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第一章・僕が公爵家に居るワケ
18・複雑な心情
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どうしてだか、ミシェルは僕からのプレゼントが欲しい…どうもそうなんだね?
──いや、欲しいってーんならいくらでもあげるよ?快くプレゼントする。
だけどさ、今まであんな冷たい態度だった人に、プレゼントしようとする強心臓の人なんて普通居ないでしょ?それで要りません!って言われたらどうする?もう目も当てられないよ。
──ハンカチに『魑魅魍魎』って入れたろかぁ~?って思うよ!まったく…
だけどなぁ、この問題を解決するのが先決だろうね?またリンダさんのところに行きたいし。そこでまたまた僕が大人になって、ちょっと解決策を言ってみることにする。
「僕からのプレゼントのハンカチ、受け取ってくれるんですか?実は…来月のミシェル様の誕生日に渡そうと思っていたんです。すみません、そうと言っておけば良かったですね?」
──これは完璧な解決策だろ?自信があったんだよね。あれ…ち、ちょっと待って!なんで?
目の前のミシェルは、俯いて指で目頭を押さえている。それって…泣いてる?
ミッシェルの目には明らかに涙が滲んでいる。それに目が真っ赤だ…
「そうだったのか…私だけ無視されているのかと思って心配した。それなら良かった!誕生日にマリンからのハンカチ、楽しみにしているよ?」
そして見たこともないくらいな嬉しそうな顔で、僕に微笑みかけてくる。そんなミシェルを見ていたら、自分の行動を激しく後悔した…
──ご、ごめんね!ミシェル。僕、なんて酷いこと思っちゃったんだろう?ミシェルはこんなにも僕からのハンカチを欲しがっていたのに…
もちろん魑魅魍魎はやめよう!容姿端麗《ようしたんれい》とか、眉目秀麗もいいよね?まさしくイケメンだし!
そう心に誓ったけど、僕はこの状況に困惑していた…
この人にはいずれ、自分はあっけなく捨てられるんだ?って思って、なるべく関わるまいとしてきた。だけどミシェルってホントは、純粋過ぎるんだね?きっと。それでいて不器用で…
そして最近のミシェルを見ていると、不器用ながらも僕にアピールしているように思えてならない!それって僕の思い違いなの?
ミシェルを絶対に好きになっちゃいけない!もしもなってしまったら、傷つくのは僕だよ?って自ら考えないようにしてきた。だけど…好きになってもいいのだろうか?
僕の作るハンカチ一つで、こんなに喜ぶ…楽しみにしてる!って笑うミシェルを見ていると本当に辛いよ…
来月の誕生日でミシェルは十九歳になる。だから二十歳までのこの一年でこの物語が大きく動き出す可能性が…
きっともうすぐミシェルはクリス嬢と出会うだろう。なのに、その気持ちは本当に変わらないの?
──僕との未来を選ぶ可能性もあるのだろうか?
そんな複雑な感情で押し潰されそうになっている僕だけど、来月の誕生日は精一杯祝ってあげたいなって思う。後悔しないように…
ビックリするような素敵なハンカチ作るぞ!って意気込んでいると、執務室にノックの音が響く。
ミシェルが返事を返すと、一礼をしながらグランバード公爵家の執事のスミンさんが現れる。だけど挙動不審で何やらモジモジしている…どうした?
いつも隙のないお仕事っぷりのスミンさんにしては、珍しいことだと不思議に思っていたら、意外にも僕に向かって声を掛けて…
「お話し中の所、申し訳ありません。あの…マリン様に王太子殿下から手紙が届いておりますが」
──へっ、王太子殿下だぁ~?
──いや、欲しいってーんならいくらでもあげるよ?快くプレゼントする。
だけどさ、今まであんな冷たい態度だった人に、プレゼントしようとする強心臓の人なんて普通居ないでしょ?それで要りません!って言われたらどうする?もう目も当てられないよ。
──ハンカチに『魑魅魍魎』って入れたろかぁ~?って思うよ!まったく…
だけどなぁ、この問題を解決するのが先決だろうね?またリンダさんのところに行きたいし。そこでまたまた僕が大人になって、ちょっと解決策を言ってみることにする。
「僕からのプレゼントのハンカチ、受け取ってくれるんですか?実は…来月のミシェル様の誕生日に渡そうと思っていたんです。すみません、そうと言っておけば良かったですね?」
──これは完璧な解決策だろ?自信があったんだよね。あれ…ち、ちょっと待って!なんで?
目の前のミシェルは、俯いて指で目頭を押さえている。それって…泣いてる?
ミッシェルの目には明らかに涙が滲んでいる。それに目が真っ赤だ…
「そうだったのか…私だけ無視されているのかと思って心配した。それなら良かった!誕生日にマリンからのハンカチ、楽しみにしているよ?」
そして見たこともないくらいな嬉しそうな顔で、僕に微笑みかけてくる。そんなミシェルを見ていたら、自分の行動を激しく後悔した…
──ご、ごめんね!ミシェル。僕、なんて酷いこと思っちゃったんだろう?ミシェルはこんなにも僕からのハンカチを欲しがっていたのに…
もちろん魑魅魍魎はやめよう!容姿端麗《ようしたんれい》とか、眉目秀麗もいいよね?まさしくイケメンだし!
そう心に誓ったけど、僕はこの状況に困惑していた…
この人にはいずれ、自分はあっけなく捨てられるんだ?って思って、なるべく関わるまいとしてきた。だけどミシェルってホントは、純粋過ぎるんだね?きっと。それでいて不器用で…
そして最近のミシェルを見ていると、不器用ながらも僕にアピールしているように思えてならない!それって僕の思い違いなの?
ミシェルを絶対に好きになっちゃいけない!もしもなってしまったら、傷つくのは僕だよ?って自ら考えないようにしてきた。だけど…好きになってもいいのだろうか?
僕の作るハンカチ一つで、こんなに喜ぶ…楽しみにしてる!って笑うミシェルを見ていると本当に辛いよ…
来月の誕生日でミシェルは十九歳になる。だから二十歳までのこの一年でこの物語が大きく動き出す可能性が…
きっともうすぐミシェルはクリス嬢と出会うだろう。なのに、その気持ちは本当に変わらないの?
──僕との未来を選ぶ可能性もあるのだろうか?
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ビックリするような素敵なハンカチ作るぞ!って意気込んでいると、執務室にノックの音が響く。
ミシェルが返事を返すと、一礼をしながらグランバード公爵家の執事のスミンさんが現れる。だけど挙動不審で何やらモジモジしている…どうした?
いつも隙のないお仕事っぷりのスミンさんにしては、珍しいことだと不思議に思っていたら、意外にも僕に向かって声を掛けて…
「お話し中の所、申し訳ありません。あの…マリン様に王太子殿下から手紙が届いておりますが」
──へっ、王太子殿下だぁ~?
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