23 / 95
兄の優しさ
しおりを挟む
エレインを捨てに行ったあの日、シルベスはアマンダからキャサリンの娘は始末しろと言われていたのだ。
しかし一度は心から愛した女性との間に出来た我が子を、情は無くとも自身の手で屠る事は出来なかったのである。
その結果、完璧だと思われていた計画に、亀裂が入ってしまったのだ。
エレインが現れなければ、疑いの目を向けられていても、処罰を受ける事は無かった筈だとシルベスは考えていた。
始末しなかった事を悔やむ訳では無いのだが、何とかこの状況を覆す事は出来ないものかと頭を抱えていた。
エレインが多くの人目に晒されて、その存在を王家に知られているのだから、シルベスに打つ手は無いのだと言う事を認める訳にはいかないのである。
娘を誘拐して何処かへ捨てて来れば、行方不明となって娘のすり替えが無かった事になるのではと考えてしまったのだ。
そんな事をしても、キャサリンが黙って見過ごす筈がないのだと言うのにも気付かない程、正常な判断が出来なくなっていた。
エレインとマルゲリーターは双子であると国王が認め、シルベスの娘として公爵家に受け入れる様にと密書に書かれていたが、それで丸く収まった訳ではない事位想像が付くのだ。
ルーカスとエレインは帝国の皇族として認められたが、マルゲリーターは皇族として認められなかった事が、後に起こるであろう事態を連想させてしまうのである。
恐ろしくなり居ても経っても居られなくなったシルベスは、翌日早朝学園へ向かうルーカスの馬車を、密かに付けたのだった。
シルベスが付いて来る事を、ルーカスが想定しているとは考えもせず、フルール男爵家まで来たのである。
そこでシルベスは、キャサリンが産んだ嫡子であるエレインを見て愕然とした。
差し出したルーカスの手を取り、笑顔で馬車に乗り込む姿は、遠目からでもハッキリと分かる程キャサリンによく似ていたのだった。
「終わりだ…」
ルーカスの言う通り、誤魔化せる段階はとうに過ぎていた。
あそこまで似ているのならば、エレインを行方不明にしてから双子だなんてキャサリンの戯言だったと、言い訳をしたところで悪足掻きにしか取られないだろう。
下位貴族までが公爵家に下される沙汰を待っていると言われても、納得するしかなかったのだ。
ルーカスから侮蔑の眼差しを向けられていた事にも気付かずに、遠ざかって行く息子の馬車を眺めながら、何処にも逃げ場のない事を悟ったシルベスは項垂れた。
どうやって戻ったのかは、分からない。
馬が岐路を覚えていたのだろう、気が付くと公爵邸の目の前まで来ていた。
何とか呼吸を整え、覚悟を決めたシルベスは、事実をアマンダに告げたのだった。
「キャサリンの娘が、エレインと名乗って学園に通っていた。アルフレッド殿下は全ての婚約者としての義務を放棄され、議会では婚約を破棄する方向で話が進んでいる。恐らくだが、エレインがアルフレッド殿下の次の婚約者に選ばれるだろう」
シルベスの話しを聞いていたアマンダは、想像通り怒り狂った。
「冗談じゃないわ!どうして生かしたままでいたのよ!私はあの時、はっきり始末しろと言ったじゃない。こんな事になったのは、怖気付いたお前の所為よ!マルゲリーターが、可哀想だとは思わないの?あんなに殿下を慕っているのに、お迎えにも来てくれなくなるなんて。それだけではなく、婚約まで無くなると言うの?アルフレッド殿下は、あの女が産んだ娘を見てしまったから、心映りをしたんだわ。お前の様に!母娘揃って、何処まで私を苦しめたら気が済むのよ!」
口汚く罵って来るアマンダの頬を、気が付くとシルベスは平手打ちをしていた。
赤く腫れた頬を押さえ、驚きに目を見開くアマンダに、侮蔑の眼差しを向けている。
「好い加減にしてくれ!二言目には浮気だと罵るお前の方こそ、私にとっての疫病神だったのだ。お前が私を騙し、愛していた妻を虐め、幸せだった家庭を滅茶苦茶にしたのではないか!お前に罪悪感なんて持たなければ、今頃キャサリンとエレインとルーカスの四人で、何不自由なく暮らせていたのだ。私の全てを、お前たち母娘が破壊したのだぞ!どうやって責任を取るつもりだ」
お互いに、醜い責任の擦り付けをしたところで、王家を欺いた事実は覆せないのである。
時は早朝まで遡り、エレインは理事長に言われた次のゲームで、言葉遊びをしたいと考えていた。
【エレインが優位に立たない様、メッセージは理事長が決める事】
【メッセージを解き明かすヒントは、毎日の授業内容の中にさり気なく組み込む事】
【学年やクラスが違う事で、不利有利にならない様に配慮する事】
クラブ会員は、数多ある言葉の中に隠されたヒントを探し出し、メッセージを解き明かす事になる。
まるで地図を片手に、宝箱を探しに行くみたいだと、我ながら名案が浮かんだとエレインは思うのだった。
ルーカスが迎えに来て、馬車に乗り込む時、実父が傍に居るとも知らずに満面の笑みを携えて兄を見上げていた。
「ごきげんよう、お兄様。何時も迎えに来て下さり、ありがとうございます」
「ごきげんよう、エリー。兄として当然の義務だからな、遠慮はいらない」
仲良く馬車に乗り込み、理事長の意見が聞きたくて、早く学園に付かないかとそわそわしてしまう。
「お兄様。私、とっても面白い事を、思いついきましたのよ。理事長が認めて下さったら、きっと次のクラブ活動は、楽しいものになりますわ」
「それは楽しみだ。次のテストでは、必ず上位三名に入らなくてはいけないな」
「そうでしたわ。すっかり忘れておりました、テストで上位三名に入らなければ、クラブ活動に参加出来ないのですよね」
今しがたまで満面の笑みを浮かべていたと言うのに、今度は一変して不安な表情を見せたエレインを、ルーカスが愛おしそうに見つめていた。
「心配しなくても良い。僕が付いているのだから、次のテストでも必ず一位を取らせるから、安心しなさい」
自信に満ち溢れた兄の言葉に、エレインは尊敬の念を抱くのであった。
「お兄様は、ずっと一位なのですよね?何時も、どの様な学習をなさっているのですか」
「只管本を読んでいるだけで、特別変った事はしていない。僕は、他人より少し物覚えが良いらしい。一度見聞きした事は、忘れないだけだ」
益々尊敬の眼差しを向けて来るエレインに、ルーカスは思わず照れてしまった。
首を左右に振って、親友自慢を始めたのだ。
「たいした事では無い。アルフレッドの方が、僕よりもずっと頭の回転が速い。学園のテストでは僕の方が勝っているが、頭の良さでは彼には歯が立たない」
エレインは、アルフレッドとルーカスが、並外れた実力者である事を知っていた。
お互いに切磋琢磨しながら、生きて行ける幼馴染がいる事を、羨ましいと思っているのだ。
孤児院では、気を許して話し合える友達はいなかった。
子供たちは日々の糧を得る為に毎日身を粉にして働き、仲良く遊ぶ余裕など無かったのである。
特にエレインは最初の印象が悪かったので、子供たちから嫌われてしまった為、用が無ければ話しかけて来る子供はいなかったのだ。
男爵家へ引き取られた後は、茶会やパーティ等に参加する余裕は無く、友達を作れる環境にはいなかった。
寂しい記憶を思い出したエレインだったが、そっと甘える様に兄をみ見上げれば、ルーカスは愛情深い眼差しで見下ろしてくれる。
ルーカスの手を取り頭の上に乗せると、何も言わずに優しく撫でてくれるのだ。
たったこれだけの事だったが、エレインにとっては寂しい記憶も只の思い出となる、大切な触れ合いになっていた。
しかし一度は心から愛した女性との間に出来た我が子を、情は無くとも自身の手で屠る事は出来なかったのである。
その結果、完璧だと思われていた計画に、亀裂が入ってしまったのだ。
エレインが現れなければ、疑いの目を向けられていても、処罰を受ける事は無かった筈だとシルベスは考えていた。
始末しなかった事を悔やむ訳では無いのだが、何とかこの状況を覆す事は出来ないものかと頭を抱えていた。
エレインが多くの人目に晒されて、その存在を王家に知られているのだから、シルベスに打つ手は無いのだと言う事を認める訳にはいかないのである。
娘を誘拐して何処かへ捨てて来れば、行方不明となって娘のすり替えが無かった事になるのではと考えてしまったのだ。
そんな事をしても、キャサリンが黙って見過ごす筈がないのだと言うのにも気付かない程、正常な判断が出来なくなっていた。
エレインとマルゲリーターは双子であると国王が認め、シルベスの娘として公爵家に受け入れる様にと密書に書かれていたが、それで丸く収まった訳ではない事位想像が付くのだ。
ルーカスとエレインは帝国の皇族として認められたが、マルゲリーターは皇族として認められなかった事が、後に起こるであろう事態を連想させてしまうのである。
恐ろしくなり居ても経っても居られなくなったシルベスは、翌日早朝学園へ向かうルーカスの馬車を、密かに付けたのだった。
シルベスが付いて来る事を、ルーカスが想定しているとは考えもせず、フルール男爵家まで来たのである。
そこでシルベスは、キャサリンが産んだ嫡子であるエレインを見て愕然とした。
差し出したルーカスの手を取り、笑顔で馬車に乗り込む姿は、遠目からでもハッキリと分かる程キャサリンによく似ていたのだった。
「終わりだ…」
ルーカスの言う通り、誤魔化せる段階はとうに過ぎていた。
あそこまで似ているのならば、エレインを行方不明にしてから双子だなんてキャサリンの戯言だったと、言い訳をしたところで悪足掻きにしか取られないだろう。
下位貴族までが公爵家に下される沙汰を待っていると言われても、納得するしかなかったのだ。
ルーカスから侮蔑の眼差しを向けられていた事にも気付かずに、遠ざかって行く息子の馬車を眺めながら、何処にも逃げ場のない事を悟ったシルベスは項垂れた。
どうやって戻ったのかは、分からない。
馬が岐路を覚えていたのだろう、気が付くと公爵邸の目の前まで来ていた。
何とか呼吸を整え、覚悟を決めたシルベスは、事実をアマンダに告げたのだった。
「キャサリンの娘が、エレインと名乗って学園に通っていた。アルフレッド殿下は全ての婚約者としての義務を放棄され、議会では婚約を破棄する方向で話が進んでいる。恐らくだが、エレインがアルフレッド殿下の次の婚約者に選ばれるだろう」
シルベスの話しを聞いていたアマンダは、想像通り怒り狂った。
「冗談じゃないわ!どうして生かしたままでいたのよ!私はあの時、はっきり始末しろと言ったじゃない。こんな事になったのは、怖気付いたお前の所為よ!マルゲリーターが、可哀想だとは思わないの?あんなに殿下を慕っているのに、お迎えにも来てくれなくなるなんて。それだけではなく、婚約まで無くなると言うの?アルフレッド殿下は、あの女が産んだ娘を見てしまったから、心映りをしたんだわ。お前の様に!母娘揃って、何処まで私を苦しめたら気が済むのよ!」
口汚く罵って来るアマンダの頬を、気が付くとシルベスは平手打ちをしていた。
赤く腫れた頬を押さえ、驚きに目を見開くアマンダに、侮蔑の眼差しを向けている。
「好い加減にしてくれ!二言目には浮気だと罵るお前の方こそ、私にとっての疫病神だったのだ。お前が私を騙し、愛していた妻を虐め、幸せだった家庭を滅茶苦茶にしたのではないか!お前に罪悪感なんて持たなければ、今頃キャサリンとエレインとルーカスの四人で、何不自由なく暮らせていたのだ。私の全てを、お前たち母娘が破壊したのだぞ!どうやって責任を取るつもりだ」
お互いに、醜い責任の擦り付けをしたところで、王家を欺いた事実は覆せないのである。
時は早朝まで遡り、エレインは理事長に言われた次のゲームで、言葉遊びをしたいと考えていた。
【エレインが優位に立たない様、メッセージは理事長が決める事】
【メッセージを解き明かすヒントは、毎日の授業内容の中にさり気なく組み込む事】
【学年やクラスが違う事で、不利有利にならない様に配慮する事】
クラブ会員は、数多ある言葉の中に隠されたヒントを探し出し、メッセージを解き明かす事になる。
まるで地図を片手に、宝箱を探しに行くみたいだと、我ながら名案が浮かんだとエレインは思うのだった。
ルーカスが迎えに来て、馬車に乗り込む時、実父が傍に居るとも知らずに満面の笑みを携えて兄を見上げていた。
「ごきげんよう、お兄様。何時も迎えに来て下さり、ありがとうございます」
「ごきげんよう、エリー。兄として当然の義務だからな、遠慮はいらない」
仲良く馬車に乗り込み、理事長の意見が聞きたくて、早く学園に付かないかとそわそわしてしまう。
「お兄様。私、とっても面白い事を、思いついきましたのよ。理事長が認めて下さったら、きっと次のクラブ活動は、楽しいものになりますわ」
「それは楽しみだ。次のテストでは、必ず上位三名に入らなくてはいけないな」
「そうでしたわ。すっかり忘れておりました、テストで上位三名に入らなければ、クラブ活動に参加出来ないのですよね」
今しがたまで満面の笑みを浮かべていたと言うのに、今度は一変して不安な表情を見せたエレインを、ルーカスが愛おしそうに見つめていた。
「心配しなくても良い。僕が付いているのだから、次のテストでも必ず一位を取らせるから、安心しなさい」
自信に満ち溢れた兄の言葉に、エレインは尊敬の念を抱くのであった。
「お兄様は、ずっと一位なのですよね?何時も、どの様な学習をなさっているのですか」
「只管本を読んでいるだけで、特別変った事はしていない。僕は、他人より少し物覚えが良いらしい。一度見聞きした事は、忘れないだけだ」
益々尊敬の眼差しを向けて来るエレインに、ルーカスは思わず照れてしまった。
首を左右に振って、親友自慢を始めたのだ。
「たいした事では無い。アルフレッドの方が、僕よりもずっと頭の回転が速い。学園のテストでは僕の方が勝っているが、頭の良さでは彼には歯が立たない」
エレインは、アルフレッドとルーカスが、並外れた実力者である事を知っていた。
お互いに切磋琢磨しながら、生きて行ける幼馴染がいる事を、羨ましいと思っているのだ。
孤児院では、気を許して話し合える友達はいなかった。
子供たちは日々の糧を得る為に毎日身を粉にして働き、仲良く遊ぶ余裕など無かったのである。
特にエレインは最初の印象が悪かったので、子供たちから嫌われてしまった為、用が無ければ話しかけて来る子供はいなかったのだ。
男爵家へ引き取られた後は、茶会やパーティ等に参加する余裕は無く、友達を作れる環境にはいなかった。
寂しい記憶を思い出したエレインだったが、そっと甘える様に兄をみ見上げれば、ルーカスは愛情深い眼差しで見下ろしてくれる。
ルーカスの手を取り頭の上に乗せると、何も言わずに優しく撫でてくれるのだ。
たったこれだけの事だったが、エレインにとっては寂しい記憶も只の思い出となる、大切な触れ合いになっていた。
1,622
あなたにおすすめの小説
【完結】偽物と呼ばれた公爵令嬢は正真正銘の本物でした~私は不要とのことなのでこの国から出ていきます~
Na20
恋愛
私は孤児院からノスタルク公爵家に引き取られ養子となったが家族と認められることはなかった。
婚約者である王太子殿下からも蔑ろにされておりただただ良いように使われるだけの毎日。
そんな日々でも唯一の希望があった。
「必ず迎えに行く!」
大好きだった友達との約束だけが私の心の支えだった。だけどそれも八年も前の約束。
私はこれからも変わらない日々を送っていくのだろうと諦め始めていた。
そんな時にやってきた留学生が大好きだった友達に似ていて…
※設定はゆるいです
※小説家になろう様にも掲載しています
【完結】私を捨てた皆様、どうぞその選択を後悔なさってください 〜婚約破棄された令嬢の、遅すぎる謝罪はお断りです〜
くろねこ
恋愛
王太子の婚約者として尽くしてきた公爵令嬢エリシアは、ある日突然、身に覚えのない罪で断罪され婚約破棄を言い渡される。
味方だと思っていた家族も友人も、誰一人として彼女を庇わなかった。
――けれど、彼らは知らなかった。
彼女こそが国を支えていた“本当の功労者”だったことを。
すべてを失ったはずの令嬢が選んだのは、
復讐ではなく「関わらない」という選択。
だがその選択こそが、彼らにとって最も残酷な“ざまぁ”の始まりだった。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
婚約が白紙になりました。あとは自由に生きていきます~攻略対象たちの様子が何やらおかしいですが、悪役令嬢には無関係です~
Na20
恋愛
乙女ゲーム"この花束を君に"、通称『ハナキミ』の世界に転生してしまった。
しかも悪役令嬢に。
シナリオどおりヒロインをいじめて、断罪からのラスボス化なんてお断り!
私は自由に生きていきます。
※この作品は以前投稿した『空気にされた青の令嬢は、自由を志す』を加筆・修正したものになります。以前の作品は投稿始め次第、取り下げ予定です。
※改稿でき次第投稿するので、不定期更新になります。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
【完結】家族にサヨナラ。皆様ゴキゲンヨウ。
くま
恋愛
「すまない、アデライトを愛してしまった」
「ソフィア、私の事許してくれるわよね?」
いきなり婚約破棄をする婚約者と、それが当たり前だと言い張る姉。そしてその事を家族は姉達を責めない。
「病弱なアデライトに譲ってあげなさい」と……
私は昔から家族からは二番目扱いをされていた。いや、二番目どころでもなかった。私だって、兄や姉、妹達のように愛されたかった……だけど、いつも優先されるのは他のキョウダイばかり……我慢ばかりの毎日。
「マカロン家の長男であり次期当主のジェイコブをきちんと、敬い立てなさい」
「はい、お父様、お母様」
「長女のアデライトは体が弱いのですよ。ソフィア、貴女がきちんと長女の代わりに動くのですよ」
「……はい」
「妹のアメリーはまだ幼い。お前は我慢しなさい。下の子を面倒見るのは当然なのだから」
「はい、わかりました」
パーティー、私の誕生日、どれも私だけのなんてなかった。親はいつも私以外のキョウダイばかり、
兄も姉や妹ばかり構ってばかり。姉は病弱だからと言い私に八つ当たりするばかり。妹は我儘放題。
誰も私の言葉を聞いてくれない。
誰も私を見てくれない。
そして婚約者だったオスカー様もその一人だ。病弱な姉を守ってあげたいと婚約破棄してすぐに姉と婚約をした。家族は姉を祝福していた。私に一言も…慰めもせず。
ある日、熱にうなされ誰もお見舞いにきてくれなかった時、前世を思い出す。前世の私は家族と仲良くもしており、色々と明るい性格の持ち主さん。
「……なんか、馬鹿みたいだわ!」
もう、我慢もやめよう!家族の前で良い子になるのはもうやめる!
ふるゆわ設定です。
※家族という呪縛から解き放たれ自分自身を見つめ、好きな事を見つけだすソフィアを応援して下さい!
※ざまあ話とか読むのは好きだけど書くとなると難しいので…読者様が望むような結末に納得いかないかもしれません。🙇♀️でも頑張るます。それでもよければ、どうぞ!
追加文
番外編も現在進行中です。こちらはまた別な主人公です。
【完結】この運命を受け入れましょうか
なか
恋愛
「君のようは妃は必要ない。ここで廃妃を宣言する」
自らの夫であるルーク陛下の言葉。
それに対して、ヴィオラ・カトレアは余裕に満ちた微笑みで答える。
「承知しました。受け入れましょう」
ヴィオラにはもう、ルークへの愛など残ってすらいない。
彼女が王妃として支えてきた献身の中で、平民生まれのリアという女性に入れ込んだルーク。
みっともなく、情けない彼に対して恋情など抱く事すら不快だ。
だが聖女の素養を持つリアを、ルークは寵愛する。
そして貴族達も、莫大な益を生み出す聖女を妃に仕立てるため……ヴィオラへと無実の罪を被せた。
あっけなく信じるルークに呆れつつも、ヴィオラに不安はなかった。
これからの顛末も、打開策も全て知っているからだ。
前世の記憶を持ち、ここが物語の世界だと知るヴィオラは……悲運な運命を受け入れて彼らに意趣返す。
ふりかかる不幸を全て覆して、幸せな人生を歩むため。
◇◇◇◇◇
設定は甘め。
不安のない、さっくり読める物語を目指してます。
良ければ読んでくだされば、嬉しいです。
〈完結〉【書籍化&コミカライズ】悪妃は余暇を楽しむ
ごろごろみかん。
恋愛
「こちら、離縁届です。私と、離縁してくださいませ、陛下」
ある日、悪妃と名高いクレメンティーナが夫に渡したのは、離縁届だった。彼女はにっこりと笑って言う。
「先日、あなた方の真実の愛を拝見させていただきまして……有難いことに目が覚めましたわ。ですので、王妃、やめさせていただこうかと」
何せ、あれだけ見せつけてくれたのである。ショックついでに前世の記憶を取り戻して、千年の恋も瞬間冷凍された。
都合のいい女は本日で卒業。
今後は、余暇を楽しむとしましょう。
吹っ切れた悪妃は身辺整理を終えると早々に城を出て行ってしまった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる