堕ちた貴族の復讐譚~バニーガールな魔術師から与えられた能力は、何度もで生き返る力だった

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学院編

学校生活

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「アルベール。起きて」

「んん……っ」

 目を開けると、パウロが顔を覗き込んでいた。
 すでに制服に着替えている。

「朝だよ。食堂に行こう」

「ああ……。パウロ、ありがとう。今、着替える……」

 アルベールは服を脱ぐ。

「きゃっぴ~~ん♪」

 寝ぼけた頭に、ハイテンションなイザベラの声。
 そちらを見れば、ぐったりしていた頭が一気に覚醒した。
 イザベラは学院制服姿で、右のウサギ耳に青いリボンをしていた。

「リボン、似合うでしょ~っ♪」

「あ、ああ」

「やった~っ♪」

 不覚だが見とれてしまった。

「どうしてお前がそんな格好してるんだよ」

「あたしだって、生徒だもんっ。えへへ♪」

「……とりあえず今は着替えるから消えるか、部屋を出るかしてくれ」

「え~。なんで~? 着替えてもいいのにぃ~」

「未婚の男女が裸を見るのはおかしいだろ」

「アルってさ~、変な所、硬いよね~」

「うるさい。そういう性分なんだよ」

 硬いと言われたのが癪《しゃく》で、結局イザベラの前で手早く着替えてしまう。


「悪い。待たせたな」

 パウロは「大丈夫」と言った。

「初日だからすこし早めに起こしたから。登校初日から遅刻したくいでしょ?」

「そういう配慮だったのか。ありがとう」

 さすがは商業が盛んな自由都市同盟出身者だ。
 配慮が行き届いてすごくしっかりしている。

 寮の一階の食堂へ向かう。
 と、その時。
 脇の通路から、何かが向かって来た。

「っ!?」

 反応する間もなく、巨漢の男に壁に叩きつけられた。
 男の左腕が、アルベールの首に押しつけられる。

(こ、こいつ……!)

 相手は学院生だ。

「な、何するんだよ……っ!」

 二人の生徒が、パウロに同じ事をしていた。

「へへっ! 死ねぇ!」

 男の右手のナイフが光るや、それがまっすぐ胸に向かった。

「――――っ!」

 辺りを見回す。
 そこは学校の廊下だった。

「どうしたの?」

 先を歩いていたパウロが不思議そうに振り返る。

 アルベールは左隣にいるイザベラを見れば、彼女はうなずく。

(まさかこんなところでいきなり殺られるなんてな)

 余りにいきなり過ぎて、かえって笑えてくる。

 パウロが心配そうな顔になった。

「大丈夫?」

「悪い、パウロ。ちょっとここで待っててくれないか?」

「どうして?」

「いいから。すぐに分かるさ」

 アルベールが廊下の曲がり角にさしかかれば。

「うりゃあああああああああ!!」

 巨漢が突っ込んでくるが、そんなことは経験済み。
 巨漢の足を引っかけて転ばせると、男の足首を思いっきり踏みつけた。

「ぐあああああああああ!?」

 骨の折れる感触を、しっかりと足で感じた。

「やろう!」
「くそっ!」

 巨漢の取り巻きたちはナイフを手に襲いかかってきたが軽くあしらい、一人の脇腹を蹴りつけ、仲間をやられて怯んだもう一人の股間を思いっきり蹴り上げた。

 アルベールはわめいて泣いている巨漢の首筋に、短剣をあてがった。

「ひいい……!」
「今度俺かパウロに手を出したら、殺すからな」

 殺してもいい――そう院長からお墨付きはあるものの、

(俺は殺し屋じゃない。王国の公爵家の跡継ぎだ。それがこんなわけのわからん奴を殺すなんて、家名に傷がつく)

 そういう想いがあって床をのたうち回る男たちを放っておいた。

「パウロ。もういいぞ」
「彼らが隠れてたのを知ってたの?」

 パウロは、地べたを這いずり回る三人の男たちを唖然として見る。

「まあ何となく……気配で、な」
「すごいね……。アルベールが、こんなに強いなんて……」
「ただの護身術だよ。――パウロ、行こう」

「あ、う、うん……」

 食堂に入るとプレートを取り、朝食を受け取る。

 パンに、サラダ、目玉焼きにウィンナー、スクランブルエッグ。
 飲み物はスープからジュース、コーヒー、水などから自由に選べる。
 パウロが言うには、全部おかわり自由らしい。

 パウロと一緒に隅っこの席に座った。

 食堂の様子を見ていると、本当にそれぞれがすでに定位置というものは出来上がっているようだ。
 誰もがみんな、当たり前のように自然に座っていた。

「……本当にアルって、すごいね。気配とかで分かっちゃうなんて……」
「まあな。パウロは襲われなかったのか、初日とか」
「僕も護身術程度のことは出来るから。それに目立たないようにしてたし。でもさっきのは本当に分からなかったよ。アルは命の恩人だよっ」
「それは大袈裟だ」

 食事を終えて食堂を出て、玄関ホールに出た。

「アルっ!」

 フィオがスカートのすそをひらめかせず駆け寄ってきた。
 そこらへんの特殊技能があるのはさすが王女様だ。

「フィオ、どうしてここに? ここは男子寮だぞ?」
「アルと一緒に教室に行こうと思って。それにほら、女性だったら他にもいるでしょ?」

 確かにそうだった。
 カップルや友達連れで玄関ホールは賑やかだ。

「そうか……って、お前は大丈夫だったか?」

 アルベールの問いかけに、フィオナーレンは首をかしげた。

「私は大丈夫だけど……どうして?」
「だって……相部屋だぞっ!? お前、誰かと住んだことなんてないだろ」
「それはアルもでしょ? 私だってそれくらいで文句なんて言わないわ。――あ、この子はそのルームメイトのドミニカ」

 ドミニカと紹介された子は、クリーム色の髪をショートカットにして、猫のような円らで、見るかに活発そうだった。

「いやあ、どもども! ドミニカ・ロベールです! よろしくっ!」
「よろしく。俺はアルベール。こっちはルームメイトのパウロ」

 握手をしながら、ドミニカはアルベールの顔をしきりに覗き込んできた。

「へえ。フィオはこんなのがタイプなんだ?」
「ちょっと、ドミニカ。やめてったら!」

 フィオナーレンは頬を染める。

(こ、こんなの?)

「ふうん。王女様はなかなか守備範囲が広いってことね」
「ドミニカ! ――ごめんね、アル……。あ、そうだ。ねえ、すぐそこで男の人たちが朝から騒ぎがあったって話してたんだけど本当?」
「それ、アルベールがやったんだよ」
「アル、平気なの!? 襲われたなんて……」
 フィオナーレンは顔を青ざめさせ、アルベールの身体をぺたぺたと触る。
「おおい!? な、何ともないぞ! 無傷だから!」
 ドミニカが目を輝かせた。
「うそうそ! 何で? 何で?」
 かなりの噂好きらしい。
 アルベールは肩をすくめた。
「それはこっちが聞きたいさ。突然あいつらが襲ってきたんだ。あやうく殺されるところだったんだぜ?」
「へえ。なるほどね……」
 ドミニカは赤い革《かわ》の表紙をめくる。
「確かに新入生同士での殺し合いが一番早いみたい。上級生になればなるほど、お互いの実力が分かってくるから減っていく……みたいだねー」
 アルベールは眉をひそめた。
「でもいくら殺すことは問題ないからって、どうして氏素性も知らない同級生を殺そうとするんだ? あいつらとは初めて会うし。……パウロはどうだ?」
「授業では見かけたことはあるけど、話したことはないよ」

「うーん……」とドミニカは考えてから、「ライバルの排除かも」と言った。

「ライバル? 何の?」
「ここにいる生徒はその国のエリートなわけ。《蛇の巣》を卒業した順位によって、本国での処遇が変わっていくんだよねえ。特に落第生としての自覚がある生徒は……人数が増えてさらに順位が落ちるのは避けたいよね? 新入生は勝手が分からない特に」
「……もしかして、ドミニカもそういうことを狙ってるの?」
 フィオナが心配そうに聞くと、ドミニカは笑い飛ばした。
「私はそういうの興味ナイナイ。ここに来たのだって、自分の国の息苦しさから逃げるためだからね~っ」
 アルベールはほっと息をつく。
「それなら良かった。背後から襲われるのは困るしな。言っておくけど、俺とフィオはそんな順位にこだわるつもりはないから、なにがあっても二人の背中は刺さない。誓う」
「ええ。私たちはそういう意味でここに来たわけじゃないし」
 そうアルベールが言えば、全員の視線がパウロに向く。
 パウロは慌てた。
「ぼくもそんなことしないよ! 今朝だってアルベールに助けられたばかりだったし」

「んじゃ、校舎へ行きますかっ!」

 ドミニカの言葉で、アルベールたちは外へ出た。

 校舎へ向かう。
 寮は学年別だが、勉強を行う校舎は全ての生徒が集まる。
 それだけにでかい。
 
 教室に向かう途中に情報通なドミニカから教えてもらったのは、この校舎の中には王都や帝都にあるような豪華な劇場ホールがあったり、広大な訓練施設、美術館、厩《うまや》などがあるらしい。

 教室というのは名前だけで、小さなホールのようになっていた。
 黒板の前に教壇があり、それを中心にしてすり鉢状に座席が配置されている。
 アルベールたちが真ん中あたりの席に座ってしばらくすると、鐘の音が聞こえてきた。
 校舎に鐘楼《しょうろう》があったから、それだろう。

 扉が開くと雑にブルネットの髪を後ろ手で結わえ、黒いローブをまとい、前髪で左目を隠した女性が入って来る。

「諸君、おはよう。今日も始めよう」

 アルベールは、パウロに耳打ちする。

「あの人、先生か?」
「うん。魔法概論のカサンドラ・アルミネダル先生」
「魔法概論?」

「おい、そこっ!」

 突然のハスキーな声に、アルベールはびくっとしてしまう。

「無駄口を叩くな!」
「す、すいません! あの、俺、昨日ここに入学して、何も知らなくって……」
「だからと言って無駄口は許さんぞ」
「す、すみません……」
「まあいい。お前の為に言っておこう。魔法概論ってのは、『魔法とはなんぞや』……そういう原理原則を教えるってことだ」
「どうして――」
「手を上げろ」
「は?」
「意見、質問があるなら手を上げろ。それが私の授業での鉄則《ルール》だ」

 アルベールは手を上げる。

「何だ?」
「魔術師じゃなくても、受けるんですか?」
「言っておくが、この学校には魔術師になれる課程など存在しない。魔術師はなってしまう、ものなんだ」
(なってしまう……?)
 不思議な言い方だ。
 なりたくないけど、自動的になってしまう、ということなのか。
「なぜ魔術師でもない
「はいは~い! あたしは魔術師で~す!」
「そうか。では続けるぞ」
 カサンドラはあっさりと流せば、イザベラは「ぶぅ」と不満顔。
 そんなイザベラを放置したまま、話は進む。
「なぜ魔術師でないお前たちにこんなことを教えるのか。それは魔法を理解するためだ。お前たちが母国に帰国しても魔術師がこの大陸に存在している以上、魔法という存在からは離れられない。だから知識として入れておくんだ。これでいいか?」
「ありがとうございます」
「では授業に移ろう。
――第五元素に関して、だ。火、風、土、水、無。まあ、『無』に関して元素のうちに入らない場合が多い。具体的に『無』とはテレポートや特定の物質の大きさを拡大縮小したりする魔法など属性の枠を越えたものを差す」

 カサンドラは淡々とだが、力強い声で説明をする。

「次《つ》いで魔術師とは何か、だ。手っ取り早い説明は、魔法を自在に操る者のこと。では魔法とは? この世界は様々な物質で構成されている。この世界に存在する全てのものは分解すれば魔素に換言される」

 カサンドラはペンを手に取る。

「たとえばこのペンだが、ここでただちに魔素になるのかと言えば、違う。魔術師が利用するのは、『まだ役割が決まっていない魔素』だ。我々、魔術師の力の強弱はこれをどれだけ早く、多く集められるか、ということになる」

 カサンドラは教科書のページをめくる。

「魔素を集めるのに使うのが詠唱だ。これは古語で行われる。何故か? 古語は魔素呼びかけるものとして、《始祖》が生み出したものだからだ。詠唱は魔術師本人が考える訳だが……魔素が共鳴できるものでなければならん。格調高く荘厳なものが一般的に好まれる、とされる。通常魔術師が用いることのできる魔法は一種類。二種類ともなると、かなりの腕利きとされている。不肖、私も一種類が限界だ。
 続いて――」

「かなり授業、だったなぁ」

 アルベールが呟けば、フィオナーレンが笑う。

「辺り前でしょ。学校なんだから」
「そりゃそうだけどさ。魔術師でも何でもないのに魔術師の話をされても、ちんぷんかんぷんだ」
「まあ、そうかもしれないけど……」
「アルベール、平気だって。そのうち慣れる♪ 慣れる♪」

 ドミニカが励ましてきた。

「あたしは楽しかったなぁ」

 そんなことを言いながらウサ耳を揺らすのは、イザベラ。

(お前は魔術師だろうが!)

 そんなことを思いながら歩いていると、廊下の向こうにある玄関ホールが騒がしい。

「う……」
 パウロは足を止めた。
「どうしたんだ。パウロ。そんな顔して」
「これは逃げた方がいいかも」
 ドミニカも気まずそうな顔をした。

 廊下の向こうから、人の群れがどんどんこちらへ近づいてきた。

「ドミニカ、あれは何?」

 フィオナーレンが聞けば、ドミニカは顔を曇らせた。

「四年生。面倒な奴らなんだ~。ベルストラーザ王国の王子でさぁ」

「ロベールか!?」

「え。アルベール、呼び捨てなんて駄目だって!」

「――誰だ! この俺を呼び捨てにするのはっ!」

 人垣が左右に分かれれば、輪の中心にいた、でっぷりと太った男が現れた。
 今にも制服のボタンが弾け飛びそうだ。

 その気配に、パウロとドミニカはアルベールの背中に隠れた。

 絹のように輝く毛先をきつく巻いた髪の男が、アルベールたちに近づいてくる。
 でかい顔に目や鼻や口が一カ所に集まっているコミカルな顔つきとは裏腹に、その目は猛禽類のように鋭く、刺すような視線でアルベールたちを値踏みする。

「殿下。お久しぶりで御座います。アルベールで御座います」
 アルベールは深々と頭を下げた。
「ほう……。話には聞いていたが、まさか本当に父上が罪人の子の入学を推薦するとはっ」

 悪態をついたロベールだったが、フィオナーレンに目が行けば、でれでれした顔になって、妹の手をむんずと握りしめた。

「なぜお前がここにおるのだ!? この男に拉致されたのか!?」
「違います。これは……見聞を広めるための嫁修行……のようなものです」
「……よく父上がお許しになられものだ」
「はい、私も驚いております、殿下」
「いつも言っておろうっ! そのような他人行儀ではなく、『お兄様』と呼んで欲しい、とっ!」
「はい、お兄様」
「フィオナーレン! うむうむ。相変わらず朝日のごとく光り輝く美しき面貌よ! 余は兄として誇らしいっ! 」

「ねえ、アルベール。フィオナーレンって誰のこと?」
 ドミニカがひそひそと囁いてくる。
「フィオのこと。長いから、フィオって呼んでる」
「へえ」

 フィオナーレンは、ロベールに対して貞淑に振る舞う。

「……しかし何故、このような謀反人の息子といつまでも一緒におる?」

 アルベールはロベールの大声のひそひそ声を聞こえないふりをするが、いつの間にか姿を見せていたイザベラはロベールに向かって「あっかんべー」をしていた。

 フィオナーレンと、ロベールの話は進んでいる。

「お兄様。私はウンベルト様が謀反を働いたなんてとても信じられないのですっ。お許し下さい、お兄様。私はアルベールとの婚約を打ち切ることを承伏することはできないのです。それがたとえ陛下のご命令だったとしても……」
「おお、フィオナーレン! そのような悲しい顔をしてくれるなっ! お前には真珠の如き輝かしい笑顔こそ、似合う!」
「はい、お兄様」
「困ったことがあれば、いつでも言いさない。――あの男に付きまとわれて、困っている、とかな」
「ありがとうございます。ですが、アルベールを私は信じておりますので」
「……では私は消えよう。また会おうぞ」
「はい!」
 ロベールは大勢の取り巻きと共に去って行った。

 アルベールは、フィオナーレンを肘でつっつく。

「なによ。にやにやして」
「いやあ、ロベールの扱いはやっぱり堂に入ってるなぁって」
「やめてよ、そんな言い方。――アルはお兄様を嫌ってるけど、宮廷では父上の次にお優しかったんだから」
「ねえねえ、フィオ! どういうこと!? フィオって、偉い人なの!?」
 ドミニカが興味津々に、目を輝かせていた。

「ええええええええ!! フィオナって王女さまなの!? すごぉぉぉぉぉい!!」
 ドミニカが絶叫する。
 まだ誰もいない寮の食堂に、アルベールたちはいた。
 そこでフィオナーレンとアルベールは自分の素性を二人に明かす。
「ね、ドミニカ。このことは内密にね?」
「まあ、さっきのことでフィオがとんでもない人ってことは周りに認知されてるだろうけど……分かった。じゃあ、アルベールは? 王子様?」
「まさか」
「でもフィオナの許嫁なんでしょ!?」
「父上が、陛下の弟で……」
「父上……!」
 ドミニカは大袈裟に驚いてみせた。
「な、何だよ」
「いやあ、うちは親のことをおっちゃんとおばちゃんって言ってたから」
「それはそれで独特だろう……」
「それで?」
「んで、公爵だった」
「公爵だった……?」
「うちの親が謀反の疑いを掛けられて……。もちろん俺は冤罪だと思ってるけどな。まあ、そのせいで、いろいろ大変なことがあって、今は一応男爵」
「一応男爵……!」
「なんだよ、その反応。たかだか男爵だぞ。驚かれても困る」
「はぁぁぁ……浮き世離れしてるわぁ~……。でフィオは、婚約を解消させられたけど、抗ってるってこと!? わ~~~お! ロマンチックぅぅぅ~~~~! そんな根性がフィオナにあったっていうのも、いいねぇ~~~燃えるぅ!」
 うっとりした顔をしているドミニカを前に、アルベールは溜息をつく。
「人の身の上で楽しむなって」
「楽しんでるんじゃなくって、感心してるの。ね、パウロ」
 話を振られたパウロも真剣な顔で、うなずいた。
「えらい人も、色々大変なんだね!」
 と、ドミニカが聞いてくる。
「それじゃ、二人はどうしてここに? 謀反騒ぎってのが関係してるとか?」
「……まあ、ちょっとな」
 アルベールとフィオナーレンはお互いに顔を見合わせ、笑う。
 ドミニカが肩をすくめた。
「はいはい。すごく妬《や》けますこと~。どうせイチャイチャする為に来たんでしょ?」
 フィオナーレンはかあっと頬を染めた。
「ち、違うったら!」
 その時、鐘が鳴る。
 アルベールたちは慌てて次の授業の行われる教室へ向かった。
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