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第7章:脱出
5:メアリー帝の力
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一定の形をなさない発光体からいきなり声が発せされ、ロージーは思わず困惑してしまう。さらにはこの発光体は自分は神だと名乗り出すのだ。事情がさっぱりつかめないロージーがどう考えていいのか迷うのもいたしかがないことであった。
しかし、クロードは首筋のうなじあたりがチリチリとまるで小さな焼きごてでも押されたような不快な気分になっていた。こいつは危険な存在だと、そういう嫌な直感がクロードの心に押し寄せてくるのであった。
「ロージーちゃん! こいつの柔和な声に騙されてはいけないのでッチュウ! 風の断崖発動なのでッチュウ!」
コッシローが詠唱を省略し、魔術に対抗するための風で出来た防御膜を張る。その瞬間、まるでガラスが割れるようなパリーーーン! という甲高い音が玉座の間に響き渡ることになる。
「な、なんなの!? もしかして、わたしたち、あの光っている何かに攻撃を喰らっていたの?」
「その通りでッチュウ! あいつは今まさにボクたちを石像に変えようとしていたところなのでッチュウ! S.N.O.J! 相変わらず、やり口が汚いでッチュウね!」
コッシローが眼の前の空間でフワフワと浮いている光体について悪態をつくのであった。その光体からはハーハハッ! と高笑いが聞こえてくる。そして次の瞬間にはその光がひとつどころに集まり、ヒトの形を成していく。
だが、その姿はヒト型種族のどれとも似かよってはいなかった。銀色の肌。金色の髪、金色の双眸。そして、最もヒト型種族と違うことは、かの者の腕が4本あったことである。その者は4本の腕を胸の前で交差させ、腕組をした状態で、毅然と2本足でしっかりと玉座の間の床を踏みしてめているのであった。
「不遜にも我を呼び捨てにしているのは、コッシロー、貴様であったか? まだ、生きて地面の上を這いつくばっていたとは思っていなかった也」
始祖神:S.N.O.Jが金色の瞳を上弦に細めて、何か懐かしいモノとの再会を喜ぶような雰囲気をその身から醸し出すのであった。しかし、コッシローはそんなS.N.O.Jに対して、敵愾心露わにその身から紫色の魔力を発するのである。
「おっと。何をそんなにイラついている也? まさか、250年も昔に、その姿に変えてやったことを未だに恨んでいるのか?」
「もちろん、そのことは恨んでいるのでッチュウ! しかし、そんなことよりも、S.N.O.J、何故、それほどまでに顕著に現世で存在感を露わにしているのでッチュウ!」
コッシローの質問にS.N.O.Jが右の上腕を動かし、その先にある手で顎を撫でる。そして、口を開き
「メアリー帝が我を封印していた忌まわしき金色の聖書を破壊してくれた也。いやあ、アレを破壊できるほどの力の持ち主がこの世に産まれ落ちるとは、我としても予想外だった也」
「ほ、本当でッチュウ!? アレはヤオヨロズ=ゴッドたちが力を合わせて、創り上げたS.N.O.J、お前の本体を封印するためのモノだったんでッチュウよ!? にわかに信じられないのでッチュウ! あの小娘のどこにそれほどの力が秘められていたのでッチュウ!?」
コッシローはギリギリと歯がみしながら、玉座に悠然と座る女性の顔を凝視する。鋭い視線をコッシローから受けたメアリー帝はまったく動じる雰囲気もない。ただただ余裕しゃくしゃくといった雰囲気で自分の蒼い巻き毛を右手でいじっているのであった。
「話は終わったのカシラ? ワタクシ、退屈な話が続いて、あくびが出そうデシタワ? 淑女が人前であくびなどはしたないと思って、必死に噛み殺していたのデスワ?」
メアリー帝はさもつまらないといった感じで玉座に座っていた。何か面白いことでも起きれば良いのに。彼女の表情はそう玉座の間に集まる者たちに告げていた。
「ミサちゃん、遅ればせながら、玉座の間に到着ニャン! って、何だか危険そうなのが居るのニャン……。ミサちゃん、見なかった振りをして、逃げていいニャン?」
「ガハハッ! 何を言っているのでもうす! この騒ぎの元凶と思わしきメアリー帝と、バケモノがいるのでもうすよ? これは両方を倒せというヤオヨロズ=ゴッドのお導きなのでもうす!」
コッシローやロージーたちに遅れて、数分後、ミサ=ミケーンとヌレバ=スオー、さらにはハジュン=ド・レイ、セイ=ゲンドーが玉座の間に到着する。
やっと役者が揃ったと思ったメアリー帝は、スッと玉座から立ち上がり、左手に持つ裁きの錫杖を掲げて、こう宣言する。
「こんにちわ。自己紹介からさせてもらいマスワ。ワタクシはチクマリーン改め、メアリー帝なのデスワ。ハジュン=ド・レイ。さっきはよくもこっそり逃げ出しましたワネ? 頼れるお仲間を引き連れて、ワタクシと対決しにきてくれたと解釈していいのカシラ?」
メアリー帝はその身から銀色の魔力をあふれ出させる。そして、その魔力を左手に持つ裁きの錫杖に次々と注ぎ込んでいく。玉座の間に集まる誰しもが、彼女はやる気満々であることを察するのであった。
一触即発。まさにこの言葉が似あっているとしか言いようが無い状況であった。
しかし、メアリー帝がまさに攻撃に移ろうとするその時、メアリー帝とロージーたちの間に割って入る存在がいた。それは始祖神:S.N.O.Jである。
「メアリー帝。下がっているが良い也。そなたは我を復活させるために多大なる魔力を消費している也。ここは、我を復活させてくれた恩を少しでも返させてもらう也」
「あら? つまらないのデスワ。ワタクシが直々に彼らに裁きを下そうと思っていたノニ」
メアリー帝が裁きの錫杖に集まっていた魔力を霧散させるのであった。彼女としても、S.N.O.Jの指摘通り、金色の聖書を破壊するのに、神具を2つも同時に使用していたのである。
魔術に長けた者と言えども、裁きの錫杖といった神話クラスの神具を使いこなすのは容易なことではない。神具に秘められた御業を一度発動させれば、その神具に多大なる魔力を喰われることになる。
それなのに、彼女は裁きの錫杖だけでなく、蒼き竜の槍にも魔力を喰われているのである。彼女はさもありなんといった感じで、玉座に座り直すのであった。
「では、S.N.O.Jさま。あなたの力を見せてほしいのデスワ? 1対6? ネズミも入れたら1対7かしら? 数で圧倒されたから負けましたとか、やめてほしいのデスワヨ?」
しかし、クロードは首筋のうなじあたりがチリチリとまるで小さな焼きごてでも押されたような不快な気分になっていた。こいつは危険な存在だと、そういう嫌な直感がクロードの心に押し寄せてくるのであった。
「ロージーちゃん! こいつの柔和な声に騙されてはいけないのでッチュウ! 風の断崖発動なのでッチュウ!」
コッシローが詠唱を省略し、魔術に対抗するための風で出来た防御膜を張る。その瞬間、まるでガラスが割れるようなパリーーーン! という甲高い音が玉座の間に響き渡ることになる。
「な、なんなの!? もしかして、わたしたち、あの光っている何かに攻撃を喰らっていたの?」
「その通りでッチュウ! あいつは今まさにボクたちを石像に変えようとしていたところなのでッチュウ! S.N.O.J! 相変わらず、やり口が汚いでッチュウね!」
コッシローが眼の前の空間でフワフワと浮いている光体について悪態をつくのであった。その光体からはハーハハッ! と高笑いが聞こえてくる。そして次の瞬間にはその光がひとつどころに集まり、ヒトの形を成していく。
だが、その姿はヒト型種族のどれとも似かよってはいなかった。銀色の肌。金色の髪、金色の双眸。そして、最もヒト型種族と違うことは、かの者の腕が4本あったことである。その者は4本の腕を胸の前で交差させ、腕組をした状態で、毅然と2本足でしっかりと玉座の間の床を踏みしてめているのであった。
「不遜にも我を呼び捨てにしているのは、コッシロー、貴様であったか? まだ、生きて地面の上を這いつくばっていたとは思っていなかった也」
始祖神:S.N.O.Jが金色の瞳を上弦に細めて、何か懐かしいモノとの再会を喜ぶような雰囲気をその身から醸し出すのであった。しかし、コッシローはそんなS.N.O.Jに対して、敵愾心露わにその身から紫色の魔力を発するのである。
「おっと。何をそんなにイラついている也? まさか、250年も昔に、その姿に変えてやったことを未だに恨んでいるのか?」
「もちろん、そのことは恨んでいるのでッチュウ! しかし、そんなことよりも、S.N.O.J、何故、それほどまでに顕著に現世で存在感を露わにしているのでッチュウ!」
コッシローの質問にS.N.O.Jが右の上腕を動かし、その先にある手で顎を撫でる。そして、口を開き
「メアリー帝が我を封印していた忌まわしき金色の聖書を破壊してくれた也。いやあ、アレを破壊できるほどの力の持ち主がこの世に産まれ落ちるとは、我としても予想外だった也」
「ほ、本当でッチュウ!? アレはヤオヨロズ=ゴッドたちが力を合わせて、創り上げたS.N.O.J、お前の本体を封印するためのモノだったんでッチュウよ!? にわかに信じられないのでッチュウ! あの小娘のどこにそれほどの力が秘められていたのでッチュウ!?」
コッシローはギリギリと歯がみしながら、玉座に悠然と座る女性の顔を凝視する。鋭い視線をコッシローから受けたメアリー帝はまったく動じる雰囲気もない。ただただ余裕しゃくしゃくといった雰囲気で自分の蒼い巻き毛を右手でいじっているのであった。
「話は終わったのカシラ? ワタクシ、退屈な話が続いて、あくびが出そうデシタワ? 淑女が人前であくびなどはしたないと思って、必死に噛み殺していたのデスワ?」
メアリー帝はさもつまらないといった感じで玉座に座っていた。何か面白いことでも起きれば良いのに。彼女の表情はそう玉座の間に集まる者たちに告げていた。
「ミサちゃん、遅ればせながら、玉座の間に到着ニャン! って、何だか危険そうなのが居るのニャン……。ミサちゃん、見なかった振りをして、逃げていいニャン?」
「ガハハッ! 何を言っているのでもうす! この騒ぎの元凶と思わしきメアリー帝と、バケモノがいるのでもうすよ? これは両方を倒せというヤオヨロズ=ゴッドのお導きなのでもうす!」
コッシローやロージーたちに遅れて、数分後、ミサ=ミケーンとヌレバ=スオー、さらにはハジュン=ド・レイ、セイ=ゲンドーが玉座の間に到着する。
やっと役者が揃ったと思ったメアリー帝は、スッと玉座から立ち上がり、左手に持つ裁きの錫杖を掲げて、こう宣言する。
「こんにちわ。自己紹介からさせてもらいマスワ。ワタクシはチクマリーン改め、メアリー帝なのデスワ。ハジュン=ド・レイ。さっきはよくもこっそり逃げ出しましたワネ? 頼れるお仲間を引き連れて、ワタクシと対決しにきてくれたと解釈していいのカシラ?」
メアリー帝はその身から銀色の魔力をあふれ出させる。そして、その魔力を左手に持つ裁きの錫杖に次々と注ぎ込んでいく。玉座の間に集まる誰しもが、彼女はやる気満々であることを察するのであった。
一触即発。まさにこの言葉が似あっているとしか言いようが無い状況であった。
しかし、メアリー帝がまさに攻撃に移ろうとするその時、メアリー帝とロージーたちの間に割って入る存在がいた。それは始祖神:S.N.O.Jである。
「メアリー帝。下がっているが良い也。そなたは我を復活させるために多大なる魔力を消費している也。ここは、我を復活させてくれた恩を少しでも返させてもらう也」
「あら? つまらないのデスワ。ワタクシが直々に彼らに裁きを下そうと思っていたノニ」
メアリー帝が裁きの錫杖に集まっていた魔力を霧散させるのであった。彼女としても、S.N.O.Jの指摘通り、金色の聖書を破壊するのに、神具を2つも同時に使用していたのである。
魔術に長けた者と言えども、裁きの錫杖といった神話クラスの神具を使いこなすのは容易なことではない。神具に秘められた御業を一度発動させれば、その神具に多大なる魔力を喰われることになる。
それなのに、彼女は裁きの錫杖だけでなく、蒼き竜の槍にも魔力を喰われているのである。彼女はさもありなんといった感じで、玉座に座り直すのであった。
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