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26 一総にもどうにもできない事はある
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夏休みが終わって、学校が始まる。
学校でももっと普通に話しが出来ると思ってたのに、前より酷く、明らかに避けられていた。
それにいつも一緒にいる友達ともいない。
どうしたんだろうと思ったけど、勉強の為とか?
それでもずっと、毎日だった。
時々一人の子に話しかけられるけど、その間は他の子が遠くから見てる。
なんだろう。
「気になるだろう?」
沼田が声をかけてきた。
視線をたどられたらしい。
「どうしたんだろう?」
「かわいそうだけど、あんまり気にしない方がいいよ。その内元に戻ると思うけど。女子はいろいろあるんだろう。」
いろいろあるかもしれない。
それでもあんなに心細そうだし。
それを見せないようにしてるのも分かるのに。
「だからあんまり気にするなって、お前が気にするのも、よくないよ。」
頭をグリッとされて、視線を強制的にずらされた。
「何か知ってるのか?」
「まあ、想像はつく。」
「何?」
「確実じゃないし、あんまり無責任には言えない。大丈夫だって。」
とてもそうは思えない日々が続いた。
元気がないままだった。
おじいちゃんからも探りが入った。
『忙しいのかな?ちょっとだけ立ち話するくらいしかないなあ。よく声はかけてくれるけど、外からだけなんだよ。忙しいんだよな。ちょっと元気ない気もするけど。』
寂しがってるのと心配してるのと。
そうこうしてるうちに本当に元のグループに戻ったみたいだった。
普通に笑顔で話をしてるようだ。
でも、ちょっとだけ・・・・・、そんことない、前みたいに楽しそうだよね?
週末に思いきって用事を思い出したついでで家まで訪ねて行った。
手には歴史の漫画を持って。
お母さんが出て来てくれて上がるように言われた。
せっかくだからあんには会いたいと思ったけど。
「どうぞ。」
彼女にそう言われてお邪魔した。
連れていかれた部屋の小さなソファの中にあんがいた。
撫でてあげるとおでこをこすりつけてきて、背伸びをして立ち上がって体をこすりつけて来てくれた。
覚えてくれてたのかな?
かわいい。
彼女に断って写真を撮った。
抱き上げながら振り返ると目が合った。
「ずっと話がしたくて。なんだか学校で辛そうで。どうしたのかなって。」
それはちょっと前の話だけど。そう思ったから聞いた。
沼田は原因を知ってるみたいだったけど。
いきなり花火の日の話になった。
「最初はわざと迷子になって、本当は約束してたんじゃないかって思われたみたい。悲しいけど、友達に私ってそんな子だと思われてる。綾ちゃんが違うって信じてくれて、皆にそう伝えてくれたけど、変な空気になったから、離れた。」
「・・ごめん・・・・・。」
まさかそんな事だとは思わなかった。
そんな誤解を受けてたなんて。
言ってくれれば僕だって偶然だったって言ったのに。
余計なことなんだろうか?
今は元に戻ってるから、他の子が分かってくれたんだよね。
それでも本当はやっぱり元気がないのを知ってる。隠せてないよ。
わだかまりが綺麗には失くなってないのかもしれない。
浮かれて、楽しんたあの日の事をそんなに後悔したくないのに。
それでも彼女は話をつづけた。
「だから、そう言うことだから。学校では、今まで通り話しかけてこないで。」
「うん。ごめん。」
「あと、もう、おじいさんの家にも上がり込んだりしないようにするね。気をつける。」
「・・・・・うん。」
そう言うやり取りがされたけど、それは解決になるんだろうか?
でも僕は何も言えない。
彼女がそれがいいと思うなら、『うん。』としか言えなかった。
さすがにがっかりして、持って行った本までいらないと言われて、抱えて帰って来た情けない自分におじいちゃんが声をかけてきた。
「一総、どうした?」
「元気がない理由は聞いた。ちょっと友達とすれ違ってたから、今は元に戻れたみたいだから、少しづつ元気になると思う。勉強頑張るって言ってた。」
「それで、本は?」
「自分で買ったから、いいって。」
「厄介だな。前に言ってた1人と喧嘩したんだろうか?かおりちゃんほど破壊力があったら言い負かせるのに。優しいから、そんな事をしたら他の子にも迷惑かかるとか思うのかもな。」
前に言ってた一人って誰?
「何でおじいちゃんがそんな風に思うの?」
「夏前に言ってたから。せっかく二人で勉強するつもりだったけど、仲間に一総を好きな子がいて、それで、遠慮したって。」
それは知らない。
何でそんな事・・・・・。
沼田に聞かなきゃ。そんな事だった?
誰だか考えて、ちょっとだけ思い当たった気もする。
前によく目が合ってたし、確かに勉強も教えた。
何度か教科書を持って来たし、そう言えば夏の予定も聞かれた。
お互い楽しく過ごそうなんて言った気がする。
彼女のことを考えながら、誘ってる子の返事待ちとか言ったから。
だからそう思った・・・とか?
でも理由はどうあれ、彼女は友達と一緒にいれることが大切だと思ったんだ。
それはそうだろう。
今更他のグループに突然入るのも変かもしれない。
その辺は女子はガッチリと分けられてる。
副委員長の玉木さんがたまに話かけてるのを見る。
彼女が一人の時に。
玉木さんなりに気を遣ってるんだと思ってた。
その理由を知ってるのだろうか?
「ごめんね、おじいちゃん、ここにも上がるようなことはしないって、誤解されるから出来ないって言ってた。せっかく仲良しになれたのにね。」
「一総もな。」
「うん。残念だよ。せっかく仲良くなれたのに。楽しかったのに。」
「まあ、しばらく様子を見ようか。」
「うん。でも、何も変わらない。きっと。」
持って来たままの質量をまた前籠に感じながら自転車に乗った。
家に帰って沼田に電話した。
「おう。どうした?」
「沼田、ねえ、しおりちゃんが、仲間から外れてた本当の理由、知ってたの?僕には教えてくれなかったよね。気にするなって言うばっかりで。花火の日の事と、あの中の一人のこととか、全部知ってたの?」
「花火の事は大きなきっかけだろう。あのグループの中の人がそう思ったのなら仕方ないよ。誤解は解けたから元に戻ったんだろう。」
「そうは言ってた。でも本人は言わなかったけど、じいちゃんに聞いた。夏前にちらりと言ってたって。」
「何を?」
「知ってるなら教えてくれても良かったのに。僕は何も知らなかったから。」
「本当にわかったんだ。でも知ってどうする?お前が何か言ったら余計ややこしいし。関わらない方がいいんだよ。それが彼女のためだよ。」
「分かってる。分かってるけど。」
「今日話しできたんだ。」
「花火の時の事を誰かに言ったのか聞かれたから、それは自分じゃないって言った。でもこれからも話しかけないで欲しいとか、じいちゃんの家でも会わないとか、じいちゃんの家にも上がらないようにするとか、完全に、女友達を優先するって感じで言われた。僕も、じいちゃんまで嫌われた感じだよ。」
「気持ちは分かるだろう。女子はグループが大切だから。」
「ずっと元気がなくて一人だったのに何も知らなかった。聞こうと思ったら絶対逃げられてたし。」
「中途半端だな。だけど他の奴とも喋ってないよ。」
それはそうだ。
あの偶然の日以前話をした記憶はほとんどない。
それからも図書館で一人で放課後に勉強してると沼田が言った。
時々沼田は話かけてるらしい。
本当にちょっとだけ。
「あんちゃんは元気だって。」
「勉強が楽しくなって来たらしいよ。」
少し情報を持って帰って来て教えてくれる。
普通に話しかけることが出来る沼田が本当に羨ましい。
普通のクラスメートにもなれないらしい自分。
楽しいはずの学校行事。
文化祭は特別目立つでもなく、クラスごと静かに参加したほうだった。
今一つ盛り上がりに欠けるけど、面倒はない。
そして思い出もない、そんな今年の文化祭。
終わった後、一人で帰ろうとしていた。
校門を出て少し歩いたところで名前を呼ばれた。
「名木君。」
そう彼女に呼ばれたことはないから、間違えようもなかったはずなのに。
声を聞いた背中が勝手に期待した一瞬。
でも振り向く前に違うって分かってた。
声が違うし。
ガッカリを顔に出さないようにして自分の斜め後ろを見た。
同じクラスの女子、彼女と仲がいいはずの同じグループの子。
ただのクラスメートの一人。
「僕?」
当たり前だ、名前を呼ばれたから。
それでも聞いた、何か用があるの?みたいに。
「少し話をしてもいい?」
「うん。」
いい話だろうか、何だろうか?
自分が知ってると、気がついてるんだろうか?
沼田が言うにはクラスの奴ほとんど知ってるらしい。
そうかな?
否定したい気持ちは大きい。
そうしたら彼女も気にすることないから。
「私はずっと名木君が好きだったけど、名木君は最初からあの子が好きだったの?」
歩きながらのまさかの・・・・・。
いきなりすぎてびっくりだ。
もっとどこかで止まって向き合ってモジモジしながらとか、そうじゃないらしい。
前置きすらなく、ストレートに来た。
顔を見れない。こっちが赤くなってると思う。
でも答えないといけないし、間違えられない。
「・・・・・うん、そうかな。」
お互い誰のことを言ってるのか、お互いの思い浮かべた『あの子』が一緒だとは思うから。
「・・・・そうか。」
止まらずに歩き続けてる。
「分かった。じゃあね。」
それもちょっと突然だった。
向きを変えて戻って行った。随分歩いたけど・・・・・。
やっと立ち止まり、去って行った背中を見た。
今のが自分と彼女の関係にどう影響するんだろか?
今もグループに一緒にいても話をしてる感じじゃない。
変な感じに見える。
気がついたら、やっぱり無理してる感じに見える。
居心地いいとは思えないかも。
彼女に伝わるんだろうか?
半分期待する自分。
それも情けないか。
拒絶が怖くて動けないまま距離を取ってる自分は本当に臆病だ。
そこは一路に蹴飛ばされていいくらいに。
『おい、一総、何やってんだよ。ドンとぶつかってみろよ!』
彼女が困ることになるから。
大人ぶって、彼女を思いやる振りして、当たらず触らず。
結局目も合わず、近くにすら行けず。
本当に情けない自分なのだ。
寂しくて猫の励ましの声が聞こえるくらいに。
学校でももっと普通に話しが出来ると思ってたのに、前より酷く、明らかに避けられていた。
それにいつも一緒にいる友達ともいない。
どうしたんだろうと思ったけど、勉強の為とか?
それでもずっと、毎日だった。
時々一人の子に話しかけられるけど、その間は他の子が遠くから見てる。
なんだろう。
「気になるだろう?」
沼田が声をかけてきた。
視線をたどられたらしい。
「どうしたんだろう?」
「かわいそうだけど、あんまり気にしない方がいいよ。その内元に戻ると思うけど。女子はいろいろあるんだろう。」
いろいろあるかもしれない。
それでもあんなに心細そうだし。
それを見せないようにしてるのも分かるのに。
「だからあんまり気にするなって、お前が気にするのも、よくないよ。」
頭をグリッとされて、視線を強制的にずらされた。
「何か知ってるのか?」
「まあ、想像はつく。」
「何?」
「確実じゃないし、あんまり無責任には言えない。大丈夫だって。」
とてもそうは思えない日々が続いた。
元気がないままだった。
おじいちゃんからも探りが入った。
『忙しいのかな?ちょっとだけ立ち話するくらいしかないなあ。よく声はかけてくれるけど、外からだけなんだよ。忙しいんだよな。ちょっと元気ない気もするけど。』
寂しがってるのと心配してるのと。
そうこうしてるうちに本当に元のグループに戻ったみたいだった。
普通に笑顔で話をしてるようだ。
でも、ちょっとだけ・・・・・、そんことない、前みたいに楽しそうだよね?
週末に思いきって用事を思い出したついでで家まで訪ねて行った。
手には歴史の漫画を持って。
お母さんが出て来てくれて上がるように言われた。
せっかくだからあんには会いたいと思ったけど。
「どうぞ。」
彼女にそう言われてお邪魔した。
連れていかれた部屋の小さなソファの中にあんがいた。
撫でてあげるとおでこをこすりつけてきて、背伸びをして立ち上がって体をこすりつけて来てくれた。
覚えてくれてたのかな?
かわいい。
彼女に断って写真を撮った。
抱き上げながら振り返ると目が合った。
「ずっと話がしたくて。なんだか学校で辛そうで。どうしたのかなって。」
それはちょっと前の話だけど。そう思ったから聞いた。
沼田は原因を知ってるみたいだったけど。
いきなり花火の日の話になった。
「最初はわざと迷子になって、本当は約束してたんじゃないかって思われたみたい。悲しいけど、友達に私ってそんな子だと思われてる。綾ちゃんが違うって信じてくれて、皆にそう伝えてくれたけど、変な空気になったから、離れた。」
「・・ごめん・・・・・。」
まさかそんな事だとは思わなかった。
そんな誤解を受けてたなんて。
言ってくれれば僕だって偶然だったって言ったのに。
余計なことなんだろうか?
今は元に戻ってるから、他の子が分かってくれたんだよね。
それでも本当はやっぱり元気がないのを知ってる。隠せてないよ。
わだかまりが綺麗には失くなってないのかもしれない。
浮かれて、楽しんたあの日の事をそんなに後悔したくないのに。
それでも彼女は話をつづけた。
「だから、そう言うことだから。学校では、今まで通り話しかけてこないで。」
「うん。ごめん。」
「あと、もう、おじいさんの家にも上がり込んだりしないようにするね。気をつける。」
「・・・・・うん。」
そう言うやり取りがされたけど、それは解決になるんだろうか?
でも僕は何も言えない。
彼女がそれがいいと思うなら、『うん。』としか言えなかった。
さすがにがっかりして、持って行った本までいらないと言われて、抱えて帰って来た情けない自分におじいちゃんが声をかけてきた。
「一総、どうした?」
「元気がない理由は聞いた。ちょっと友達とすれ違ってたから、今は元に戻れたみたいだから、少しづつ元気になると思う。勉強頑張るって言ってた。」
「それで、本は?」
「自分で買ったから、いいって。」
「厄介だな。前に言ってた1人と喧嘩したんだろうか?かおりちゃんほど破壊力があったら言い負かせるのに。優しいから、そんな事をしたら他の子にも迷惑かかるとか思うのかもな。」
前に言ってた一人って誰?
「何でおじいちゃんがそんな風に思うの?」
「夏前に言ってたから。せっかく二人で勉強するつもりだったけど、仲間に一総を好きな子がいて、それで、遠慮したって。」
それは知らない。
何でそんな事・・・・・。
沼田に聞かなきゃ。そんな事だった?
誰だか考えて、ちょっとだけ思い当たった気もする。
前によく目が合ってたし、確かに勉強も教えた。
何度か教科書を持って来たし、そう言えば夏の予定も聞かれた。
お互い楽しく過ごそうなんて言った気がする。
彼女のことを考えながら、誘ってる子の返事待ちとか言ったから。
だからそう思った・・・とか?
でも理由はどうあれ、彼女は友達と一緒にいれることが大切だと思ったんだ。
それはそうだろう。
今更他のグループに突然入るのも変かもしれない。
その辺は女子はガッチリと分けられてる。
副委員長の玉木さんがたまに話かけてるのを見る。
彼女が一人の時に。
玉木さんなりに気を遣ってるんだと思ってた。
その理由を知ってるのだろうか?
「ごめんね、おじいちゃん、ここにも上がるようなことはしないって、誤解されるから出来ないって言ってた。せっかく仲良しになれたのにね。」
「一総もな。」
「うん。残念だよ。せっかく仲良くなれたのに。楽しかったのに。」
「まあ、しばらく様子を見ようか。」
「うん。でも、何も変わらない。きっと。」
持って来たままの質量をまた前籠に感じながら自転車に乗った。
家に帰って沼田に電話した。
「おう。どうした?」
「沼田、ねえ、しおりちゃんが、仲間から外れてた本当の理由、知ってたの?僕には教えてくれなかったよね。気にするなって言うばっかりで。花火の日の事と、あの中の一人のこととか、全部知ってたの?」
「花火の事は大きなきっかけだろう。あのグループの中の人がそう思ったのなら仕方ないよ。誤解は解けたから元に戻ったんだろう。」
「そうは言ってた。でも本人は言わなかったけど、じいちゃんに聞いた。夏前にちらりと言ってたって。」
「何を?」
「知ってるなら教えてくれても良かったのに。僕は何も知らなかったから。」
「本当にわかったんだ。でも知ってどうする?お前が何か言ったら余計ややこしいし。関わらない方がいいんだよ。それが彼女のためだよ。」
「分かってる。分かってるけど。」
「今日話しできたんだ。」
「花火の時の事を誰かに言ったのか聞かれたから、それは自分じゃないって言った。でもこれからも話しかけないで欲しいとか、じいちゃんの家でも会わないとか、じいちゃんの家にも上がらないようにするとか、完全に、女友達を優先するって感じで言われた。僕も、じいちゃんまで嫌われた感じだよ。」
「気持ちは分かるだろう。女子はグループが大切だから。」
「ずっと元気がなくて一人だったのに何も知らなかった。聞こうと思ったら絶対逃げられてたし。」
「中途半端だな。だけど他の奴とも喋ってないよ。」
それはそうだ。
あの偶然の日以前話をした記憶はほとんどない。
それからも図書館で一人で放課後に勉強してると沼田が言った。
時々沼田は話かけてるらしい。
本当にちょっとだけ。
「あんちゃんは元気だって。」
「勉強が楽しくなって来たらしいよ。」
少し情報を持って帰って来て教えてくれる。
普通に話しかけることが出来る沼田が本当に羨ましい。
普通のクラスメートにもなれないらしい自分。
楽しいはずの学校行事。
文化祭は特別目立つでもなく、クラスごと静かに参加したほうだった。
今一つ盛り上がりに欠けるけど、面倒はない。
そして思い出もない、そんな今年の文化祭。
終わった後、一人で帰ろうとしていた。
校門を出て少し歩いたところで名前を呼ばれた。
「名木君。」
そう彼女に呼ばれたことはないから、間違えようもなかったはずなのに。
声を聞いた背中が勝手に期待した一瞬。
でも振り向く前に違うって分かってた。
声が違うし。
ガッカリを顔に出さないようにして自分の斜め後ろを見た。
同じクラスの女子、彼女と仲がいいはずの同じグループの子。
ただのクラスメートの一人。
「僕?」
当たり前だ、名前を呼ばれたから。
それでも聞いた、何か用があるの?みたいに。
「少し話をしてもいい?」
「うん。」
いい話だろうか、何だろうか?
自分が知ってると、気がついてるんだろうか?
沼田が言うにはクラスの奴ほとんど知ってるらしい。
そうかな?
否定したい気持ちは大きい。
そうしたら彼女も気にすることないから。
「私はずっと名木君が好きだったけど、名木君は最初からあの子が好きだったの?」
歩きながらのまさかの・・・・・。
いきなりすぎてびっくりだ。
もっとどこかで止まって向き合ってモジモジしながらとか、そうじゃないらしい。
前置きすらなく、ストレートに来た。
顔を見れない。こっちが赤くなってると思う。
でも答えないといけないし、間違えられない。
「・・・・・うん、そうかな。」
お互い誰のことを言ってるのか、お互いの思い浮かべた『あの子』が一緒だとは思うから。
「・・・・そうか。」
止まらずに歩き続けてる。
「分かった。じゃあね。」
それもちょっと突然だった。
向きを変えて戻って行った。随分歩いたけど・・・・・。
やっと立ち止まり、去って行った背中を見た。
今のが自分と彼女の関係にどう影響するんだろか?
今もグループに一緒にいても話をしてる感じじゃない。
変な感じに見える。
気がついたら、やっぱり無理してる感じに見える。
居心地いいとは思えないかも。
彼女に伝わるんだろうか?
半分期待する自分。
それも情けないか。
拒絶が怖くて動けないまま距離を取ってる自分は本当に臆病だ。
そこは一路に蹴飛ばされていいくらいに。
『おい、一総、何やってんだよ。ドンとぶつかってみろよ!』
彼女が困ることになるから。
大人ぶって、彼女を思いやる振りして、当たらず触らず。
結局目も合わず、近くにすら行けず。
本当に情けない自分なのだ。
寂しくて猫の励ましの声が聞こえるくらいに。
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