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30 緑青の湖
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粗末ではないが一国の王を留め置くには簡素な部屋で、直樹はシンラにしがみついてぽろぽろと涙を流す。
「僕は悔しい。僕はただ黒王ってだけなのに、頑張っているシンラをみんな無視して……っ」
泣いていた直樹が涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて、黒王として着る黒く染めた着物を脱ぎ捨て、全裸のままシンラに抱きついた。
「僕はシンラの伴侶ってだけでいいのに。森に帰りたい……」
「それは困る、直樹」
シンラは嬉しそうに尻尾を振りながら、獣の立ち耳を下げる。
「どうして、シンラ」
「直樹はジジからの使いが終わったが、俺の仕事はまだだからな」
それに直樹が自身のことのように怒り泣き激昂する様子が、なんだか嬉しくなってしまったのだ。
「直樹はすごく頑張ったからな、俺も頑張らないと」
「そうかな、僕は頑張れたかな?」
「口上は一言一句間違えていなかったぞ。褒美をあげねばならないな」
直樹がシンラの首根っこにしがみつき、つま先立ちのままシンラの唇に口づけをする。その唇はやはり震えていて、まだ、泣きたくなるほどの感情が渦巻いているようだ。
直樹を抱き上げ質素だが清潔な寝台に横たえると、直樹を足で挟み込んでシンラは服を脱ぐ。
日差しの翳りはじめた部屋の中で、シンラの反り返る屹立を見た直樹がおずおずとその屹立に両手を這わせ、その切っ先の亀裂に舌を入れて先走りを舐めてきた。
「ん、ん、ん」
直樹がシンラの屹立に大切そうに唇をつけて舐めるのを好きにさせてやり、息苦しくなった直樹が唇を放すのを見て、シンラは油薬を出すと直樹の襞に塗り込んで行く。
「ひあ……っ」
直樹が弱い襞をぐるりと二本の指で広げ掻き回した後、鍵型にした指で襞裏を押してやると、直樹が腰を跳ね上げてびくびくと、子どもらしい屹立から透明な滴が溢れ出た。
もう達しそうになっている直樹の襞に熱い切っ先をつけると、軟らかく解れた赤く色づく蕾を開き、油薬でぬるつく屹立を一気に押し込む。
「あああっ……あ、あ、あ!」
挿入し根元の瘤が直樹の襞を限界まで広げた瞬間、直樹はその快楽衝撃で白濁を飛沫し、喘いで繰り返し体を震わせた。
「んんっ、シンラ……」
幼いのは見た目だけで、貪欲に熟れた神王直樹の内壁は、和合者シンラの屹立を食み蠢動し、シンラは早々に直樹の中に放ちそうになり、最奥を抉るように穿つ。
「ひっ……奥っ……や、あっ!」
臍の下まできつく攻めると直樹が腰を浮かしシンラにしがみついて悶え、重く深い快楽を感受して再び屹立した穂先をシンラの腹に擦り付けて達し、襞の締め付けにシンラも直樹の奥に放つ。
「あ……あ……」
下腹の奥で感じる満たされる快楽に意識を委ねる直樹は、ひどく大人びた妖艶な表情をしシンラは直樹に覆い被さり唇を求めた。
「あ……シンラ」
「少し休め、直樹」
高ぶっていた心を休めるよう、まぶたにも口づけをしてやると、そのままシンラの尻尾を抱き締めて眠ってしまう。シンラもうとうととしていると、部屋の扉を軽く叩かれ、シンラは枕元に置いた二振りの剣を手にした。
「お休みのところを申し訳ありません。森の王、我が王がお呼びです」
文官の声にシンラは、
「支度をする。しばし待て」
と、小さく声を上げ、直樹の小さな手からそっと尻尾を外す。着替えてから、直樹の真っ白な頬に唇を置くと、
「仕事をしてくる。マナはゆっくり休め」
と声を掛けて、部屋を出た。
直樹は喉が乾いて、ふと真っ暗な部屋で目を覚ます。
「シンラ、どこ?」
小さな客間を見渡してもシンラがいないので、直樹は寝間着だけを羽織ると部屋を出た。廊下からテラスが見え、裸足のまま歩み寄ると、湖に向かっていく。
宮の炊き出し場で水をもらえばいいのだが、直樹はシンラを認めない官の態度にまだ蟠りがある。まるで自分のことのように感じる疎外感に、奥の方へ入れないでいた。
だから、湖で水を飲み体を洗えばいいと、寝巻きを脱ぎ捨て冷たい湖に入り、手ですくって水を飲む。
「わあ。深いところが……光ってる」
飲食をしない身体になったのだが、やはり喉は乾く。水を何回か飲んで、ほう……とため息をついた。
不思議なことに、国により月の形状が違う。黄国では大きな満月が、赤国では小さな満月が見えて、森では日本のように月が満ち欠けして見えた。意味があるのかと明に聞いたところ、
「天帝の気まぐれか、王の心象の影響じゃないのか」
と笑われた。青緑国は黒国同様に月明かりもない新月だ。その暗闇にほんのりと輝く不思議な湖の美しさに驚いた。
「底に夜光虫が底にたくさんいるから、明るい」
「え……?」
横にいつのまにか人がいたのだ。白の長い透き通るような織り方の布を羽織り、身体の線が透けて、とてもしなやかに見える。
痩せた青白い肌に青に緑の房が混ざる長い髪は青緑王トトに似ていて直樹が
「ニュト様、お久しぶりです。直樹です、覚えていらっしゃいますか?」
と言うと、ニュトが首を傾げながら頷き、湖を指差して
「見に行く?」
と声を掛けて来た。
「いいのですか?」
「ここは、ニュトの湖だから大丈夫。ついて来て」
ニュトが身体を覆っていた布をはだけると湖に入り、直樹も慌ててそれを追った。
「僕は悔しい。僕はただ黒王ってだけなのに、頑張っているシンラをみんな無視して……っ」
泣いていた直樹が涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて、黒王として着る黒く染めた着物を脱ぎ捨て、全裸のままシンラに抱きついた。
「僕はシンラの伴侶ってだけでいいのに。森に帰りたい……」
「それは困る、直樹」
シンラは嬉しそうに尻尾を振りながら、獣の立ち耳を下げる。
「どうして、シンラ」
「直樹はジジからの使いが終わったが、俺の仕事はまだだからな」
それに直樹が自身のことのように怒り泣き激昂する様子が、なんだか嬉しくなってしまったのだ。
「直樹はすごく頑張ったからな、俺も頑張らないと」
「そうかな、僕は頑張れたかな?」
「口上は一言一句間違えていなかったぞ。褒美をあげねばならないな」
直樹がシンラの首根っこにしがみつき、つま先立ちのままシンラの唇に口づけをする。その唇はやはり震えていて、まだ、泣きたくなるほどの感情が渦巻いているようだ。
直樹を抱き上げ質素だが清潔な寝台に横たえると、直樹を足で挟み込んでシンラは服を脱ぐ。
日差しの翳りはじめた部屋の中で、シンラの反り返る屹立を見た直樹がおずおずとその屹立に両手を這わせ、その切っ先の亀裂に舌を入れて先走りを舐めてきた。
「ん、ん、ん」
直樹がシンラの屹立に大切そうに唇をつけて舐めるのを好きにさせてやり、息苦しくなった直樹が唇を放すのを見て、シンラは油薬を出すと直樹の襞に塗り込んで行く。
「ひあ……っ」
直樹が弱い襞をぐるりと二本の指で広げ掻き回した後、鍵型にした指で襞裏を押してやると、直樹が腰を跳ね上げてびくびくと、子どもらしい屹立から透明な滴が溢れ出た。
もう達しそうになっている直樹の襞に熱い切っ先をつけると、軟らかく解れた赤く色づく蕾を開き、油薬でぬるつく屹立を一気に押し込む。
「あああっ……あ、あ、あ!」
挿入し根元の瘤が直樹の襞を限界まで広げた瞬間、直樹はその快楽衝撃で白濁を飛沫し、喘いで繰り返し体を震わせた。
「んんっ、シンラ……」
幼いのは見た目だけで、貪欲に熟れた神王直樹の内壁は、和合者シンラの屹立を食み蠢動し、シンラは早々に直樹の中に放ちそうになり、最奥を抉るように穿つ。
「ひっ……奥っ……や、あっ!」
臍の下まできつく攻めると直樹が腰を浮かしシンラにしがみついて悶え、重く深い快楽を感受して再び屹立した穂先をシンラの腹に擦り付けて達し、襞の締め付けにシンラも直樹の奥に放つ。
「あ……あ……」
下腹の奥で感じる満たされる快楽に意識を委ねる直樹は、ひどく大人びた妖艶な表情をしシンラは直樹に覆い被さり唇を求めた。
「あ……シンラ」
「少し休め、直樹」
高ぶっていた心を休めるよう、まぶたにも口づけをしてやると、そのままシンラの尻尾を抱き締めて眠ってしまう。シンラもうとうととしていると、部屋の扉を軽く叩かれ、シンラは枕元に置いた二振りの剣を手にした。
「お休みのところを申し訳ありません。森の王、我が王がお呼びです」
文官の声にシンラは、
「支度をする。しばし待て」
と、小さく声を上げ、直樹の小さな手からそっと尻尾を外す。着替えてから、直樹の真っ白な頬に唇を置くと、
「仕事をしてくる。マナはゆっくり休め」
と声を掛けて、部屋を出た。
直樹は喉が乾いて、ふと真っ暗な部屋で目を覚ます。
「シンラ、どこ?」
小さな客間を見渡してもシンラがいないので、直樹は寝間着だけを羽織ると部屋を出た。廊下からテラスが見え、裸足のまま歩み寄ると、湖に向かっていく。
宮の炊き出し場で水をもらえばいいのだが、直樹はシンラを認めない官の態度にまだ蟠りがある。まるで自分のことのように感じる疎外感に、奥の方へ入れないでいた。
だから、湖で水を飲み体を洗えばいいと、寝巻きを脱ぎ捨て冷たい湖に入り、手ですくって水を飲む。
「わあ。深いところが……光ってる」
飲食をしない身体になったのだが、やはり喉は乾く。水を何回か飲んで、ほう……とため息をついた。
不思議なことに、国により月の形状が違う。黄国では大きな満月が、赤国では小さな満月が見えて、森では日本のように月が満ち欠けして見えた。意味があるのかと明に聞いたところ、
「天帝の気まぐれか、王の心象の影響じゃないのか」
と笑われた。青緑国は黒国同様に月明かりもない新月だ。その暗闇にほんのりと輝く不思議な湖の美しさに驚いた。
「底に夜光虫が底にたくさんいるから、明るい」
「え……?」
横にいつのまにか人がいたのだ。白の長い透き通るような織り方の布を羽織り、身体の線が透けて、とてもしなやかに見える。
痩せた青白い肌に青に緑の房が混ざる長い髪は青緑王トトに似ていて直樹が
「ニュト様、お久しぶりです。直樹です、覚えていらっしゃいますか?」
と言うと、ニュトが首を傾げながら頷き、湖を指差して
「見に行く?」
と声を掛けて来た。
「いいのですか?」
「ここは、ニュトの湖だから大丈夫。ついて来て」
ニュトが身体を覆っていた布をはだけると湖に入り、直樹も慌ててそれを追った。
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