全身を波打たせ、腰を浮かせて叩き付けるように咥えられたままの口内に射精して、力の抜けた身体がぼふっと音を立てて布団に沈み込む。

浮き上がった腰の下からいつの間にか潜り込んでいた硬い腕に、離すまいと口元に引き寄せるようにして最後の一滴まで吸い取られてから、漸く解放された。



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