【完結】伯爵家当主になりますので、お飾りの婚約者の僕は早く捨てて下さいね?

MEIKO

文字の大きさ
49 / 67
第四章・Yesterday,Today,Forever…

48・オリヴァー兄上

しおりを挟む
 ──オリヴァーが…僕の兄上?

 さっきまでは全く違うことを思っていた…ミシェルの兄だと。だけど違う?おまけに僕の兄上だって…そんなアホな!僕達はすっかりと困惑してしまって…

 確かにロテシュ伯爵家で初めて会った時から親しみを感じていた。それはきっとオリヴァーの人間性からくるものなんだと思っていたのに…それが兄弟だったからなの?

 「私とギルフォード公爵様は、ロテシュ伯爵家の領地でお会いしました。合法ギリギリであくどい事をするロテシュの悪事を知り、その証拠を求めにいらしたようです。私の母はその領地に住む下級貴族の娘だったのですが、若かりし頃ロテシュ伯爵と恋仲に。なのに私がお腹の中にいるのを知っていながら母を捨て、ベンジャミンの母である侯爵家の令嬢と結婚したんです。結局は母より格上の家門との縁を望んだのでしょう…」

 ──あんのオヤジ!また性懲りもなく…僕の母さんだけでなく、オリヴァーの母上をも不幸にしていたなんて!どこまで酷い人なんだ?僕もミシェルも、オリヴァーの母上が受けた酷い扱いに言葉もなくて…

 「母は私を産んで直ぐ亡くなり、噂で私の身の上を知ったギルフォード公爵様が、私を不憫に思って下さって。それで援助を申し出ていただいたんです。公爵夫人に隠し子かと疑いを受けた時、事実を言って欲しいとお願いしたいたのですが…間者としてロテシュの元に居る私の身を案じて、何もおっしゃらなかったようです。ロテシュは私の顔を見ても自分の子供だと気付きもしなかったような人ですが、バレたらあらぬ疑いを向けられるのではと心配なさって…」

 ──そうだったのか!オリヴァーの秘密がどこからかロテシュ伯爵に伝わってしまうかも知れない…自分が憶えてもいない息子が、いつの間にか使用人として入り込んでいるなんて分かったら何かを企んでいるのだと思う可能性が高い…
 そうなるとオリヴァーの身が危なくなる。同じ立場の僕に対して、非道を繰り返す父ならばそう思われても納得だ…

 それにしてもミシェルの父上ってば、とっても良い人!夫人に疑われても秘密を明かさないなんて…流石ミシェルの父上だね?だけど有らぬことを妻や息子に疑われて不憫すぎ…
 それならこれ、解決じゃないの?オリヴァーが…いや!オリヴァー兄上がロテシュ伯爵になってくれればいいんだよ!正真正銘、僕の兄上なんだから~

 「突然ですがオリヴァー兄上、僕に代わってロテシュ伯爵になって下さいませんか?もちろん僕もミシェルもそうなれるように精一杯お手伝いします!それなら大丈夫ですよね?」

 急に解決の道筋が見えてきて、気持ちが軽くなった。これからは兄弟として、ロテシュ伯爵家を一緒に盛り立てていきながら、僕はミシェルと結婚する。それで完璧だー!

 「ええっ?急に兄上と言われても照れますね。ですがその提案には一つ問題が…私はマリン様と違って、伯爵から認められて籍に入った訳じゃありません。ですから伯爵亡き今、私がロテシュ伯爵の子供だと証明する術がないんですよ…」

 兄弟なんだから「様」はやめてね?と伝えながら、それは問題だな…って考える。僕の場合はミシェルに嫁がせるという目的があったから、籍にはきちんと入れてくれた。でもあの人達はそれだけで、気持ちの上では家族だなんて一切認めて無かったけどね…

 ──だけど証明…ちょっと待てよ?何か記憶の隅で引っかかるものがあるな…

 そう考え込んでいると、突然池で溺れたあの記憶が蘇る。えっ…何だっけな?
しおりを挟む
感想 26

あなたにおすすめの小説

回帰したシリルの見る夢は

riiko
BL
公爵令息シリルは幼い頃より王太子の婚約者として、彼と番になる未来を夢見てきた。 しかし王太子は婚約者の自分には冷たい。どうやら彼には恋人がいるのだと知った日、物語は動き出した。 嫉妬に狂い断罪されたシリルは、何故だかきっかけの日に回帰した。そして回帰前には見えなかったことが少しずつ見えてきて、本当に望む夢が何かを徐々に思い出す。 執着をやめた途端、執着される側になったオメガが、次こそ間違えないようにと、可愛くも真面目に奮闘する物語! 執着アルファ×回帰オメガ 本編では明かされなかった、回帰前の出来事は外伝に掲載しております。 性描写が入るシーンは ※マークをタイトルにつけます。 物語お楽しみいただけたら幸いです。 *** 2022.12.26「第10回BL小説大賞」で奨励賞をいただきました! 応援してくれた皆様のお陰です。 ご投票いただけた方、お読みくださった方、本当にありがとうございました!! ☆☆☆ 2024.3.13 書籍発売&レンタル開始いたしました!!!! 応援してくださった読者さまのお陰でございます。本当にありがとうございます。書籍化にあたり連載時よりも読みやすく書き直しました。お楽しみいただけたら幸いです。

義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。

竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。 あれこれめんどくさいです。 学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。 冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。 主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。 全てを知って後悔するのは…。 ☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです! ☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。 囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

冤罪で追放された王子は最果ての地で美貌の公爵に愛し尽くされる 凍てついた薔薇は恋に溶かされる

尾高志咲/しさ
BL
旧題:凍てついた薔薇は恋に溶かされる 🌟第10回BL小説大賞(2022年)奨励賞。2025年11月アンダルシュノベルズより刊行🌟 ロサーナ王国の病弱な第二王子アルベルトは、突然、無実の罪状を突きつけられて北の果ての離宮に追放された。王子を裏切ったのは幼い頃から大切に想う宮中伯筆頭ヴァンテル公爵だった。兄の王太子が亡くなり、世継ぎの身となってからは日々努力を重ねてきたのに。信頼していたものを全て失くし向かった先で待っていたのは……。 ――どうしてそんなに優しく名を呼ぶのだろう。 お前に裏切られ廃嫡されて最北の離宮に閉じ込められた。 目に映るものは雪と氷と絶望だけ。もう二度と、誰も信じないと誓ったのに。 ただ一人、お前だけが私の心を凍らせ溶かしていく。 執着攻め×不憫受け 美形公爵×病弱王子 不憫展開からの溺愛ハピエン物語。 ◎書籍掲載は、本編と本編後の四季の番外編:春『春の来訪者』です。 四季の番外編:夏以降及び小話は本サイトでお読みいただけます。 なお、※表示のある回はR18描写を含みます。 🌟第10回BL小説大賞での応援ありがとうございました! 🌟本作は旧Twitterの「フォロワーをイメージして同人誌のタイトルつける」タグで貴宮あすかさんがくださったタイトル『凍てついた薔薇は恋に溶かされる』から思いついて書いた物語です。ありがとうございました。

出来損ないのオメガは貴公子アルファに愛され尽くす エデンの王子様

冬之ゆたんぽ
BL
旧題:エデンの王子様~ぼろぼろアルファを救ったら、貴公子に成長して求愛してくる~ 二次性徴が始まり、オメガと判定されたら収容される、全寮制学園型施設『エデン』。そこで全校のオメガたちを虜にした〝王子様〟キャラクターであるレオンは、卒業後のダンスパーティーで至上のアルファに見初められる。「踊ってください、私の王子様」と言って跪くアルファに、レオンは全てを悟る。〝この美丈夫は立派な見た目と違い、王子様を求めるお姫様志望なのだ〟と。それが、初恋の女の子――誤認識であり実際は少年――の成長した姿だと知らずに。 ■受けが誤解したまま進んでいきますが、攻めの中身は普通にアルファです。 ■表情の薄い黒騎士アルファ(攻め)×ハンサム王子様オメガ(受け)

運命の番は姉の婚約者

riiko
BL
オメガの爽はある日偶然、運命のアルファを見つけてしまった。 しかし彼は姉の婚約者だったことがわかり、運命に自分の存在を知られる前に、運命を諦める決意をする。 結婚式で彼と対面したら、大好きな姉を前にその場で「運命の男」に発情する未来しか見えない。婚約者に「運命の番」がいることを知らずに、ベータの姉にはただ幸せな花嫁になってもらいたい。 運命と出会っても発情しない方法を探る中、ある男に出会い、策略の中に翻弄されていく爽。最後にはいったい…どんな結末が。 姉の幸せを願うがために取る対処法は、様々な人を巻き込みながらも運命と対峙して、無事に幸せを掴むまでのそんなお話です。 性描写が入るシーンは ※マークをタイトルにつけますのでご注意くださいませ。 物語、お楽しみいただけたら幸いです。

運命だなんて言うのなら

riiko
BL
気が付いたら男に組み敷かれていた。 「番、運命、オメガ」意味のわからない単語を話す男を前に、自分がいったいどこの誰なのか何一つ思い出せなかった。 ここは、男女の他に三つの性が存在する世界。 常識がまったく違う世界観に戸惑うも、愛情を与えてくれる男と一緒に過ごし愛をはぐくむ。この環境を素直に受け入れてきた時、過去におこした過ちを思い出し……。 ☆記憶喪失オメガバース☆ 主人公はオメガバースの世界を知らない(記憶がない)ので、物語の中で説明も入ります。オメガバース初心者の方でもご安心くださいませ。 運命をみつけたアルファ×記憶をなくしたオメガ 性描写が入るシーンは ※マークをタイトルにつけますのでご注意くださいませ。 物語、お楽しみいただけたら幸いです。

処理中です...