婚約破棄したはずの王子様が復縁を求めて来てちょっと怖い~ストーカー気質があるので、成敗する必要がありそうです~

あめり

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3話 忍び寄る影 その2

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 喫茶店から出たエリスとマルクスの二人は、そのまま本格的にデートと洒落こんだ。首都の街を軽い変装だけで歩いて行く貴族の二人。街の警備を兼ねて歩いている騎士たちも、彼らに気付いている様子はない。

 元々、侯爵令嬢と侯爵令息という立ち位置ではある為に、顔自体が有名かどうかは微妙かもしれないが。そんなエリスとマルクスの二人だが、一般のカップルのように二人の時間を楽しんでいた。

「侯爵令嬢の立場だと、どうしても普通のお店とかには行けないけど……偶には、ドレス以外の服も欲しいわね」

「なら良い機会だ。買っていこうか」

「付き合ってくれるの?」

「当たり前だろ? 変なところで、遠慮なんてするなよ」

「あ、ありがと……」

「荷物は俺が持つから、入ろうか」

「うん……」

 あまりにも普通なマルクスの対応。あまりにも普通に彼は言ってのけた為、エリスはなぜかときめいていた。二人の仲は確実に進展しているようだ。


-------------------


 一般的な服屋で買い物を済ませたエリスとマルクスの二人。エリスは上機嫌に店から出てきたが、彼女の服を持っているのはマルクスだ。

 彼自身が荷物は持つことを宣言したわけだが、買い物の前に言ってしまい、今さら引くに引けないが、予想以上の多さになったので、少しだけ後悔していた。

「ごめんなさい、マルクス……。つい、買い過ぎちゃって」

 久しぶりの街での買い物だけに、エリスははしゃぎ過ぎたようだ。それほど高い物は買っていないのだが、なにせ数が圧倒的に多かった。

「少し持つわ」

「いや、気にしないでいいよ。荷物が俺が持つって言ったんだし。本当に気にしなくていいから」

「で、でも……」

 仲睦まじい二人ではあるが、後ろから近づく人影は確実に気配が強くなっていた。ラウツ・コンターチ王子の姿だ。護衛は付けてやって来てはいるが、今はその姿は見えなかった。

「エリス」

「えっ……? あ、あれ……?」

 突如、声を掛けられたエリス。聞き覚えのある声に反応するかのように、そちらに視線を合わせた。そして……その人物の姿を見て、しかめた表情になる。

「ラウツ王子……」

 エリスとマルクスからすれば、楽しいデートに水を差された気分だ。彼らはお呼びではない客人を前に、彼が何を発するのかとても心配していた……。



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