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第六話
しおりを挟む私と先生が焼き豚を食べていた時、階段のシャッターを誰かが叩く音がする。
「先生?」
「あぁ、しー」
先生は教室の掃除用具入れから中身を出し、私を連れて入る。
(先生近いっ‥‥)
私は先生と密着している事に興奮せずにはいられなかった。
「ねえ、先生?」
「ん?」
「ここにずっといるつもりですか?」
「あっ焼き豚持ってくるの忘れた」
「ほんとですよ、せっかく作ったのに」
「出ようか」
「嫌です、私怖いです」
「分かった、じゃあもう少しこのままで」
先生の顔を見上げると、暗くて表情はよく見えないが息遣いが荒くなっている。
「先生大丈夫ですか?苦しいですか?」
「君は僕の事が好き?」
「知ってるくせに‥‥」
「じゃあなんで君は僕の授業をいつもサボるの?」
「それは‥‥」
私は先生の授業を聞くとおかしくなる。
先生の全身が見える為頭の先からつま先まで舐めるように見てしまう、そうすればトイレに籠る事になる。
体がもたないのだ。
そう、私は教壇に立つ先生を見て好きになったのだ。
そんな先生とこんな密着出来ることなんて人生でこれっきりだろう。
「トイレにいるんでしょ?」
「えっ?」
「僕が知らないとでも思った?」
「あっ焼き豚取りに行かなくていいんですか?」
「こっち見て?」
目を逸らす私を先生は包むように抱きしめた。
「ごめんね、僕のせいで集中出来なくて」
「感謝してます、私は、こんな気持ちにさせてもらえて」
「じゃあ一旦出ようか」
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