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17 季節がゆっくりと秋になる
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部屋のドアをノックされて、そんな気遣いも珍しいかも・・・・・。
細く開いた隙間からお姉ちゃんが顔を出した。
「ちょっと手伝ってくれる?」
夏服が山になっている。文字通りの山。
ハンガーや衣装ケースの引き出しから取り出して放り投げたみたい。
一枚一枚広げて、体に当てて、私に当てて、仕分けしていく。
数枚の服が私の足元に来て、畳んで置いた。
「これはしおりにあげる。」
そう言われた服だった。
来年も着るという服はベッドの上に丁寧に畳んで置いておく。
夏服が七割くらいになった。
そのままベッドの下から衣装ケースを引き出してドサッと小山を作る。
少し花柄が落ち着き色目も落ち着いた、晩夏初秋の服たち。
この季節ごとに繰り返される定期的な活動は私の手伝いが必要で、次のシーズンに出したときにシワが出ないように畳んでる。
それでもいざ季節を迎えて取り出すと、お姉ちゃんの趣味が変わっていて、数枚要らない服が出てくるのだ。
そして、また私の足元にそんな服が増えた。
私のお小遣いが減らない理由。
お姉ちゃんの服は嫌いじゃないし、まだまだきれいだし、自分で選ぶ服よりいい服だったりする。
二つ目の小山が一通りすんだら、夏服を空いたケースにしまいベッドの下へ押し込む。
秋服はクローゼットへしまわれて、季節がチェンジする。
合わせて小物を数点貰い受ける。
そんな作業の中で普通に話しかけられた。
「かずさ君のこと、振ったんだって。」
丁寧に服を畳んでいた私の手が止まる。
「何のことですか?知りません。」
「もう会いたくないって、そういうことでしょう?友達にからかわれるのが嫌で、一人になるのが嫌で、だからかずさ君の方を無しにしたんだ。そんなに鬱陶しい友達が本当に必要なの?仲良しだったら喜んでくれないの?」
「お姉ちゃんの言ってることは・・・・・全然違う。」
「じゃあ、何?」
私は服をたたみながら考える。
でも、そんな器用なことは出来ないから、少しシワがよっていても文句言わないで欲しい。
「ただ、誤解されたくないから、誤解されるようなことはやめただけ。」
「何であんなにうれしそうに抱えてたペンギンまでいなくなったの?お母さん達にうれしそうに報告して、名前までつけてたのに。」
そう、いろいろあの日のことは報告した。
お姉ちゃんの彼氏も一緒だったことも。
どんな見た目の人だったか、優しくてすごくいい人だったと、お姉ちゃんと仲良しだったと教えた。
そして、委員長と二人で動物を見ながら話したこととか、もらったお小遣いで気に入ったペンギンのぬいぐるみを買った事も。
名前を考えてて、単純に『ペン』にした事。『あん』と『ペン』。
次の日にお姉ちゃんはお母さんから聞いたらしい。
『うれしそうに報告したついでに私の彼氏のことまでばらしたのね。』
そう言われたけど、怒ってはいなかった。
ペンギンの名前については安直すぎると一言言われた。
そしてそのペンは今はクローゼットの中に眠ってる。
「お母さんにお金を貰って買ったぬいぐるみだから報告しただけ。」
「はぁ~、私だって分かるよ。まだまだ小さいグループの中で皆と同じようにしてるのが一番平和だって。でも、裏のおじいちゃんまで巻き込んで、あそこでも会うことはしないって。いいじゃない、そんなに何もかもあきらめたりしなくても。」
どうやら全部聞いたらしい。
おじいさんからだろうか?
あの猫の鳴き声につられて偶然会ったあの日まで、それまで委員長とは全然話したこともなかったから。よく考えたらおじいさんとも、まったくだった。
だから別にいいのに。
元に戻っただけなのに。
「ナオもあんも大きくなったから、あんのことで困ったら相談するし。別に普通だよ。」
「もう、不器用な妹なんだから。」
そうです。だから身勝手にもなれないし、上手に隠すようなことも出来ないと思う。
だから隠すようなことはしないほうがいい。
服をしまい終わって、ぐるりと見まわして、クローゼットを閉める。
自分が貰った服を抱えてお礼を言って、自分の部屋に戻った。
細く開いた隙間からお姉ちゃんが顔を出した。
「ちょっと手伝ってくれる?」
夏服が山になっている。文字通りの山。
ハンガーや衣装ケースの引き出しから取り出して放り投げたみたい。
一枚一枚広げて、体に当てて、私に当てて、仕分けしていく。
数枚の服が私の足元に来て、畳んで置いた。
「これはしおりにあげる。」
そう言われた服だった。
来年も着るという服はベッドの上に丁寧に畳んで置いておく。
夏服が七割くらいになった。
そのままベッドの下から衣装ケースを引き出してドサッと小山を作る。
少し花柄が落ち着き色目も落ち着いた、晩夏初秋の服たち。
この季節ごとに繰り返される定期的な活動は私の手伝いが必要で、次のシーズンに出したときにシワが出ないように畳んでる。
それでもいざ季節を迎えて取り出すと、お姉ちゃんの趣味が変わっていて、数枚要らない服が出てくるのだ。
そして、また私の足元にそんな服が増えた。
私のお小遣いが減らない理由。
お姉ちゃんの服は嫌いじゃないし、まだまだきれいだし、自分で選ぶ服よりいい服だったりする。
二つ目の小山が一通りすんだら、夏服を空いたケースにしまいベッドの下へ押し込む。
秋服はクローゼットへしまわれて、季節がチェンジする。
合わせて小物を数点貰い受ける。
そんな作業の中で普通に話しかけられた。
「かずさ君のこと、振ったんだって。」
丁寧に服を畳んでいた私の手が止まる。
「何のことですか?知りません。」
「もう会いたくないって、そういうことでしょう?友達にからかわれるのが嫌で、一人になるのが嫌で、だからかずさ君の方を無しにしたんだ。そんなに鬱陶しい友達が本当に必要なの?仲良しだったら喜んでくれないの?」
「お姉ちゃんの言ってることは・・・・・全然違う。」
「じゃあ、何?」
私は服をたたみながら考える。
でも、そんな器用なことは出来ないから、少しシワがよっていても文句言わないで欲しい。
「ただ、誤解されたくないから、誤解されるようなことはやめただけ。」
「何であんなにうれしそうに抱えてたペンギンまでいなくなったの?お母さん達にうれしそうに報告して、名前までつけてたのに。」
そう、いろいろあの日のことは報告した。
お姉ちゃんの彼氏も一緒だったことも。
どんな見た目の人だったか、優しくてすごくいい人だったと、お姉ちゃんと仲良しだったと教えた。
そして、委員長と二人で動物を見ながら話したこととか、もらったお小遣いで気に入ったペンギンのぬいぐるみを買った事も。
名前を考えてて、単純に『ペン』にした事。『あん』と『ペン』。
次の日にお姉ちゃんはお母さんから聞いたらしい。
『うれしそうに報告したついでに私の彼氏のことまでばらしたのね。』
そう言われたけど、怒ってはいなかった。
ペンギンの名前については安直すぎると一言言われた。
そしてそのペンは今はクローゼットの中に眠ってる。
「お母さんにお金を貰って買ったぬいぐるみだから報告しただけ。」
「はぁ~、私だって分かるよ。まだまだ小さいグループの中で皆と同じようにしてるのが一番平和だって。でも、裏のおじいちゃんまで巻き込んで、あそこでも会うことはしないって。いいじゃない、そんなに何もかもあきらめたりしなくても。」
どうやら全部聞いたらしい。
おじいさんからだろうか?
あの猫の鳴き声につられて偶然会ったあの日まで、それまで委員長とは全然話したこともなかったから。よく考えたらおじいさんとも、まったくだった。
だから別にいいのに。
元に戻っただけなのに。
「ナオもあんも大きくなったから、あんのことで困ったら相談するし。別に普通だよ。」
「もう、不器用な妹なんだから。」
そうです。だから身勝手にもなれないし、上手に隠すようなことも出来ないと思う。
だから隠すようなことはしないほうがいい。
服をしまい終わって、ぐるりと見まわして、クローゼットを閉める。
自分が貰った服を抱えてお礼を言って、自分の部屋に戻った。
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