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どっちが苛められているのやら
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「なっ。いっ、今のは、偶々ではないか」
「そうですよぉ。何度も同じ手にぃ、掛かる筈ありませ~ん」
ニヤニヤしながら、ずぶ濡れになってガタガタ震えている私を見ている。
「ロイさまぁ~あたしぃ、本当に怖かったですぅ~」
何が怖かっただ、わざとらしい。
『殿下…見て…いました…よね?私は…ご存知の通り…魔法…は、使えません……力を尽くし…て、彼女を…噴水に落とそうとし…ましたが……それも出来ませんでした』
ガクガク震える身体を抑えて、何とか言葉に出した。
周りの生徒達も、固唾を飲んで見ている。
『彼女は風魔法…が使えます。……ならば、ご自分で…濡れたスカートを乾かす事も……出来た…筈。ですが私は…魔法は使えません………こんな真冬に水を被っても、乾かす事すら…出来ないのです…』
ここまで言って、私の顔色が悪くなって来た事もあり、自分の行いの酷さを自覚したのか王子はうろたえだした。
「あ…お、お前が、謝罪するのなら…直ぐに乾かしてやっても良い」
『殿下。周りを…見て下さい……私は…一人です。……そちらのご令嬢…の……周りには…守って下さる…方が…沢山いらっしゃるの…です……ね。そして、魔法も使えます。…虐められているのは…どちらでしょうか……』
「なっ。そ、それは…お前が権力でミーシャを…」
ピンクブロンドで、ピンク色の瞳をした庇護欲をそそる彼女は、うろたえる王子とは裏腹に笑顔を見せていた。
彼女の周りにはローザの婚約者である王子は勿論だけれど、その側近である令息達が四属性魔法を使えるミーシャを守るように囲んで、ずぶ濡れの私を睨みつけていた。
誰がどう見たって、権力を笠に虐められているのは、私だろう。
しかも、大衆の面前で、時期王妃になる令嬢を辱めたのだ。
将来国民を護らなければならない一国の王子が、やって良い事と悪い事の区別も付かないなんて、頭の中がどうかしているとしか思えない。
この子には申し訳ないけれど、こんな男と結婚したって幸せになんかなれないと、私は思った。
騒ぎを聞き付けた教師がやって来た。
「これは、一体何事ですか」
『殿下が…私に…免罪をかけて…水魔法を…使いました』
ローザなら絶対に告げ口なんてしないだろうと、大好きな婚約者を庇ってくれるだろうと思っていたのか、王子は慌てて言い訳をした。
「免罪では無い。ミーシャを池に付き落として、スカートが濡れたのだ。だから、嫌がらせを止める様にと…」
「スカートが濡れた?」
教師は持っていた杖で、震えが止まらない私を乾かしてくれた。
そして、ミーシャのスカートに杖を翳すと、魔法の残穢が浮き上がった。
「池に落ちたのではなく、水魔法の様ですね殿下」
教師の言葉に、やっぱりそうかと、私は思った。
「どういう事だ、ミーシャ。君は池に落ちたのでは無いのか?」
「え…こ、これは。ローザ様が…」
『魔法を…使えない私が…何なのでしょう、きちんと……説明を…』
私はここで意識が朦朧とし、倒れた様で…
その後、生死を彷徨う程の高熱を出し、2週間も寝込んでいたらしい。
この身体、軟弱過ぎではないの?
「そうですよぉ。何度も同じ手にぃ、掛かる筈ありませ~ん」
ニヤニヤしながら、ずぶ濡れになってガタガタ震えている私を見ている。
「ロイさまぁ~あたしぃ、本当に怖かったですぅ~」
何が怖かっただ、わざとらしい。
『殿下…見て…いました…よね?私は…ご存知の通り…魔法…は、使えません……力を尽くし…て、彼女を…噴水に落とそうとし…ましたが……それも出来ませんでした』
ガクガク震える身体を抑えて、何とか言葉に出した。
周りの生徒達も、固唾を飲んで見ている。
『彼女は風魔法…が使えます。……ならば、ご自分で…濡れたスカートを乾かす事も……出来た…筈。ですが私は…魔法は使えません………こんな真冬に水を被っても、乾かす事すら…出来ないのです…』
ここまで言って、私の顔色が悪くなって来た事もあり、自分の行いの酷さを自覚したのか王子はうろたえだした。
「あ…お、お前が、謝罪するのなら…直ぐに乾かしてやっても良い」
『殿下。周りを…見て下さい……私は…一人です。……そちらのご令嬢…の……周りには…守って下さる…方が…沢山いらっしゃるの…です……ね。そして、魔法も使えます。…虐められているのは…どちらでしょうか……』
「なっ。そ、それは…お前が権力でミーシャを…」
ピンクブロンドで、ピンク色の瞳をした庇護欲をそそる彼女は、うろたえる王子とは裏腹に笑顔を見せていた。
彼女の周りにはローザの婚約者である王子は勿論だけれど、その側近である令息達が四属性魔法を使えるミーシャを守るように囲んで、ずぶ濡れの私を睨みつけていた。
誰がどう見たって、権力を笠に虐められているのは、私だろう。
しかも、大衆の面前で、時期王妃になる令嬢を辱めたのだ。
将来国民を護らなければならない一国の王子が、やって良い事と悪い事の区別も付かないなんて、頭の中がどうかしているとしか思えない。
この子には申し訳ないけれど、こんな男と結婚したって幸せになんかなれないと、私は思った。
騒ぎを聞き付けた教師がやって来た。
「これは、一体何事ですか」
『殿下が…私に…免罪をかけて…水魔法を…使いました』
ローザなら絶対に告げ口なんてしないだろうと、大好きな婚約者を庇ってくれるだろうと思っていたのか、王子は慌てて言い訳をした。
「免罪では無い。ミーシャを池に付き落として、スカートが濡れたのだ。だから、嫌がらせを止める様にと…」
「スカートが濡れた?」
教師は持っていた杖で、震えが止まらない私を乾かしてくれた。
そして、ミーシャのスカートに杖を翳すと、魔法の残穢が浮き上がった。
「池に落ちたのではなく、水魔法の様ですね殿下」
教師の言葉に、やっぱりそうかと、私は思った。
「どういう事だ、ミーシャ。君は池に落ちたのでは無いのか?」
「え…こ、これは。ローザ様が…」
『魔法を…使えない私が…何なのでしょう、きちんと……説明を…』
私はここで意識が朦朧とし、倒れた様で…
その後、生死を彷徨う程の高熱を出し、2週間も寝込んでいたらしい。
この身体、軟弱過ぎではないの?
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