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シスターとの出会い
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俺とモニカはもう1人の仲間に会うべく本屋の前にいた。ジスは眠そうだったので留守番をしてもらっている。
道中で聞いたところによるとその仲間というのはアイといい、元は村の教会のシスターとして働いていた。今も神の教えを忘れない為に修道服を身につける信心深い人物で、二人は同じ村出身の幼なじみということだ。
入店し、それらしき人物を探す。この町にも教会があるため修道女が何人かいたが、モニカはその中で分厚い背表紙と重厚な雰囲気を持つ本が並ぶ棚の前にいる人物に声をかけた。
「アイちゃん!来ちゃった!」
にこにこと嬉しそうな顔で話しかけるモニカの方を向いた修道女はめちゃくちゃ可愛かった。本当に可愛かった。
スノーホワイトのショートボブに藍色の瞳、ツンと尖った鼻を持つ横顔は猫のような印象だ。凹凸の無い小柄な体躯に修道服はよく似合っていて清廉で神聖な雰囲気を纏わせている。
モニカと何言か交わした彼女は俺に向き直り、花が綻んだような笑顔を浮かべる。
「こんにちは。アイと申します。モニカから話は聞きました。これから怪我が治るまでの間、よろしくお願いしますね」
やはり可愛い。ジスもモニカも確かに相当な美人なのだがこういう清楚天使系は喋っていて癒される分より魅力的に感じる。単純にタイプの問題だろう。
「渡 小次郎です。これからお世話になります」
ここは簡潔に済ませる。最初から飛ばしてウケを狙うと面白い奴だと思われるどころか面倒だと思われる危険性があるからだ。
まあここで心理戦モドキをすることによってアイと思い思われる関係になることは万に一つもないだろうが。それでも可能性を捨てきれないのが男というものである。できるだけ紳士的でいようと心に決めた。
三人で帰路を行く。主に喋っているのはモニカで、俺に異世界について質問してくる。
横一列で歩いていると女性にしては高身長な真ん中のモニカの陰に隠れてアイを見ることができない。彼女は俺の話をどんな顔で聞いているのだろう。話にも入ってこないので楽しいか心配になる。
アイとはろくに喋れないまま家に着く。
夕食時まで各々で過ごすことになり、何となく全員自室に入った。
さて、これからどうしよう。ベッドに腰を下ろす。怪我が治るまで、という条件付きで三人に世話になることにしたが旅についていくにはどうしたら良いだろうか。というのも、これは最初から考えていたことなのだが、俺一人ではこの世界を生き抜いて行けるとは到底思えない。
身体的チートはなく、よく聞く魔力が高い設定はこの世界では使えない。
ここでは魔法というものはあるにはあるのだが、生活がちょっと便利になる程度の物がほとんどだという。魔法は人が放つようなものではなく基本的には物に付属している効果という認識が妥当であるようだ。
このまま町で暮していてはなんの面白みもない人生が待っているのだろう。
それどころか、町での基本的な仕事である子供の頃から親に教えられるはずの職人技術も身につけていないのであれば、生活水準は平均以下になることは想像に難くない。
それならばあの美少女三人組に着いていく方が完全に楽しいし、主人公ぽくてかっこいい。何よりアイがいる。
夕食時、俺はどうやったらついて行くことができるのか情報を探るためにみんなに旅の目的を聞いてみた。
道中で聞いたところによるとその仲間というのはアイといい、元は村の教会のシスターとして働いていた。今も神の教えを忘れない為に修道服を身につける信心深い人物で、二人は同じ村出身の幼なじみということだ。
入店し、それらしき人物を探す。この町にも教会があるため修道女が何人かいたが、モニカはその中で分厚い背表紙と重厚な雰囲気を持つ本が並ぶ棚の前にいる人物に声をかけた。
「アイちゃん!来ちゃった!」
にこにこと嬉しそうな顔で話しかけるモニカの方を向いた修道女はめちゃくちゃ可愛かった。本当に可愛かった。
スノーホワイトのショートボブに藍色の瞳、ツンと尖った鼻を持つ横顔は猫のような印象だ。凹凸の無い小柄な体躯に修道服はよく似合っていて清廉で神聖な雰囲気を纏わせている。
モニカと何言か交わした彼女は俺に向き直り、花が綻んだような笑顔を浮かべる。
「こんにちは。アイと申します。モニカから話は聞きました。これから怪我が治るまでの間、よろしくお願いしますね」
やはり可愛い。ジスもモニカも確かに相当な美人なのだがこういう清楚天使系は喋っていて癒される分より魅力的に感じる。単純にタイプの問題だろう。
「渡 小次郎です。これからお世話になります」
ここは簡潔に済ませる。最初から飛ばしてウケを狙うと面白い奴だと思われるどころか面倒だと思われる危険性があるからだ。
まあここで心理戦モドキをすることによってアイと思い思われる関係になることは万に一つもないだろうが。それでも可能性を捨てきれないのが男というものである。できるだけ紳士的でいようと心に決めた。
三人で帰路を行く。主に喋っているのはモニカで、俺に異世界について質問してくる。
横一列で歩いていると女性にしては高身長な真ん中のモニカの陰に隠れてアイを見ることができない。彼女は俺の話をどんな顔で聞いているのだろう。話にも入ってこないので楽しいか心配になる。
アイとはろくに喋れないまま家に着く。
夕食時まで各々で過ごすことになり、何となく全員自室に入った。
さて、これからどうしよう。ベッドに腰を下ろす。怪我が治るまで、という条件付きで三人に世話になることにしたが旅についていくにはどうしたら良いだろうか。というのも、これは最初から考えていたことなのだが、俺一人ではこの世界を生き抜いて行けるとは到底思えない。
身体的チートはなく、よく聞く魔力が高い設定はこの世界では使えない。
ここでは魔法というものはあるにはあるのだが、生活がちょっと便利になる程度の物がほとんどだという。魔法は人が放つようなものではなく基本的には物に付属している効果という認識が妥当であるようだ。
このまま町で暮していてはなんの面白みもない人生が待っているのだろう。
それどころか、町での基本的な仕事である子供の頃から親に教えられるはずの職人技術も身につけていないのであれば、生活水準は平均以下になることは想像に難くない。
それならばあの美少女三人組に着いていく方が完全に楽しいし、主人公ぽくてかっこいい。何よりアイがいる。
夕食時、俺はどうやったらついて行くことができるのか情報を探るためにみんなに旅の目的を聞いてみた。
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