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皇帝一家の事情②
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「だから、伯爵令息も伯爵夫妻も使用人も、手厚くとはいかないが普通に新妻を大切にした。外泊は月に一度。恋人との逢瀬はあるが、稼いだ金は伯爵夫人となった新妻に渡し、恋人には伯爵家から令息に与えられる小遣い内でプレゼントをしていた」
「それは、はっきり申し上げて真っ当ですわね。恋人の存在は最初からお互いが納得の上のこと。それで、酷い扱いどころか伯爵夫人として正当に扱われていたのに、何をなさいましたの?」
もちろん、夫に恋人がいるというのは、気持ちのいいものではないだろう。
だが、納得の上での婚姻だ。
皇帝陛下の命令だとしても、嫌なら修道院に行けばよかったのだから。
「夫の恋人に怪我をさせた」
「は?」
「恋人といるところへ押しかけて、食事していた皿を投げつけて、恋人は腕を切った。令息がすぐに取り押さえて、衛兵を呼んだ。そして、彼女有責で離婚となった」
それは・・・
当然としか言いようがないわ。
で、その令嬢が戻って来た、と。
侯爵家はそんなことがあっても修道院には入れないつもりなの?
こう言ってはなんだけど、皇帝陛下は『正しい判断をする』方だと思うわ。
家族の情とかに流されたりしない。
上に立つ者として、正常な決断をされる方。
それでも、愛しいラティエラ様の姪御さんだから、毒杯一択ではなかったのだと思う。
「それで、陛下たちはどうなさるおつもりなのでしょう?」
「離婚しようと出戻ろうと、大人しくしているならかまわないのだが・・・おそらくジュエルに絡んでくると思う。以前の俺は、一応は公爵家嫡男だったから、身分を狙っていたのなら平民となった今は俺に関わって来ないだろうが、陛下も皇妃様も絶対に関わってくると断言された」
でしょうね。
私もそう思うわ。
私、そういう人に絡まれやすいのかしら。
シリウス殿下の恋人のコンフォート様とは関わらなかったけど、リエナイ様とかモブナノ様とか・・・失礼なことだけどマクラーレンの王太子殿下とか、妙な方が絡んでこられるのよね。
「それで、私はどうすれば?」
「ジュエルは俺が絶対に守る。だから、ジュエルは決して一人にはならないようにして欲しい。皇妃様より、護衛を兼ねる侍女が派遣されている。俺が一緒でない時は、必ず彼女といて欲しい」
ハデス様の言葉を受け、壁際に控えていた榛色の髪の侍女が、一歩前に出た。
「ハンナと申します。本日より、リビエラ様のお世話をさせていただきます」
「ジュエル・リビエラです。よろしくお願いします」
私は何も出来ないのだから、せめて足手まといにならないよう、一人にならないようしなくてはね。
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ハデス様の言葉を受け、壁際に控えていた榛色の髪の侍女が、一歩前に出た。
「ハンナと申します。本日より、リビエラ様のお世話をさせていただきます」
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