嘘つきな唇〜もう貴方のことは必要ありません〜

みおな

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「ウェルズ公爵令息ハデス様、並びに婚約者のリビエラ伯爵令嬢ジュエル様」

 入場の紹介がされ、私たちの名前が呼ばれると、会場がざわついた。

 私がシリウス殿下の婚約者だったことは、ほとんどの貴族は知っていて、シリウス殿下が『真実の愛』の相手と出会ったことで、私が身を引いたという美談は有名だ。

 その後、シリウス殿下が病に倒れ、コンフォート公爵家に婿入りするのを断念。

 静養に入ったことが公表されていた。

 その婚約を解消私が、普段姿を見せないウェルズ公爵家の嫡男と婚約したなんて、という驚きかしらね。

 ハデス様は普段は他国に留学中で、姿を見たこともない令息令嬢も多いと思うわ。

 それでも陛下のご意向で公爵令息のままだから・・・

 私を睨んでいるご令嬢もいるわ。
まぁ、気持ちはわからないでもないわね。

 王族の次は公爵令息かって思ってるんだと思うわ。

 シリウス殿下はご令嬢たちに人気だったから、私のことを殿下に不幸を招いた疫病神だと思ってる人もいるのかも。

「注目の的ですわね、ハデス様」

「ウェルズ公爵家の嫌われ嫡男が現れたから、物珍しいんだろう」

「まぁ!自虐ネタですか?のはご両親だけだと思いますけど。どちらかといえば、羨ましくて私を疎ましく見ている感じですわよ」

 コソコソと会話を交わしていると、お父様とお母様、お兄様とお姉様が振り返って笑われる。

注目の的よ」

「有象無象の視線を気にすることはないわ。ウェルズ様、ジュエルのことお願いしますね?」

「分かっている」

 あら?そんなに心配して下さらなくても、少々の嫌味くらい平気なのに。

 でもお姉様からしたら、私は身分不相応だと卑屈になっていた私のままなのかしらね。

 ずっと、お姉様やお父様お母様に守ってもらってばかりだったわ。

 それに少々何か言われても、私はハデス様とエレメンタル帝国につもりだから、平気なのに。

「大丈夫ですわ、お姉様。私、反論できるようになりましたのよ?お姉様こそ、お身体を気遣って下さいね?」

「ありがとう、ジュエル。そうね、陛下たちへのご挨拶が終わったら、早めに帰るわ」

 お姉様は悪阻で体調が悪いけど、次期リビエラ女伯爵だから、次代の王太子殿下と顔合わせはしておきたいのよね。

 もちろん、個別に顔合わせはしてあるんだけど、周囲に成婚パーティーに出席しなかったみたいに見られるのは良くないからって、無理を押して出席したのよね。




 
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