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第二部 蘭と蠍(サソリ)篇 一章
新たな調教師、麻吹寅雄!
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僕は稲垣太蔵様の御屋敷で今日も奉公奴隷として働いておりました。
今は広いお庭の掃き掃除をしています。
僕はとても幸せです。
だって愛する和希様と一緒に住んでいるんだから。
小柄で痩せてて貧相な僕。
たまに外へ出れば中学生に間違えられる。
目が大きい童顔で頬にはそばかす。
癖のない黒髪を適当に切ってあるだけ。もちろんファッションなんて全く縁がない。
ただの奴隷ですから。
それに対して和希様は栗色のストレートヘアーが耳にかかり、白い肌、美しい形の瞳。
優しそうな唇。声も美しいボーイソプラノ。
まるで西洋絵画から飛び出して来たような美少年。
スタイルがとても良く、中肉中背でやや痩せ型では有りますが、中学生時代にテニスをなされていて、程よく筋肉もついている。
和希様と同じ離れの部屋にいる時は二人とも、白いハイソックス裸で首輪手枷足枷付きの奴隷スタイルですが、和希様の裸は見放題ですからね『微笑』
ー僕の特権です。ー
僕はネズミ色のトレーナーに太腿上の半ズボン。
白いハイソックスに作業靴。
首には奴隷の証の首輪を巻いています。
奴隷奉公人として働く僕を遠目で見てる人がいました。
その人は僕を見るとニヤリと口を歪めて冷笑しながら、僕に近づいて来ました。
長身で180センチ以上は有るでしょう。
金色に染めた肩まで掛かるストレートの長髪。やや削げた頬、細く鋭い目、形の良い鼻。薄い唇が冷酷な印象を与えます。
制服を着ていましたが、良く見れば和希様と同じ九藤学園のブレザー。
金髪長髪なんて多分学内でもかなりの不良でしょう。
このような不良があの真面目な和希様と知り合いとは思えませんが。
「よう!お前が和希と付き合ってるツカサか?
なんだよ!まるで中坊みてえなガキじゃんか?
あの美しい和希とは全然釣り合わねえ。
和希も男を見る目がねえよなあ
『笑』」
なんだよ。こいつ。いくらなんでも失礼だろ。
「あの…あなたはいきなりなんなんですか。
失礼じゃないですか?
ここは稲垣太蔵様のお屋敷の敷地ですよ。勝手に入ったら困ります。」
「へへへへへへ!
なんだよ。しかしお前本当に奴隷なんだな。
令和の時代に奴隷なんて笑えるぜ。
みすぼらしい格好しやがって。
また奴隷の首輪が良く似合っているなあ!」
金髪長髪が僕の首輪に触れて、僕を嘲りました。
さすがにムカッ!といたします。
僕は稲垣家の奴隷であってこの人の奴隷じゃない!
「やめて下さい!失礼じゃないですか!
勝手に他人の敷地に入って、警察を呼びますよ!」
「へえ…以外と気が強いんだな!
いいねえ!」
「なっ…なんなんです。貴方は!」
すると建物内から房江が顔を出した。飯島房江は58歳。
この屋敷内では一番年上で旦那様がまだ少年時代からこの稲垣家にお仕えしているらしいです。
またご主人様の実の娘の弥子様ととても仲が良く、弥子様が和希様を嬲られる時に、良く手伝いをしていました。
顔は狐に似てます。
「あらあら。これは麻吹のお坊ちゃん。おや、今のツカサと何か言い争われておられましたか?」
「いや、久しぶり。房江。
弥子は元気?
いやあ今この奴隷とちょっと話をさせてもらっただけさ。
だって首輪なんかしてるんだからさ。」
「あらあら、それはそれは。
弥子様は元気でござりますよ。元気過ぎて困るほどです『笑』
あっ…旦那様が麻吹の坊っちゃんをお待ちしております。
さあさあ、中へお入り下さいませ。」
麻吹と名乗る人が房江に案内されて建物内に入っていく。去り際に麻吹は僕を見て残忍にニヤリと笑いました。
背中に冷たいものが走る。
マゾである僕には分かる…この人は相当な…サディストだ!
これが今日より和希様と僕の天敵となる麻吹寅雄との出会いでした。
愛しあう和希様と僕、麻吹寅雄の戦いがこの時から始まりでした。
今日はここまでで筆を置かせて頂きます❗
今は広いお庭の掃き掃除をしています。
僕はとても幸せです。
だって愛する和希様と一緒に住んでいるんだから。
小柄で痩せてて貧相な僕。
たまに外へ出れば中学生に間違えられる。
目が大きい童顔で頬にはそばかす。
癖のない黒髪を適当に切ってあるだけ。もちろんファッションなんて全く縁がない。
ただの奴隷ですから。
それに対して和希様は栗色のストレートヘアーが耳にかかり、白い肌、美しい形の瞳。
優しそうな唇。声も美しいボーイソプラノ。
まるで西洋絵画から飛び出して来たような美少年。
スタイルがとても良く、中肉中背でやや痩せ型では有りますが、中学生時代にテニスをなされていて、程よく筋肉もついている。
和希様と同じ離れの部屋にいる時は二人とも、白いハイソックス裸で首輪手枷足枷付きの奴隷スタイルですが、和希様の裸は見放題ですからね『微笑』
ー僕の特権です。ー
僕はネズミ色のトレーナーに太腿上の半ズボン。
白いハイソックスに作業靴。
首には奴隷の証の首輪を巻いています。
奴隷奉公人として働く僕を遠目で見てる人がいました。
その人は僕を見るとニヤリと口を歪めて冷笑しながら、僕に近づいて来ました。
長身で180センチ以上は有るでしょう。
金色に染めた肩まで掛かるストレートの長髪。やや削げた頬、細く鋭い目、形の良い鼻。薄い唇が冷酷な印象を与えます。
制服を着ていましたが、良く見れば和希様と同じ九藤学園のブレザー。
金髪長髪なんて多分学内でもかなりの不良でしょう。
このような不良があの真面目な和希様と知り合いとは思えませんが。
「よう!お前が和希と付き合ってるツカサか?
なんだよ!まるで中坊みてえなガキじゃんか?
あの美しい和希とは全然釣り合わねえ。
和希も男を見る目がねえよなあ
『笑』」
なんだよ。こいつ。いくらなんでも失礼だろ。
「あの…あなたはいきなりなんなんですか。
失礼じゃないですか?
ここは稲垣太蔵様のお屋敷の敷地ですよ。勝手に入ったら困ります。」
「へへへへへへ!
なんだよ。しかしお前本当に奴隷なんだな。
令和の時代に奴隷なんて笑えるぜ。
みすぼらしい格好しやがって。
また奴隷の首輪が良く似合っているなあ!」
金髪長髪が僕の首輪に触れて、僕を嘲りました。
さすがにムカッ!といたします。
僕は稲垣家の奴隷であってこの人の奴隷じゃない!
「やめて下さい!失礼じゃないですか!
勝手に他人の敷地に入って、警察を呼びますよ!」
「へえ…以外と気が強いんだな!
いいねえ!」
「なっ…なんなんです。貴方は!」
すると建物内から房江が顔を出した。飯島房江は58歳。
この屋敷内では一番年上で旦那様がまだ少年時代からこの稲垣家にお仕えしているらしいです。
またご主人様の実の娘の弥子様ととても仲が良く、弥子様が和希様を嬲られる時に、良く手伝いをしていました。
顔は狐に似てます。
「あらあら。これは麻吹のお坊ちゃん。おや、今のツカサと何か言い争われておられましたか?」
「いや、久しぶり。房江。
弥子は元気?
いやあ今この奴隷とちょっと話をさせてもらっただけさ。
だって首輪なんかしてるんだからさ。」
「あらあら、それはそれは。
弥子様は元気でござりますよ。元気過ぎて困るほどです『笑』
あっ…旦那様が麻吹の坊っちゃんをお待ちしております。
さあさあ、中へお入り下さいませ。」
麻吹と名乗る人が房江に案内されて建物内に入っていく。去り際に麻吹は僕を見て残忍にニヤリと笑いました。
背中に冷たいものが走る。
マゾである僕には分かる…この人は相当な…サディストだ!
これが今日より和希様と僕の天敵となる麻吹寅雄との出会いでした。
愛しあう和希様と僕、麻吹寅雄の戦いがこの時から始まりでした。
今日はここまでで筆を置かせて頂きます❗
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