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番外編:愛があれば歳の差なんて〜セシリア視点〜
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私の名前は、セシリア・ジャグリング。
ヴァルフリーデ王国ジャグリング公爵家の娘です。
私は今年十五歳になりました。
ヴァルフリーデ王国の成人は十五歳。やっと婚約者と婚姻出来る年齢になりましたの。
私は十歳の時に、ルードリアン帝国の皇太子殿下セルフィー様と婚約いたしました。
青みかかった銀髪に、金色の瞳をされたとても素敵な方です。
ラナリス王女殿下とお茶をしている際にご挨拶に訪れたセルフィー様に、私は一目惚れしましたの。
セルフィー殿下は、元々はミリムお姉様の婚約者候補としてヴァルフリーデ王国に来られました。
ミリムお姉様がお断りになったことで、私がお父様にお願いして婚約者にしていただいたのです。
ミリムお姉様は、何故か自己評価が低く、自分は子爵令嬢だからとお断りになったそうです。
確かにお姉様は子爵令嬢ですが、ご本人はとても美しい上に優秀な方なのです。
第一、ミリムお姉様のお兄様がラナリス王女殿下の婚約者ですのに。
お姉様はとてもとても謙虚な方ですわ。
ルードリアン帝国は、自国ではなく他国のご令嬢や王族から皇太子妃を迎える習わしらしく、セルフィー殿下は仕方なく私を婚約者にしてくださったのでしょう。
私は公爵家の娘ですが、セルフィー殿下より十歳も年下です。
私が成人するのを待つ間に、殿下は二十五歳になられました。
ミリムお姉様となら、すぐに婚姻できましたのに。
セルフィー様は・・・
私と婚約してくださった以上、婚約を解消して他のご令嬢とお見合いするわけにもいかなかったのでしょう。
だってセルフィー様からしたら、私は子供ですもの。
五年前はもちろん、十五歳になった今でも二十五歳の殿下からすれば子供です。
もっと早く・・・
婚約を解消して差し上げるべきでした。
きっとセルフィー様に相応しいご令嬢は、他にたくさんいたはずです。
私が・・・
セルフィー様の婚約者でいたいと願ったばかりに・・・
「セシィ?どうしたの?」
「いえ、なんでもありません」
「嘘。セシィのなんでもないは信用ならない。言ってごらん?何を考えてたの?」
どうして、セルフィー様には誤魔化しきれないのでしょうか。
私がまだまだ子供だからでしょうか?
「本当になんでもないのです。ただ・・・私が婚約者になったせいでセルフィー様を五年も待たせてしまったことを申し訳ないと思って。それに、私はまだまだ子供で、セルフィー様に相応しくなくて・・・」
「なにそれ。僕がセシィのことを好きだと言ってるの、信じてないの?」
「い、いえ、セルフィー様のお気持ちを疑っているわけではありませんわ。でも・・・」
「・・・分かった。セシィが二度とそんなことを言わないように、よぉく教えてあげるよ」
そう言うと、セルフィー様は私を抱き上げて、奥のお部屋へと入っていかれました。
その先のことは秘密です。
ただ私はその日以降、セルフィー様のお気持ちを疑うことはなくなったことだけお知らせしておきますわ。
ヴァルフリーデ王国ジャグリング公爵家の娘です。
私は今年十五歳になりました。
ヴァルフリーデ王国の成人は十五歳。やっと婚約者と婚姻出来る年齢になりましたの。
私は十歳の時に、ルードリアン帝国の皇太子殿下セルフィー様と婚約いたしました。
青みかかった銀髪に、金色の瞳をされたとても素敵な方です。
ラナリス王女殿下とお茶をしている際にご挨拶に訪れたセルフィー様に、私は一目惚れしましたの。
セルフィー殿下は、元々はミリムお姉様の婚約者候補としてヴァルフリーデ王国に来られました。
ミリムお姉様がお断りになったことで、私がお父様にお願いして婚約者にしていただいたのです。
ミリムお姉様は、何故か自己評価が低く、自分は子爵令嬢だからとお断りになったそうです。
確かにお姉様は子爵令嬢ですが、ご本人はとても美しい上に優秀な方なのです。
第一、ミリムお姉様のお兄様がラナリス王女殿下の婚約者ですのに。
お姉様はとてもとても謙虚な方ですわ。
ルードリアン帝国は、自国ではなく他国のご令嬢や王族から皇太子妃を迎える習わしらしく、セルフィー殿下は仕方なく私を婚約者にしてくださったのでしょう。
私は公爵家の娘ですが、セルフィー殿下より十歳も年下です。
私が成人するのを待つ間に、殿下は二十五歳になられました。
ミリムお姉様となら、すぐに婚姻できましたのに。
セルフィー様は・・・
私と婚約してくださった以上、婚約を解消して他のご令嬢とお見合いするわけにもいかなかったのでしょう。
だってセルフィー様からしたら、私は子供ですもの。
五年前はもちろん、十五歳になった今でも二十五歳の殿下からすれば子供です。
もっと早く・・・
婚約を解消して差し上げるべきでした。
きっとセルフィー様に相応しいご令嬢は、他にたくさんいたはずです。
私が・・・
セルフィー様の婚約者でいたいと願ったばかりに・・・
「セシィ?どうしたの?」
「いえ、なんでもありません」
「嘘。セシィのなんでもないは信用ならない。言ってごらん?何を考えてたの?」
どうして、セルフィー様には誤魔化しきれないのでしょうか。
私がまだまだ子供だからでしょうか?
「本当になんでもないのです。ただ・・・私が婚約者になったせいでセルフィー様を五年も待たせてしまったことを申し訳ないと思って。それに、私はまだまだ子供で、セルフィー様に相応しくなくて・・・」
「なにそれ。僕がセシィのことを好きだと言ってるの、信じてないの?」
「い、いえ、セルフィー様のお気持ちを疑っているわけではありませんわ。でも・・・」
「・・・分かった。セシィが二度とそんなことを言わないように、よぉく教えてあげるよ」
そう言うと、セルフィー様は私を抱き上げて、奥のお部屋へと入っていかれました。
その先のことは秘密です。
ただ私はその日以降、セルフィー様のお気持ちを疑うことはなくなったことだけお知らせしておきますわ。
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