婚約破棄を告げたら、氷の侯爵の溺愛が限界を超えました

ひなた翠

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第二章:婚約破棄の申し出

婚約破棄の申し出

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 侯爵邸の門をくぐる時、足が震えた。

 馬車から降り、石畳を踏みしめる。一歩一歩が重く、時間が引き延ばされているように感じた。執事が扉を開け、私を中へと導く。廊下を歩く音が響き、自分の心臓の音と重なって聞こえた。

「書斎でお待ちです。どうぞ」
 執事が扉の前で立ち止まり、ノックをした。中から低い声が響く。

「どうぞ」

 扉が開かれ、私は一歩を踏み出した。書斎はいつも通り静かで、窓から差し込む午後の光が重厚な家具を照らしていた。本棚には古い書物が整然と並び、革の匂いが空気に混じっている。エドワールは窓辺に立ち、背中を向けたまま外を眺めていた。深藍混じりの銀髪が、光を受けて淡く輝いている。

「レティシア」
 振り返ったエドワールの顔は、いつもの無表情だった。銀青色の瞳が私を捉え、何も語らない。冷たく、遠い。私は胸が締め付けられるのを感じた。あの夜会での光景が蘇る。ミリエルと談笑するエドワール。初めて見た彼の笑顔。柔らかく、心を開いた表情。私には決して見せてくれなかった笑顔。胸が痛んだ。息を吸い込むたびに、肺が軋むような感覚があった。

「エドワール様」
 私は声を絞り出した。喉が渇き、声が震えそうになる。言葉を紡ぐために、唇を噛んだ。

「お話があります。婚約を……解消していただきたいのです」

 静寂が降りた。
 時計の音だけが、規則正しく部屋に響いている。エドワールは動かず、ただ私を見つめていた。表情が読めない。拒絶されるのか、それとも安堵されるのか。心臓が早鐘を打ち、全身に血液が駆け巡っていくのが分かった。

「……どういうことだ、レティシア」
 低い声が響いた。

 いつもと違う。感情が、声に含まれていた。驚き、動揺、何か別の感情。私は顔を上げ、エドワールを見た。銀青色の瞳が揺れている。初めて見る表情だった。

「私では、エドワール様にふさわしくありません。もっと、宮廷に相応しい方が……」
「誰だ?」

 声が低く沈んだ。エドワールが一歩、近づいてきた。足音が床を踏む。静かで、重い音。

「誰のことを言っている」
「ミリエル様が相応しいかと」
「――ふざけるな」

 さらに近づいてくる。距離が縮まり、彼の影が私を覆った。見上げると、エドワールの顔が目の前にあった。瞳が私を捉えて離さない。

「十一年だ」
 囁きが耳朶を撫でた。

「君が大人になるのを、どれだけ待ったと思っている」
「え……?」

 言葉の意味が分からなかった。

(待った? 何を?)

 エドワールの手が私の肩を掴み、押した。背中がソファに沈み込む。柔らかい感触が身体を受け止めた。エドワールが覆い被さってくる。重い身体が私を押さえつけ、逃げられない。

「嫌いになったのか」
 顔が近い。吐息が頬にかかる。心臓が跳ね上がり、息が詰まった。

「いえ――」
「では他に男ができたのか? 私よりも若い男と」
「いません! そんな人」

(何を言っているの?)

 エドワール以外に興味などない。

 舞踏会だって、エドワールをひと目見たくて行っているだけ。ただ見た後に、ミリエルと一緒にいる姿を見て、苦しくなって逃げるように家に帰る。

「そうではなく……元から、愛されていませんから」
 声が震えた。涙が込み上げてくる。喉の奥が熱くなり、視界が滲んだ。

「何を言っている……」
 エドワールの声が掠れた。瞳が大きく見開かれ、信じられないという表情を浮かべている。

「あの日、あなたは私を拒みました。キスしそうになって、身を引いて、謝って……」
 涙が零れ落ちた。頬を伝い、顎に滴る。エドワールの手が私の頬に触れ、涙を拭った。

「ミリエル様のほうがお似合いです。あなたは彼女と話す時、笑っていました。私には一度も見せてくれなかった笑顔を……」

 エドワールの表情が崩れた。眉が寄せられ、唇が震える。苦悶の表情。痛みを堪えるような、切ない顔だ。

「君は……何も分かっていない」
 声が震えていた。エドワールの声が、震えている。感情が溢れ出し、抑えきれなくなっている。

「君が大人になるのを、どれだけ待ったと思っている。あの日、キスをしなかったのは……」
 エドワールの手が私の髪に触れ、優しく撫でた。

「キス以上のことをしてしまうから、やめたんだ」
 唇が重ねられた。

 エドワールに、キスをされている。今までの、触れるだけの子どもじみたキスではない。唇が強く押し付けられ、舌が唇をなぞる。口を開けるように促してくる。口を開くと、舌が中へと侵入してきた。舌が絡み合い、甘い吐息が漏れる。深く、濃厚で、大人のキス。頭が真っ白になり、何も考えられなくなった。

「ん……」

 声が漏れた。エドワールの舌が私の舌を絡め取り、吸い上げる。唾液が混ざり合い、卑猥な水音が響いた。息が苦しくなり、肺が酸素を求めて悲鳴を上げる。キスが離れ、一筋の唾液が糸を引いた。

「触れたら、君を抱いてしまう。まだ子どもの君を、壊してしまう」

 エドワールの手がドレスの胸元に触れ、布を引き下げた。胸が晒され、冷たい空気が肌に触れる。鳥肌が立ち、羞恥心が込み上げてくる。

「やぁ……」

 声が出た。エドワールの手が柔らかい膨らみを包み込む。大きな手が、胸を覆い尽くす。揉みしだかれ、形が変わる。指先が先端に触れ、弾いた。

「あっ」

 身体が跳ねた。甘い痺れが全身を駆け巡り、腰が浮く。エドワールの指が執拗に先端を弄り、つまみ上げ、転がす。

「ん、あ……」

 声が漏れ続ける。止められない。エドワールの唇が首筋に移動し、鎖骨を舐める。熱い舌が肌を這い、ゆっくりと胸の先端へと辿り着いた。吸い上げられ、舌で転がされ、歯で軽く噛まれる。

「だから我慢した。ずっと、ずっと我慢してきたんだ」

 エドワールの手がドレスの裾を捲り上げた。太腿に触れ、ゆっくりと撫でられる。熱が集まっていくのが分かる。内側を撫でられ、息が荒くなった。

「どんどんと魅力的な大人になっていくレティシアを見て、我慢するのが大変だった」
 囁きが耳元で響いた。

「でも会わないという選択肢はなかった。君の笑顔が好きだから。近くにいたい」
 エドワールの指が、秘所に触れた。布越しに撫でられ、身体が震える。

「もっとエドワール様に会いたいって思っていました。笑ってほしいって思っていました。でも私には笑顔を見せてくれなかった」

 涙が頬を伝い、止まらない。エドワールの顔が滲んで見える。エドワールが私の頬にキスを落とした。唇が涙に触れ、舌が伸びて涙を舐め取っていく。塩辛い味が混ざり合う。

「レティシアを愛している」
 囁きが心臓に突き刺さった。

「私のものにしたいと、ずっと願っていた」

 エドワールが私を見つめている。切ない表情だった。苦しげで、銀青色の瞳が潤んでいた。

「婚約解消なんて許さない」

 エドワールの手が私の下着を引き下げた。布が剥ぎ取られ、秘所が露わになる。恥ずかしさに顔が熱くなり、足を閉じようとした。エドワールの手が膝を掴み、開かせる。

「見せて。君の全てを」
 指が秘所に触れた。ゆっくりと割れ目をなぞり、入口を探る。濡れていく自分が分かり、羞恥心が込み上げてくる。

「濡れている。私を受け入れる準備ができている」
 エドワールの声が掠れていた。指が中に入ってくる。異物感に、身体が強張った。

「力を抜いて」

 エドワールの指が動き始めた。出し入れを繰り返し、中を探るように動く。痛みと、くすぐったいような感覚が混ざり合い、身体が熱くなっていく。指が増え、中を広げられる。二本の指が中で動き、何かを探している。

「あっ」

 奥の一点を擦られ、声が漏れた。エドワールが何度も同じ場所を擦ってくる。快楽が波のように押し寄せ、息が荒くなった。

「ここが気持ちいいんだな」

 執拗に擦られ続け、腰が浮く。シーツを握りしめ、身体が弓なりになった。エドワールが私の唇を塞ぐ。キスをしながら、指で中を掻き回される。声がキスに吸い取られ、喉の奥で震えた。

 指が抜かれ、物足りなさが残る。エドワールが身体を起こし、ズボンに手をかけた。ベルトを外し、ズボンを下ろす。下着も脱ぎ捨てられ、熱杭が露わになった。大きく反り返り、先端から透明な液体が滴っている。

「入れるよ」

 エドワールが私の足を開き、間に入り込んだ。熱いものが、濡れそぼる小さい口に押し当てられる。先端が入口を押し広げ、ゆっくりと侵入してくる。

「んんぅ」

 声が漏れた。入口が押し広げられ、鋭い痛みが走る。エドワールが動きを止め、私の顔を覗き込んだ。

(痛くて……熱い)

「大丈夫か。もう少しだ」

 優しい声。エドワールの手が私の手を探し、指を絡めた。手を握り合い、強く握り返す。エドワールが再び腰を進める。さらに奥へと進み、何かを突き破る感覚があった。激痛に、涙が溢れる。

「あっ、ああ……」
 視界が滲み、天井がぼやける。エドワールが私の涙を舐め取り、唇にキスを落とした。

「よく頑張った。全部入った」

 お腹の圧迫感がすごい。異物が奥深くまで入り込み、内臓を押し上げているような感覚だ。エドワールはしばらく動かず、私の身体が慣れるのを待ってくれた。

 片手で私の髪を撫で、もう片方の手で私の手を握り続けている。唇が額に触れ、頬に触れ、優しくキスを落としてくれる。

「痛いか」
「もう……大丈夫です」

 痛みが徐々に和らいでいく。奥に異物がある感覚に、少しずつ慣れていく。不思議なことに、満たされているという感覚が生まれてきた。

「動くぞ」
 エドワールが腰を引いた。ゆっくりと抜けていき、また押し込まれる。

「あっ、あ」

 痛みは和らぎ、代わりに奇妙な感覚が広がっていった。奥を擦られるたびに、身体が震える。さっき指で触れられた場所を、何度も擦られた。

「ん……」

 声が漏れた。エドワールの動きが少しずつ速くなる。腰を掴まれ、深く突き上げられた。奥に何かが当たり、身体が跳ねる。

「ここ、気持ちいいか」

 問いかけられ、頷くことしかできなかった。エドワールが同じ場所を何度も当ててきた。快楽が波のように押し寄せ、息が荒くなった。

「レティシアの中、熱くて、柔らかい」
 エドワールの声が掠れていた。吐息が荒く、額に汗が滲んでいる。

「ずっと夢見ていた。君を抱くことを。君の中に入ることを」

 囁きが耳元で響く。エドワールの動きが少し速くなり、奥を突き上げられる。繋いだ手に力が込められ、強く握られる。

「レティシア……」

 名前を呼ばれた。愛おしそうな声。エドワールが私を見つめている。切なげで、熱に浮かされたような瞳。銀青色の瞳が潤んでいた。

「愛している。ずっとこうしたかった」
 囁きに、胸が熱くなった。涙が溢れてくる。嬉しさと、安堵と、愛しさが混ざり合った涙だ。

「私も……愛しています」
 エドワールの瞳が大きく見開かれ、動きが止まる。

「もう一度、言ってくれ」
「愛しています、エドワール様」

 エドワールが私を強く抱きしめた。胸板に顔が押し付けられ、心臓の音が聞こえた。エドワールの動きが激しくなった。深く、速く、容赦なく突き上げられる。繋いだ手が汗で滑り、握り直す。

「私はずっと君のものだ。七歳の時から、ずっと」

 エドワールの声が震えていた。

「会うたびに可愛くなっていく君を見て、触れたくて仕方なかった。抱きしめたくて、キスしたくて、君を味わいたくて……」

 告白が続く。エドワールの本心が溢れ出していく。

「あっ、ん、あ」

 声が漏れ続ける。身体が揺さぶられ、快楽が全身を駆け巡った。痛みは消え、気持ちよさだけが残った。初めての痛みさえ、心地よく感じてしまうくらい蕩けていく。

「十六歳の君に、もう少しでキスをしてしまいそうになった。あの日、どれだけ我慢したか分かるか」
 エドワールの唇が私の首筋に触れ、強く吸い上げた。痕が残るくらい、激しく。

「君が大人になるまで待とうと決めたのに、理性が保てなくなった。だから逃げた。君から離れた。触れたら最後、もう止まれなくなるから」
「エドワール様……止めなくていいのに」

 名前を呼んだ。エドワールが顔を上げ、私を見つめる。

「十八歳になった君は、美しくて、魅力的で、愛おしくて……我慢の限界だった」
 エドワールの動きがさらに激しくなる。奥を何度も擦られ、甘い叫び声があがる。

「あっ、そこ、ああっ」
 奥の一点を激しく擦られ、全身が痙攣する。快楽の波が押し寄せてくる。

「ここか。ここが一番気持ちいいのか」
 エドワールが執拗に同じ場所を突いてくる。理性が飛び、ただ快楽に身を任せることしかできなくなった。

「エドワール様、エドワール様……」
 名前を呼び続ける。他に何も言えなくなる。エドワールの吐息が荒くなり、動きが乱れてくる。

「レティシア、イッて。私と一緒に」
 囁きに、身体が反応する。全身が痙攣し、快楽の波が押し寄せてくる。

「イク、イって……あっ、ああっ」

 声にならない叫びが喉から漏れる。全身が震え、視界が真っ白になった。エドワールが奥で止まり、熱いものが注がれる感覚があった。

「レティシア……」

 エドワールの声が震えていた。私を強く抱きしめ、額を私の肩に押し付ける。荒い吐息が首筋にかかり、汗が滴る。

「君を抱けて、幸せだ」

 キスが落とされた。甘く、優しく、深いキス。舌が絡み合い、愛を確かめ合う。キスをしながら、エドワールが再び腰を動かし始めた。

「え……まだ……?」
 驚きの声が漏れる。エドワールが微笑んだ。

「まだ足りない。もっと君を感じたい」

 今度はゆっくりと、優しく動く。さっきの激しさとは違う、愛おしむような動き。奥を丁寧に擦られ、違う種類の快楽が生まれてくる。

「君の表情、声、全部が愛おしい」
 エドワールの手が私の頬を撫で、髪に触れる。優しく、慈しむような手つき。

「もっと見せて。君の全てを」

 腰の動きが少しずつ速くなり、また快楽が積み重なっていく。さっきより敏感になった身体が、すぐに反応する。

「あっ、ん、ああ」

 声が漏れ続ける。エドワールの唇が胸に触れ、先端を吸い上げた。舌で転がされ、歯で軽く噛まれる。腰を動かしながら、胸を愛撫される。快楽が二重に押し寄せてきた。

「綺麗だ。君は本当に綺麗だ」
 褒められるたびに、胸が熱くなる。愛されている実感が全身を満たしていく。

「エドワール様……もっと……」
 自分でも信じられない言葉が口から出た。エドワールの瞳が熱を帯び、動きが激しくなる。

「もっと欲しいのか。可愛い」

 囁きに、頬が熱くなった。恥ずかしさと快楽が混ざり合い、身体が熱くなっていく。エドワールが奥を突き上げ、身体の中心から、また何かが弾けそうになる。

「また、イキそう……」
「イッて。何度でもイッて」

 エドワールの声に促され、快楽に身を任せる。全身が痙攣し、二度目の絶頂が訪れた。エドワールも同時に果て、再び熱いものが注がれる。

 身体の力が抜け、ぐったりとソファに沈み込む。エドワールが私を抱きしめた。汗ばんだ身体が密着しあう。

「十一年、待った甲斐があった」

 エドワールの唇が額に触れ、優しくキスを落とす。髪を撫でられ、背中をさすられる。愛おしそうに、大切そうに。
 やっと彼を自分のものにできた。

「愛しています」

 もう一度、囁いた。エドワールが私を見つめ、微笑んでくれる。ずっと欲しかった彼の笑顔だ。柔らかく、温かく、愛に満ちた笑顔。私だけに向けられた、特別な笑顔――。

「私も愛している、レティシア」
 キスが落とされた。甘く、優しく、永遠を誓うようなキス。繋いだ手を握り直し、時間を忘れてキスに夢中になった。
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