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6 防御の魔術
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バチンッッ!!
「きゃあっっ!」
人も疎らな放課後の廊下を歩いていたら、私の教室の方から大きな音と女性の悲鳴が聞こえた。
ーーーあ、やっちゃったな。
まだ校舎内に残っていた生徒達が、教室に集まり出す。
私も教室に入ってみると、先日のアボット様が私の机の近くに蹲っている。
教科書に仕掛けた防御魔術が発動したのだ。
静電気より少し強めの電気が走るように設定したつもりだったけど・・・
思ったよりちょっと威力が強いかしら?
調整が必要かもしれない。
どうやら怪我まではしてないみたいだから、まあ良いか。
少しくらいは自業自得だよね。
「それ、防御魔術がかけてありまして、悪意を持った人間に反応します。
ワザと破損させようとしたりすると、電流が流れるのですよ。
危ないので、気を付けてくださいね」
アボット様の綺麗なお顔を覗き込んで、に~っこり笑って教えてあげたら、なんだか怯えた顔をされてしまった。
そちらが先に嫌がらせをしようとしたのでは無いか。
心外である。
翌日のお昼休み。
ソフィー様に食事に誘われた私は、食堂のテラス席に座った。
正面に座る黒髪の美女の白く細い指が、上品にパンをちぎるのを、なんとなく眺める。
美女は食事をしているだけでも絵になるなぁ。
「うふふ。雷撃事件の時のアボット様のお顔ったら、本当に傑作だったわ。
彼女が貴女の教科書を破ろうとした事も、学園内に周知されて、叱責を受けたみたいだし。
流石は私の妹ね」
ソフィー様が、可愛らしくウインクする。
やっぱり姉になりたいらしい。
「・・・・・・雷撃と言うほどの威力では無かった筈なのですが・・・」
「あら、皆んなそう呼んでるわよ」
あ、そうなんですね。
しかも事件化されているんですね。
初耳です。
「あの女、いつも高慢な態度で、自分より格下の家の人を威嚇したりする嫌な奴なのよ。
だから、ちょっとスッキリしたわ。
でも、今度からは何かされたら、私にも相談してちょうだいね。
ロブソン侯爵家の名にかけて、完膚無きまでに叩き潰してあげるから」
「お気持ちだけ、頂いておきます」
黒い笑顔のソフィー様には、やんわりとお断りしておく。
彼女に任せたら、本気で社会的に抹殺しそうだ。
「何の話?」
サミュエル様とウェイクリング様がやって来た。
恋人に移行してから、この四人でいる事が多くなった。
隣に座ったサミュエル様が、そっと私の手を取る。
ウェイクリング様がジッとその手を見ているが、このくらいの接触は許容範囲だろう・・・多分?
触れている部分から、コッソリ魔力を流す。
その間にソフィー様がお二人に〝雷撃事件〟の詳細を話して聞かせた。
「メリッサは魔術が得意だからな」
サミュエル様は笑っていたが、ウェイクリング様は渋い顔。
「大丈夫か?よく嫌がらせをされるのか?」
このお方はなかなか心配性である。
安心させるようにへらりと笑って見せる。
「今の所、実害は起きていないので、問題ありませんよ」
「そうか・・・・・・」
しかし残念ながら、程なくして、実害が出てしまう。
「あーあ、やられちゃった」
ダンスレッスン用のドレスがビリビリに切り裂かれている。
ロッカーに入れっぱなしにしてたから、防御魔術をかけるの忘れてた。
その日のダンスの授業は、体調不良を装ってお休みするしか無かった。
放課後、破れたドレスを処分する為、抱えて歩いてるとサミュエル様とウェイクリング様にばったり会った。
「ドレスなんか持って、どうしたの?」
「うっかり破いてしまいましたので処分しようと。
どうせ母のお下がりの古いドレスだったので、別に良いのですが」
「なら、僕が新しいドレスをプレゼントしようか」
「本当ですか?嬉しい!ありがとうございます」
喜びを表しつつ、然りげ無くサミュエル様の手を握った。
ラッキーだ。
ドレスを破いてくれたご令嬢に感謝したいくらいだ。
次のダンスの授業では、サミュエル様に買ってもらった高価なドレスを着てレッスンに参加した。
いつも嫌がらせをしてくるご令嬢達の、悔しそうな顔は見ものだった。
勿論、防御魔術をかけたので、もう破かれる心配は無い。
「きゃあっっ!」
人も疎らな放課後の廊下を歩いていたら、私の教室の方から大きな音と女性の悲鳴が聞こえた。
ーーーあ、やっちゃったな。
まだ校舎内に残っていた生徒達が、教室に集まり出す。
私も教室に入ってみると、先日のアボット様が私の机の近くに蹲っている。
教科書に仕掛けた防御魔術が発動したのだ。
静電気より少し強めの電気が走るように設定したつもりだったけど・・・
思ったよりちょっと威力が強いかしら?
調整が必要かもしれない。
どうやら怪我まではしてないみたいだから、まあ良いか。
少しくらいは自業自得だよね。
「それ、防御魔術がかけてありまして、悪意を持った人間に反応します。
ワザと破損させようとしたりすると、電流が流れるのですよ。
危ないので、気を付けてくださいね」
アボット様の綺麗なお顔を覗き込んで、に~っこり笑って教えてあげたら、なんだか怯えた顔をされてしまった。
そちらが先に嫌がらせをしようとしたのでは無いか。
心外である。
翌日のお昼休み。
ソフィー様に食事に誘われた私は、食堂のテラス席に座った。
正面に座る黒髪の美女の白く細い指が、上品にパンをちぎるのを、なんとなく眺める。
美女は食事をしているだけでも絵になるなぁ。
「うふふ。雷撃事件の時のアボット様のお顔ったら、本当に傑作だったわ。
彼女が貴女の教科書を破ろうとした事も、学園内に周知されて、叱責を受けたみたいだし。
流石は私の妹ね」
ソフィー様が、可愛らしくウインクする。
やっぱり姉になりたいらしい。
「・・・・・・雷撃と言うほどの威力では無かった筈なのですが・・・」
「あら、皆んなそう呼んでるわよ」
あ、そうなんですね。
しかも事件化されているんですね。
初耳です。
「あの女、いつも高慢な態度で、自分より格下の家の人を威嚇したりする嫌な奴なのよ。
だから、ちょっとスッキリしたわ。
でも、今度からは何かされたら、私にも相談してちょうだいね。
ロブソン侯爵家の名にかけて、完膚無きまでに叩き潰してあげるから」
「お気持ちだけ、頂いておきます」
黒い笑顔のソフィー様には、やんわりとお断りしておく。
彼女に任せたら、本気で社会的に抹殺しそうだ。
「何の話?」
サミュエル様とウェイクリング様がやって来た。
恋人に移行してから、この四人でいる事が多くなった。
隣に座ったサミュエル様が、そっと私の手を取る。
ウェイクリング様がジッとその手を見ているが、このくらいの接触は許容範囲だろう・・・多分?
触れている部分から、コッソリ魔力を流す。
その間にソフィー様がお二人に〝雷撃事件〟の詳細を話して聞かせた。
「メリッサは魔術が得意だからな」
サミュエル様は笑っていたが、ウェイクリング様は渋い顔。
「大丈夫か?よく嫌がらせをされるのか?」
このお方はなかなか心配性である。
安心させるようにへらりと笑って見せる。
「今の所、実害は起きていないので、問題ありませんよ」
「そうか・・・・・・」
しかし残念ながら、程なくして、実害が出てしまう。
「あーあ、やられちゃった」
ダンスレッスン用のドレスがビリビリに切り裂かれている。
ロッカーに入れっぱなしにしてたから、防御魔術をかけるの忘れてた。
その日のダンスの授業は、体調不良を装ってお休みするしか無かった。
放課後、破れたドレスを処分する為、抱えて歩いてるとサミュエル様とウェイクリング様にばったり会った。
「ドレスなんか持って、どうしたの?」
「うっかり破いてしまいましたので処分しようと。
どうせ母のお下がりの古いドレスだったので、別に良いのですが」
「なら、僕が新しいドレスをプレゼントしようか」
「本当ですか?嬉しい!ありがとうございます」
喜びを表しつつ、然りげ無くサミュエル様の手を握った。
ラッキーだ。
ドレスを破いてくれたご令嬢に感謝したいくらいだ。
次のダンスの授業では、サミュエル様に買ってもらった高価なドレスを着てレッスンに参加した。
いつも嫌がらせをしてくるご令嬢達の、悔しそうな顔は見ものだった。
勿論、防御魔術をかけたので、もう破かれる心配は無い。
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