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12 変化する日常
程なくして、ジェラルド様が我が家に居を移した。
次期侯爵になる筈だった彼は、貴族家の当主としての知識は完璧だったが、商会の経営者としての教育は受けて来ていない。
そこで、短期間で経営のノウハウを学ぶ為には、ランバート邸に住む方が効率が良いと考えられたのだ。
先日の件も考えると、オズワルドに絡まれるのが面倒だという理由もあるのかもしれない。
「仕事の件は口実で、セシリアと早く一緒に暮らしたかっただけなのです。
伯爵には内緒にして下さいね。
追い出されると困りますから」
ジェラルド様は、悪戯っぽく笑った。
同じ邸に婚約者が住んでいるという状況は、なかなかに落ち着かない。
私に対する態度や言葉が甘すぎるジェラルド様が相手なので、尚更だ。
「ああ、朝一番にセシリアの顔が見られるなんて、幸せ過ぎる!
今日も大変美しいです。大好きです」
毎朝この調子なのだ。
よく飽きないなと思う。
元婚約者は、いつも私を邪険にしていたのに、差が激しすぎる。
周囲から生温かい目で見られている、私の身にもなって欲しい。
とは言え、嫌な訳でもないのだけれど。
ジェラルド様は殆どの時間を、お父様と一緒に執務室で過ごしているが、食事は私達家族と共にとっているし、お茶の時間は私と二人で過ごしてくれる。
人懐っこい彼は直ぐに家族に馴染んだし、仕事についても順調なようで、お父様も喜んでいる。
「二人は、とても仲良くやっているみたいね」
夕食の時、お母様が嬉しそうにそう言った。
その笑顔には、少し揶揄うようなニュアンスも混じっていて、気恥ずかしい。
流石に両親の前では、ジェラルド様も、多少は私への態度を抑えめにしてくれている。
私が照れてしまい、嫌がるからだ。
しかし普段の私達の様子は、使用人達からしっかりと伝わっているのだろう。
「はい。セシリアのお陰で、私は毎日とても幸せです。
これからは、お返しにセシリアを幸せにしなければ」
ジェラルド様が温かな瞳で私を見る。
好意を向けられるのは嬉しいが、まだ慣れない。
胸の奥がむず痒い。
「私は何もしてませんよ」
「セシリアはそこにいてくれるだけで充分です」
なんですか?この羞恥プレイは!
両親の前で何言っちゃってるんですか?
でも、両親は満足気に頷いて、その表情はとても嬉しそう。
オズワルドと婚約している頃よりも、家の中が明るくなった気がするので、ジェラルド様には私も感謝しているのだけど。
そんな穏やかな日々の中、王城から夜会の招待状が届けられた。
第二王子殿下の5歳の誕生日を祝う会で、国内貴族の殆どが招待される。
私にとっては、ジェラルド様の婚約者になって、初めての夜会だった。
元婚約者は、私をエスコートしなかったので、夜会はいつも憂鬱だったが、今回は楽しく過ごせるかもしれない。
ワクワクしているのは、ジェラルド様も同じようで、私に着せるドレスや宝飾品を張り切って注文してくれていた。
ドレスのデザインは、私にも教えてくれない。
当日のお楽しみという事なので、素直に楽しみにしておこう。
次期侯爵になる筈だった彼は、貴族家の当主としての知識は完璧だったが、商会の経営者としての教育は受けて来ていない。
そこで、短期間で経営のノウハウを学ぶ為には、ランバート邸に住む方が効率が良いと考えられたのだ。
先日の件も考えると、オズワルドに絡まれるのが面倒だという理由もあるのかもしれない。
「仕事の件は口実で、セシリアと早く一緒に暮らしたかっただけなのです。
伯爵には内緒にして下さいね。
追い出されると困りますから」
ジェラルド様は、悪戯っぽく笑った。
同じ邸に婚約者が住んでいるという状況は、なかなかに落ち着かない。
私に対する態度や言葉が甘すぎるジェラルド様が相手なので、尚更だ。
「ああ、朝一番にセシリアの顔が見られるなんて、幸せ過ぎる!
今日も大変美しいです。大好きです」
毎朝この調子なのだ。
よく飽きないなと思う。
元婚約者は、いつも私を邪険にしていたのに、差が激しすぎる。
周囲から生温かい目で見られている、私の身にもなって欲しい。
とは言え、嫌な訳でもないのだけれど。
ジェラルド様は殆どの時間を、お父様と一緒に執務室で過ごしているが、食事は私達家族と共にとっているし、お茶の時間は私と二人で過ごしてくれる。
人懐っこい彼は直ぐに家族に馴染んだし、仕事についても順調なようで、お父様も喜んでいる。
「二人は、とても仲良くやっているみたいね」
夕食の時、お母様が嬉しそうにそう言った。
その笑顔には、少し揶揄うようなニュアンスも混じっていて、気恥ずかしい。
流石に両親の前では、ジェラルド様も、多少は私への態度を抑えめにしてくれている。
私が照れてしまい、嫌がるからだ。
しかし普段の私達の様子は、使用人達からしっかりと伝わっているのだろう。
「はい。セシリアのお陰で、私は毎日とても幸せです。
これからは、お返しにセシリアを幸せにしなければ」
ジェラルド様が温かな瞳で私を見る。
好意を向けられるのは嬉しいが、まだ慣れない。
胸の奥がむず痒い。
「私は何もしてませんよ」
「セシリアはそこにいてくれるだけで充分です」
なんですか?この羞恥プレイは!
両親の前で何言っちゃってるんですか?
でも、両親は満足気に頷いて、その表情はとても嬉しそう。
オズワルドと婚約している頃よりも、家の中が明るくなった気がするので、ジェラルド様には私も感謝しているのだけど。
そんな穏やかな日々の中、王城から夜会の招待状が届けられた。
第二王子殿下の5歳の誕生日を祝う会で、国内貴族の殆どが招待される。
私にとっては、ジェラルド様の婚約者になって、初めての夜会だった。
元婚約者は、私をエスコートしなかったので、夜会はいつも憂鬱だったが、今回は楽しく過ごせるかもしれない。
ワクワクしているのは、ジェラルド様も同じようで、私に着せるドレスや宝飾品を張り切って注文してくれていた。
ドレスのデザインは、私にも教えてくれない。
当日のお楽しみという事なので、素直に楽しみにしておこう。
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