【完結】すり替えられた公爵令嬢

鈴蘭

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理解して欲しい事

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 バーバラの元に、一通の手紙が届いていた。
 それは父である、ルタオー国王からの物である。
 手紙を読んだバーバラは顔を青褪めさせており、宮仕えたちは何が書かれてあったのか理解出来た。
 手紙の内容は、こうである。

 ロイズ国王の、生誕記念祝賀会への招待状が届いた。
 我が国からの代表の一人に、バーバラを招待したと記してある。
 賓客の中には、帝国からの重鎮もおるだろう。
 決して彼等を、閨へ誘うでない。
 其方は、我が国を背負って参加するのじゃ。
 肝に命じ、大人しくしていなさい。
 決して騒動を起こす事は許さない、言い付けを守らなかった場合は、命は無いと思え。
 ロイズ国王は、生誕祭の後で其方を引き取れと言っておるが、受け入れる気は無い。
 アルフレッド殿下が駄目だと言うのならば、オルターナ皇子がいるであろう。
 帝国との所縁を持つためにも、申し分のない相手、必ず婚姻を結ぶのじゃ。
 吉報を待っている。

 「私は、アルフレッド殿下の元へ、輿入れをしたのでは無かったの。ロイズ国王陛下まで、生誕祭の後で国へ帰る様にと仰っているの?それなのに、オルターナ皇子と婚姻を結ぶなんて、嫌ですわ。私は、王太子妃になって、オルターナ皇子を侍らすのよ」
 何故選ぶ権利があると思っているのか、バーバラはアルフレッドが言っていた言葉を、全く聞く気はなかった。
 ただ生誕祝賀会に参加する賓客に対し、閨へ誘った事が国王へ知られるのは、避けなければならないとは思うのだった。
 「他国での些末な事など、誰にも分かりませんわよ。ルタオー王国の代表者に、口止めしておけば宜しいのですもの」

 それから祝賀会が近付き、ロイズ国王を祝う為に各国の代表が集まって来たのだが、何故か今年は女性が多かった。
 男性もいたのだが、随分と歳を召しており、バーバラが閨に誘いたいと思う相手はいなかったのだ。
 彼女の与り知らぬところで、留学生としてバーバラ王女が貴賓館に滞在している事を、ロイズ王家が前以て知らせた結果なのである。
 決して、参加者に縛りを設けた訳ではなく、受け取った側の判断によるものなのだ。
 しかし、バーバラは都合よく解釈した様である。
 「女性ばかりが招待されるなど、ロイズ国王は何を考えておられるのかしら。今から若い側妃でも娶るつもりなの。まさかとは思うけれど、私を側妃にと考えているから、アルフレッド殿下との婚姻の邪魔をしているのかしら。きっと、そうなのだわ。他に理由が、思いつかないのですもの。なんと浅ましい男なの、お父様よりも少し歳が若いだけなのよ。親子程歳の離れた者が、私に選ばれる訳がないでしょうに。気持ちが悪いわ」
 完全な見当違いであると思った宮仕えは、問題が起こる前に訂正するべきだと考えた。
 「おひいさま。ロイズ国王陛下は、王妃陛下を大切にされておられるそうです。仲はとても睦まじく、若い頃に側妃を薦められた事もありましたが、全てお断りされた程だとか。今更新しく側妃を迎える事は無いかと存じます」
 「そうなの。でしたら、この状況を、お前はどう考えると言うのかしら」
 宮仕えは質問されるとは思っていなかったので、一瞬たじろいでしまったが、思っている事を正直に答えたのだった。
 「畏れながら…おひいさまが貴賓館に滞在されておられる事を、招待客の皆様にもお知らせしたのではないかと存じます」
 「それならば、尚更若い男が来るのではなくって。私が招待されているのですもの、美しい王女を、人目だけでもその目に焼き付けたいと思うでしょう。求婚して、閨を共にしたいと考えるのは、男ならば当然の事ではなくって」
 バーバラは、奔放な行動が他国でも悪評として広まっており、要注意人物だと敬遠されている事を知らないのだ。
 まだ純潔を守っていた当時は、ルタオー王国の王女は絶世の美女だと認知されており、婚約者がいても求婚して来る者が多かったのである。
 その当時の記憶のまま、噂が上書きされた事を知らずに、今でも引く手数多だと思い込んでいる。
 ルタオー王国では面と向かって王女へ盾突く者もいなく、他国へ出たのは今回が初めてなので、知らないのも当然なのかもしれない。
 それを分かっている宮仕えは、何も言うまいと思い、謝罪したのだ。
 「私が浅はかでございました」
 宮仕えは深く頭を下げるのだが、この対応が主を矯正出来ずにいる原因になっている事を、彼等も気付いてはいなかった。
 

 そんな不穏分子を抱えたまま、国王生誕祝賀会が行われる事になる。
 貴賓席には女性の代表が多かったが、招待された貴族家には、若い令息も沢山いたのだ。
 彼らは婚約者と何時も以上に親密な態度を取っており、決してバーバラに心を惑わされぬ様、警戒を怠らずにいる。
 エレインの足元にも及ばずとも、魅力的な女性である事に変わりはないのだ。
 失う物が大きい令息程しっかりと婚約者の肩を抱き、己を律する様に未来の伴侶へ愛を囁いている姿が、あちらこちらで見受けられる。
 それは若い夫婦も同じであり、こちらは夫が目移りしない様、妻がしっかりと目を光らせていた。
 いつも厳かな雰囲気で行われている国王への祝辞ではあるが、参加者の中には今年は少し違った空気が流れている様に感じている者も多い。
 バーバラはロイズ王国へ来て初めてのパーティでもある事から、目を輝かせて気に入る男がいないか、会場内を見回して物色していた。
 その様子を、王族席からアルフレッドが見ている事に、気付いてはいなかったのである。
 国王への祝辞が終わり両陛下のファーストダンスが始まる頃には、既に閨の相手を決めている様で、一人の男を目で追っているのが見て取れた。

 アルフレッドはそんなバーバラから視線を反らす事をせず、今年はファーストダンスの相手に帝国から来ていた賓客を誘っている。
 事前に頼んでいた事なので、誘われた女性も快く受け入れていた。
 もとよりダンスに興味の無いバーバラは、アルフレッドが近くにいた女性を誘った事に気付きもしなかった。

 「この度は、私の要望に承諾していただき、感謝致します」
 「こちらこそ、アルフレッド王太子殿下から、ダンスのお誘いを受けられ光栄ですわ。ファーストダンスに、自国の未婚女性をお誘いになると、後で面倒な事になりかねませんものね。心中お察しいたします」
 「本当はルーカスにドレスを着せて、ダンスの相手だけでもさせようと思っていたのですが、断られてしまいました」
 「あら。とても美しいご令嬢になりそうですわね。今度帝国へいらしたら、ドレスを着せてみようかしら。その前に、サイズを測っておかなくてはいけないわね。楽しみが出来たわ」
 優雅に笑う帝国からの賓客は、キャサリンの母でもあり、ルーカスとエレインの祖母である。
 孫に会いたいと、自ら希望して来ており、今は公爵邸に宿泊をしていた。
 帝国へ行った際、アルフレッドも何度か面会した事のある人物なのだ。
 王族たちのダンスが終わると、貴族たちがそれぞれのパートナーを伴ってホールの中央へと入って来る。
 バーバラは、気に入った令息の前に立ちはだかったが、彼は婚約者を携えていた。
 「お前に、私のパートナーになる栄誉をあたえますわ」
 一瞬周りにいた者たちが静まりかえったが、直ぐに違う声が掛かった。

 「バーバラ王女殿下。仲睦まじい婚約者同士のファーストダンスを、邪魔してはいけないね。こちらに来なさい」
 アルフレッドはダンスの相手を貴賓席へとエスコートした後で、急いでバーバラ王女の後を追いかけて来たのだ。
 「まあ。やっと私と、初夜を迎える気になりましたのね。構わなくってよ」
 バーバラは、喜んでアルフレッドに付いて来たので、ホール中央から遠ざける事に成功したのだった。
 「勘違いをしては困る。王女は、ルタオー王国の代表としてこの場にいる事を、お忘れなのか。行動には気を付ける様にと、言ったであろう」
 「忘れてはおりませんわ。何か問題でも?」
 「婚約者のいる令息を、閨に誘おうとしていただろう。それが愚かな行いだと、何故分からない。君は、国の代表として、参加している事を理解していないのか。ルタオー国王へは、君の愚行を報告するので、覚悟しておきなさい」
 バーバラはアルフレッドが手紙の内容を知っており、ルタオー国王から何か言われたのだと理解した。
 「貴方が、お相手をして下さらないから悪いのですわ。子供ではないと言うのに、何故そこまで私の邪魔をなさるの。誰にも迷惑などかけませんわ」
 「何故、迷惑を掛けていないと言い切れる。高位貴族の婚約には、家同士のしがらみもあるのだぞ。婚姻を邪魔する事は、王女が考えている以上に、大きな損失を出すのだ。たった一度の快楽の為に、犠牲になる者たちの気持ちを、君は考えた事はないのか」
 「あら。きちんと婚約者の心を掴んでおかない、愚かな女が悪いのでしょう。この私に触れる事は、とても名誉な事でしてよ。気に入れば、何度だって誘ってあげるのですから、損失などある筈がありませんのに。おかしな事を仰るのね」

 アルフレッドは、それ以上は何も言わずに、バーバラを貴賓館へと連れて来た。
 「あら。人前では酷い言葉を言っていたけれど、やはり私に魅了されていたのね。良くってよ、今までの無礼は許してさしあげますわ」
 アルフレッドは、バーバラの熱い眼差しには一切見向きもしないで、ルタオー王国の宮使えたちに向かって声を掛けた。
 「ルタオー王国から来た者たちは、今直ぐに荷物を纏めて帰国準備をする様に。これ以上バーバラ王女を、我が国に滞在させる事は、損失でしかない。ルタオー王国の代表者と共に帰国しなければ、我が国への密入国者として扱う事にする」
 流石に本気で追い出す事を考えているのだと理解し、バーバラは焦った。
 「アルフレッド殿下。私は二年間の留学で、ロイズ王国に来たのです。それを、今直ぐに帰国など、出来る筈がありませんわ。ルタオー陛下も、お許しくださいません。一国の王女を、路頭に迷わせるおつもりですか」
 「ならば、陛下からルタオー国王へ、君を引き取る様にと伝えて貰う。それまでは、大人しくしていなさい。今度不埒な真似をしたならば、問答無用で国内から追放する」
 バーバラは、ルタオー国王へ余計な報告をされては困ると思い、素直に従うしかなかった。
 
 「この国は、息が詰まりますわ。アルフレッド殿下は、見目は麗しい方ですけれど、性格は合いませんわね。お父様の言う通り、オルターナ皇子と婚姻を結んだ方が良いかもしれませんわ。こんな弱小国家で生活をするよりも、帝国へ行って皇宮で生活をした方が、余程私に相応しいとは思いませんこと。ルーカス皇子は、何故側近等に甘んじているのかしら」
 バーバラの独り言の様な問いかけに、答えられる者は誰もいなかった。
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