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悪役令嬢、推しと会う
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お父様の行動は早かった。
翌日には、ローレンス公爵家との顔合わせをゲットして来ていて、私とお母様はお父様に満面の笑みを向けた。
「お父様、ありがとうございます」
「さすが、わたくしの旦那様ですわ」
「うん、良かったよ。オフィーリアとアナに喜んでもらえて」
さすが、イケオジお父様。
仕事が早い上に、妻と娘を大切にするなんて最高だわ。
顔合わせは一週間後に我が家でということになり、顔合わせの日に、手作りのお菓子を振る舞ったらどうかとお母様から勧められた。
実は婚約の打診をしてから、私はお菓子の手作りを始めていたのだ。
最初は渋っていたお母様も、私の作るパウンドケーキの虜になり、毎日楽しみにしてくれるようになった。
この、手作りお菓子。
乙女ゲーム内で、ヒロインが作ったものをカイルにあげたことで、カイルはヒロインを気にし始めるのだ。
ちょっとズルな気はするけど、推しがハーレムの一員になるのはやなのよね。
まぁ、悪役令嬢役のアナスタシアがヒロインと同じことをしたからって、好みの問題もあるし上手くいくとは限らないけど、できれば兄のジュリアンと推しのカイルだけは、普通に誰かと婚約して、幸せになって欲しい。
え?他の攻略対象?
婚約者がいながらヒロインに攻略されるような人は、ハーレム要員になろうとどうでもいいわ。
そうして、両家の顔合わせの日になった。
「ようこそお越しくださいました。ローレンス公爵様。公爵夫人様。公爵令息様」
「お招き下さりありがとうございます。アデライン公爵家の皆様」
今日の私は、淡いレモンイエローのドレス。
というのは、無難に攻略対象の中で家族である兄寄りの色にしたのだ。
王太子はサファイア色の髪と瞳、カイルは紫色の髪と瞳をしている。
他の攻略対象は、ルビー色とエメラルド色。
誰かの色を纏って、勘違いされたくはないので、私は兄であるジュリアンの色を選んだ。
あと選ぶとしたら、ヒロイン色のピンクなんだけど・・・
美少女とはいえ綺麗系のアナスタシアにピンクってちょっと似合わないのよね。
「それで、此度の婚約の申し出ですが・・・よろしいのですか?王家から婚約の申し込みがあると噂で聞きましたが」
ローレンス公爵の問いに、お父様が苦笑される。
「妻と娘が、王家よりもローレンス公爵令息様が良いと言うものでね。もちろん、そちらのお気持ちもあるでしょうが、もしも可能ならば婚約を受け入れてくださるとありがたい」
お父様には、カイルが嫌がればこの件はなかったことにしてあげて欲しいとお願いしてある。
私は推しを愛でたいのであって、嫌な思いをさせたいわけではないのだ。
翌日には、ローレンス公爵家との顔合わせをゲットして来ていて、私とお母様はお父様に満面の笑みを向けた。
「お父様、ありがとうございます」
「さすが、わたくしの旦那様ですわ」
「うん、良かったよ。オフィーリアとアナに喜んでもらえて」
さすが、イケオジお父様。
仕事が早い上に、妻と娘を大切にするなんて最高だわ。
顔合わせは一週間後に我が家でということになり、顔合わせの日に、手作りのお菓子を振る舞ったらどうかとお母様から勧められた。
実は婚約の打診をしてから、私はお菓子の手作りを始めていたのだ。
最初は渋っていたお母様も、私の作るパウンドケーキの虜になり、毎日楽しみにしてくれるようになった。
この、手作りお菓子。
乙女ゲーム内で、ヒロインが作ったものをカイルにあげたことで、カイルはヒロインを気にし始めるのだ。
ちょっとズルな気はするけど、推しがハーレムの一員になるのはやなのよね。
まぁ、悪役令嬢役のアナスタシアがヒロインと同じことをしたからって、好みの問題もあるし上手くいくとは限らないけど、できれば兄のジュリアンと推しのカイルだけは、普通に誰かと婚約して、幸せになって欲しい。
え?他の攻略対象?
婚約者がいながらヒロインに攻略されるような人は、ハーレム要員になろうとどうでもいいわ。
そうして、両家の顔合わせの日になった。
「ようこそお越しくださいました。ローレンス公爵様。公爵夫人様。公爵令息様」
「お招き下さりありがとうございます。アデライン公爵家の皆様」
今日の私は、淡いレモンイエローのドレス。
というのは、無難に攻略対象の中で家族である兄寄りの色にしたのだ。
王太子はサファイア色の髪と瞳、カイルは紫色の髪と瞳をしている。
他の攻略対象は、ルビー色とエメラルド色。
誰かの色を纏って、勘違いされたくはないので、私は兄であるジュリアンの色を選んだ。
あと選ぶとしたら、ヒロイン色のピンクなんだけど・・・
美少女とはいえ綺麗系のアナスタシアにピンクってちょっと似合わないのよね。
「それで、此度の婚約の申し出ですが・・・よろしいのですか?王家から婚約の申し込みがあると噂で聞きましたが」
ローレンス公爵の問いに、お父様が苦笑される。
「妻と娘が、王家よりもローレンス公爵令息様が良いと言うものでね。もちろん、そちらのお気持ちもあるでしょうが、もしも可能ならば婚約を受け入れてくださるとありがたい」
お父様には、カイルが嫌がればこの件はなかったことにしてあげて欲しいとお願いしてある。
私は推しを愛でたいのであって、嫌な思いをさせたいわけではないのだ。
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