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9 まさかの『唐変木』が自分に跳ね返って来た夜。
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「誤解してます。」
そういわれて話をされて。
何で自分でも誤解したのか、よくよく考えた。
トイレで冷静に考えて、整理したくて、あの場を逃げるようにここに来て。
結論はすぐに出た。
『ずべては高田が悪い。』
そしてそれは別にどうでもいいこと。
待ってるといった竜君に返事することは、いきなり過ぎて、びっくり過ぎて。
まったく何がどうなったんだか分からない。
よく高田のところには行ってたと思う。
でも他の人のことは全然知らない。
あの時も話をするまであんまり意識もしてなかったくらい、大人しい子だった。
大分普通にしゃべるし、慣れてきたのかと思ってた。
大好きな高田の同期だしと思ってた。
それなのにいきなり。
結果、本当に唐変木で鈍いのは私だったと分かった。
高田を心の中で罵った言葉がすべて自分に返って来た。
遥に電話してみた。
うるさい外野。どこかお店にいるらしい。
ポツポツと話をして相談してると、後ろで聞き覚えのある声もして。
ん?
「遥、そこに高田いる?」
聞いてみた。
は~い、と能天気な声がして高田に代わった。
「何でそこにいるのよ。待ってるのに。」
咬みつく様に言った。
「ええ、いいじゃん。もともと誰かが面白いストーリーで突っ走るから可愛い後輩のためにセッティングしたの。あいつから誤解は解いて告白してみました、返事待ちですって連絡来た。俺の事は待たなくていいって伝えたから。白石のおごりで楽しめ。」
歯軋りしたくなった、キリキリ音がしたから、実際にしたらしい。
「遥と話したい。」
引っ込め!!というように交代を要求した。
「は~い。いいことあったでしょう?」
いい子と会ったでしょう?
いい事あったでしょう?
多分両方だけど、返事が出来ない。
「高田聞いてる?」
「ううん、離れた。満足そうだよ。面白い誤解したね。」
それも聞いてるらしい。
「抱きしめたんだって。びっくりの行動力。」
「何を?」
「この間、高田を怒鳴りつけて、その子を胸に抱きしめたって聞いたよ。」
「違う、ちょっと誤解の上の慰め行動。そんなオーバーなことしてないし。」
あれは・・・・頭を撫でて・・・・。うん、そこまではない。
「でも、年下。」
「別にいいでしょう。これ以上範囲を狭めてもしょうがない。初めから欠点はバレてるし、楽にいけば?」
そう、バレてる。
振られた原因をしっかり聞かれたのだから。
「そんな簡単にはいかない。」
「じゃあ、とりあえずデートでもして様子見てみれば。すぐに返事は無理だからって言えばいいよ。」
「・・・・うん。ありがとう。とりあえず考えたいって言う。」
「うん、楽しんでね。」
分かってるのだろうか?楽しめると思ってる?
どうなるんだろう、このあと。
ちょっとぎこちない感じがするかも。
とりあえず席に戻った。
その時に携帯が振るえて。
目の前の竜君からのメッセージだった。
読んで、目の前の竜君を見た。
「あの、あんまり困られてたらどうしようかと思って。」
本当に困った顔で言う。
困ってるのは竜君も同じみたいで。
なんとか仕切り直しをして、返事は保留の状態のまま食事を楽しんだ。
いい子で可愛い子で。年下。
高田は来ないだろう。すっかりお役御免だと思ってるだろう。
二人で楽しんだ。
なんだか楽になったのは本当。
竜君が高田をあきらめないって言ったらずっと慰める役だったから。
食べて飲んで。満足してお店を出た。奢ってもらった。
「じゃあ、今度私が奢るからね。ごちそう様。」
そう言った。
触れ合った手をつないで駅まで向かう。
軽く絡んだだけの指。
週末もう少し頑張って部屋の掃除をしてみよう。
最寄り駅を教えてもらった。
私の駅は知ってたみたい。
送っていくと言われたけど、断って別れた。
ちょっと寂しそうな顔をされた。
「返事は、一晩じゃ出ないかも。でもその場合も連絡する。」
「はい。」
真面目な顔つきに不安が見れて。
「大丈夫よ。断ることはしない。もう少し様子を見たいって返事にするつもりだから。」
「皐月先輩、今返事しました?」
「うん、でももう少し考えたいの。」
「はい。待ってます。もちろんいい返事を待ってます。」
最後は真剣に言われた。
「ありがとう。ご馳走様。」
「はい。気をつけて、おやすみなさい。」
そう言っても指が離れなくて。
そっと見つめて離した。
「お休み。」
手を振って改札に入った。
部屋に帰って見回す。
まだ余地はあるか。
物が多い部屋。
でも今日はもう動く気もしない。
遥に連絡を取る。
『で、返事どうしたの?』
『保留中。』
『生殺し。』
『違う。』
『試してトライ。』
『無責任すぎる、楽しんでる?』
『もちろん。この間二人で仲良くしゃべってて、いい感じだと思ってたよ。』
『もしかしてあのときから高田に何か聞いてたの?』
『うん。頼まれてた。』
だからトイレに連れて行かれたのか。竜君がフリーなのも知ってたし。
『よく考える。』
『無駄だから。今嫌じゃなきゃ行け行け!』
『考える。』
『どうぞ。でもタイムイズマネー。じゃあね。』
寝よう。
明日考える。
寝る。
脱いだ服もきちんと洗濯機に入れた。
シャワーを浴びて、ぬれた洗面台も最後に拭いて。
髪を乾かして、ベッドにダイブする。
あ、携帯。
携帯を手にしたら、竜君から。
『おやすみなさい。』
それだけだった。
同じようにお礼とお休みを返して寝た。
そういわれて話をされて。
何で自分でも誤解したのか、よくよく考えた。
トイレで冷静に考えて、整理したくて、あの場を逃げるようにここに来て。
結論はすぐに出た。
『ずべては高田が悪い。』
そしてそれは別にどうでもいいこと。
待ってるといった竜君に返事することは、いきなり過ぎて、びっくり過ぎて。
まったく何がどうなったんだか分からない。
よく高田のところには行ってたと思う。
でも他の人のことは全然知らない。
あの時も話をするまであんまり意識もしてなかったくらい、大人しい子だった。
大分普通にしゃべるし、慣れてきたのかと思ってた。
大好きな高田の同期だしと思ってた。
それなのにいきなり。
結果、本当に唐変木で鈍いのは私だったと分かった。
高田を心の中で罵った言葉がすべて自分に返って来た。
遥に電話してみた。
うるさい外野。どこかお店にいるらしい。
ポツポツと話をして相談してると、後ろで聞き覚えのある声もして。
ん?
「遥、そこに高田いる?」
聞いてみた。
は~い、と能天気な声がして高田に代わった。
「何でそこにいるのよ。待ってるのに。」
咬みつく様に言った。
「ええ、いいじゃん。もともと誰かが面白いストーリーで突っ走るから可愛い後輩のためにセッティングしたの。あいつから誤解は解いて告白してみました、返事待ちですって連絡来た。俺の事は待たなくていいって伝えたから。白石のおごりで楽しめ。」
歯軋りしたくなった、キリキリ音がしたから、実際にしたらしい。
「遥と話したい。」
引っ込め!!というように交代を要求した。
「は~い。いいことあったでしょう?」
いい子と会ったでしょう?
いい事あったでしょう?
多分両方だけど、返事が出来ない。
「高田聞いてる?」
「ううん、離れた。満足そうだよ。面白い誤解したね。」
それも聞いてるらしい。
「抱きしめたんだって。びっくりの行動力。」
「何を?」
「この間、高田を怒鳴りつけて、その子を胸に抱きしめたって聞いたよ。」
「違う、ちょっと誤解の上の慰め行動。そんなオーバーなことしてないし。」
あれは・・・・頭を撫でて・・・・。うん、そこまではない。
「でも、年下。」
「別にいいでしょう。これ以上範囲を狭めてもしょうがない。初めから欠点はバレてるし、楽にいけば?」
そう、バレてる。
振られた原因をしっかり聞かれたのだから。
「そんな簡単にはいかない。」
「じゃあ、とりあえずデートでもして様子見てみれば。すぐに返事は無理だからって言えばいいよ。」
「・・・・うん。ありがとう。とりあえず考えたいって言う。」
「うん、楽しんでね。」
分かってるのだろうか?楽しめると思ってる?
どうなるんだろう、このあと。
ちょっとぎこちない感じがするかも。
とりあえず席に戻った。
その時に携帯が振るえて。
目の前の竜君からのメッセージだった。
読んで、目の前の竜君を見た。
「あの、あんまり困られてたらどうしようかと思って。」
本当に困った顔で言う。
困ってるのは竜君も同じみたいで。
なんとか仕切り直しをして、返事は保留の状態のまま食事を楽しんだ。
いい子で可愛い子で。年下。
高田は来ないだろう。すっかりお役御免だと思ってるだろう。
二人で楽しんだ。
なんだか楽になったのは本当。
竜君が高田をあきらめないって言ったらずっと慰める役だったから。
食べて飲んで。満足してお店を出た。奢ってもらった。
「じゃあ、今度私が奢るからね。ごちそう様。」
そう言った。
触れ合った手をつないで駅まで向かう。
軽く絡んだだけの指。
週末もう少し頑張って部屋の掃除をしてみよう。
最寄り駅を教えてもらった。
私の駅は知ってたみたい。
送っていくと言われたけど、断って別れた。
ちょっと寂しそうな顔をされた。
「返事は、一晩じゃ出ないかも。でもその場合も連絡する。」
「はい。」
真面目な顔つきに不安が見れて。
「大丈夫よ。断ることはしない。もう少し様子を見たいって返事にするつもりだから。」
「皐月先輩、今返事しました?」
「うん、でももう少し考えたいの。」
「はい。待ってます。もちろんいい返事を待ってます。」
最後は真剣に言われた。
「ありがとう。ご馳走様。」
「はい。気をつけて、おやすみなさい。」
そう言っても指が離れなくて。
そっと見つめて離した。
「お休み。」
手を振って改札に入った。
部屋に帰って見回す。
まだ余地はあるか。
物が多い部屋。
でも今日はもう動く気もしない。
遥に連絡を取る。
『で、返事どうしたの?』
『保留中。』
『生殺し。』
『違う。』
『試してトライ。』
『無責任すぎる、楽しんでる?』
『もちろん。この間二人で仲良くしゃべってて、いい感じだと思ってたよ。』
『もしかしてあのときから高田に何か聞いてたの?』
『うん。頼まれてた。』
だからトイレに連れて行かれたのか。竜君がフリーなのも知ってたし。
『よく考える。』
『無駄だから。今嫌じゃなきゃ行け行け!』
『考える。』
『どうぞ。でもタイムイズマネー。じゃあね。』
寝よう。
明日考える。
寝る。
脱いだ服もきちんと洗濯機に入れた。
シャワーを浴びて、ぬれた洗面台も最後に拭いて。
髪を乾かして、ベッドにダイブする。
あ、携帯。
携帯を手にしたら、竜君から。
『おやすみなさい。』
それだけだった。
同じようにお礼とお休みを返して寝た。
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