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19 冗談でも言えないこと
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「え、この間も一緒に帰ったの?」坂井さんが驚く。
「だってリクライニングのある部屋は埋まってるんじゃないかって、聞いてみろとか言われて。やっぱりだめで。週末をなめるなって言われて。タクシーに押し込まれて、また2次会。」
その後喧嘩みたいになったことは言わなかった。
あくる朝も普通にして、最初の時よりずっと早く1人でマンションを出て帰った。
送ってくれると言われたけど断った。
「だから方向音痴ではないです。覚えてますから。」
そう言ってお礼をしてドアを閉めたのだった。
最初に泊まった時とは違う自分。
明らかに変だったから。せっかく泊めてもらったのに。
「でも眠くてすぐお開きにしてソファで寝た。」
「そう。楽しくなかったの?」
「疲れてたみたい、2人とも。」
「プレゼントの事も聞いてみたんだけど覚えてないって。」
「分かる気がする。あんまり想像できない。」
「そう・・・なのかな?あんまり家族の話は聞いたことがないかも。」
お昼を食べながら話をする。
この後も買いに行く予定。
「ねえ、実家暮らしの友達いるでしょう?家にいくらかお金を入れてるって本当?」
「そうね、たいてい3万って聞く。いいよね家賃がかからないし、生活費全般それくらいですむなら。お姉ちゃんと暮らしてて半分だけで済んでるけど、実際いろいろかかるのよね。」
やっぱりそうなるのか。
私も払ってるって坂井さんは思ってる。それくらい当然だと。
携帯代も払ってもらってる私。あの日、家に帰ってお母さんに聞いた。
「その分は貯金してなさい。一人暮らしとか結婚とか。いろいろ必要な時にお父さんに頼らなくていい様にしてなさい。」
そう言って請求されなかったラッキーな私。
「どうすればいいかな?」
「面倒でしょうから銀行に行って勝手に振り分けてもらえるようにしたら?」
「行けばわかる?」
「教えてくれるわよ。通帳と印鑑は必要だと思うわよ。」
そう言われても平日はいけない。結局お母さんにお願いすることにした。
毎月7万づつ貯金することに、勝手にやってくれるからノータッチでいいらしい。
何から何までありがたい。
「近藤さんの部屋ってどんな感じかな?」
「イメージ通りだと思うよ。色もないし物もないし音もないし光もない。個性が分かるものがない。きれいに掃除されてて片付いてるけど。寂しい感じ。写真とか絵とかもない。」
「彼女の写真とかは?」
「ない。寝室に飾ってるかもしれないけど。見た限り本当に『無』。」
「ふ~ん。そうなんだ。」
「うん、温度のない部屋って初めてかも。」
「綺麗で静かなのが好きみたいだから、あんまり調子に乗っていろいろ聞くと途中で黙殺される。答えなくなったらその話題はやめる。めんどくさいって目でよく見られる。あの目は耐えられない。」
「そうなの?だって一人カラオケで楽しそうに留守番してたって笑ってたのに。」
「時々はあんな感じに冗談言って優しい顔をするけど。基本は冷たい人だと思う。」
冷たい人、温度のない人、あの部屋と同じ、まさにそのまま。
「そう?」
ん?
何だか私が一番知ってる、みたいな話の流れ。
見たままがすべてだとは思わないけど。
「高田さんと足して半分くらいにしたらちょうどいいのに。」
「そうかもね。」
デザートは買い物の後でと言って食事が終わったら買い物へ。
雑貨を売るお店を上のフロアからゆっくり見ていく。
「ねえ、変なこと聞くようだけど。今まで付き合った人いるんだよね。」
「うん、少し。」
少し・・・。片手かな?
「今は好きな人は?」
「うん・・・なりそうな人、約1名。」
「それは1人に決まってるけど。ハッピーになったら教えてね。」
「うん、もう我慢できなくてしゃべっちゃうタイプだから。」
嬉しそうに言う坂井さんがとてもかわいくて、羨ましい。
「可愛いね。坂井さん。おしゃれでスタイルよくて素直で賢くてかわいい、女の子って感じで。うらやましい。」
「もう、全然玉井ちゃんが分かってない。自分の魅力をもっと出して。ボーナス出たら絶対変身させるから。近藤さんもびっくりなくらい変わるから。」
「やだなあ、クールな目でふ~んって見られるくらいだよ、そんな変身できないし。」
「絶対できるって。高田さんにも今度聞いてみようっと。」
「ボーナスかあ、来月かなあ?」
「そうみたいだけど、最初は少ないからね。」
「まあね。」
「でも変身しようね。買い物一緒に付き合って貰うから。」
「そんなこと言って彼氏ができて私と遊ぶ暇なんてなくなったりして。」
「大丈夫、それくらいは絶対作る。」
自信を持って言われたけど彼氏ができるという方も否定はなく。
なんだかうれしい報告はすぐに聞けそうな気がした。
ちょっと寂しい様な気もする。
一通りお店も見て、カフェでデザートタイム。
「ね、茜ちゃんはどんな人が好きなの?あ、茜ちゃんでいいよね。私も若菜でいいし。」
「うん、勿論。」若菜ちゃん・・・。
「で、好きなタイプは?」グイグイと聞いてくる。
「私は特にない。」
「じゃあ、今まで好きになった人とか付き合った人は、どんな人?」
いる前提。好きになった人・・・・。誰だろう?
「お父さんみたいな人。優しくて穏やかな人。落ち着いた人。絶対後ろにいて守ってくれる人。」
「凄いね、そんな人いたの?随分年上?」
そうなのだ。理想としてる人だけど、そんな人には出会ってない。
「う~ん。いないかな。」
「そうだよね。お父さんってそういう人なの?」
「うん。大好き。変かな?」
「ううん、私も好きだし。でも理想とは違うかな。お父さんは割と静かなタイプだけど私は賑やかな方が好き。良くしゃべる人の方が好き。」
「そうなんだ。良かった、だから私の事もウンザリしないでいてもらえるんだ。」
「ん?女子も、そうだね、賑やかな方が好きかも。」
「でも大人の落ち着いた優しい人って・・・・どう?近藤さんみたいな人、とか。」
「何でそうなるの。」
それに『とか』って何?
優しい振りはしてるけど、本当はすごく冷たい人だから。絶対嫌。
でも誰にも言えない。冗談では言えても。
「絶対ないから。もっと穏やかな人がいい。」
お父さんの顔を思い浮かべながら笑顔にして、・・・・なぜか途中で近藤さんのたまに見せてくれる笑顔になった。
・・・・でも違うから。
「じゃあ、高田さんみたいな明るい人は?」
「高田さんは楽。ノリノリで元気になるし優しそう。でも彼女になったら変な心配して疲れるから。」
「そうだね、やっぱり足して2で割るほうがいいね。でも好きになった人には誰でも優しいから、穏やかな大人希望って事ね。」
そうなのだ。好きになった人には大抵の人は優しくなるはずだ。
やっぱり彼女と言っても好きじゃないという関係・・・・理解できない。
幸せじゃないよね、2人とも。
体だけの・・・・だからきれいな人なら問題ないってこと。
ひどい。本当に彼女はそんなこと望んでるのかな。
ケーキを食べて休憩したあと少しだけ洋服を見た。
絶対似合うと言われたワンピース。
夏に向けて明るい色を飾ったお店の前だった。無理。
「若菜ちゃんみたいに背が高くてすらっとしてればいいけど、私には長いし。」
「そうかな?身長というより少しヒールのあるサンダルとか合わせればいいんじゃない?ひらひらして軽くて揺れるから長くても平気なのに。」
足を出さないのはもったいないと言われてミニスカートも勧められた。
いや、もっと無理。
私はボーナスが出るのが怖くなった。
なんだか店員さんよりすごく押して来そう。
ある日扉を叩き顔を出した高田さん。
「入っていいか?」
「高田さん、お疲れ様です。」
あちこちから声がかかる。
私にも手を振って答えてくれる。相変わらずだ。
いいとも言わず席を立つ近藤さん。
まだ出禁中?しつこい喧嘩だなあ。
それでも一緒に外に出ていった。
それに守る高田さんも律儀だよなあ。
いまだに何故なのかは分からない。
その高田さんの用事は何だろうと誰もが思ったけど、すぐに自分たちの仕事に戻った。
戻ってきた近藤さんがみんなを集めた。
「合同研究無くなったから。しばらくはそのままで。」
ちょっとだけ誰もが楽しみにしていたのに、残念。
日常は本当に日常で。
いろんなことに慣れて、ちょっとだけ器用になって。
若菜ちゃんとは下の名前で呼び合うことも普通になってきた。
そういえば結局ボーナスの後一緒に買いに行って、あの明るい色のワンピースを買った。
今のところ家族で出かける時に少し着ただけ。
お父さんが可愛いぞと言いながら本当に嬉しそうにしていたので、もしかして本当に似合ってたのかな?
そのお父さんの笑顔だけで私はうれしくなったからいい。
若菜ちゃんと一緒に服を買ったり、化粧品を試したり、美容院に行って言われた通りにお願いしたり。
少しづつ大人らしい努力を教えられていった。
「だってリクライニングのある部屋は埋まってるんじゃないかって、聞いてみろとか言われて。やっぱりだめで。週末をなめるなって言われて。タクシーに押し込まれて、また2次会。」
その後喧嘩みたいになったことは言わなかった。
あくる朝も普通にして、最初の時よりずっと早く1人でマンションを出て帰った。
送ってくれると言われたけど断った。
「だから方向音痴ではないです。覚えてますから。」
そう言ってお礼をしてドアを閉めたのだった。
最初に泊まった時とは違う自分。
明らかに変だったから。せっかく泊めてもらったのに。
「でも眠くてすぐお開きにしてソファで寝た。」
「そう。楽しくなかったの?」
「疲れてたみたい、2人とも。」
「プレゼントの事も聞いてみたんだけど覚えてないって。」
「分かる気がする。あんまり想像できない。」
「そう・・・なのかな?あんまり家族の話は聞いたことがないかも。」
お昼を食べながら話をする。
この後も買いに行く予定。
「ねえ、実家暮らしの友達いるでしょう?家にいくらかお金を入れてるって本当?」
「そうね、たいてい3万って聞く。いいよね家賃がかからないし、生活費全般それくらいですむなら。お姉ちゃんと暮らしてて半分だけで済んでるけど、実際いろいろかかるのよね。」
やっぱりそうなるのか。
私も払ってるって坂井さんは思ってる。それくらい当然だと。
携帯代も払ってもらってる私。あの日、家に帰ってお母さんに聞いた。
「その分は貯金してなさい。一人暮らしとか結婚とか。いろいろ必要な時にお父さんに頼らなくていい様にしてなさい。」
そう言って請求されなかったラッキーな私。
「どうすればいいかな?」
「面倒でしょうから銀行に行って勝手に振り分けてもらえるようにしたら?」
「行けばわかる?」
「教えてくれるわよ。通帳と印鑑は必要だと思うわよ。」
そう言われても平日はいけない。結局お母さんにお願いすることにした。
毎月7万づつ貯金することに、勝手にやってくれるからノータッチでいいらしい。
何から何までありがたい。
「近藤さんの部屋ってどんな感じかな?」
「イメージ通りだと思うよ。色もないし物もないし音もないし光もない。個性が分かるものがない。きれいに掃除されてて片付いてるけど。寂しい感じ。写真とか絵とかもない。」
「彼女の写真とかは?」
「ない。寝室に飾ってるかもしれないけど。見た限り本当に『無』。」
「ふ~ん。そうなんだ。」
「うん、温度のない部屋って初めてかも。」
「綺麗で静かなのが好きみたいだから、あんまり調子に乗っていろいろ聞くと途中で黙殺される。答えなくなったらその話題はやめる。めんどくさいって目でよく見られる。あの目は耐えられない。」
「そうなの?だって一人カラオケで楽しそうに留守番してたって笑ってたのに。」
「時々はあんな感じに冗談言って優しい顔をするけど。基本は冷たい人だと思う。」
冷たい人、温度のない人、あの部屋と同じ、まさにそのまま。
「そう?」
ん?
何だか私が一番知ってる、みたいな話の流れ。
見たままがすべてだとは思わないけど。
「高田さんと足して半分くらいにしたらちょうどいいのに。」
「そうかもね。」
デザートは買い物の後でと言って食事が終わったら買い物へ。
雑貨を売るお店を上のフロアからゆっくり見ていく。
「ねえ、変なこと聞くようだけど。今まで付き合った人いるんだよね。」
「うん、少し。」
少し・・・。片手かな?
「今は好きな人は?」
「うん・・・なりそうな人、約1名。」
「それは1人に決まってるけど。ハッピーになったら教えてね。」
「うん、もう我慢できなくてしゃべっちゃうタイプだから。」
嬉しそうに言う坂井さんがとてもかわいくて、羨ましい。
「可愛いね。坂井さん。おしゃれでスタイルよくて素直で賢くてかわいい、女の子って感じで。うらやましい。」
「もう、全然玉井ちゃんが分かってない。自分の魅力をもっと出して。ボーナス出たら絶対変身させるから。近藤さんもびっくりなくらい変わるから。」
「やだなあ、クールな目でふ~んって見られるくらいだよ、そんな変身できないし。」
「絶対できるって。高田さんにも今度聞いてみようっと。」
「ボーナスかあ、来月かなあ?」
「そうみたいだけど、最初は少ないからね。」
「まあね。」
「でも変身しようね。買い物一緒に付き合って貰うから。」
「そんなこと言って彼氏ができて私と遊ぶ暇なんてなくなったりして。」
「大丈夫、それくらいは絶対作る。」
自信を持って言われたけど彼氏ができるという方も否定はなく。
なんだかうれしい報告はすぐに聞けそうな気がした。
ちょっと寂しい様な気もする。
一通りお店も見て、カフェでデザートタイム。
「ね、茜ちゃんはどんな人が好きなの?あ、茜ちゃんでいいよね。私も若菜でいいし。」
「うん、勿論。」若菜ちゃん・・・。
「で、好きなタイプは?」グイグイと聞いてくる。
「私は特にない。」
「じゃあ、今まで好きになった人とか付き合った人は、どんな人?」
いる前提。好きになった人・・・・。誰だろう?
「お父さんみたいな人。優しくて穏やかな人。落ち着いた人。絶対後ろにいて守ってくれる人。」
「凄いね、そんな人いたの?随分年上?」
そうなのだ。理想としてる人だけど、そんな人には出会ってない。
「う~ん。いないかな。」
「そうだよね。お父さんってそういう人なの?」
「うん。大好き。変かな?」
「ううん、私も好きだし。でも理想とは違うかな。お父さんは割と静かなタイプだけど私は賑やかな方が好き。良くしゃべる人の方が好き。」
「そうなんだ。良かった、だから私の事もウンザリしないでいてもらえるんだ。」
「ん?女子も、そうだね、賑やかな方が好きかも。」
「でも大人の落ち着いた優しい人って・・・・どう?近藤さんみたいな人、とか。」
「何でそうなるの。」
それに『とか』って何?
優しい振りはしてるけど、本当はすごく冷たい人だから。絶対嫌。
でも誰にも言えない。冗談では言えても。
「絶対ないから。もっと穏やかな人がいい。」
お父さんの顔を思い浮かべながら笑顔にして、・・・・なぜか途中で近藤さんのたまに見せてくれる笑顔になった。
・・・・でも違うから。
「じゃあ、高田さんみたいな明るい人は?」
「高田さんは楽。ノリノリで元気になるし優しそう。でも彼女になったら変な心配して疲れるから。」
「そうだね、やっぱり足して2で割るほうがいいね。でも好きになった人には誰でも優しいから、穏やかな大人希望って事ね。」
そうなのだ。好きになった人には大抵の人は優しくなるはずだ。
やっぱり彼女と言っても好きじゃないという関係・・・・理解できない。
幸せじゃないよね、2人とも。
体だけの・・・・だからきれいな人なら問題ないってこと。
ひどい。本当に彼女はそんなこと望んでるのかな。
ケーキを食べて休憩したあと少しだけ洋服を見た。
絶対似合うと言われたワンピース。
夏に向けて明るい色を飾ったお店の前だった。無理。
「若菜ちゃんみたいに背が高くてすらっとしてればいいけど、私には長いし。」
「そうかな?身長というより少しヒールのあるサンダルとか合わせればいいんじゃない?ひらひらして軽くて揺れるから長くても平気なのに。」
足を出さないのはもったいないと言われてミニスカートも勧められた。
いや、もっと無理。
私はボーナスが出るのが怖くなった。
なんだか店員さんよりすごく押して来そう。
ある日扉を叩き顔を出した高田さん。
「入っていいか?」
「高田さん、お疲れ様です。」
あちこちから声がかかる。
私にも手を振って答えてくれる。相変わらずだ。
いいとも言わず席を立つ近藤さん。
まだ出禁中?しつこい喧嘩だなあ。
それでも一緒に外に出ていった。
それに守る高田さんも律儀だよなあ。
いまだに何故なのかは分からない。
その高田さんの用事は何だろうと誰もが思ったけど、すぐに自分たちの仕事に戻った。
戻ってきた近藤さんがみんなを集めた。
「合同研究無くなったから。しばらくはそのままで。」
ちょっとだけ誰もが楽しみにしていたのに、残念。
日常は本当に日常で。
いろんなことに慣れて、ちょっとだけ器用になって。
若菜ちゃんとは下の名前で呼び合うことも普通になってきた。
そういえば結局ボーナスの後一緒に買いに行って、あの明るい色のワンピースを買った。
今のところ家族で出かける時に少し着ただけ。
お父さんが可愛いぞと言いながら本当に嬉しそうにしていたので、もしかして本当に似合ってたのかな?
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