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22 不意打ちの事件
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静かに猫たちの誕生日の朝が来て、軽く朝ご飯を食べて、部屋にいた。
隣でバタバタと音がして元気に下に降りていくお姉ちゃん。
約束大丈夫だよね。
しばらくして、また声と音が賑やかに聞こえて。
玄関を出て行く声を聞いた。
「裏のおじいちゃん所にあんを連れて行くね~。」
誰に言ってるんだろう。
お母さんもお父さんもいないのに。
お休みなのに出かけてる。
二人一緒に。
私のお昼は心配してなかった。
別にいいけど・・・・・。
もう少ししたらお昼を食べに出かけようか。
まだお腹空かないけど、ちょっと散歩して、ぼんやりしてたらお腹空くかもしれない。
携帯が震えた。
裏のお家からかもしれない。
委員長か・・・おじいちゃんか。
そう思って手にしたまま、暗い画面をタップして明るくした。
違った。
それは紅美ちゃんだった。
個人的には初めてかもしれない。
まだ言い足りないことがあったのだろうか?
まだ勝手な誤解を積み重ねたいのだろうか?
そんなに私は嫌われてるのだろうか?
見たくなくても、見えた。
その言葉は思ってたのとは違って。急いでメッセージ画面を開いた。
『しおりちゃん、最後だったのに、酷いことを言ってごめんね。完全に私が悪い。悪かった。ずっと悪かった。もうずっとずっと最初の春のころから気がついてた。ずっとしおりちゃんのことしか見てなかったよ。だから私が見てるとよく目が合った。猫を拾うずっと前からそうだったよ。』
『ビックリした?気がついてなかったでしょう?』
『私は文化祭の日にハッキリ言われたから。それを教えなくて・・・ごめんね。でも言いたくない気持ちは分かって欲しい。』
『沼田君のことも分かってる。・・・・どうしても最後に傷つけたかった。』
『酷いよねって、それは私のことだよね。ごめんね。春休み一緒に海に行けるかな?ちゃんと謝りたい。』
『沼田君に猫の誕生会のこと聞いたんだ。もし、今一緒に居なかったら、行ってらっしゃいって見送りたい。』
『一緒にいるなら、まあ、いっか。楽しんで。』
『じゃあ、またね。・・・・最後に、もう一回、本当にごめんね。』
長いメッセージだった。
その間もずっと携帯が震えていて。
最後・・・と書かれたから終わりだろう。
読んでることも分かってるだろう。
『連絡ありがとう。皆で海に行けたらいいと思ってる、行こうね。』
そう送った。
画面がぼんやりしてくる。
涙が出てくる。
心に冷たく突き刺さっていたものが溶けていくようで、本当にうれしい。
きっと海に行くから、謝って来られても、笑顔で大丈夫って言えると思う。
だって、この連絡だけで三年生になるのがずいぶん楽しみになったから。
携帯を握りしめて目と鼻にテイッシュを当てていた。
今更、裏の家に行けるだろうか?
だってさっき期待してた。
もう一回おいでって誘われるんじゃないだろうかって。
お姉ちゃんは理由も聞かないであんを連れて行く役を引き受けてくれた。
私はずっと部屋にいるのに。
どうしようと思ってたら、玄関の方からお姉ちゃんの声がしてビックリした。
鏡を見てもう一回涙を拭いて部屋から出て顔を出した。
うるさい声がする、私を呼んでいる。
「あんが・・・・・・。」
急いで携帯を握りしめて裏のおじいさんの家に飛び込んだ。
「あん・・・・あん・・・・どこにいるの?」
どこかであんの『にゃあん』という返事が聞こえないかと耳を澄ましながらゆっくり歩いた。
「ここにいるよ。どうしたの?」
聞こえてきたのはそんなのんびりした声だった。
それは委員長の声だった。
その声はいつもの居間から聞こえてきて、そこに向かった。
隣でバタバタと音がして元気に下に降りていくお姉ちゃん。
約束大丈夫だよね。
しばらくして、また声と音が賑やかに聞こえて。
玄関を出て行く声を聞いた。
「裏のおじいちゃん所にあんを連れて行くね~。」
誰に言ってるんだろう。
お母さんもお父さんもいないのに。
お休みなのに出かけてる。
二人一緒に。
私のお昼は心配してなかった。
別にいいけど・・・・・。
もう少ししたらお昼を食べに出かけようか。
まだお腹空かないけど、ちょっと散歩して、ぼんやりしてたらお腹空くかもしれない。
携帯が震えた。
裏のお家からかもしれない。
委員長か・・・おじいちゃんか。
そう思って手にしたまま、暗い画面をタップして明るくした。
違った。
それは紅美ちゃんだった。
個人的には初めてかもしれない。
まだ言い足りないことがあったのだろうか?
まだ勝手な誤解を積み重ねたいのだろうか?
そんなに私は嫌われてるのだろうか?
見たくなくても、見えた。
その言葉は思ってたのとは違って。急いでメッセージ画面を開いた。
『しおりちゃん、最後だったのに、酷いことを言ってごめんね。完全に私が悪い。悪かった。ずっと悪かった。もうずっとずっと最初の春のころから気がついてた。ずっとしおりちゃんのことしか見てなかったよ。だから私が見てるとよく目が合った。猫を拾うずっと前からそうだったよ。』
『ビックリした?気がついてなかったでしょう?』
『私は文化祭の日にハッキリ言われたから。それを教えなくて・・・ごめんね。でも言いたくない気持ちは分かって欲しい。』
『沼田君のことも分かってる。・・・・どうしても最後に傷つけたかった。』
『酷いよねって、それは私のことだよね。ごめんね。春休み一緒に海に行けるかな?ちゃんと謝りたい。』
『沼田君に猫の誕生会のこと聞いたんだ。もし、今一緒に居なかったら、行ってらっしゃいって見送りたい。』
『一緒にいるなら、まあ、いっか。楽しんで。』
『じゃあ、またね。・・・・最後に、もう一回、本当にごめんね。』
長いメッセージだった。
その間もずっと携帯が震えていて。
最後・・・と書かれたから終わりだろう。
読んでることも分かってるだろう。
『連絡ありがとう。皆で海に行けたらいいと思ってる、行こうね。』
そう送った。
画面がぼんやりしてくる。
涙が出てくる。
心に冷たく突き刺さっていたものが溶けていくようで、本当にうれしい。
きっと海に行くから、謝って来られても、笑顔で大丈夫って言えると思う。
だって、この連絡だけで三年生になるのがずいぶん楽しみになったから。
携帯を握りしめて目と鼻にテイッシュを当てていた。
今更、裏の家に行けるだろうか?
だってさっき期待してた。
もう一回おいでって誘われるんじゃないだろうかって。
お姉ちゃんは理由も聞かないであんを連れて行く役を引き受けてくれた。
私はずっと部屋にいるのに。
どうしようと思ってたら、玄関の方からお姉ちゃんの声がしてビックリした。
鏡を見てもう一回涙を拭いて部屋から出て顔を出した。
うるさい声がする、私を呼んでいる。
「あんが・・・・・・。」
急いで携帯を握りしめて裏のおじいさんの家に飛び込んだ。
「あん・・・・あん・・・・どこにいるの?」
どこかであんの『にゃあん』という返事が聞こえないかと耳を澄ましながらゆっくり歩いた。
「ここにいるよ。どうしたの?」
聞こえてきたのはそんなのんびりした声だった。
それは委員長の声だった。
その声はいつもの居間から聞こえてきて、そこに向かった。
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