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妹は、姉の気持ちに気付いていた
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一緒に居る事が、こんなに辛いとは思わなかった。
自分の気持ちに、気付かないままでいたら良かったのに。
それからの私は、出来るだけ二人を視界に入れない様過ごした。
「お姉様、見て下さい。アーノルド様から頂いたのよ。このドレスを着て、今度のパーティへ行くの。素敵なドレスでしょう、流石侯爵家よね、今迄のドレスが安っぽく見えるわ」
「何を言っているの、今迄のドレスだって、とても高いのよ。貴方は知らないかもしれないけれど…」
気付いたら、私は床に転がっていた。
最近は、妹から受ける暴力の数が増えたわ。
何時も腫れた頬を心配してくれるのは、アーノルド様だけだった。
「お姉様、嫉妬は止めてください。みっともないわ」
「嫉妬だなんて…」
「私、知っているのよ。お姉様が何時も、アーノルド様を見ている事」
「え?」
「まさか隠せていると、思っていたの?本当に馬鹿なんだから、お姉様のようにアーノルド様を見つめているご令嬢を、腐る程見て来たのよ。気付かない方がおかしいわ」
なんて事、この気持ちを知られたら困るわ。
「デイジー、変な事は言わないで頂戴」
「お可哀想に、アーノルド様は、私と結婚するの。私だけを愛しているの、残念だったわね。ちょっと優しくされただけで、勘違いするなんて。本当にお馬鹿さん」
「勘違いなんて、していないわ」
「お姉様が、どんなにアーノルド様をお慕いしたって無駄なのに。フフフ、いい気味、無様なお姉様を見ているだけで、楽しくなっちゃう。そうだわ、この事を、お母様に相談しようかしら?」
「やめて、デイジー」
「惨めね。お姉様の癖に、高望みするなんて許さないわ。言いふらされたくなかったら、大人しくしている事ね。それと、ハンカチへの刺繍もやっておくのよ。お爺様からお返事がなくて、お母様の機嫌が悪くて辟易していたの。でも、無様なお姉様で楽しめそうだから、我慢してあげるわね」
そう言って、デイジーは笑いながら去って行った。
私は暫く何も考えられなくて、ただ茫然と立ち尽くしていた。
お母様は、アーノルド様のお蔭で新しいドレスを仕立てる事が出来ず、パーティに参加出来なくて不機嫌になっている。
デイジーは必要な時だけ、アーノルド様からプレゼントされたドレスを着て、パーティに出かけて行った。
そんな日は、お母様の機嫌は何時も以上に悪くなった。
「どうしてお父様は返事を下さらないの?ちょっと貴方、手紙はきちんと届けたのでしょうね」
「はい、奥様」
「なら、どうして返事が来ないの?マーガレット、あなたがお父様に、何か告げ口したのね」
「お爺様からお父様に、手紙は来ておりました。内容は分かりません」
「なんですって。サイラスがお父様からの援助金を横取りしたのね、許せない」
「お母様待って下さい、援助金は来ていません」
私は慌ててお母様の後を、追いかけた。
「サイラス、お父様からの援助金は、私の物よ。横取りするなんて、何様なの」
お父様は侮蔑の眼差しをお母様に向けると、無言でお爺様からの手紙を渡した。
「相変わらず、気味の悪い男ね。あんたの子を産んだと思うだけで、寒気がするわ。あの頃の私はどうかしていたのよ」
そう言ってお母様は、手紙を読んでいたのだけれど…
顔色が悪くなって行くのが、手に取る様に分かった。
「嘘よ、嘘。どうして…」
「子を産んでくれた事には感謝しているが、嫌なら何時でも出て行ってくれて構わない。伯爵家でも、浪費の激しい穀潰しを養うのは無理だ」
お父様も限界だったのね。
これ以上浪費を重ねるのなら、アーノルド様の為にも、お母様には出て行って貰わなければならないわ。
自分の気持ちに、気付かないままでいたら良かったのに。
それからの私は、出来るだけ二人を視界に入れない様過ごした。
「お姉様、見て下さい。アーノルド様から頂いたのよ。このドレスを着て、今度のパーティへ行くの。素敵なドレスでしょう、流石侯爵家よね、今迄のドレスが安っぽく見えるわ」
「何を言っているの、今迄のドレスだって、とても高いのよ。貴方は知らないかもしれないけれど…」
気付いたら、私は床に転がっていた。
最近は、妹から受ける暴力の数が増えたわ。
何時も腫れた頬を心配してくれるのは、アーノルド様だけだった。
「お姉様、嫉妬は止めてください。みっともないわ」
「嫉妬だなんて…」
「私、知っているのよ。お姉様が何時も、アーノルド様を見ている事」
「え?」
「まさか隠せていると、思っていたの?本当に馬鹿なんだから、お姉様のようにアーノルド様を見つめているご令嬢を、腐る程見て来たのよ。気付かない方がおかしいわ」
なんて事、この気持ちを知られたら困るわ。
「デイジー、変な事は言わないで頂戴」
「お可哀想に、アーノルド様は、私と結婚するの。私だけを愛しているの、残念だったわね。ちょっと優しくされただけで、勘違いするなんて。本当にお馬鹿さん」
「勘違いなんて、していないわ」
「お姉様が、どんなにアーノルド様をお慕いしたって無駄なのに。フフフ、いい気味、無様なお姉様を見ているだけで、楽しくなっちゃう。そうだわ、この事を、お母様に相談しようかしら?」
「やめて、デイジー」
「惨めね。お姉様の癖に、高望みするなんて許さないわ。言いふらされたくなかったら、大人しくしている事ね。それと、ハンカチへの刺繍もやっておくのよ。お爺様からお返事がなくて、お母様の機嫌が悪くて辟易していたの。でも、無様なお姉様で楽しめそうだから、我慢してあげるわね」
そう言って、デイジーは笑いながら去って行った。
私は暫く何も考えられなくて、ただ茫然と立ち尽くしていた。
お母様は、アーノルド様のお蔭で新しいドレスを仕立てる事が出来ず、パーティに参加出来なくて不機嫌になっている。
デイジーは必要な時だけ、アーノルド様からプレゼントされたドレスを着て、パーティに出かけて行った。
そんな日は、お母様の機嫌は何時も以上に悪くなった。
「どうしてお父様は返事を下さらないの?ちょっと貴方、手紙はきちんと届けたのでしょうね」
「はい、奥様」
「なら、どうして返事が来ないの?マーガレット、あなたがお父様に、何か告げ口したのね」
「お爺様からお父様に、手紙は来ておりました。内容は分かりません」
「なんですって。サイラスがお父様からの援助金を横取りしたのね、許せない」
「お母様待って下さい、援助金は来ていません」
私は慌ててお母様の後を、追いかけた。
「サイラス、お父様からの援助金は、私の物よ。横取りするなんて、何様なの」
お父様は侮蔑の眼差しをお母様に向けると、無言でお爺様からの手紙を渡した。
「相変わらず、気味の悪い男ね。あんたの子を産んだと思うだけで、寒気がするわ。あの頃の私はどうかしていたのよ」
そう言ってお母様は、手紙を読んでいたのだけれど…
顔色が悪くなって行くのが、手に取る様に分かった。
「嘘よ、嘘。どうして…」
「子を産んでくれた事には感謝しているが、嫌なら何時でも出て行ってくれて構わない。伯爵家でも、浪費の激しい穀潰しを養うのは無理だ」
お父様も限界だったのね。
これ以上浪費を重ねるのなら、アーノルド様の為にも、お母様には出て行って貰わなければならないわ。
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