68 / 88
第3章
理解不能
しおりを挟む
どうしてこんなことになっているのか、理解らない。
ヴァレリア公爵家のみんなは、私のことを溺愛してくれている。
お父様お母様はもちろん、兄のアベルとアゼルも、そして使用人たちもヴィヴィをとてもとても可愛がってくれている。
そして、アベルの婚約者であるセシーリアも、そして何故か、第1王子であるサイラスも、サイラスの婚約者であるシーラまでもがヴィヴィを溺愛してくれている。
最近では、ヴィヴィって悪役令嬢だったっけ?と不安になるほどだ。
私はヴィヴィ・ヴァレリアに転生してから、断罪されないようにアゼルを始め、攻略対象たちと交流をし、それなりに頑張ってきたと思う。
それは、私自身もそうだし、他の婚約者であるご令嬢たちも断罪されることがないようにと思ったからだ。
唯一、肝心の婚約者当人であるサイードとは交流しなかったから、サイードが私に好意を向けることはないけれど、別にそれはいい。
だけど、どうして攻略もしていないハルトナイツに話しかけられるの?
それも、毎日毎日毎日毎日。
学年違うんだけど?どうして朝の登校時にいるの?ストーカーなの?
ええ?ハルトナイツってこんなだったっけ?
確かに従妹であると判明したヒロインのことは、ハッピーエンドであろうと友情エンドであろうと、溺愛していた。
だけど、それはヒロインの役目のはずでは?
「あ、あの・・・レンブラント様?」
「ヴァレリア嬢。いや、ヴィヴィ嬢とお呼びしてもいいだろうか?僕のことも、どうかハルトナイツと呼んで欲しい」
「え、いえ、あの・・・皇太子殿下をお名前で呼ぶなど、できませんわ」
絶対、おかしいよね。
どうして私が名前で呼ばれるの?いや、まぁ、拒否はできないけど。一介の令嬢が、他国の皇太子殿下に対して拒否はできない。
だけど私は、ハルトナイツを名前では呼べない。婚約者でもない相手を名前で呼ぶことは、あり得ない。
「僕自身が呼んで欲しいんだ。お願いできないだろうか?」
おかしい。黒い大型犬の、へにゃりと垂れ下がった耳が見える!
誰か。誰でもいいから、ツッコミお願い!「お願いできないだろうか」じゃないって言ってやって。
つい先日会ったばかりの相手を、名前呼びなんかしてたら、絶対ウワサになる!
しかも、今の私にも、ハルトナイツにも婚約者がいない。
絶対、婚約したんだとか何とか言われるから。
確かに、私はハルトナイツが前世の推しだった。
だけど、推しだったからといって好きになるとは限らない。
だって、彼らは乙女ゲームの中のキャラクターそのものじゃないんだから。
私の望んだ答えを、返してくれるとは限らないのだ。
私の望んだ行動を、してくれるとは限らないのだ。
ヴァレリア公爵家のみんなは、私のことを溺愛してくれている。
お父様お母様はもちろん、兄のアベルとアゼルも、そして使用人たちもヴィヴィをとてもとても可愛がってくれている。
そして、アベルの婚約者であるセシーリアも、そして何故か、第1王子であるサイラスも、サイラスの婚約者であるシーラまでもがヴィヴィを溺愛してくれている。
最近では、ヴィヴィって悪役令嬢だったっけ?と不安になるほどだ。
私はヴィヴィ・ヴァレリアに転生してから、断罪されないようにアゼルを始め、攻略対象たちと交流をし、それなりに頑張ってきたと思う。
それは、私自身もそうだし、他の婚約者であるご令嬢たちも断罪されることがないようにと思ったからだ。
唯一、肝心の婚約者当人であるサイードとは交流しなかったから、サイードが私に好意を向けることはないけれど、別にそれはいい。
だけど、どうして攻略もしていないハルトナイツに話しかけられるの?
それも、毎日毎日毎日毎日。
学年違うんだけど?どうして朝の登校時にいるの?ストーカーなの?
ええ?ハルトナイツってこんなだったっけ?
確かに従妹であると判明したヒロインのことは、ハッピーエンドであろうと友情エンドであろうと、溺愛していた。
だけど、それはヒロインの役目のはずでは?
「あ、あの・・・レンブラント様?」
「ヴァレリア嬢。いや、ヴィヴィ嬢とお呼びしてもいいだろうか?僕のことも、どうかハルトナイツと呼んで欲しい」
「え、いえ、あの・・・皇太子殿下をお名前で呼ぶなど、できませんわ」
絶対、おかしいよね。
どうして私が名前で呼ばれるの?いや、まぁ、拒否はできないけど。一介の令嬢が、他国の皇太子殿下に対して拒否はできない。
だけど私は、ハルトナイツを名前では呼べない。婚約者でもない相手を名前で呼ぶことは、あり得ない。
「僕自身が呼んで欲しいんだ。お願いできないだろうか?」
おかしい。黒い大型犬の、へにゃりと垂れ下がった耳が見える!
誰か。誰でもいいから、ツッコミお願い!「お願いできないだろうか」じゃないって言ってやって。
つい先日会ったばかりの相手を、名前呼びなんかしてたら、絶対ウワサになる!
しかも、今の私にも、ハルトナイツにも婚約者がいない。
絶対、婚約したんだとか何とか言われるから。
確かに、私はハルトナイツが前世の推しだった。
だけど、推しだったからといって好きになるとは限らない。
だって、彼らは乙女ゲームの中のキャラクターそのものじゃないんだから。
私の望んだ答えを、返してくれるとは限らないのだ。
私の望んだ行動を、してくれるとは限らないのだ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,032
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる